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2022年12月5日月曜日

何も緩和されちゃいない

引くに引けないゼロコロナ、擁護派さえも懸念する中国経済の大失速(JBpress)

 というわけで今日出た自分の記事ですが、中国経済の減速ネタなだけにアクセスは悪くないものの、このネタでアクセス取れない方がおかしいので自分としてはそんな大した記事を出した感じはしません。それでもこのネタを出したのはみんなデモの話ばっかしていて具体的にいつゼロコロナが終わるのか、っていうかゼロコロナが終わらなければ中国はマジやばいことになるという指摘が少ないと感じたので、使命感に駆られて書くこととしました。

 内容としてはこの前にこのブログで書いた内容とほとんど被っています。ただブログ記事とは違って、習近平の取り巻きの経済手腕の不安については触れず、企業と受注流出、そして不動産業界の不穏な動きに限定して取り上げることとしました。真面目にグローバル再編が今あちこちで動いているから、中国としては笑ってられないと思うんだけど。

 そうした自分の記事の話は切り上げて、今日になって各メディアで「中国がゼロコロナを緩和」といった報道が相次いでなされていますが、結論から言うと上海市に限れば誤報もいいところでしょう。各報道で健康証明なしに地下鉄などに乗れるようになったと書かれてありますが、実際には「场所吗(場所コード)」の提示が求められなくなった代わりに「健康コード」の提示を地下鉄で求められるようになり、結局乗るためスマホ操作してコード提示する手間は変わりません。
 また商業ビルや飲食店などに入る際には従来通り場所コードの提示が要求され、結局このコード提示のためには72時間以内にPCR検査を受け続けなければならないだけに、正直前と何も変わっていない、むしろ変わったところあるなら答えてみろよとか言いたいです。

 何がおかしいかってこんなの上海現地にいたら誰でもわかることなのに、ほとんどのメディアが「上海で規制緩和」と馬鹿みたく報じている点でしょう。実質的には朝三暮四もいい内容なのに現地の記者らは何を考えてこんな報道を出したのか、理解に苦しむを通り越して日本の将来に懸念を覚えるほどです。

 北京や広州の緩和状況は分かりませんが、話に聞く限りだと上述のように一つが緩和されても別の規制が残っているため結局同じ制限を受けるって話を耳にします。っていうか中国政府が緩和することは少なくとも次の春節が終わるまではまずありえないと思え、そうした視点に欠けた報道が多いことに暗澹な気持ちにさせられます。

2022年12月4日日曜日

自己主張の激しいUSBハブ

“衝撃の声優デビュー”で「モヤモヤが吹き飛びました」…美山加恋25歳の役者人生を激変させた“6年前のアニメ”とは(文春オンライン)

 この子覚えているというか記事にも取り上げている2004年の草彅剛氏主演のドラマは見ていました。でもってこの年のいいとも忘年会で草彅氏がこの子の物真似やって、本人が電話で「微妙に似てるのがむかつく」と話したのもしっかり覚えてます。


 それで本題ですが、前にこのブログの記事でも書いたようにドスパラで購入した新規ノートPCのTHIRDWAVEですが、処理能力やデザインは格別に良くてコスパ最高であったものの、スピーカーに関しては擁護しようのないほど悪いものでした。

 この問題を解決するために中国で隔離が終わったので外部スピーカーを購入しました。上の写真に写っているスピーカーのほかもう一台すごくちっちゃいのも買ったのですが、配線がやや悪くまた小型ゆえに自重が低く、配線を動かすだけでスピーカー本体もすぐ動くのと、スピーカー本体に音量調節用つまみが付いていなかったので、上の写真のスピーカーを備え付けることにしました。
 ただこっちのスピーカーで想定外だったのは、見ての通りブルーライトを全力でこっちに向けてくるという点です。商品紹介のページではこんな無駄な自己主張するとは書いておらず、音響性能に関しては明らかにパソコン本体のくそダメなスピーカーを上回っているというかまともなものの、ちょっとこの無駄なブルーライト機能は残念でした。

 そのためどうせ800円くらいでほかにもたくさんスピーカー選べるので、今度は音声端子がなくUSB一つつなげるだけでならせるというまた別のスピーカーを先ほどまた発注しました。あと右のスピーカーの上に乗っけているスープラのプラモはさすがに不安定が過ぎるので、この後回収して別のところに置きました。たぬきはそのまま。

