行ってみたところ、前情報の通り料金設定もわかりやすくまとめられており、店員も日本語で丁寧に対応していただき、これから仕立てに入るので最終入手まではまだ時間がかかるものの、とりあえず現地調達について目途が立ちました。
何気にオーダーメードスーツ作るのはこれが初めてです。あと採寸の時にふくらはぎを一回測られて寸法出した後、「すいません、もう一回」と言われ測りなおされました。というのも、自分の体型に比してふくらはぎが異常に太かったため、測り間違えたのではと思われたそうです。職業柄からわかるのか、「自転車に乗っているのですか?」と見抜かれていました。
採寸後は裏地などのデザインについてあれこれ打合せしたのですが、その際相手してくれた日本語使いの中国人店員さんに、「あの、変なことをお聞きしますけど……」と前振り打って、「なんで中国のヤクザはスーツ着ないんですか?」という問いをぶつけました。ぶつけた瞬間、店員さんも爆笑してました。
この話、次の月曜にJBpressで出す記事でも触れているのですが、日本のヤクザと中国人マフィアの最大の見た目の違いはスーツ着用の有無です。中国人マフィアはどちらかというと日本の下っ端ヤクザが切るようなド派手で威嚇するような服を着ることが多く、折り目正しくスーツを着ることは香港マフィアを除きほぼ皆無です。この点について同僚に「中国のヤクザはフォーマルじゃないよね(´・ω・)」といったらそこそこ受けてました。
話を戻すと、中国人店員さんによると確かに中国人マフィアはスーツを着ることはないそうです。というより、何故日本のヤクザはスーツを着るが伝統となっているのかが不思議だよねって話になっていきました。
そこまで面白い話は期待してなかったのですが、この店員さんからはいい情報を得られました。店員さんによると、昔の中国マフィアの大物は基本的に中国の伝統服を着ることが多く、実際に「青帮」の昔の写真なんか見るとそんな感じです。こうした中国の伝統服は色合いなど、中国の皇帝をイメージして黄色が使われることが多かったそうで、そうした皇帝権力をイメージさせるために伝統服を着ることが多く、それが現代の中国人マフィアにも受け継がれてスーツが定着していないのではと言われました。納得感のある説です。
もっともこの辺に関しては最初に書いたように、日本のヤクザがスーツを一般的に着用するのが変な伝統になっていると考えた方がいいかもしれません。この辺、一体いつからサラリーマン同様にスーツ着用がルール化したのかが気になるとともに、ヤクザが切るスーツに流行とかモードとかあるのかなと気になって仕方なくなってきました。
・ヤクザ業界の服装マナー「1年目は紺スーツに白シャツ」(NEWSポストセブン)
さすがにヤクザスーツの歴史については書かれてないものの、流行や、立場的に着るべきスタイルなどについて取材された上の記事が出てきました。靴はクラリーノだとか、やっぱ妙に細かいルールとかあるようです。
また楽天で検索かけたら上記の様にヤクザ向けなスーツもラインナップに入っています。こういうのを見ると、意外と日本のスーツ業界においてヤクザ向け消費需要はそこそこあるみたいです。
機能的には恐らく一番求められてくるのは派手さを含む見た目でしょうが、防刃、防弾性能とかも求められてないのかが気になります。っていうかオーダーメードの際に具体的にどんな要求するのか、取材してみたいです。やっぱ「戦いやすい奴で!」とか言われるのだろうか。
このように妄想を膨らませていたところ、ヤクザスーツのファッションショーとかないのかとまた変に気になってきました。やるとしたら名前は「東京ヤクザコレクション」とかになって、「威厳のある親分」、「頼りいなる若頭」、「仕事のできるインテリヤクザ」、「愛嬌だけで乗り切る下っ端」みたいな各キャラクターに合わせたスーツをモデルが着こなして出てきたりするのだろうかなどといろいろ気になります。ゲストには舘ひろし氏あたりが呼ばれるのだろうか。
もっともこのご時世だからこんなイベント開けないに決まっているものの、ネタ的な意味で誰かやってみて、モデルもいかついプロレスラーとかが演じたら盛り上がるような気がします。また同時開催として、「東京サラリーマンコレクション」というイベントもやって、「仕事のできない若社長」、「パワハラ癖のある部長」、「異動寸前の課長」、「将来に不安を感じている新人」、「他社のスパイの係長」みたいなキャラクターでスーツを出すイベントとかあったら、自分も見に行きたいです。