すっかり少なくなった時事ネタを久々にやりますが、本日両院協議会によってとうとう二次補正予算案が通りました。これによって今後は本年度予算案の審議に入りますが、ひとまずは今国会の第一段階は終了したと見ていいでしょう。それでこの二次補正予算案ですが、中身は今もあれこれ議論が続いている定額給付金などいくつか問題のあるものも含まれていますが、中小企業向けの融資拡大や銀行への公的資金注入に関する法律なども込められており、やらないよりは確かにやった方がいい法律ではありますが、それでもこの不況を脱するための政策というよりは急場をしのぐ政策といっていいでしょう。
そこで一つ私から問題提起をしますが、じゃあ一体どんな政策をすることが今の不況に対して有効な手段となるのでしょうか。私の見ている限りでは、残念ながら今の二次補正や政局ついての議論は数多あれども、具体的に効力のある政策は何かというこのような議論はまだあまりなされていないような気がします。もう結論を言ってしまいますが、私は今の段階で日本がやるべきことは何もないと考えています。
まず今回の不況は日本で起こったものではなく、アメリカから発生して世界中に蔓延した不況です。それまでの日本自体は割と好況下であったのに、海外の消費が冷え込んだことによって輸出が落ち込み、挙句には円価が急騰して一挙に国内でも不況に陥り倒産も相次ぐようになりました。
この現況が何を表すかというと、ごくごく単純に今の状態は日本一国の努力ででどうにかなるというレベルではなく、言うなれば日本以外の他国が目下の問題を片付けなければなにも始まらないということです。
そういう意味でアメリカを始めとした他国は現在やるべきことというのははっきりしています。それこそ失われた十年末期の、というよりも竹中経済下の日本と同じように不良債権を抱えまくっている銀行に対して公的資金注入を含めて不良債権の処理を行わせてプライマリーバランスを回復させることです。ついでだから紹介しますが、前々回のサンデープロジェクト内で竹中平蔵氏と金子勝氏が二人でガチンコバトルをした際、大の竹中氏批判者である金子氏がとうとう、竹中氏が主導した「金融再生プログラム2002」は当時必要な政策だったと認めました。これには竹中氏も満面の笑みを浮かべて、ブラックジャック張りに「その言葉が、聞きたかった」と言わんばかりでした。
そんな話はおいといて、こうして欧米を始めとした各国はやるべき対策がはっきりしているのですが、日本はというとそのような竹中氏のヤクザじみた政策を既に実行し終えており、現在の世界の中では唯一といっていいほどにサブプライム損失の影響をほとんど受けないほど金融機関のプライマリーバランスは安定していて、この方面での政策は今更ほとんど必要がないといっていいでしょう。
もしそれでも何かやるべき対策は、と問われるのならば私はちょっと以前に江田憲治氏が述べていた、緊急対策班こと突発的な事態に対してすぐに対応する遊撃隊のような組織を整備し、中小企業向けの融資をそれこそ政府が直接行うなど、いわば前にも私が述べた細く長く行き続けるゲリラ戦のような政策を取るべきだと思います。逆に言えば、現在の日本は主導的に何か目的を持ってそれに向かって突き進むべき対策や政策はほとんどなく、世界経済が出血を止めてある程度落ち着くまでじっと耐える以外やることはないということです。
そういうことなので、今現在で経済に対してあれこれ議論してもなにも出てこないしやることもないのですから、一通りの緊急対策を行った後はこの際他に片付いていない問題、それこそ年金の問題などの議論を今の国会でするべきだと思います。なんだったら、憲法改正とか一院制についても議論してもいいかもしれません。
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