 ただこちらのスピーカーのブルーライトは許せるというか、まだ全然許容できます。一方、許容できない無駄な自己主張が激しかったのが、USBハブでした。

 THIRDWAVEのUSB端子は3つあり、自分はほぼ常にマウス、キーボード、外付けSSDで3個使い、さらに臨時でゲーム用コントローラ、そして本体性能のあまりの低さゆえに外付けスピーカーを入れることから、USB端子が必然的に不足しています。
 そこで日本にいた段階でUSBポートを増やすため、TypeC接続のUSBハブを買ったのですが、驚きの結果がこれです。


 見ての通り、このサンワサプライで購入したこのUSBハブですが、接続するとみての通り燦燦とブルーライトを輝かせて光ってきます。何が困るかってこれ、パソコンの電源切っても無駄に光り続けるって点です。

 買ったとき、日本にいたときはあんま気にならなかったのですが、上海の自宅戻ってこれつないで夜寝ようと照明切ったら、このブルーライトのせいで部屋が微妙にブルーなムードを漂わせることとなりました。それくらい無駄に光が強かったです。

 ちょっと自分でも気にしすぎかもしれないけど、前述のスピーカーなどは電源切ったら素直に光るのやめてくれるのと比べると、このUSBハブの無駄な自己主張はちょっと受け入れられないというか光るのをやめろと言いたくなるため、また別の、今度は光らないであろうTypeC接続のUSBハブを注文しました。

 っていうかそもそも何でこの手のPC周辺機器って無駄にこういう風に光らせようとするのか、改めて考えると余計なことすんなよという気持ちすら覚えます。そもそも自分はあんま信じてないけど、ブルーライトは目に良くないっていうのに、何故青く光らせようとし続けるのか。
 また今回新たに調達した外付けSSDも、USBハブほどじゃないですが電源ONだと一部光るようになっていますが、無駄にうっとうしいと思うし邪魔だと思ったのでさっき切り取ったビニールを上から貼ってテープで止めました。

 恐らく電源のオンオフ表示のためにこういうさかしいことやってると思いますが、スピーカーにしろ記憶メディアにしろ、故障で機能してなかったらすぐわかるに決まってるので、こんな無駄な自己主張は自分的にはいりません。っていうか無駄に光らせると目にもよくない気がするし、そもそも光らせることで無駄に電力食うことも考えると、こういう余計なワンポイントは排除してくれとメーカーには言いたいです。
 この際検索しやすいよう、無光製品とかいうカテゴリーも作ってほしい┐(´∀`)┌ヤレヤレ

2022年12月3日土曜日

ゼロコロナの異常さを再確認


 関係ないけど上のニュース見て、「徳川家康かよ」と思いました。

 それで本題に入ると、昨日はブログを書きませんでしたがその理由というのも、ついにホテル隔離から解放されたためでした。
 現在、中国では入国者に対し8日間の隔離を要求しています。このうち最後の3日間に関しては住所があり、本人が希望するのであれば自宅で行うことも可能ですが、自分は8日間連続ホテル隔離を選択して、昨日までホテルの部屋から一歩も出ない生活を送っていました。

 ホテルに到着した日が夜遅くだったことから、どの時点を隔離の起算日とするのかがわからず、恐らくは金曜か土曜に解放になると見込んでいたものの具体的なスケジュールも教えてもらえず、最後までどの時点で解放となるかわかりませんでした。そうして訪れた金曜も午前を過ぎ、お昼を過ぎ、この分だと解放は明日かと思っていたら夕方にいきなり「もう帰っていいよ」と言われ、そのまま急いで荷物まとめてすぐ飛び出したのでおーいお茶のティーパックを置いていってしまいました。

 そうして久々のシャバ、っていうか上海の街に繰り出したのですが、隔離先のホテルは当然というか郊外にあり、歩いては自宅はおろか地下鉄駅にも行けないのでスーツケースをガラガラ引きながらバス停まで行き、近くの地下鉄駅まで行くバスに乗り込みました。この際、上海の交通ICカードで料金を払ったところバスの運転手から、「後ろのQRコードを健康アプリでスキャンしといてね」と言われました。
 そのQRコードとは「場所嗎」といって、簡単に説明すればアプリを読み込んだ人間がその場所を訪れたことを記録するようなQRコードです。施設や交通機関を利用する際に読み取りを強制され、これをもとに感染者が出たら濃厚接触者を特定して一網打尽にできるわけです。

