先日の明石市市長の暴言事件において、「立退き先の家に火をつけてこい!」的な発言が話題になったのは記憶にも新しいと思います。今日ふとネットである記事を読んでたところ、「そういえば実際にこういうこと言われた人がいたっけ」と思い出しました。正確には言われたというより言った人というか、自分の叔父です。
叔父は大手新聞社に勤めていましたが、記者ではなく営業畑でした。自分の一族は戦前から代々メディア業に従事する一族でしたがどれも営業・管理畑しかおらず、メディア業とはいえ書く側に回ったのは突然変異の自分だけでした。
さてその叔父ですが大分昔、自分の部下に対して「お前の家に火つけるぞ!」と怒鳴ったことがあったそうです。このエピソードは叔父が結構過激な性格をしているという一端として親に聞かされたのですが、今考えてみると果たしてそうだったのかなという疑問が芽生えてきました。
先に書いておきますが甥である私に対して叔父は優しく接してくれて、学生時代には鳥取への旅行に連れてってもらうなどいろいろと恩を感じています。ただ他の人には当たりがきつい性格だと聞いていたのですが、前述の通り明石市の市長(何気に叔父の居住地に近いし)も「火つけてこい!」と発言していて、これがちょっと自分の中で妙なリンクを結びました。
前にも書きましたがメディア業界というのは世間の見方とは異なり、業界の中ではパワハラ・セクハラ発言なんて当たり前、ついてこれないやつは早く死ねというのが常識みたいな世界です。女性に対するセクハラ発言なんてガチ過ぎて、仮にこのブログに書いたら自分が通報されるレベルの際どいを通り越してきっついものが普通に飛び交っており、報道されないだけで見る人が見たら卒倒するような世界が広がっています。私自身もそんなメディア業界で毎朝の挨拶みたいに「殺すぞ!」言われ続けていました。
それで今回、「火つけるぞ!」と発言した明石市長ですがもともとはNHK出身でメディア業従事者です。でもって叔父も営業畑とはいえ大手メディアの新聞社で勤務していました。何が言いたいのかというと、明石市長も叔父も、傍から見たらそりゃ危ないおっさんに見えるでしょうが彼らとしては出身業界基準でごく普通の当たり前な感じで話をしているだけで、「火をつける」という自分の発言がどれだけ相手にきつく聞こえるとか全く感じていなかったのかもしれません。
っていうか関西地域のメディア業界では、「家に火つけるぞ!」は挨拶みたいな言葉だったのかもしれません。私の通信社時代の上司は東日本で勤務してたから、「火つける」とは口にしなかったけど。
本音を話すと、やはり叔父はメディア業界にいたから周りに少し誤解されていたのかなと今になって思います。私自身がメディア業界に一時身を置いたからその異常性についてもやや理解できるようになりましたが、逆を言えばメディア業界を知らない人間からしたらいつも危ない発言ばかりしているヤバい人のように映っていたのかもしれません。現実に一般常識からすれば間違いなくヤバい人の部類に入ることは認めるものの、それはメディア業界に身を置いたがゆえのことで、本人にはそこまでの悪気はなかったと思うし、挨拶程度の言葉のように言ってたのかもしれません。
なおその叔父に「家に火をつけるぞ!」と怒鳴られた叔父の部下だった人ですが、その後新聞社をやめて何故か坊さんになり、逝去した叔父の葬式や一周忌で念仏唱えてくれました。火葬場で何かしたわけじゃないけど、火をつけるぞと言われた相手が言った相手を荼毘に付す作業に関わったことについて、なんか運命的なものを今更ながら感じます。っていうかマジでよく叔父の葬式に来てくれたなこの人。
それで冒頭に話は戻りますが、なんでこの話を今更思い出したのかというと今日坊さんが出てくるなんかの記事読んで、叔父の部下だったこの人と「火つけるぞ」発言を思い出しました。
最後に、自分は東日本育ち故か「火つけるぞ!」と脅したことはありません。「腕か指の一本でも二本でもへし折ってこい!」くらいならありますが。
2 件のコメント:
火ではありませんが、私は「東京湾に沈めるぞ」という脅し文句を聞いたことがあります。
李明博元韓国大統領の自伝によると、若き日の彼は学生運動を行ったせいで政府当局
に捕まりました。 その時尋問担当者から「学生運動を行っている他の仲間の名前を言え、
いわないと仁川湾に沈めるぞ」と脅しを受けたそうです。
他の国でこのような脅し文句があるのかどうかは知りませんが 海に面した海洋国らしい
脅し文句ですね。
>滋賀県「琵琶湖に沈めるぞ」
>長野県「諏訪湖に沈めるぞ」
>香川県「ため池に………ってもう干上がってたか。さてうどん食おう」
多分地方によって海に限らずいろいろ変わってくるでしょう。こうしてみるとこの脅し方は若干ギャグめいてるようにも見えます。
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