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2022年4月3日日曜日

運動不足で足の裏が痛い

 相変わらず隔離中なので今日は朝からJBpress記事書いて、昼寝してたら自治会の人が抗原検査キット持ってきたため起こされました。5時に回収に来るからというので検査して(もちろん陰性)待つも来ず、This is 中国状態で記事書いています。

 それで本題ですが、このところ椅子で座っている最中に足の裏、具体的にはかかと付近が妙にかゆかったり、しびれのような痛みを感じることが多くなっていました。夜にシャワー浴びたあとなんかより顕著で、まるで虫に刺されたかのようにピリピリとしたかゆみが走り、なんやろうとこのところ思っていました。
 一時的なものだったらともかくそこそこ長く続ていることから、運動不足による血行不良ではないかとそろそろ思い始め、そういえば自演にダイソーで足踏み用のイボイボついたプラスチックの踏み板勝っていたのを思い出し、ちょうどいい機会だからと思って取り出して踏んでみました。そしたら、やばいくらい痛くて腰砕けになりました

 痛む箇所はやはりかかと付近で、見た目的には外傷はなく、やはり足裏そのものの血行不良か、内臓が弱っているのではないかと思います。思えばこの2週間くらい、通勤は全くせずに家の中で寝て起きてキーボード叩くだけの毎日であり、不健康になって当然です。ちょっとやばいと感じるくらいの痛みだったので、今日から筋トレメニューを入れて室内で運動することにしました。隔離マジやべぇ。

 やっぱマグロも人間も、常に動いていないと駄目なんだなぁ。

2022年4月2日土曜日

外出しないと暇

 今日は土曜ですが中国の清明節という祝日が火曜にあり、無理やり連休化するため今日土曜は出勤日となり、その代わり月曜が休みとなって日月火の三連休となります。といっても、この三連休は上海はほぼ全市内でロックダウンとなるから、誰が得するんだかとか思います。

 先週土曜は隔離が解禁されて外出したり出来ましたが、仕事のあった今日はともかく明日は日曜ですが上記の通り隔離中のため、一切外出はできません。前と違って、団地内を歩くことも禁止されており、ごみは玄関前に生ごみと一般ごみを分けて出すように言われています。
 元から自転車に乗る以外はそんな頻繁に外出することはなく、旅行とかもあんま行かないインドアなタイプであったことから、買い物が不便と感じる以外にはそれほどストレスは感じません。しかし、その買い物にすら外出が出来ず、その間ずっと家で過ごすようになってみると割と時間が余ってきます。

 買い物に行くスーパーが自転車で約20分の所にあり、またいつも買い物と一緒に昼食もスーパー近くで外食していたため、1回の買い物で大体2~3時間は外を出歩くというような計算になります。これにプラモ屋が加わるとさらに2時間くらい追加みたいな感じで、最大で5時間、隔離に自宅滞在時間が増えているという風に計算されます。
 5時間ともなるとぶっ続けでゲームするとさすがにふらつく時間であり、そりゃ確かにこんだけあれば自宅で暇を持て余すのも不思議じゃないです。また今手元にあんまはまっているゲームもなく、前買った「廃深」というホラーゲームも操作性悪い上に怖くないためすぐやめちゃったし、やや娯楽に欠けてきている実感があります。

 その結果というか、仕事に向かう時間が増えています。毎年この時期の繁忙期は土日もよく仕事していますが、去年と比べても今年の稼働率は高く、やっぱ人間を仕事に向かわせるには缶詰にして娯楽から断つことなんだなとつくづく感じます。一昨日に至っては、ずっとキーボード叩いていたせいか前腕が肘から上に痛みで上がらなくなりました。すぐ治ったけど。
 一応明日から3連休で、また現況は阪神とは違って比較的いい感じで推移して生きているので、明日は1日オフにしようかと思っています。とはいえ、JBpressの原稿を書くんだけどさ。でもって明後日、明明後日はまた普通に自宅で仕事しているでしょう。

 なお、自分の所属チームの中で土日も働く働きアリは自分一人です。他の同僚からしたら、休日の間に仕事を処理してくれている靴屋の妖精みたいなポジションになっているのでは俺はと思うことがあり、最近靴屋の妖精はワーカーホリックか、ブラック企業で働かされているかのどっちかだったのではないかと変な同情心を覚えるとともに、身近に感じるようになってきました。

