既に日本国内でも大々的に報じられているため説明するまでもありませんが、京大に在籍する山中教授が今年のノーベル賞を受賞することが決まりました。なんか日本の報道を見ているとやけに中国や韓国がこのニュースをどう取り扱うかを大きく報じておりますが、少なくとも中国に限れば日系メディアが報じる通りに大きく扱っており、実際に一面で報じる新聞も見受けられました。もっとも個人的にもっと気になったのは、「日韓和解?」という見出しで韓国の李明薄大統領と麻生元首相の2ショットを国際金融報という新聞が一面で報じていたことでしたが。
話は山中教授に戻しますが、今回のノーベル賞受賞は私としても文句なしだし順当な結果だと思います。確かに実用化にはまだ至っておらず検証作業などもまだまだ進める必要がありますが、iPS細胞の発見はES細胞の研究捏造事件で一時研究が止まった再生医療を復活させる原動力となっており、その功績を考えれば確かに早いとはいえ十分受賞するだけの内容があるでしょう。
ネット上では山中教授への研究費助成金の額を巡って民主党が減額したなどといろいろ書かれておりますが、はやぶさの時といいこの点については私も確かな検証が必要かと思います。何も今回の例に限らず、どの方面にどれだけ研究費を割り振ってどれだけ成果を上げたのかは公表する必要はないと思いますが、やはり専門的な立場にある人たちの間で検証し、有効な資金活用が出来るようにしていくべきでしょう。
最後にこのiPS細胞の研究で言っておかなければならないと思うこととして書きますが、山中教授は2006年の8月に科学雑誌でマウスにおけるiPS細胞の作成方法を発表しましたが、この時に私が知る限り日本のメディアは完全に黙殺しておりました。一方、同時期にアメリカの新聞各紙は画期的な発見として今日の中国紙みたいに一面トップで報じていたと、ワイドショーに出ていた宮崎哲弥氏がかなり怒りながら主張しておりました。
ES細胞の研究が盛り上がっていた頃によく友人と生命倫理の議論で話をしていただけにこの時の宮崎氏の話をやけに印象的に覚えているのですが、その後日系メディアが山中教授を取り上げるようになったのは3ヶ月くらいたった同年の12月頃でした。宮崎氏も言っていましたが、国を挙げて科学技術を振興させると言いながらメディアが関心を持たないようでは意味がなく、科学分野は取っつき辛くとも目を向けるべきだと考える大きなきっかけとなりました。
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