2013年7月26日金曜日

技術は国を滅ぼす?

 私とかかわりのある人間なら一度か二度くらいは聞いたことあるかもしれませんが、折に触れて「技術者が日本を滅ぼすよ」ということを口にすることがあります。数多くの理系を敵に回すこと覚悟で続けますが、今の日本の製品というのはオーバースペックというか過剰品質、性能の感があり、こうした点を如何に克服するかが大きな課題だと私は考えております。

 以前にとあるメーカーで営業職をされていた方と話す機会があったのですが、あれこれ往年の仕事の話を聞いている際によく、「これで行こうと話が進んたのに、技術者がこの性能じゃダメだと言ってなかなか製品化出来ないという例が数多くあった」ということを何度も口にしていました。それどころか最後の方に至っては、「出せば売れるって言っても技術者は自分たちの持っている技術水準を下回る商品の発売を認めようとしないし、逆に他社の商品で自社製よりも性能で優れている点については敢えて口にしないところがある」と話し、恐らく折衝とかで相当苦労されてきたんだなぁという風な感じでした。

 この方のいた会社に限らず私自身も記者時代にあれこれ取材して感じたこととして、日本のメーカーは技術者がとにもかくにもやたら性能やスペックにこだわりを持ち、価格を下げる代わりに性能を落とした商品を出そうとしても認めようとしない、それどころかもっと品質なり性能を引き上げれば必ず売れるという信仰に近い考えを目にしております。結論から言えばこんな具合だからこそ海外市場に日本製商品は売れなくなってきて、しまいにゃ中国の新聞にまで「日本製テレビのリモコンはやたらボタンが多くて使いづらい」とまで指摘される始末です。機能を絞って価格を安くするというか、そのような技術思想が日本には乏しいと感じます。

 ただこの技術信仰、未だに国を挙げてやっている感もあります。「技術立国」というスローガンそのものが典型ですが、今の時代、技術は確かに大事ですがそれと共にマーケティングの重要度も高まってきています。日本人が好む商品が外人に受けるという保証はなく、誰が何を求めているのか、こうした視点が非常に重要になってきている時代です。そんな中で技術に過剰偏重している状態では先行きが乏しく、敢えて警告するという意味合いで「技術が国を滅ぼす」などと、強い言葉を使った次第です。

2 件のコメント:

  1. ご理解の通りです。家電製品以外に、日本製化学品もover specで過剰品質、性能のCASEが多いです。
    過剰な性能をcutし、コストダウンに工夫する必要があるかと思われます。
    勿論、過剰な人件費をcutする必要もありますわ。

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    1.  自分でもこのところ日本批判が激しいような気がするけど、この期に及んで現状に気が付いていないどころか、「俺たちの製品の良さを外人はわかってない」などと強がる人もいて、ちょっと激しく書いてみたね。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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