2022年4月1日金曜日

たわわちゃん


 上の記事見て、「ロシアのエイプリルフールは気合入ってんな―」と思いました。まぁ嘘ばっかついているロシアのことだから十中八九自作自演でしょう。仮に実際にウクライナがロシア領内に攻撃ていたとしても、最初に他国の領土に攻撃仕掛けてきたのはロシアなんだから非難するいわれなんてないですし。
 見方を変えると、こんな不合理なことまで言い出すあたり、相当ロシアは追い詰められているのだとも読み取れます。戦況が余裕ならこんなこと言いだすことはまずないだけに、本気でこの後どうなるんだか。


 話は本題ですが、上の記事見て「おいおい、誰に断って京都タワーに関する記事書いてんだよ」などと妙なことを言いながら貪るように読んでました。京都タワーについてはかなり前にもこのブログで書いた気がしますが、一応京都のランドマークとして建てられたものの、京都市民からは全く人気がなく、むしろ修学旅行生向けの食堂やお土産屋として存在している妙な建物です。
 あと地味に銭湯もあったけど、こっちは去年6月末に閉鎖してしまいました(´;ω;`)ウッ…

 そんな京都タワー、上にも書いた通りに地元京都市民からは嫌われていて、というのも「京都に相応しくない」、「造形が意味不明」のほか、記事にも書かれている通り「東寺より高い」という京都の不文律を破った存在として本当に嫌われています。どれくらい嫌われているのか記事より引用すると、

「京都の街は京都タワーから見るのが良い」

 かつてはそんな物言いがあったと年長の友人に教わった。京都タワーからなら京都の街が一望できるからかと思いきや、そうではないらしい。そのココロは、「京都タワーから京都を眺めるのであれば、京都タワーが目に入らないから」だというのだ。
 
 実際これはマジで言われています。
 ただ、関西地域から京都駅降りるときはそんな感じませんが、東京など遠隔地から新幹線で京都駅におり、京都タワーを見ると「ああ、京都に帰ってきたな」という感覚が一気にします。自分が根っからの京都人じゃないせいかもしれませんが、そうした感慨があるのと、地味にお店が結構便利なのが揃っているので、昔も今も私は京都タワーが好きです。

 まぁ奈良といい松戸といい、好き勝手にディスれる対象が好きってのもあるでしょうが。好き勝手ディスれる代表格といったら埼玉県ですが、自分は千葉出身なだけあってやや埼玉に敵愾心があるため、逆に埼玉をディスることはあんましないです。

 話は京都タワーに戻りますが、京都タワーにはマスコットキャラとして「たわわちゃん」がいます。
 なお先日、最近漫画で「月曜日のたわわ」を読んでいると書きましたが、最初この漫画の存在とタイトルを知った時、「えっ、あの京都タワーのたわわちゃんがコミカライズされたの!?」とガチで間違えました。実際は全然内容違うし。

 私自身、京都タワーは割と好感を持っているものの、これまでたわわちゃんに関してはせんとくんと違って中途半端なゆるキャラだなと思い(あっちはキモキャラだが)、そんなに評価はしていませんでした。しかしかつては最低2年に1回は京都を訪れてたのに、コロナ以降は一切京都に足を踏み入れていないこともあってか、沖田艦長並に京都のすべてが懐かしい状態となっており、京都タワーの報道を見るにつけ、「たわわちゃんは元気してるだろうか。矢野みたく、戦力外追放受けないだろうか」などと心配もするようになってきていました。
 まぁ矢野も中途半端な戦力で可哀想だと思うが。今日で七連敗だし。

 やはり京都タワー自体が自分にとってどこか、京都から離れ、再びやってきた際の象徴的存在でもあることから、このところ距離が離れていることが影響してか京都タワー、もといたわわちゃんにも郷愁を感じるようになっているのかもしれません。またこれまで若干馬鹿にしてみてきていたこともあり、なんか申し訳ないという気持ちも芽生えてきました。
 そういうわけで、次に京都を訪れるとしたらいの一番に京都タワーを訪れ、たわわちゃんのぬいぐるみとか大量に買っておきたいなと何故か思うようになりました。やっぱり京都市民から嫌われてて不憫に思うところもあり、なんか無駄に倍プッシュしてあげたいです。

