私はこのブログで七月に「美濃加茂市長の逮捕・起訴について」という記事を書き、現在汚職の疑いで公判が進められている美濃加茂市の藤井浩人市長事件について取り上げました。この記事を書いた時点でこの事件は非常に冤罪の線が濃厚だと書きましたがその後どうなったのかふと気になって調べてみたところ既に公判が始まっており、ちょっと自分の予想を超えた事態に発展していて笑えるので、一度乗った船だし最後まで取り上げようという妙な責任感から今日も頑張ってこの記事を描こうと思います。
・<美濃加茂市長事件>異例の「対質」尋問――贈賄側社長の証言は信用できるか(弁護士ドットコム)
上記リンク先はそれぞれ10/1~2、11/19に行われた公判を取り上げた記事です。
この事件の概要を簡単に説明すると、藤井市長が市長に就任する前だった昨年の3~4月に水供給設備会社社長から中学校に取りつける雨水濾過機の件で便宜を図るよう依頼され、二回に分けて現金を約30万円授受したとして、今年6月に藤井市長は警察に逮捕されました。しかもその逮捕期間は一ヶ月以上にもおよび、この間市議会も市長不在とあって混乱し、全国ニュースでも取り上げられるような事件に発展しました。
私は前回の記事の段階で警察や検察が出して来た供述が非常にあやふやであるばかりか確固とした証拠もなく、さらには現金30万円ぽっちという通常では逮捕されるにまでは発展できない金額レベルの事件で一ヶ月以上の拘留が続くというのは警察(前回記事で「国家の犬」とまで書いたが)と検察に負い目があるためと見え、この事件は冤罪の線が非常に濃いという意見を提示しました。先に結論を書いてしまうと、もうこの事件は冤罪であると断定してもよさそうで、次のステップこと足利事件、障害者郵便割引制度に続く第三の大型でっち上げ事件として捜査するべき頃かなと考えています。
まず10月の公判についてですが、今回の事件の発端となった藤井市長に現金を渡したと自ら証言した水供給会社「水源」の中林正善社長の過去の経歴が明かされ、その経歴を見るにつけどうしたらこんな人物の証言をまともに受け取れるのかと思うようなひどい経歴でした。それはどんな経歴かというと、以前に事務員として勤めていた病院で長年にわたり横領を働き、使い込んだ額はなんと1億5000万円にも上ったそうです。しかも一回発覚していながらもこりずにまたやって、またばれて、結局返済義務を課された挙句に辞めさせられたそうです。
病院を辞めた後に現在の水供給会社を作ったそうですが、こっちも経営実態は借金まみれて文字通りの自転車操業でした。にもかかわらず経営が順調であるかのように見せかけて中林社長は金融機関に対して融資詐欺を繰り返し不正に得た金額は資本金5000万円の会社に対して数億円にも上るそうで、藤井市長の弁護団は「中林社長が融資詐欺で立件されている件数は不自然に少ない」と指摘しています。
このように経歴からして真っ黒な中林社長ですが証言もあやふやそのもので公判の最中も、「藤井市長から金に困っていると聞いた」という発言を弁護団からの指摘を受けて、「実は藤井市長の知人から聞いた」とその場で翻す始末で、見ていてなんですが「何がしたいんだこのおっさん?」という気がしてなりません。
このような怪しい原告側の証言者が特に真新しい証拠や証言を出さずにこれまでの供述を繰り返したのに対し、藤井市長を弁護する被告側は公判で何をしたのかというと、書いてて笑えますがなんと暴力団員を証言者として出してきました。この暴力団員はたまたま留置所で拘留中だった中林社長と房、というか牢屋が隣同士だったため話し込み、仲良くなっていろいろ話し込むうちにこの藤井市長の事件についても本音とも取れる話を聞いたとして、わざわざ証言しに来てくれたそうです。その暴力団員が中林社長から聞いた話というのも、
・藤井社長に贈収賄をしたことにすれば融資詐欺事件の捜査を警察はストップしてくれる
・藤井市長とは二人きりの時に現金を渡したと話したが、警察からその場にはもう一人同席者がいたと言われ怒られた
などなど警察や検察とさも癒着して藤井市長を敢えて追い落とそうとするような内容を事を話した上で、この証言者に対して中林社長はわざわざ手紙を書いて同じことを伝えていたそうで、この手紙については中林社長も実際に書いた出したことをすでに認めています。この暴力団員の証言者が何故わざわざ弁護側の証言台にたったのかについては、中林社長は出所したら韓国人を相手とする人材派遣業を始めようと考えたそうで、証言者の身内に対して事業に協力するよう勝手に動いてたことに強く不満を感じたためだと本人が説明しています。
このほかにも内容を追って行ったらまだまだ証言と捜査のボロがどんどん出てきますが、これ以上何を探ろうってんだという気持ちが私にはあります。そもそもこの事件は中林社長の証言以外に事件を立証するものは何もなく、しかも中林社長が自ら現金を渡したと告白したことに端を発します。何故こんな怪しい親父の証言を警察と検察は信じたのか、いやそもそも何故岐阜県警、愛知県警、検察の三者は藤井市長を追い落とそうとしたのか、そろそろこの点について考えるべきポイントに達してきたように思えます。藤井市長は全国最年少で市長に当選しており、こういってはなんですが妬むような人間は確かに多そうで、そうした人間と上記の三者がタッグ組んでチンケな詐欺者の訴追を見逃す代わりに事件をでっちあげた、なんて考えたくなってきます。
最後に極め付けと言ってはなんですが、11月の公判の最後でこんな間抜けなやり取りがあったそうです。該当箇所を弁護士ドットコムの記事からそのまま引用します。
「最後に郷原弁護士が『今回の尋問のために何度も検事と打ち合わせしたのではないか』と問うと、2人の検事が『異議あり』と声をそろえ、『何度も、ではない』と主張。『では何回か』とあらためて聞かれた中林社長が『6、7回』と答えると、傍聴席から思わず笑いが漏れた。」
追記
コメント欄から指摘を受け、アップロード時に「警察」と書いた箇所をほぼ全部「警察と検察」に変え、「岐阜県警」と書いたところを「岐阜県警、愛知県警、検察」と修正しました。この事件、岐阜県の事件なのになぜか最初から愛知県警が捜査に加わっててなんか妙だなと感じたことをすっかり忘れてたよ……。
あと同じ方からの指摘で末尾の、「傍聴席から思わず笑いが漏れた」というところは実際の現場では大爆笑だったそうです。そりゃまぁ検察との密会した回数を聞かれて、「6、7回」と正直に答えられたら面白いに決まってますし、普通のギャグセンス持ってたら爆笑すること間違いなしでしょう。それにしてもこのおっさん、傍から見ている分には凄い面白いな。
追記
コメント欄から指摘を受け、アップロード時に「警察」と書いた箇所をほぼ全部「警察と検察」に変え、「岐阜県警」と書いたところを「岐阜県警、愛知県警、検察」と修正しました。この事件、岐阜県の事件なのになぜか最初から愛知県警が捜査に加わっててなんか妙だなと感じたことをすっかり忘れてたよ……。
あと同じ方からの指摘で末尾の、「傍聴席から思わず笑いが漏れた」というところは実際の現場では大爆笑だったそうです。そりゃまぁ検察との密会した回数を聞かれて、「6、7回」と正直に答えられたら面白いに決まってますし、普通のギャグセンス持ってたら爆笑すること間違いなしでしょう。それにしてもこのおっさん、傍から見ている分には凄い面白いな。