 ちょっと前まで日本に滞在し、施設に入ったり交通機関を使用する際にいちいちこういったQRコードを読んだり見せたりしなくてせずに済む生活に慣れていたこともあり、「ああ、これが今の中国か……」といった気持ちをこの時感じました。同時に、日本に渡航する前はだんだんと慣れていっていたせいかあまり気にしなくなっていましたが、改めて考えると、随分と異常な環境に自分はいるんだなということを再確認しました。それもこれもすべてゼロコロナのせいでしょう。

 去年までは自分が感染者、濃厚接触者ではないことを示す健康コードを見せるだけで、基本どこでも出入りすることができました。しかし今年の上海ロックダウン以降はあらゆる場面で健康コードを見せるだけでなく、こうした「場所嗎」を読み込み、自分の行動をお上がいちいち監視できるように強制されています。
 それどころか、上海ロックダウン以降より上海市民は最低72時間ごとのPCR検査を強制されています。検査費こそ無料であるものの、ほぼ2日に一回のペースでPCR検査を受けなければ交通機関が利用できなくなり、東京砂漠ならぬ上海砂漠をさまよう羽目になります。こうした措置はロックダウン前はなく、それどころか私はロックダウン以前は一度もPCR検査を受けたことなかったのに、上記措置によって既に100回以上は今年PCR検査を受けており、これに相当する時間も浪費しています。

 上海ロックダウンが終わり、市内の新規感染者数も減ったというのにこうした措置は撤回されない、それどころかますます条件が厳しくなっていったのですが、渦中に意外とこうした生活上の不便もだんだんと慣れていくもので、日本渡航前は正直言ってあんま気にならなくなっていました。この記事のために作って言っているのではなく、本当にこうしたあまりにも面倒な対応を強制されているおかしさを、日本渡航を経た昨日になって初めて自分は気が付きました。

 その上で、支配というのはこうして徐々に、支配される側が支配されることに対して意識しないように少しずつ締め上げていき、最後にもう引き返せないところまで来たところで完成させるんだろうなとも思います。でもって、支配する側はこうした措置をとる方が管理しやすいので、あれこれ理由をつけてこうした統制を緩めることはないなとも思います。よっぽどのことがない限り。

2022年12月1日木曜日

服喪でウェブサイトが白黒


 上の画像はついさっきキャプチャーした中国EC最大手のタオパオのトップページ画面です。一見すると何でもないように見えますが、実はこれ、何も加工していません。アップロード中に何か起きたわけでもありません。初めからこのようにサイト画面が白黒になっています
 これはタオパオに限らずほかの中国系サイトでも同様で、どうも江沢民の服喪のため白黒にしているようです。

 いろいろ確認したところ白黒となっているのはトップページのみで、商品画面なんかはちゃんとカラーになっています。まぁなってなきゃやばいのですが、最初この画面を見たときはスマホの故障かなどとちょっとドッキリしました。
 それにしても服喪とはいえあちこちでサイト画面を白黒にするあたり、いちいちやることが大げさだなぁという感じがします。同時に、ロイヤルのいない国ってのは国のトップに対してこういう風に扱うんだななどと、やや新鮮な面持ちで見ています。

 なおこの白黒画面は中国のPCR検査結果を確認するアプリのトップページにも使われていますが、施設への入場時の確認に使う健康コード確認画面はちゃんと色ついていました。せっかくだから健康コードもみんな白黒にして、隔離とかそういうのも全部なしにしろよと同僚に言ったらマジ爆笑されました。

2022年11月30日水曜日

中村邦夫の逝去について

 今日は江沢民も死んで中国のテレビは長々と特番組んで、弔辞めいた原稿を延々と読んでます。k路絵絶対死ぬ前から準備してただろ。

 けど自分的に今日もっとびっくりだったのは、元パナ社長の中村邦夫の逝去です。在任時を知っている人からすれば彼がどれほどの人物だったのかはいまいちピンときづらいでしょうが、いうなれば倒産間際だったパナを蘇らせた人物で、あまりの改革のドラスティックさに「幸之助精神の破壊者」とまで言われていました。実際周りでも、今のパナは松下幸之助の会社ではなく、中村邦夫の会社だという人が多いです。

