昨年のある日突然、「戦闘機で戦いたいな、それもレシプロ機で」という妙な願望が持ち上がってきました。なんでこんなこと急に思いついたのか我ながら全く意味不明ですが、早速手持ちのPSVitaで遊べる範囲でそういうゲームないのか調べたところPSPの「零式艦上戦闘記2」というのが割とよさそうだったなので日本に一時帰国した際に購入、インストールしておきました。
このゲームは二次大戦時に活躍した機体を中心に空戦や艦爆陸攻を楽しむゲームなのですが、一通りプレイしてみた感想としてはグラフィックが初代PS並に粗いのはファミコン世代に育っている私からするとそんな気にするほどではないものの、単純に操作が難しいというべきか最初プレイして投げ出したくなるくらいの難しさがちょっとアレかなぁと思いました。実際の空戦もそうなんだから文句言う方がおかしいでしょうが戦闘機同士のドッグファイトとなると敵機が射線に入るのは本当に一瞬で、撃っても撃ってもなかなか当たらないしそうこうしてたら燃料なくなるしで、慣れないうちは二度目だけど投げ出したくなりそうでした。艦爆や陸攻に至っては命中させるだけでも一苦労なのに、外すと魚雷と爆弾の補充が遅くなるというデメリットはきつ過ぎる。
ただ慣れれば適応できないっていうレベルではなく、実際私もすべての面を一応はクリアできました。隠し機体はまだ全部出し切れていない、というか攻略サイトがほとんどないから出し方がわからないのですが、陸攻する面はB29使った絨毯爆撃すれば何とかなるとわかってから突破口は開きました。
・秋水(Wikipedia)
などと長々ゲームの説明してきましたが、このゲームに登場する機体の中で一番驚いたというか印象に残ったのが、上記リンク先で解説されている「秋水」という戦闘機です。恥ずかしながらあまりこういった航空機についてはほとんど造詣がなく「XB-70 バルキリー」という機体が格好いいなと思うだけだったのですが、この秋水に関してはゲームで登場するだに、「なんなんじゃこんか飛行機?」と変に西郷さん入った言葉が口を突いて出てきました。
私の方で簡単に解説すると秋水とは日本で唯一製作された、プロペラではなくロケットエンジンで飛ぶロケット推進戦闘機です。史上唯一運用されたロケット推進戦闘機「メッサーシュミットMe163」をドイツが開発したことにより、当時同盟関係にあった日本はこの戦闘機の技術資料をドイツから供与してもらいました。ただその資料の大半は潜水艦で運んでいる最中に米軍によって潜水艦が撃破されたため届かず、一部の資料のみが航空機で日本側へ届けられました。
はっきり言って「こんな飛行機もあるよ!」っていくらいしか資料なかったそうですがそこは日本御得意の創意と工夫でいろいろごまかし、なんだかんだ言いつつロケットエンジンを組み上げることはできたそうです。ただ燃やす燃料こと推進剤の開発には苦労したそうで、当時理研にいた日本で三番目の女性博士の加藤セチも開発に加わって試行錯誤を繰り返したとのことです。別に加藤さんが悪いわけじゃないんだけど、理研の女性博士というとどうしてもOBKTが頭に浮かんでしまう……。
すったもんだの末、秋水の試作機は二機完成しましたが試験飛行で一号機は離陸はしたものの空中でエンジンが停止して墜落し、テストパイロットも救出時は息があったものの翌日亡くなっております。レシプロ機の開発においては当時としても目を見張る技術を持っていた日本の研究陣でしたがジェット機においてはその技術は全く別分野となりほとんど生かせられず、離陸から4分程度と言われる航続時間の極端な短さもあって秋水の開発は結局頓挫することとなりました。
なお秋水について荒蒔義次陸軍少佐は、「(他の飛行機はどれもへっちゃらだけど)秋水だけは怖かった」という証言を残しております。
さてなんでこんな秋水に私は魅せられたのかというと、一言でいえばその外観フォルムです。こちらのサイトに復元モデルの写真が載せられておりますが、まるでロケットミサイルに無理やり羽とコックピットをくっつけただけのようなやっつけなデザインぶりがかえって新鮮で、自分の感性に物凄く触れました。っていうかゲームで操作していても、飛ばしているこっちの方が見ていて不安に感じる飛行機でした。
最後にまたゲームの話に戻ると、レシプロ機の戦闘ゲームはちょっと工夫すればすごく面白くなるような気がします。リアル志向の人には申し訳ないのですが初心者を阻んでしまう操作性の難しさをカバーする、それこそオート&追尾ロックとか、弾薬爆弾の自動補給システムとか入れたりして、もう少し入りやすいゲームを誰か作ってくれないかなと期待してます。まぁ調べたらPCゲームだといろいろあるようですが、ガンダムゲーみたいにパイロットも特徴づけた奴で遊んでみたいです。
1 件のコメント:
キミは戦闘機を操縦できますか?
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