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2010年10月17日日曜日

横浜ベイスターズ売却に見るテレビ局の経営不振

 先日に大きく取り上げられましたが、プロ野球チームの横浜ベイスターズを保有するテレビ局のTBSが球団売却を現在水面下で進めているようです。プロ野球チームの身売りは何もこれに始まったわけじゃなくつい六年前にも近鉄バッファローズの売却で楽天とライブドアで争奪戦になったことは記憶にも新しいですが、ここ数年チーム成績も非常に悪いベイスターズなだけにこの際、別のオーナーがついたほうが球団にとってもいいんじゃないかと私も考えています。
 ただそうしたベイスターズの売却騒動以前に、こうして球団身売りが現実化してきたTBSの不振ぶりのほうがこのニュースにとっては重要でしょう。

 近年、日本のテレビ局はテレビCMの広告料不振が続いて非常に経営が苦しいとあちこちで言われております。その中でも特にTBSは度々不祥事を起こし、視聴者もそれを感じ取ってか目に見えて視聴率競争でも悪化の一途をたどっております。
 日本のテレビ界では長年、年間平均視聴率では娯楽番組の多いフジテレビが一位の座を長く守り、そのフジテレビの調子が悪いときに巨人戦を中継する日本テレビが時たま一位を奪うという構図が続いていました。それに対してTBSはというと地味に不動の三位の座にあり続けたというのがこれまでだったのですが、去年はどうだったかまでは忘れましたが確か数年前にとうとうその三位の座を万年四位のテレビ朝日に奪い取られ、看板番組もない中で「潰れるとしたらまず真っ先にTBSだろう」と言われていました。

 先にも言ったとおりに近年のテレビ局は広告単価の低下に伴い収益が悪化し、現時点ではどこもテレビの広告収入よりテレビ局が保有するビルのテナント料などといった不動産収入が上回るようになっており、テレビ局というよりは不動産屋のような様態をなしております。不動産収入が広告収入を上回ってるのは新聞社も同じことですが、逆に言えば不動産の保有量が少ないテレビ局ほど苦しいということになり、その条件から言ってもTBSがまた当てはまってしまうわけです。

 はっきり言いますが日本の放映権は完全に独占事業であって行政によって非常に守られた市場であり、それにもかかわらず経営不振になるというのは明らかにテレビ局の経営陣が無能な人間であるが故でしょう。ただ中央局のTBSですらこの有様ですから、地方局はきっとこれ以上にひどい状態であるのは想像に難くありません。

 では仮にTBSが経営破綻をしたらどうなるかですが、私はおそらくフジサンケイグループことフジテレビと合併するのが一番可能性が高いと思います。そもそもこの二社のバックにある新聞社は産経新聞と毎日新聞のいわゆる全国紙負け組の二紙で、新聞社同士でも苦しい間柄ゆえに以前から合併するのではと言われていました。ただこの二紙で決定的に違うのはテレビ局の内実で、フジテレビは現在も視聴率では高い数字を取っているもののTBSは先にも言ったとおりにボロボロで、毎日新聞もTBSからの送金がなければ万年赤字体質なだけに両者で赤字となっては未来も何もあったもんじゃありません。

 両社が合併して経営が改善するかといったらそれもまた微妙ではありますが、割とこの業界は政治勢力の干渉が強い業界なだけに救済というかたちでフジテレビが買収する線が高いのではないかというのが私の見方です。TBSが潰れるとしたら私が個人的に気になることとしてアナウンサーの安住紳一郎氏がどこへ行くかで、逆を言えばこの人がフリーに転進する時期がデッドタイムなんじゃないかと勝手に勘繰ってます。

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