 このように変に同情するなど、やっぱ自分は無駄に弱者の側につこうとするところがあると感じます。まぁその分、強者の側では見れない楽しさを見れているとは思いますが。

2022年3月30日水曜日

ロックダウン前で品切れが目立つ上海のコンビニ

すっからかんなローソンの棚

 上海市では現在、街を浦東と浦西、ちょうどど真ん中で東西に分けてのロックダウン真っ最中です。今週初めから浦東、つまり空港が海に近い東側でロックダウンが行われ、明後日4/1未明より入れ替わりで自分の住んでいる西側(浦西)でもロックダウンが始まります。

 先週までの団地封鎖は直前に発表されてそのまま実施に移され、当初は2、3日だけという説明だったのにズルズルと引き延ばされて結局10日間も封鎖され続けました。そのせいで後半は自宅の食糧が尽きてリアルで焦る思いしました。それに比べると今回はちゃんと予告があり、日程も延びるかもしれませんが4/1から4/5までの4日間だと伝えられているため、前よりかはまだ準備期間もあったためまだ余裕が持てます。運動不足はさらにたたりそうですが。

あれっと思うくらいなかった

 昨日の記事にも書きましたが、次の明後日からのロックダウンに備えて自分は昨日にスーパーへ買い出しに行っておきました。翌日に当たる今日はまた朝から夕方までひたすら自宅でリモートワークして、あまりの激務ぶりに今日初めて社内の人間に対して「てめぇ次あったら殺すぞ!」と口にするなど、後ろで野手にエラーされたピッチャーの如く激しく吠えていましたが、仕事終えた後はやや備蓄が少なくなっている食パンだけでも補給しておこうとコンビニへ買い物に出かけました。
 いった先は近くのローソンなのですが、ロックダウン直前ということもあり、上の二枚の写真のように棚からは商品が本当になくなっていました。パンの棚もすっからかんで菓子パンが本当にちょっとだけ残っている状態だったため、今度はファミマに行くことにしました

春の超熟祭り

 近くのファミマは大体7時ごろに商品が供給されるのでちょっと期待を込めていったところ、ロックダウン前に需要が高まると踏んでいたのか、こっちはたくさんパンが仕入れられており、目当ての食パンも無事に買うことが出来ました。
 なお自分は中国では、食パンは絶対焼かずに生で食べるという妙なマイルールを課しており、未だにこれを続けています。留学時代に寮にトースターなかったのがきっかけですが、何故こんなことを未だ続けているのか自分でも不思議です。なお電子レンジも今の部屋にはなく、部屋で食品を暖めることないです。

即席めんは売り切れ

 話を戻すと、ファミマはパン類は充実してましたが、即席めんは上の写真の様にすっからかんでした。逆を言えば、残っている即席めんは人気のない味なんでしょう。
 やはり保存がきくこともあってか、ここにきて即席めんが昨日言ったスーパーでも欠品が目立つなど人気急上昇中です。自分も一応買ってありますが、どちらかというとうどんとかそばのが好き、っていうか中国の即席めんはあんま味を改良しておらず、古い銘柄がずっと売られ続けているためおいしくなくてあまり好きじゃないです。

 以上の様にロックダウン前の上海はこんな具合であちこちで流通がおかしくなっている感じです。

 なお今回このような事態になって思い出したのは、2011年の311の後、確か週刊文春のコラムで誰か書いていましたが、

「地震後にあちこちで食品を始め欠品が相次いだことについて政治家などが、買いだめする人間がいてけしからんなどと批判していたけど、実際にはみんな普段より、1割程度多めに買っていただけなのでは。ただその1割でも普段より需要が増すとこのように欠品が相次ぐのでは」

 という内容のコラムを思い出しました。私も内心、当時の欠品背景は上記の指摘の通りで、ごく少数の人間の買いだめなんかより大半の人間が気持ちちょっとだけ多めに買うだけでも、このように市場から商品というのはすぐなくなるのではないかと思います。今の上海もある意味そんな感じというか、みんな一斉に買うからこうなっただけで、逆を言えば日常を維持し続けるというのは流通維持方面におけるリスクマネジメント的にも重要なんだなと思います。

2022年3月29日火曜日

高騰する生鮮品

 今日も朝から仕事に追われる毎日で、マジで今期は10万元くらいのボーナスもらったっていいんじゃないかと思うくらい働かされてます。円安進んでるから今の10万元はかなりでかいし。
 でかいと言えば最近「月曜日のたわわ」という漫画を読み始めて、中国でも知名度あるのかなと検索したら中国でのタイトルは「星期一(=月曜)的豊満」という露骨な訳でした。

