先日のある記事で日本がとうとう中国からサービスを輸入する現実についてツッコミを入れておきましたが、ああ今日昼食後に3時間昼寝したから頭痛い……、改めてサービスという第三次産業の国際競争力というのはどんなものかと少し考えさせられました。
・(第33回)国際競争力がない日本のサービス産業(東洋経済)
上のリンク先は2010年の記事ですがまさにこうした点について具体的データとともに論じており、個人的に意外だったのはサービス貿易全体の3分の1を占める輸送業で日本は大赤字(当時)であったこと、またサービス業の現状について、「日本のサービス産業が、小売り、飲食など国内対人サービスを中心としており、国際競争力を持つサービスを提供できないことの表れだ。」と指摘している点です。なかなか考えさせられるというか、頭痛くて文章がまとまらないというか。
もう文章荒れたままで進めますが、日本のサービスで国際競争力が高い分野というのはどんなものかと考えたところ、まず上記の輸送に関して国内輸送に関してはクロネコヤマトを筆頭に効率化は高いと思う反面、その高い効率性が急に話題にならなくなってきた過重労働を招き、また残業代不払いを考慮すると、意外と競争力はなかったのかなと思えてきました。クロネコは中国でも宅配サービスを展開していますが、果たしてどうなることやら。
逆に間違いなく国際競争力が高い、っていうか間違いなく世界最強といえるのはコンビニチェーンサービスでしょう。米国で生まれ日本で発達した形態のサービスですが、実質的日本の手法がそのまま世界の手法に発展し、どの国でも日本のコンビニの形態が輸入されフランチャイズも展開されていることを考えると、地味に大きな輸出分野だと言えます。ドーナツはこけた感じ見えるけど、コーヒーサービスは今や中国でも一般的なほど日本からの発信力は桁違いです。
一方、圧倒的な輸入超過だと思うサービス分野はインターネットを介したネットサービス全般です。国内サービスに関しては日系企業がやることも多いですがどのサービスも基本的には米国の模倣から始まり、日本から出発したネットサービスは、韓国との合弁ではありますがLINEくらいしか浮かびません。また国内では圧倒的な普及を遂げたiモードは結局海外では普及せず、スマホへの移行とともにすべての投資が無に帰し、それどころかスマホサービス移行も遅らせたことを考えると結果的にはかなりダメージでかかったなぁと今は思います。
最初に引用した記事にもある通り、日本のサービスは小売や飲食など消費者向けサービスだけが極端に発達して、中集団や企業向けのサービスが極端に弱くなった印象があります。ただその飲食サービスの中で密かに私が注目しているのはファミレスチェーンサービスです。
今月の文芸春秋(最近活字読むスピードが極端に上がってて、通勤途中の3日で大半を読めてしまい逆の意味でショック)にすかいらーく創業者の話があってそれに影響されたのかもしれませんが、こちらも地味に日本で独自発達を遂げ、洋食メニューやドリンクバー、そして何よりカット野菜など食材の集中購買と調理レス化は物凄い競争力を秘めているのではと最近気になります。昔カット野菜卸大手に取材しましたが、このノウハウは意外と他の国ではありそうでまだない気がしますし。
上記のすかいらーく一つとってもガストへのモデルチェンジやバーミヤンやジョナサンなど別ブランドの設置などがあり、私しかこんなこと言わないと思いますが、日本で洋食が現在のように普及する上で物凄く大きな貢献を果たしたのはファミレスだと思います。現在、中国ではサイゼリヤの店舗拡大がものすごい勢いで進んでいますが、中国における洋食のスタンダードとなるのはこのサイゼリヤの味と形態だとすでに私は予言しています。何気に昨日も、エスカレーターで前に乗った人もサイゼリヤのテイクアウト用のピザ持ってたし。
あってないような結論ですが、B2Bやネットサービスではものすごい後進国ではあるものの、対人系サービスにはやや強みがあるのだからもっとこの方面に着目してサービス輸出と国際競争力の強化を図るべきだといいたいです。でもって蛇足ですが、何度もこのブログで書いているように「おもてなし」という言葉はもう使うべきではないし、対人サービスでは強みがあると言いつつも観光関連のサービスはホテル業を中心に日本は話にならないレベルで、外国に勝てとは言わないまでもせめて海外から学ぶべきだとも言いたいです。
2 件のコメント:
文芸春秋は芥川賞作品全文を読めるのが良いですが、毎号ある政局の話と太平洋戦争の話の繰り返しには飽き飽きします。読者はよく飽きずに読めるな、と思います。
話は変わりますが、上海に無人コンビニができたようです。花園さんは行かれましたか?私はwechat payをどう使うか分からないですが。
【中国】上海で営業開始の24時間無人コンビニは上々の滑り出し https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/42170
返信が遅れ申し訳ありません。
文芸春秋は太平洋戦争物の話は確かに多いですね。恐らく読者層がそういうネタに喜ぶ層に偏っていることが原因でしょう。まぁ私も嬉々として読んでいる口なのですが。
無人コンビニについては存在は知ってましたが、上海にもあるとは初耳です。形態での電子決済は既にできるようにセットしてあるので、今度また行ってみて、発展できるようであればまた記事にして出そうかと思います。とりあえず、今週は100㎞サイクリングとかで疲れたのでもう寝ます。
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