2018年4月14日土曜日

歴史記事を書くポイント

 今週水曜にJBpressで出された私の記事は二次大戦中のフィンランドの話ですが、これはこのブログを長く見ている人ならお気づきかもしれませんが、2015年頃に書いたこのブログの記事の焼き直しです。というのも先月と今月は忙しくて本来なら記事出しは月一本の予定でしたが、取材なしで尚且つ原稿もある程度揃っていることから、ブログ過去記事の焼き直しでよければと穴埋めにどうかと提案したところ編集部も「是非」ということで今回使いました。

 この記事のヤフコメを見ていると恐らく私以上に冬戦争について詳しいと思われる方々がたくさんコメントをしており、それを見ていてだからこそ自分のような人間がこうして歴史記事書く余地があるなと内心感じました。というのも究極的に言えば、歴史マニアは歴史解説記事を書くに当たって致命的な欠陥を抱えていると私は考えており、あまりこの点は他では言及されてないのでこの際紹介します。

 結論から言うと、歴史マニアが何かしら解説をしようとすると非常にディープな点ばかり取り上げたり、専門用語を読み手が初めから知っているのを当たり前であるかのようにバンバン使い、あまり詳しくない人からすれば理解しづらい文章になりがちです。なんでこうなるのかっていうと単純に、あまり人のこと言えませんが自分が他の人にはない知識を持っていることを誇りたいからで、歴史マニア同士の会話なんか見ていても相手の持ってない隅を突くかのような知識の言い合いになりがちです。
 自分もこうした傾向を持っていることは重々承知しており、歴史記事を書く際は敢えて細かい用語や人物名、紛らわしそうな事件名などは細かく区別するように注意して書いています。

 基本的には「不要かと思うくらいしつこくいちいち説明し続ける」スタンスで歴史記事は書いていけばいいのですが、このやり方だと読み手には優しくなる一方、文章のテンポはほぼ完全にスポイルされます。どうでもいいですがスポイルという単語を見るとスポイトとの違いについて思いを馳せます。
 日本語のリズムは基本、五・七・五形態の中膨れ三拍子が一番心地良いと私は考えていますが、歴史記事だとこのリズムを維持するのは非常に困難です。説明文が続くとどうしてもくどい文章になりがちで、ましてや文字数の制限があれば紹介できる箇所もどんどん削られていくことになります。

 こうした問題への対処として、またいい歴史記事を書くポイントとしては第一に、「焦点を定める」という作業が最も効果的です。紹介、解説する箇所を絞り、余計な箇所には一切触れないということです。
 現実に去年書いた戦国初期の関東の記事ではこの手法を強く意識して書いており、近畿地方の政変や応仁の乱などについては一切触れず、尚且つ関東の情勢もそれぞれ主人公格の人物を定めてその人物を中心にして語るという方法を取りました。今回のフィンランドの記事もあくまで主役は戦争であり、その勃発理由と経過、そして戦後についてを中心に置き、前回の冬戦争についてはクリストファー・リーが義勇軍として参加していた事実などは省きました。シモ・ヘイヘについては外せませんでしたが。

 次回の継続戦争についてもう予言しますが、恐らく「リュティ大統領についての言及が少ない!」というコメントで荒れることでしょう。しかし言い訳とみられるでしょうがこっちとしては大まじめに言うと、もしソ連との講和に至る過程でリュティ大統領の行動を細かく取り上げていたら、文字数が食われるばかりか戦争内容よりもリュティ大統領が主役の記事になって焦点がぼやける可能性が高く、こればっかりに関しては「外すのが正解」だと私は考えます。その上で最初に戻ると、歴史解説は詳しければ詳しいほどいいというわけではなく、読み物としては歴史に詳しくない人間でも理解できるような内容に仕立て上げることこそが第一です。まぁアクセス稼げなければ意味ないですが。

 なお、逆と言っては何ですが政治や経済記事なんかに関しては最近私も敢えて小難しい専門用語使ったり、詳細な解説を省くことが増えています。理由は浅はかな人には絶対理解できない内容、もしくは誤解させ、狙い通りの批判させ、反論して一気に黙らせる方が楽になってきたからです。必ずしも何でもかんでもそうだとは言いませんが、歴史や経済に関する記事はやはりある程度は基礎知識を持って読んでもらいたいと思え、また書く側の負担もあるのである程度の切り捨てもやむを得ないスタンスを取るようになっています。
 もっとも、解説した用語や仕組みがどうしてもわからない、教えてほしいという声に関しては今後もできる限り対応するつもりです。私が敵視しているのは考えたり調べたりすればすぐわかることなのに、わざとかと思うくらい浅薄な知識にもかかわらず挑発的且つ感情的に批判してくる輩です。記事に関する疑問や、丁寧な姿勢での批判であればむしろ大歓迎で、強敵を常に求めています。

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