 ただ辞任後、肝入りだったプラズマテレビが液晶との競争で負けるなどして、その評価は年とともに下がっていった印象があります。私自身は当時はまだ液晶としっかり張り合えていたのだし、そこまで悪く言うほどかなという印象がありますが、旧社員の年金額を切ったりするなどあちこちから恨みを買っていたこともあり、かなり悪く言われていた感じがします。

 その後のパナですが、正直に言って今のパナは迷走ぶりが激しいという印象があります。一応日本国内ではコンシューマー家電で高いシェアを取っていますが、大半がOEMだし、また花形ともいえる家電商品分野を明らかに持っていません。まぁパソコンのレッツノートは花形と言っていいけど、ギリ家電じゃないし。
 むしろ家電に関しては今はアイリスオーヤマこそが日系最強だと自分は考えています。それくらい、今のパナは消費者から離れ、B2B企業となっているわけなのですが、そのB2B事業も個別商品で光るものはあれども、明らかに組織改革が遅れていて、うまく波に乗れていない感があります。

 それだけに今の現状見たら中村邦夫はどう思うかなと前から思っていたところ、その本人がなくなったわけで、ますますもって今後のパナは誰の会社になるのかが見えてこなくなってきました。

2022年11月29日火曜日

やさしい武蔵丸

なぜ? “ご意見番”武蔵丸が珍しく優しい「大関が負けてクヨクヨしてる姿を誰が見たいんだ?」「高安、諦めるなよ!」「三賞はケチくさい」(Number)

 上の記事は今場所の各力士の取り組みについて元横綱の武蔵丸が寸評した内容をまとめたものですが、読んでて非常に納得感があります。というより、各力士に対して非常に温かい目で期待感と合わせた言葉で寸評しており、見出しの通りに読んでてこっちもやさしくなれるようなやさしい評論となっています。

 実は今場所は世を忍ぶ仮の姿で博多まで大相撲を見に行っていました。このところ中国にいて日本の大相撲を見る機会からかなり遠ざかっていて力士も見慣れない四股名が多く、各力士の特徴を覚えるのに必死でしたが、その後のテレビ観戦と合わせると今回の武蔵丸の寸評は自分も納得感があります。
 やはり目についたのは豊昇龍で、モンゴル人力士らしく体幹の強さはさすがであるものの、攻め手に引き出しが少ないという印象を覚えました。この辺、伸び盛りの若手力士に多いのですが、」ある程度までは勢いで登っていけるけど、三役に入るころには単調な攻めだと上位陣に通用しなくなり、そこでいったん順位を落とすのが常です。

 ただ今の相撲界は絶対王者の白鵬を欠くこととなったことから、前と比べると番狂わせ的なドラマが発生しなくなったと感じます。もっとも負けない白鵬が去ったことから、平幕から優勝力士がバンバン出るようにもなってはいるものの、全体としてはやはりスターが不在という風に感じます。必ずしも優勝しなくてもいいから、初日から10連勝くらい飾る力士がいるとニュースでも取り上げられるようになり、世間も注目しだすので、そうした序盤に勢いのある力士が出てきてほしいと思います。稀勢の里なんかまさにそういうタイプだったし。

 またスターとは反対ですが、ヒールも不在だなぁと感じます。それこそ朝青龍のいた時代なんか土俵の内外で騒動ばっか起こすもんだから、それはそれで相撲人気につなげていたなぁと今でも思います。そういう意味ではふてぶてしい力士も、角界にはやはり必要なのでしょう。

2022年11月28日月曜日

中国各地の反ゼロコロナデモについて

 未だ隔離中でこの記事も外付けキーボードではなくノートPC本体のキーボードで売っていますが、先日買ったTHIRDWAVEのキーボードはキーが比較的大きいので打ちやすいものの、CtrlキーとFnキーの位置が会社のパソコンと違ってよく押し間違えます。まぁこれくらいは自分でどうにかしろって話ですが。

