2014年10月15日水曜日

上海の今後のオフィス賃貸料予測

 上記の写真は先週、友人と共に上海で遊び回っている最中に浦東地区で撮影した写真です。どうでもいいですがこの写真を撮った日の前日は会員割引を持つ友人を使って上海市内のシェラトンホテルに男二人で宿泊しましたが、その際に友人はダブルベッドの部屋を主張してきましたが却下してツインの部屋にしました。
 
 話は写真に戻りますが、この写真に写る二本のビルは上海在住者であれば誰でも知っているビルです。右側の栓抜きみたいな形をしたビルは「上海環球金融中心」といって日本の森ビルがおったてたビルで、完工してからは上海で最も高いビルだったこともあり事実上のランドマークタワーとして君臨し続けました。その森ビルに対して左の建築中のビル、こちらは「上海タワー(上海中心)」といって中国系企業が現在建設しているビルなのですが計画段階で森ビルの高さを追い越す予定で、久々に上海に来てみたら既に現時点で高さを追い越していたため写真に撮りました。改めてこうしてみるとこれまで上海で一番高いビルだった森ビルが追い越されなんとなく寂しさを覚えると共に、やっぱ横にもっと高いビルが出来ちゃうと幾分スケールダウンの印象が否めないと感じました。
 ただこの上海タワーを見ながら友人と、「果たして上海タワーのテナントはすべて埋まるのか?」という話で盛り上がりました。結論から言うと恐らく人気にはなるものの完全に埋まることは有り得ず、またその他の要因も相まって供給が需要を上回り上海のオフィスビル賃貸料は今後下落していくのではという予測が立ちました。
 
 まず上海のオフィスビル市場についてですが、現時点でも供給の方が多いため選り好みしなければ比較的楽に条件の合う空きオフィスを見つける事が出来ます。
 通信インフラや床の強度(金庫を置いても抜けない程度の)などの関係で銀行を始めとする金融企業などは入れる場所が多少は限定され、日系の銀行各社はこれらの条件をすべて満たす森ビル内にほぼすべてが入居しております。森ビルはこうした方面の設備が充実していたこともあり完工後にリーマンショックが起こったもののテナント事業に関しては比較的うまく言っており現在もランドマークタワーとして機能しているのですが、逆を言えばこうした充実した設備を必要とするビルは既に森ビルで足りており、上海タワーが出来上がったとしてもそこに移る企業は果てしているのか、この点が非常に疑問です。
 
 また需要の面から考えても既に世界各国のグローバル企業はどこも上海市内に拠点を構えており、一昔前ならともかく現在において新たに上海に進出してくる企業の数は既にピークを越えています。さらに大手は既に進出済みであるため今後やってくるとしたら中堅の企業がメインとなるでしょうが、そのような規模の会社となるとロケーションがいいとはいえ高額なオフィスビルを選ばず市内にある別の比較的安価なビルを選んでくる可能性もあります。
 ですが上海タワーは浦東地区の一等地にあり、なおかつ森ビルより背の高さが高いという立場上、賃料は最低でも森ビルと同等、もしくはより高く設定しないとメンツが立たなくなります。そうした事情を考えるにつけ、果たして上海タワーに入ってくる企業はいるのか、一部の中国国有企業が政府の肝煎りで来ることはあっても到底全部屋が埋まるとは思ないと考えたわけです。しかもこの上海タワー、でかいだけあって完工後の供給量がビル一つの割には半端なく多いでしょうし、下手したら急激な供給数の増加によって周辺ビルの賃料も下げかねません。
 
 このように初めから見えていたけど案の定良いうわさの聞かない大阪の「あべのハルカス」よろしく、上海タワーもそのでかさは認めますがテナント事業はちょっと先行きがよろしくないのではという風に私は考えているわけです。しかも上海タワーだけはでなく、浦東の北エリアをこの前歩いてみたらあちこちでオフィスビルの建築が進められている現場が見られ、上海市内全体でオフィスビルの供給が過剰過ぎるのではないかという印象を覚えます。現状で上海のオフィスビル市場がどうなっているか詳しく研究はしておりませんが、今後数年間は大幅な供給が続くことを考えると賃料平均は今後下がっていくように思えてきます。
 
 私は日本の反中主義者が主張する中国の住宅バブルは起こらないと考えております。理由は簡単で、どの中国人も現在の住宅価格は高すぎると主張する一方で購入需要は非常に高く、仮に価格が少しでも下がれば今度は一斉に購入する消費者が現れすぐさま住宅市場の景気を持ち上げ直すであろうという風に見ているからです。
 しかしオフィスビルに関しては見方が違って、少なくとも上海市内に限ればいくらホットな経済都市であっても現在の着工、供給数は過剰に感じられ、バブル崩壊とまではいかないまでも長期的には賃料が下落していき苦しくなるデベロッパーも出てくるのではと見ています。まぁ森ビルさんは問題ないだろうけどね。
 
Office Space Across the World 2014(クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド)
 
 最後におまけですが、上記サイトは英語ですが国際不動産サービス大手のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドがまとめたオフィス賃料の世界ランキング2013年版です。リンク先は英語で書かれていますが日本語で検索すれば日本のサイトが出てくるので英語が苦手ならそっちに当たった方が良いかもしれません。けど案外こういうリリース文の英語はわかりやすいし原文の方が的を得たこと書いてることが多いのでなるべくこっち呼んだ方が良いと思うけど。
 で、このランキングによると昨年はロンドンがオフィス賃料で世界一位となり、二位には香港が入ってアジアナンバーワンを維持しています。以下、十位以下までを列記します。
 
<オフィス賃料世界ランキング(2013年)>
1、ロンドン(英国)
2、香港(香港特別行政区)
3、モスクワ(ロシア)
4、北京(中国)
5、東京(日本)
6、ニューヨーク(米国)
7、リオデジャネイロ(ブラジル)
8、ニューデリー(インド)
9、パリ(フランス)
10、オーストラリア(シドニー)
 
 改めて見てみるとなかなか面白く、中国だと北京が一番高かったというのは恥ずかしながら自分も知りませんでした。でもってその北京が既に東京を上回っていたということも。
 アジアナンバーワンが香港であることは間違いなく、確か2011年はロンドンより上で世界一位でした。実質このランキングは毎年ロンドンと香港が一位、二位を争っており、世界中でもこの二つの都市はやや異常なくらいにオフィス需要が高く、現地にいたことのある私の肌実感でも香港はまだまだオフィスビルが足りてなくて企業経営者はみんな困っている状態です。
 でもって最後、いつの間にかモスクワが三位に入っているのも衝撃的でした。そんなに企業の進出ラッシュが続いているのかなぁ。この手の記事は香港居た頃によく英語サイト入って調べながら書いてたからなんだか書いてて楽しいです。

2 件のコメント:

  1. 貴社は上海タワーに移転する可能性があるでしょうか?初期のcampaign priceが出ると思います。

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    1.  悪いけど赤字でとても借りられない。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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