既に出ている報道で皆さんも知っての通りでしょうが、故小渕元首相の娘でその地盤を引き継いだ小渕優子経済産業大臣がまた政治と金の問題で炎上しています。結論から述べるとさすがにこれは安倍首相の任命責任が問われるというか人事観について疑問がもたれるところでしょう。
ネットベースでの報道しか私は見ていませんが、支援者を伴った観劇会の収支で約2700万円もの差額があったことと、政治収支報告書を見たらあまり政治と関係なさそうなものを政治資金で買ってたことがわかり内からも外からも批判が出ていると聞きます。なお購入した品の中にさりげなく下仁田ネギが入っていたという事実には失笑を禁じ得ません、新手のステルスマーケティングか……。
この問題の根本的原因は内閣改造に当たって身体検査をきちんと出来ていなかったという点に尽きるのですが、そもそも論として私はTPP交渉を控えたこの時期に小渕氏が経済産業大臣に就任すること自体がおかしいと疑問を感じていました。前大臣だった甘利氏は途中で体調を崩して米国との協議を欠席することもありましたが私の目から見て非常に粘り強く交渉に臨み、またこのTPPの論点や課題についてしっかりと理解しているように見え、手放しで誉め過ぎな気もしますが非常に頼りになる仕事ぶりでした。それに対して小渕氏ですが、はっきり言ってしまえば無能な政治家の典型とみなしていた人物であり、政権マスコット(もしくはパンダ)として採用するならもっと無難なポストをあてがえばよかったのにと、安倍首相の人事観について強く疑問に感じた程でした。
なんか後出しじゃんけんっぽくて今この段階で批判するのも自分ですらどうかと思いますが、先ほどにも述べたように私は小渕大臣が無能な政治家だと以前から考えていました。理由としては明らかに父親の威光で議員になれただけで普段の発言内容を見ても政治家として明らかに実力が不足していると感じるのに対し、本人がその点に気付いて弁論や政策研究に努力する節が全く見られないどころか全く謙虚さも見せず、むしろ年々実力をつけてきたと勘違いしている節が見られたからです。自分が党内でポストを得られるのはマスコットとしての役割でしかないのにそれすらも気づいている節が無く、発言する内容はいかにも官僚が作ったノートの通りで、しかも答弁の仕方も同じマスコットだった川口順子元外務大臣と比べると雲泥の差です。その点、川口元大臣は自分がマスコットだと自覚している節があってその役割をきっちりこなしているだけにまだまともな人だったなとちょっと評価してます。
なもんだからTPP交渉が始まったらすぐに問題起こすだろうと見ていましたがまさか交渉を始める前の段階でこんな問題が見つかる当たり、日本にとってはある意味、「塞翁が馬」になるかもしれません。ほんとなんで採用したんだろうなぁ。
それにしてもこの小渕大臣の就任は内閣改造の目玉として取り上げられていただけに安倍首相に対する印象悪化は避けられないでしょう。改造前の内閣ではたまに麻生氏が失言をぽろっと洩らすのを除けば非常に防御の硬い内閣だっただけに、どうしてこうなったのか、やっぱり安倍首相の人事観は当てにならないのかと不安ももたげます。ってか、次の経済産業大臣は今、規制改革匿名大臣している甘利氏が横滑りして再任になるのかな。
あと小渕大臣の就任前の報道についても苦言を呈すと、先ほどにも述べた通りに内閣改造の目玉になったのはともかく、人事案が発表される前には、「幹事長に就任か?」なんて推測報道もあり、人事案が発表されると今度は、「将来の女性首相候補」なんて報道もありました。はっきり言いますがこんな無能がそんなわけないだろと誰も思わないのかがその時凄い疑問で、悪いことは言わないからこういった見出しの記事書いた人は政治記者降りた方が良いとすら思います。あまりにも勘が無さすぎる。
最後に、小渕大臣と同じように松島法務大臣についてもうちわの配布が有権者への寄付に当たるのでは巡って野党が批判していますが、これに関して私は松島大臣の方を持ちます。第一、うちわなんて無料で配られることも多く金銭的価値を持つかどうかとなると果たして疑問で、むしろこういった日用品に写真なりイラストなり政策なりを書いて配布するのはPR手段として真っ当かつ悪くないんじゃないかと思います。それにこんなのにまで金銭的価値がどうのこうの言うなんていくら何でも了見が狭すぎるのではと仙石氏に言いたいです。