 さてそんなわけで今朝になって一斉に報じられている中国各地で行われている反ゼロコロナデモについてですが、今朝方日本にいるかつての同僚が報道を見て久々にWeChat開いたところ、先月に自分が送った「日本帰るよー」というメッセージを初めてみて、自分に連絡してくれました。その元同僚は日本に帰ってからWeChat開いてなかったそうですが、今回のデモでモーメンツを見る際に開いて自分のメッセージにも気が付いたとのことでしたが、そういう意味では人の縁をデモがつないでくれだなとか思います。

 そのデモですが、上海市では「烏魯木斉(うるむち)路」でなんかやってたそうですが、上述の通り自分はホテル隔離中で見に行くことができませんでした。もっとも隔離中じゃなくても、ゲームするのに忙しいから行かなかっただろうけど。
 子の上海を含む各地で行われている反ゼロコロナデモに関して、中国国内では一切報じられていません。検索候補には「昨夜の上海の事件」などみたいに上がってくるものの、具体的内容は当局の検閲で消されているのか引っ掛かりません。とはいえ中国人同士で情報は共有されており、同僚からは当局関係者が烏魯木斉路の看板を引っこ抜いて持ち去る写真が送られてきました。烏魯木斉路なんでそもそもないよ的な主張でもする気なのだろうか。

 今回の騒動に関して自分の見解を述べると、単純にコロナの感染力を中国政府が見誤ったが故の帰結と思っています。隔離政策を徹底すれば流行を抑えられると思っていたし、実際これまではうまくやってこれてきたものの、最新のオミクロン株の前ではどれだけ隔離を徹底してもこれだけ流行してしまっている始末です。正直に言って今の北京と広州の流行状況は今年上半期の上海をすでに上回っていますが、上海のロックダウンはさすがにダメージが大きかったと認めているのか、北京と広州には同規模のロックダウンはまだ実施されていません。若干、不公平な感じはしますが、北京だと幹部もたくさんいるから彼ら自身も閉じ込められたくないだけでしょう。

 そのような状況で散発的な一部ロックダウンを繰り返しているものの、流行は全然収まらず、むしろこれから感想する冬を迎えてさらに拡大することが目に見えています。こうした状況、流行を抑えられないのにロックダウンを繰り返すし、感染したら環境の悪い施設に連れていかれるしで、これでストレス貯めない人間なんていないでしょう。
 また一部報道でも指摘されている通り、サッカーのワールドカップでみんなマスクなしで楽しそうにやっているのを見ると、誰でも不満に思うに決まっています。にもかかわらずゼロコロナを堅持すると言われたら、統制の強い中国でもこうしてデモが起こるわけです。

 内心、今回の各地のデモを見て思ったのは逮捕者が少ないという点です。中国で政府の政策に真っ向から異を唱えるデモにしては死者や逮捕者が少なく、なんとなく警察や当局もデモが発生するのはやや仕方ない面があると認めている節があるのではという風に見えます。せめてこれ以上大ごとにならないように慎重に対応しているように見えますが、だったらゼロコロナやめろよ言いたいです。

 昨年までは確かにゼロコロナで中国国内の感染者数はほんとに少なく、経済も回せていい感じでした。このころの中国の感染者について友人はさすがに少なすぎるし偽装していると言っていましたが、私は当時の中国における感染者はガチで発表通りに少なかったとみています。もし発表以上に多かったら、今以上に苛烈なロックダウンをやっていただろうし。
 そんな中国もこのところ毎日新規感染者数で国内新記録を更新し続けており、この点からみても感染者数の発表は入力漏れなどを除けば基本的に中国の発表は意図的な偽装はないと考えています。

 ただ昨年までは良かったものの、今年に入ってからのゼロコロナは完全に裏目裏目に回っています。この辺は今記事に書いていますが、来年に裏目のツケが一気に出てくるように思え、単純な中国の国益を考えるならデモが主張するように習近平退陣が最も有効な対策じゃないのと私ですら思います。はっきり言えば、ゼロコロナ政策そのものというより、出口戦略をこれまで一切築かなかったミスがここにきて一気に露呈してきたのではという風に見ています。それこそお得意の強権で、嫌がる老人相手にも全力でワクチン接種を徹底させとけばよかったのに。ロックダウンに強権発動する当たり、なんか力の入れどころが違う気がする。