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2022年5月5日木曜日

上海封鎖における検査不備


 上の漫画はまたグループチャットで回ってきたものですが、セリフを日本語に翻訳すると以下の通りです。

「師匠、解放しに来てくれたんですか?」
「PCR検査に来たんだよ」

 見ての通りこれは西遊記で孫悟空と三蔵法師が出会う有名なシーンをモチーフにしており、今の上海の封鎖状況をうまいこと落としこんでいます。さりげなく馬が2コマ目で目線そらしてるのもポイント高い。

“恐怖の2ランクダウン”で犯人探し、ドアには“御札”…ロックダウンが上海市民にもたらしたココロの傷(FNNプライムオンライン)

 それで本題ですが、先日の記事で私はANNの上海封鎖に関する報道は全然実態に則していないし、ちょっと真偽の怪しい政府発表をそのまま垂れ流しているなど、マジでこいつ記者なのかと正直疑わしいレベルにあると書きました。その反対にとばかりに、上のFNNの記事はよくできており、論点や現場の混乱状況などをやや長文ですがその分しっかりと報道しています。ANNの報道見てテレビ局記者は質が低いのかと思いましたが、これはANNだけに当てはまるようです。

 特にFNNの報道にあって他にない点として、PCR検査ミスに関する言及です。これは実際に非常に多く、上海市民もかなりいら立っている話題です。
 具体的にはPCR検査、抗原検査で陽性という結果が出たものの、その後何回やっても陰性にしかならず、陽性と出た検査キットに問題が多いという内容です。うちの小区でも先日配られた抗原検査キットで、毎回陽性などおかしな結果が出るため、不良品と推定されることからこのメーカーの検査キットは使うなというお触れが出されました。またマンゴーなど果物を食べた直後に抗原検査すると、高い確率で陽性と誤表示されることが多いため、検査前には何も食べないか、最低限口をゆすぐようにという連絡も回ってきています。

 このような偽陽性で封鎖されたらたまったもんじゃないと住人もピリピリしており、陽性が出たとしても「本当にそれ陽性か?」と訝しむ声もすぐに出てきます。こんな感じだから恐らく一部の団地や住民の間では、陽性が出ても検査キットをごまかすなどしてきちんと申告していない人も少なからずいるのではないかと密かに疑っています。まぁPCR検査は医療従事者によって実施されるので、ごまかしづらいのですが。

 あともう一つFNNの報道について触れると、感染者が出たら一時は外出許可となった団地も再び封鎖対象になると報じていますが、この点について一部団地は陽性者が出ても上にきちんと報告せず、外出許可を維持しようとしているところもあるという噂を聞きます。一方、私の団地もそうですが感染者が出ても、その人が住んでいる建物のみ封鎖して、団地自体は団地外への外出は認めないものの(元からだが)、団地内の外出はこれまで通りOKという例もあります。
 この辺は途中から封鎖の基準や方式が変わったというリリースも来ていますが、なんか運用方法が団地によってまちまちであるような印象を受けます。あんま他の人は言いませんが、この上海封鎖の最大の問題は、政府の指針や発表がその通りに実施されていないという点で、住民もお上の言うことに対しほとんど信用しなくなってきています。中国は元からと言えばそうなのですが。

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