すでに昨日にニュースが流れて今日もあちこちでてんやわんやに報道されているのでもう知らない方はいないでしょうが、民主党の小沢氏に対する検察審査会の審議において二度連続して「起訴相当」の議決が下りた事から小沢氏の政治資金問題について強制的に起訴が行われる事となりました。
仮に通常時であれば私もこのニュースは今日なんかじゃなく昨日の時点で取り上げていたでしょうが、なんとなく私の中でこのニュースは盛り上がらなかったために強行しておざなり程度に記事を書くこととなりました。一体何故私の中でこのニュースに対する興味が薄いのかというと、今の検察に小沢氏の捜査や裁判をきちんと行えるのかという不信感が強いからです。
現在、日本の検察は野球賭博で大いに揺れた二ヶ月前の相撲界同様に大いにその信頼や立場が揺らいでいます。その原因は言うまでもなく前田恒彦容疑者による村木厚子氏の裁判における証拠改ざん問題で、目下の所当時の上司二人である佐賀元明容疑者(大阪地検特捜部前副部長)と大坪弘道容疑者(同前特捜部長)は否認しているようですが、いつもなら検察絡みの大メディアの情報は検察からのリークなので鵜呑みにしないよう注意するのですが今回の場合は敢えて鵜呑みにして分析している限りですと、恐らく両者共に前田容疑者の故意による証拠改ざんを知りながら敢えて隠蔽したのは間違いないと見ており、この事件は大阪地検特捜部という組織ぐるみの犯罪だったと考えています。
私が何故このように判断するのかというと、前田容疑者が証拠を改ざんしたものの改ざん前のFDの記録が公判資料として裁判所に提出されていたことを知って慌てて同僚に改ざんを打ち明け、改ざん行為をその後に逮捕された二人の検事にも報告しているからです。普通の常識、というより捜査に携わる人間であればなおさらですが、改ざんという明確な犯罪行為を行っているのであればすぐさまその事実を公表しなければならないところをこの両者は「過失だと思ったので公表しなかった」と証言しています。
仮に過失だったとしても事実と異なる記録証拠がそこに存在するにもかかわらずそれを公表しないというのは大馬鹿以外の何者でもなく、また前田容疑者が本当に過失で行ってしまったのかを何故その際にきちんと捜査しなかったのかという疑問も強く残ります。
そして何より、すでに現時点で当時の状況について明確な証言を行う証言者が現れているからです。その証言者というのは週刊誌などの報道によると前田容疑者の同僚であった四人、もしくは二人の現職検事の方らで、前田容疑者から改ざんを打ち上げられるやすぐさま佐賀容疑者に掛け合って公表し、謝罪し、村木氏の無実を発表するべきだと涙ながらに訴えたそうです。しかし佐賀容疑者はその検事らの声を無視して改ざんを公表しなかったそうで、この検事らの話したとされる報道内容は見事に前田容疑者の供述と状況が一致します。
この二点をとって私はその後に逮捕された二人の検事もこの改ざんという恐ろしい犯罪に関わっていたと断言してもいいです。
こんな具合で未だに大揺れの検察界ですが、まだ数人の検事の方がすぐに改ざんを公表すべきだと行動していたのは救いだったとは思いますが、私は真面目にこの事件にケリをつけるのなら、組織ぐるみの犯罪であることを考慮するとこの際大阪地検特捜部は組織ごと廃止せざるを得ないと思います。東京地検特捜部も全く問題がないとは言えませんが、今の大阪特捜部が何を言った所で私は信用できません。
そんな検察不信の中で今回小沢氏に強制起訴が行われる運びとなりましたが、果たして検察はきちんと捜査してまともな裁判を行えるのかやっぱり疑問に感じてます。そもそもこれまでの小沢氏への捜査も異例尽くしで、どうして秘書三人が逮捕されているにもかかわらず監督責任のある小沢氏本人についてはなかなか捜査が行われなかったのか、またそうやって捕まった秘書らと小沢氏の証言も呆れたものばかりで、「秘書が四億円の現金を小沢氏の了解を得ずに自宅金庫から持って行った」など、人を馬鹿にするのも大概にしろと言いたくなるような証言まで飛び出す始末です。
私の友人も言っていましたが、今回の前田容疑者の逮捕で一番徳をしたのは小沢氏だと私も思います。仮に小沢氏が検察の捜査に問題があると言ったら現時点で私もその通りだと言うより他なく、かといって小沢氏の資金問題、特に政党助成金流用疑惑については黒以外のなにものでもなくてこんなの放っといていいのかよとも思います。
それで今後の展望ですが、一応起訴はするだけして裁判はぐだぐだで進むんじゃないかと私は思います。もし小沢氏が前回の民主党代表選に勝っていたならともかく現在なら無役ですし、起訴されて有罪だろうが無罪だろうが政治的には何も影響がないですし、このまま小沢氏が政界引退するならもうほっといてもいいんじゃないかとすら私も思えてきました。本当はいけないんだろうけど。
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