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2016年9月1日木曜日

築地移転議論の論点


 上の椅子はこの前近くのスーパーで買ってきたものです。展示品だったためいきなりボキッとフレームとか折れたりしないか心配だったものの120元(約1800円)だし思い切って買ったところ、その座り心地のあまりの気持ちよさにここ数日、座る度に物凄く眠気を誘発されてブログを書く気力を大幅に奪っていました。左のボックスはパソコン使う時に座る収納椅子ですが、ちょうどここに伸ばした脚も載せられるので相性抜群です。でもって右下にあるオレンジ色の物体は以前に知人からもらったPILOTのボールペンでちゃんと大事に使ってます。今回写り込んだのはたまたまだけど。

 毎回しょうもない話題からえらく真面目な議論に移りますが、先日私も記事で取り上げた小池百合子都知事が築地市場の豊洲への移転延期を発表して以降、様々なメディアがこの問題を再び取り上げるようになりました。ただニュースの論調は全体として、以前は豊洲への移転に不透明な点が多いと批判していながらも延期発表後はやや小池都知事に対して批判的な報じ方が多くなっているように見えます。
 もっともその報じ方自体は公人である小池都知事を叩き台、言い換えればサンドバックにして問題を敷衍するので別に問題だとは思っていませんが、記事の中身として移転推進派、反対派の人物の発言や意見をそのまま丸写しで書いていることが多く、こういってはなんですが議論の論点が全く整理されていません。何故推進なのか、何故反対なのか、何でもめているかがほとんど書かれず、強いてあげればこれも確かに重要ではありますが水質検査の最終結果が出ていないという事しか書かれてません。

 となるとここは俺の出番かt思う当たり、自分は自意識過剰なのかサービス精神旺盛なのか考えどころに至ります。ちなみにマージン率に関しても同じノリで、誰も調査しないのなら自分がやろうと思い立って調査し始め、「こんなんやらんかったらよかった……」と何度も調査中に公開する羽目となりました。
 そういうわけなので、築地移転問題について議論の論点を如何に整理します。ただ私はこの移転に対し反対派の立場であり、どちらかといえばこの立場からの移転の必要性を問う論点を中心にして挙げます。

1、移転延期に伴う維持費
 これは移転推進派がこのところあちこちのメディアで主張している問題ですが、移転延期に伴い豊洲市場の方では光熱費などで一日につき700万円の維持費が無駄に発生してしまうもので、延期により財政負担が広がるという意見です。ただ率直に言ってこの意見には疑問があり、そもそも光熱費や設備管理、警備費だけでそこまで発生するものなの。また推進派は「冷蔵庫の電気代」をよく口にするのですが、市場が開いてもいないにもかかわらず何故冷蔵庫を起動する必要があるのか、何か背景があるのかもしれませんがこの辺をもっと記者がツッコまないのか記事読んでて不満に覚えます。
 なお、高速増殖炉もんじゅの維持費は1日当たり5500万円です。全く役に立たずに妙な関連事故を引き起こすこの物件と比べたら700万円くらいいいんじゃないかって気になります。ないに越したことはないけど。

2、水質汚染調査
 小池都知事も移転延期の根拠として挙げた水質汚染調査ですが、こちらの最終結果は来年1月に出る予定です。逆を言えば何故移転計画を起ち上げる前に最低限のこうした調査が行われていなかったのかが問題で、豊洲市場は東京ガスの工場跡地ということもあって先の土壌調査では様々な汚染物質が見つかり土壌改良もわざわざ行われているだけに、この水質調査は絶対に避けてはならない調査でしょう。
 むしろ、こうした事前調査をせずに移転計画を認可して建設工事を始めた責任者をまず名指しで更迭すべきで、それなくしてこの移転を実行してはならないというのが私の立場です。

3、豊洲市場内の荷受け口道路の狭さ
 こっから移転に関する疑問点をバンバン挙げていきますが、築地と比べ豊洲市場はトラックによる輸送力を強化した設計と謳われていますが、一部の専門家によるとトラックの荷受け口に致命的な欠陥があると指摘されています。具体的には、豊洲市場の荷受け口は運送会社の集荷所みたいにコンテナのバックドアを建物に対し後ろ付けするようできているのですが、その荷受け口手前の道路がめちゃ狭く、現状では一台のトラックが荷受け口に付けようと転回するだけで後ろのトラックは前に進めなくなり、渋滞を誘発すると言われています。
 実際現場見てみないとわかりませんが、そもそも豊洲市場は青果市場のブロックと分けるために十字に道路が走っており、素人目にもこれどうなんって思う節があります。この辺、実際にトラック出して実証実験をまずしてみるべきでしょう。

4、床の積載荷重
 3番と同じく設計問題ですが、私としてはこれが一番気になります。
 平屋建ての築地市場に対し移転先の豊洲市場はビル上の建物となっており、鮮魚市場も1階ではなく上の階(何階か忘れた)に置かれる予定です。ただこの豊洲市場の建物ですが、床の積載荷重が何と1平方メートル当たりたったの700kgしかなく、実際に市場がオープンしたら床が抜けるのではないかと各方面から指摘されています。

 現在の築地市場ではターレというフォークリフトの一種である自動運搬車が市場内を駆け巡っているのですが、これの重量は大体1トンを超し、なおかつ鮮魚を乗せた場合は2トンも越えることがざらだそうです。言うまでもなく、最大積載荷重700kgじゃ心もとないです。
 この積載荷重は設計書などでもはっきりとそう書かれており、間違いのない事実です。そもそも何故こんな設計にしたのか、誰もチェックしなかったのかが問題ですが、変な事故が起きる前に設計者か許可責任者辺りで実際にターレを走らせて見て床が抜けないか実証させるべきでしょう。変な事故起きる前にやっとかないと。

5、高過ぎる施工費
 3番、4番の様に素人目にも明らかに疑問に思える設計の不備があるにもかかわらず、豊洲市場の施工費は無駄に高いです。詳しくはこちらのサイトで検証されていますが、建物の一坪当たりの単価は200万円と、これは故黒川紀章デザインの建物を除けば実質ナンバーワンの高さで、イオンモールが一坪当たり30万円以下ってことを考えると以下に法外な金額かわかるかと思います。
 関係者は建設需要の高まりから人手不足で高騰したと言っていますが、なわけないだろう。高騰するったってここまで上がって不審だと思わなければ会計不正はこの世からなくなるっていいたうなるような値段で、釣りあがった要因は必ず存在するはずです。この点がまさにこの移転問題における最大の闇で小池都知事にはぜひ切り込んでもらいたいのですが、うまくいけば施工費搾取で立件できるかもしれず、そうなれば1番の維持費もペイできるんじゃないかと思うだけに世間も応援する必要があるでしょう。

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