 話は本題ですが、今のところは出入り自由で吉良邸にも討ち入りかけられる状態ですが、また4/1からは上海の西半分、自分の住んでるエリアはロックダウンされて出られなくなるため、ギリギリだと恐らく殺到するだろうから今日夕方に仕事を終えた後、最後の補給とばかりに日系スーパー(アピタ)へ買い出しに行きました。今日の時点でもやはりというか人が多く、また売場には入場制限がかけられて、入場するまでに30分くらい列に並んで待ちました。

 やっとこさ入ったところ、商品はあちこちで欠品が目立ち、特に野菜などの生鮮食品はあるものの方が少ない状態でした。バナナに至っては置いてあるものの、普段は20元(約380円)くらいなのに安くても35元(約680円)とえらく高騰していました。肉類も中国で消費の激しい豚肉はほとんど売り切れており、牛肉はまだアピタが比較的取り扱いが豊富なためまだたくさんありましたが、地味に驚いたのは米国産牛肉も置かれてありました。
 ガチな話、中国で米国産牛肉をスーパーで見るのはこれが初めてです。どういう経緯で置かれるようになったのかは測りかねますが、やはりいつもと違う感じがします。あ、あとウインナーも売り切れてた。

 肉類などもやはり値段が高騰しており、自分の感覚では大体30%くらい価格が普段より高いように思えます。このほか保存のきく食品ほど売れているのか欠品しており、自分も乾麺をある程度ストックさせていますが、商品棚に置かれているストックが切れかけており、封鎖ギリギリ前に来ていたら本当にもうなくなっていたのではないかと思えるだけに、今日思い切って買いに来てよかったという気がします。残業せずほっぽって来たから明日また頑張んないといけないんだけど。

 あとこの前の土日は自転車漕いでて、運動不足から吐き気がしましたが、今日は吐き気はしなかったもののやばいくらい息が切れて、なんか喉に今も違和感あります。たかが通勤とはいえ、毎日歩くか歩かないかでこうも体力に差が出るものかと驚くとともに、隔離明けして仕事が一段落したら本気で身体鍛えないとと考えています。
 もっとも行きは向かい風だったために余計に息が切れて、帰りは逆に追い風だったため快調に飛ばせて帰れました。なお帰宅途中、電動バイクに追い抜かれざま、さっと言われたのできちんと聞き取れなかったのですが多分、「お前自転車漕ぐの速いな」みたいなことを言われました。実際追い風だとめちゃ速い。

2022年3月28日月曜日

平頼盛は何故マイナーなのか?

 土曜に小区が封鎖解除されていろいろ買い物出来て、なんかうれしくて色々食べてたら日曜に下痢しました。それでもうれしい。
 でもまた次の週末から自分の住んでるところは今度はガチなロックダウンされる予定です。川の向こう側の浦東は予告なしで今日からロックダウンなのでまだ恵まれていますが、今度はしっかり備蓄して対策打っとこうかと思います。っていうかロックダウンを理由に仕事休みたい(ヽ´ω‘)


 そういうわけで今日配信の自分の記事ですが、これは2017年にこのブログに書いた自分の記事の焼き直しです。なんで焼き直ししたかというと、土日も毎日普通に働くほど取材する時間がないに尽きます。ガチで今日、半ギレ気味に上司に「あと5人よこせ」と言うほど忙しいです。
 そんな状況だからハナから取材はあきらめ既存記事を使いなおそうと思って歴史記事を検索して過去記事を見つけたのですが、読み直して「こんな奴おったんや(´・ω・)」と、自分の記事を見返すまで今回の主役である平頼盛の存在のことを完全に忘れていました。記憶力に定評のある自分ですが、本気でひとかけらも記憶に残ってなかったのでマジビビりました。

 ただこれは私だけではなく、恐らくほとんどの人に当てはまるのではないかと思います。ヤフコメの反応見てても、こんな人物がいたなんて知らなかったなどというコメントが入っていますし、私自身も歴史通で名を馳せますが、前回調べた時にも全く知りませんでしたし、今回改めて調べなおすまで完全に存在を忘れていました。逆を言えば、それくらいこの平頼盛は影が薄い存在であるように思えます。

 記事中にも書いている通り、頼盛自身は清盛の弟で、異母兄弟であるからやや嫌われて、最終的には平家の中枢ぶ賞でありながら源氏に与して天寿を全うするなどドラマ性のあるキャラクターです。にもかかわらずここまで知名度低いのはかなり特殊であるように思え、改めてその背景について少し考えてみました。

