話は本題ですが先日日本から友人が上海に出張に来たので会社を半ドンして別の知人も含めあってきました。その際、落ち合った場所はマナーコーヒーという今中国で流行っているコーヒーチェーンで、ここではコーヒー一杯の値段が15元と(300円)いうことに友人はビビっていました。
中国ではコーヒーの値段は一杯大体30元(450円)であるのですがこれと比べると半額で、しかも舞カップを持っていくとさらに5元引かれて10元になるというおまけつきです。いわばドトールみたいな格安コーヒーチェーンなのですが、これが今中国で流行ってるわけです。
その反対にというべきか、かつては昼過ぎともなればどこも満杯だったスターバックスは最近、いつ行っても席が空くようになっています。閑古鳥が鳴くほどではないものの、やはり往時と比べるとその勢いは目に見えて衰えており、上記のマナーコーヒーのような新興コーヒーチェーンによってシェアを削られているといった状況です。
ただそのマナーコーヒーが流行っているという状況ですが、値段だけではないとは言うものの、この値段差はやはり大きな原動力となっているような気がします。で以ってこれは中国がデフレに入りつつある、言い換えると前まで30元払っていたものを15元に切り替える消費のダウングレードの兆候と言えるかもしれません。
コーヒーに限らず、以前と比べると中国では同じ品目に対し「前より安いもの」を消費者が選ぶようになってきていると日々感じます。私自身はあまりそういった傾向はないのですが、スーパーなどを見ていても以前より安価な商品、前まで1個入りで15元だった商品よりも2個入りで20元みたいな商品が並ぶことが増えているように感じます。また住宅家賃も今年に入って物凄い勢いでどこも下がっており、同僚もウキウキしなが「次どこに住もうかな(^ω^)」などと言っては不動産情報サイトを眺めています。
はっきり言ってしまえば中国、少なくとも上海では目に見えてデフレが進行しています。このデフレをはっきり認識してしっかり対策採れるかが中国にとって重要なのですが、どうも見ている限りだと何となくデフレが起きていることはわかっていながらそれを認め切れていないようで、きちんと対策を取れずに恐らくこのまま進行し、物価だけでなく賃金も下げていく結果になると予想しています。
そんな中国に対して日本は毎日物価高騰のニュースが出ていますが、聞くところによるとマクドナルドのハッピーセットも千円に近い金額まで上昇しているそうです。その影響からか、冒頭に出てきた日本の友人はマックの価格高騰を受け、「もうそんなに値段差ないんだし……」と考え、ハッピーセットよりやや値段が上がるものの以前よりもバーガーキングによって食べることが増えているそうです。
このような、価格差が縮まったことでワンランク上の消費を選ぶようになることを消費のアップグレードといいますが、まさに今日本でこうした現象が起きているのではないかと思います。安価なものよりもワンランク上、価格は高くなるがもっと品質のいいものを選ぼうとする消費行動ですが、言うまでもなく経済にとってはすごくプラスです。
実際見ていると、吉野家などの牛丼チェーンでも品数の多いセットメニューを増やしていると聞き、少し支払金額を上げてでも満足するメニューを選ぼうとする人が日本では多くなっているように見えます。まぁサイゼリヤはいまだに安くて客も入っているそうですが。
無論、上記見解は日本にいない自分の解釈ミスかもしれず、またそうであるとしても今後も続くとは限りませんが、日本の景気については今年と来年の間なら好調のまま続くとにらんでいます。
そのうえで中国では上記の通りデフレ傾向が強まっていることから、かつての日本の経験を踏まえて言うと、今後は吉野家のような格安チェーンなどが勢いを増してくるかもしれません。実際すでにマナーコーヒーは流行っているわけだし、安い蘭州ラーメンチェーンあたりが今後伸びてくるのではないかと思っています。
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