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2014年12月2日火曜日

京大の公安トラブル事件について

 ちょっと時間が経っていますが思うところがあるので先月起こった京大での公安トラブル事件について書きます。なおこの事件の名将については「京大ポポロ事件」という呼ばれ方もありますがこの名称だとネーミングセンスが感じられないので私は拒否します。ちなみにこの名称を聞いて真っ先に思い浮かべた言葉は「アバンチポポロ」というイタリアの歌ですが、こんなの想像するのは間違いなく私一人だけでしょう。
 
 話は本題に入りますが事件のあらましを簡単に説明すると、11月2日に行われた中核派のデモで逮捕された学生三人のうちに二人が京大の学生だったことを受けてかその二日後の11月4日、京大に公安の捜査員が潜入捜査をしていたところ学生に身分がばれ、持ち物を奪われた挙句にしばらく学生によって拘束される事態となりました。この事件の評価に関しては各方面からいろいろ声が上がっていますが、中でも捜査官を捕まえた学生側こと全学連はまるで勝利宣言をしているかのように捕まえた事実を大きく持て囃しております。
 
 まず捜査官に対する私の意見を述べると、すべてにおいて稚拙であるような印象を覚えます。元々京大側と公安との間では捜査官が学内に入って捜査を行う場合は公安側が事前に通知するという取り決めがあったようですが今回の事件ではそうした通知がなかったばかりか、あっさりと学生に身分が見破られて捕まるというちょっと見ていてもかっこ悪い結末に陥ってます。学内は治外法権で公安や警察はみだりに入るべきではないという主張をするつもりは全く有りませんが、取り決めがあったにもかかわらずそれを無視して約束破りをするというのは法の番人として如何なものかと思います。まぁぶっちゃけ交通違反などをみていると私も警察は嫌いで、ゲーム中(「逃走ハイウェイ」とか「セインツロウザサード」)なんかはよく、「国家の犬め……」なんて呟きますが。
 
 次に学生側について意見を述べると、まぁ向こうも逃げようとしたんだから捕まえたくなるというのは人情としてわかるししばらく拘束するというのも理解できなくはありませんが、この一件を持ってさも大勝利であるとか国家の介入がどうだこうだと大騒ぎするのは見ていて正直、「ちっちぇなぁ」なんていう感想を思わずにはいません。言ってしまえばウサギ一匹捕まえた程度でこんだけ大喜びする事かと言えばそうでもないし、逆を言えばそうやって大騒ぎせず(=功績を過大に宣伝せず)には組織が保てないのかと疑います。
 またその後の京大学生寮への家宅捜査においても激しく公安を批判してここでも学問の自由やら大学自治がどうこう言ってましたが、少なくとも中核派という過去に大規模なテロ事件を起こした団体の関係者が捕まっているのだから、自治もクソもなくどうして単純な治安活動として受け取れない、やましい腹でもあるのかと勘繰りたくなります。まぁあるんだろうけどさ。
 
 以上が事件に対する主な感想ですが、少し論を発展して関西の学生、特に寮生の妙な思想についてもう少し触れます。まずいきなり断言しますが基本的に関西の学生寮はほぼすべて左寄りで、社会主義勢力の肩を持つ一方で無意味に警察や政府を敵視しています。繰り返しますが彼らの敵視は本当に無意味で理由はなく、特に理論立ったものもなければ特別な怨恨も何もありません。
 何故関西の学生寮にいる学生はそういう思想を持つのか、一つは私が前に書いた「『弾圧』を自己正当化理由にする人々」で書いたように自分たちが大きな勢力(=権力)に弾圧されていると主張することでしか自己正当化できなくなっているのと、やや外界と隔絶されたインナーでカビ生えた妙な文化を育んでいるためではないかと考えています。
 
 何故私が知ったかぶりでこのように語るのかというと、ほんのちょっとですが関西の学生寮と接触を持ったことがあるからです。私は世にも珍しく箱根の関所を越えて関西の大学に進学しましたが、なるべく生活費を抑えたいがために学生寮に入ろうと当初は入寮を希望しました。てっきり私は入寮者は大学事務所での抽選か何かで決まるのかと思ってたら寮生が面接で決めると言うのでただでさえ出費が苦しいというのに入学前に新幹線往復台を払って京都まで面接を受けに行きましたが、面接前に行われた寮の説明を聞いて「何こいつら?」と強い違和感を覚えました。
 どの点に違和感を覚えたのかというと、寮生が語る寮の歴史とやらです。どういう内容かというと、「〇年 大学側との交渉の末、電気代を大学側の負担にさせることに成功した」、「×年 備品代を大学側の負担にさせることに成功した」、「△年 ガス代を……」という具合で、まるでさも自分たちが大学運営側との交渉で実績を残して来たかのように書いてありますが、中身を見る限りだとむしろ大学側に脛をかじるというかたかるというか、不必要なまでに依存していることを自慢げに語ってました。にもかかわらず、「これは学生自治の成果だ!」と主張していて、自治だの自立だの言うのなら電気代くらい自分で負担したらどうかと素直に感じました。同時に、大学側に色々負担させているのだから感謝の気持ちを持つのならともかく、むしろ敵視するかのような発言を繰り返すという点を取っても人情のなさを覚えました。
 
 結局面接には落ちて私の新幹線往復代は空費することとなったわけですが、その後の学生生活で何度か寮生と会って話す機会があり、彼らもああいう妙な主張を自分自身で胡散臭いと理解しつつもなんか伝統となっているから受け入れてるみたいなことを話していました。もっとも寮生だった後輩からは、「きっと花園さんなら寮の文化にすぐ溶け込めますよ」なんて言われてちょっと不安に感じましたが。
 
 最後にまとめると、関西の学生寮は決して思想的なバックボーンがあって学生自治だの公安敵視だのをやっているわけでなく、思考を停止した上で妙な伝統だと思いつつも受け入れてやっているのが大半ではないかと私は考えているわけです。その上で述べると、書類選考でやればいいのに無駄に面接をやって金の少ない入寮希望者にムダ金使わせるようなことはとっととやめろと言いたいのと、今回もこういう事件あったのだし、恩を売っても仇で返すような連中も多いのだから大学運営側はこの際寮を廃止した方が良いのではとお勧めしたいです。
 実際、中核派とかは完全に活動の根拠を失っているし、そんなのに惑わされる時点で学生どころか人間にとって必要な最低限の自我がないのではと内心思います。まぁそれを言ったら魂持ってる日本人は自分を含めてどれくらいいるのかだけど。

2 件のコメント:

上海忍者 さんのコメント...

もし京都公安人数が足りなかったら、上海公安を派遣させて頂きますわ。

花園祐 さんのコメント...

 京大だったら案外、上海の公安歓迎するかもね。