 まず一番の理由としては、平家武将であることが大きいでしょう。どうも平家だと清盛とその長男の重盛以外はあまり取り上げられず、平宗盛といってもどういう人物かパッとわかる人は少ないと思います。
 なお今回の記事、「~盛」という人物名がやたら多く、「清盛と頼盛は同じ忠盛の元で生まれた異母兄弟」みたいに名前を並べると見ていて非常に読み辛くなるため、なるべくお互いの名前を離し合うように気を付けています。また「頼盛は父・忠盛の~」などの様に続柄も随所に入れる工夫をしており、意外と簡単そうに見えて真似して書くにはかなり難しい記事だったりします。

 話を戻すと、源氏方と比べると平家の武将はあまり取り上げられない傾向にあり、また基本やられ役ばかりなため、どうもあんまり表に出されず、マイナー化している気がします。
 また頼盛の場合、最終的に平家と袂を分かって生き残ったというのも拍車をかけているでしょう。というのも平家物語を筆頭に「もののあわれ」こと滅びの美学の代表の如く平家は扱われています。そんな平家において、最終的に敗死しなかった頼盛は上記の美学範疇からも外れることとなり、この辺でも取り上げられない理由になっている気がします。

 あともう一つ付け加えるとしたら、上に書いたように平家だと「~盛」という名前が多すぎるのも一因かもしれません。このせいで非常に区別し辛いし。かえって「平中納言」みたく官職などをつけて区別した方が、後の時代に伝承する上では有利かもしれません。

 そういうわけでまた次の週末は忙しい本業の合間に記事書かないといけません。何か中国ネタとかでリクエストあれば受け付けるので聞きたいことあったらコメント書いてください。マジで。

2022年3月27日日曜日

鶏肋と化したウクライナ


 上の写真は今日の晩飯に食べた鳥のあばら骨付近の肉です。元はビニールで包装され、調理済みながら鳥をそのまま開いたような割と露骨な姿でしたが、さすがにそのままだと食べづらいので包丁で切り分けて皿に盛り食べました。こういう料理は普段は食べないのですが、ガチ封鎖期間に大家からもらったこともあり、お湯で温めて食べましたがおいしかったです。

 さてこの食べ物ですが上記の通り鳥のあばら骨肉、敢えて言うなら鶏肋(けいろく)です。この鶏肋は三国志に出てくる有名な単語で、多分三国志において最も有名な料理の一つでしょう。といっても、このほか出てくる料理といったら劉安の人肉料理くらいですが。

鶏肋(Wikipedia)

 詳しくは上のWikipediaにも書かれていますが、この鶏肋という言葉は建国されたばかりの劉備率いる蜀漢が、漢中という地域で曹操の魏国と国境が接し、激突した漢中の戦いにおける故事成語です。内容はというと、ちょうど全盛期を迎えていた蜀漢相手に魏は敗戦が続いていたところ、何の気なしに曹操は陣中「鶏肋」とつぶやいたところ、近くにいた楊修という人物が、「鶏肋は不味くはないけど食べるところが少ない料理で、負け続きの漢中のことを例えたに違いない」と判断して、曹操の真意を「撤退」と読んだエピソードが元になっています。
 もっともこうした曹操の無意識を勝手に読み取って撤退準備を始めたことに当の曹操は楊修のことを薄ら気味悪く感じ、その他の理由もありましたが処刑してしまいます。どっちかっていうと、「才は才に滅ぶ」の意味合いも含まれているような気もします。

 話は戻しますが、まさにその鶏肋をこうして食べていて、ちょうど今のウクライナがロシアにとって鶏肋となりつつあるなと感じたわけです。
 ロシアからすれば、ウクライナは国境が接しており、旧ソ連時代の重工業を担った工場群があり、何よりも黒海に面すという地理的条件から、鶏肋同様に「うまみのある」地域です。しかし先月に攻め入って以降、当初の作戦目標を達成することができず、進撃も止まり、むしろ追い返されてきている有様です。

 自分は軍事の素人ですが、この戦い、もはや万に一つもロシアに勝ち目はないでしょう。今日の報道によるとロシア軍7人目の将官が死亡したとされ、ただでさえ弱り目の指揮能力が今後さらに減っていき、さらに将官が前線に出ざるを得ず、死亡リスクも高まることは必至です。また開戦当初から戦闘機や戦車などの主力兵器が冷戦終結以降としてはあり得ないほど撃墜されており、ミサイルに関しても誘導性能を持つものはあらかた打ち尽くしているように見えます。こうした兵器は必要だからと言ってすぐ補給できるものではなく、戦前に備蓄していた量に限定されるだけに、開戦当初の突破力はもう得られないとみて間違いありません。
 それどころか、ロシア軍は食料や弾薬にすら補給が滞っていると言われます。経済制裁と中国への米国による釘差しもあり、この辺の補給は今後もロシアは得られない一方、ウクライナ側は西側諸国より無限に近い補給を受け続けています。どうもポーランドの自分も大好きなミグ29のウクライナへの供与に米国も同意したと報じられていますが、仮に事実だとしたら今後さらに強力な兵器がウクライナ側に回され、反撃力を高めていくことでしょう。

 一言で言えば、ロシアはこれから物資がさらに滞るのに対し、ウクライナは補給を受け続けられるため、現時点で致命的な打撃を与えきれていないロシアが勝とうっていうのなら、それこそ核でも使わないともう無理な状態にあると自分は見ています。また報道によるとロシア軍はキエフ向け兵力を割り引いてまだ戦況のいいウクライナ東部に集中させようとしているとのことですが、内心これも悪手である気がします。集中させるならキエフの方であり、キエフさえ落とせばまだその後の交渉に活かせますが、東部諸都市をいくら落としても長期的にはウクライナ側に奪還される可能性が高いと自分は見ています。

 以上のような戦況分析から、ロシアにとって今のウクライナは上記故事成語にある鶏肋そのものであるように自分は感じました。今後、ロシアがどれだけ粘っても失い物が増え続けるだけで得られるものはほぼ皆無に近く、撤退が早ければ早いほど有利となるものの、曹操のような損切りはプーチンには恐らくできないでしょう。
 今思えば、初回の停戦交渉こそがプーチンが政権を維持する上で最後のチャンスだったかもしれません。あの交渉で全軍完全撤退の代わりに各国の経済制裁中断を条件として得ていれば、まだワンチャン政権を維持できた可能性があった気がします。しかし今ここで撤退しても、ロシアに対する経済制裁は今後数年は続くでしょうし、政権崩壊にも至る大敗北にもなれば、戦犯の処刑、高額な賠償金、ウクライナ東部自治州放棄、所有兵器の制限などの条件が付いてくるでしょう。正直言って、今やウクライナの方が停戦交渉においてロシアが差し出すものを選べるイニシアチブがあるようにすら見えます。

 自分は、名将というのは戦争に勝つ指揮官ではなく、負ける戦を最小限の損害にとどめる指揮官だと思います。上記の曹操も実は結構敗北していますが、どの敗北も致命的な打撃に至る前に切り上げており、結果的にしぶとく生き残って天下をほぼ手中に握るに至りました。日本でも織田信長なんかまさに同じ例で、彼も所々で敗北を繰り返しているものの、大負けする前に撤退や講和に持ち込んでビッグになってます。言うなれば、勝つ指揮官より負けない指揮官の方が強いでしょう。

 先ほども書いた通り、今回の戦でロシアは20人いる将官のうち7人が亡くなっているとされます。これ以下の佐官や尉官級の指揮官ともなれば、その被害はもっと膨大である可能性があります。兵器面での損害もさることながら軍事系人材のこれほどの喪失ぶりを考えると、ロシアが開戦前の戦力を取り戻すにはこれから10年、下手すりゃ20年くらいの年月が必要になるのではとすら思います。兵員の喪失も、既にアフガニスタン侵攻時を上回っているとも聞きますし。

 また今回の開戦をきっかけに、旧ソ連領内の東欧諸国の協力関係は空前なほどに強まっています。下手すれば戦後はNATOとは別に、ジョージア、バルト三国、ポーランド、ウクライナなどを中心に、対ロシア軍事同盟が作られるかもしれません。これならNATOじゃないんだからウクライナも入れるし、NATOに入っている国もしれっとその軍事同盟に入れておけばいろいろ楽しそうです。

 また長く書きましたが、言いたいことを書くと今のロシアはもはや鶏肋状態にあるのと、もはや戦後秩序をどのように組むかと考えるような状況にも入ってきたのではないかというのが自分の見方です。日本にとって一番望ましいのは、国連においてロシアを常任理事国から追放するということだと思え、こうなるようにもう動くべきタイミングじゃないかと思います。