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2016年4月25日月曜日

映画評論家の前田有一氏への感想

「テラフォーマーズ」5点(100点満点中)(超映画批評)

 撮影前からいろいろと不安視する声が多かった人気漫画「テラフォーマーズ」の実写版映画ですが、この映画に対する映画評論家の前田有一氏の評価が上記の5点だったということでやっぱりと思った方も多かったのではないでしょうか。前田氏はこの映画について、

「いずれにせよ、実写版『テラフォーマーズ』は、長年私が指摘してきた邦画の問題点が凝縮されたような映画である。」

 とまでこき下ろしており、なんかここまでこき下ろしていると逆に見に行きたくなるといういわゆる「負のオーラ」すら感じます。ただ前田氏は原作の漫画作品に関してはこのレビューでも絶賛をしていて末尾に至っては、

「真のヒロインことミッシェル・K・デイヴスを魅力的に撮れる映画人が、はたして日本のどこかにいるのかどうか。あきらめずに期待だけは持ち続けていたい。」

 と書き記しており、漫画原作を読んでいて同じくミッシェルさん大好きな自分としても大きく頷かせられる意見です。ってかこだわる所ここかよと思いつつも、「ここだよ!」と納得する自分がいる。

 ここで話はダメ映画から切り替えてこのレビューを書いた映画評論家の前田有一氏について書いてきますが、大体一昨年くらいにこの前田氏のレビューサイト「超映画批評」を知ってからよく訪れてレビューを見てたりします。前田氏と自分は比較的感性が近いのかもしれませんがレビューでおすすめとされている映画は私も大体同じように面白いと感じられ、逆に過去に私が見たクソ映画がレビューで酷評されていると、「そうそう、そうだよ!」と手を叩きたくなるような感じがして、暇な時なんかボーっと眺めていることも少なくありません。

 ただこの前田氏の評論についてはネット上でも議論となることが多く、独善的な意見だと批判する人も少なくありません。こうした点について私個人の立場から意見を言うと、評論家と言っても人間である以上相性というものはどうしても避けられず、万人に対し公平な評論を行える評論家なんてものはそうそういないというかいるはずないでしょう。それならば自分が面白いと思う映画をきちんとピックアップしてくれる相性のいい評論家を見つけることが肝心で、自分と感性が合わないというのなら気にしなくていいのではなんて思います。

 その上で私なりに前田氏の評論の仕方で優れている点をいくつか挙げると、まず評論の文章が警戒でリズム感よく、本人の意見がわかりやすく書かれていてる点が上がってきます。逆に本音に近い思想も見えることから嫌悪感を持つ人もいるのでしょうけど、この辺はトレードオフでしょうし。
 次に、これは私が知る映画評論家の中でも前田氏だけがきちんと実践できている点ですが、映画に詳しくない素人向けをベースにしつつ玄人向けの解説も同時に行っているという点です。いくつかレビューを見ていると、「映画好きにはたまらないけど素人にはお勧めできない作品」などと紹介されているものも少なくなく、その理由についても簡潔にまとまっています。

 案外こういう二極向けのレビューというのは意識してできるものではなく、基本どっちかに偏った評論が世の中では多く氾濫しています。一例をあげると自動車で、よくユーザーレビューを見ているとファミリーカーのレビューにおいてもやたら走りにこだわる人がやれトルク配分がどうだとか高速時のギアチェンジがどうだとか、普通の人が車選びをするに当たって全く不要、というか余計な情報ばかりびっしり書きこんでいるのをよく見ます。前にも書いた「全てのジャンルはマニアが潰す」じゃないですが、よく知ってる人はやはり必要以上にディープな内容を書き込みがちです。

 それに対して前田氏の映画はあくまで映画にそれほど詳しくない私のような素人向けにどういった点を見ればいいのか、出演している俳優や監督のキャリアがどうなのかなどを簡潔に説明した上で、玄人向けにも映像効果の説明を挟んであって実にバランスのいい評論をしているなと見ていて感じます。でもって、親子連れで見た方がいいとか、大人だけで見に行った方がいいなどと映画の見に行き方にも言及されてあって、自分のようなライターからすれば「優しい書き方」をしているようにも見えます。

 ここで一気に話を転回しますが、評論とは必ずしも万人向けとは限らないということです。途中で出した自動車レビューについても、逆に走りや性能にこだわる人からすればディープな解説の方がありがたいわけで、要は自分が求める情報とその評論がマッチしているかということが重要になるだけに自分とマッチする評論家を捜すことが重要だと言いたいわけです。映画然り車然り政治評論然り、その評論家がどこに着眼点を持ってどういう解説を展開するのか、そのマッチ率を考慮せずに自分と合わないからと言って即その評論家を批判するというのはちょっと気が早いのではないかと思うわけです。
 もっとも明らかに事実と異なる根拠や意見を主張したり、ステルスマーケティングをしてたりってんなら話は別ですがね。この辺はいわゆる「独立性」という評価項目に当たるわけですが、これを理解せずに人批判する輩もいるのでたまに鬱陶しいです。

 そんなわけで前田氏の評論がしっくりくるという方は多分感性が私に近い人だと思います。なお歴史解説では半藤一利氏、保坂正康氏のコンビが私と相性がよく、ワイドショーだと「てっちゃん」こと宮崎哲弥氏が聞いててすとんと落ちる部類です。逆に合わないのはテリー伊藤氏、金子勝氏とかかな。

2016年4月24日日曜日

中国の高級車オーナーのメーカー別性格・特徴分析

 以前にやけに中東系の顔したうちの親父の会社でのあだ名が「ビンラディン」だったと書きましたが、言われてた当時に部下などから、「ってかビンラディンむかつかね?」、「最近ビンラディン生意気だよね」なんてCIAの会話っぽい陰口叩かれてたのかなと想像したらなんか笑えてきました。

中国の高級車オーナーの平均年齢33歳 半数ハイヤーの運転手を経験(人民網日本語版)

 でもって本題ですが、また人民網からの引用記事ではあるもののこの記事は思わず目を見張りました。現在世界で最も高級車が売れる市場である中国ですが、なんと高級車メーカー別にそのオーナーの性格・特徴分析を行ったというのが上記記事です。よくもまぁこれだけの大調査をやってのけたと思うだけに強く敬意を覚えると共に、日本のメディアもこういう面白い記事の一つや二つ作って見せろよとげんなりした気分も味わいました。
 この性格・特徴分析ですが、読んでて同じ東アジア人なだけに日本人にも当てはまるんじゃないかと思う節があり、元記事を読んでもらう方が早いのですが私なりにいくつかトピックスをピックアップして紹介します。

1、高級車オーナーの資産・所得分析
 性格だけでなくこの調査では高級車オーナーの資産と所得についても分析されているのですが、まず平均月収は3万1千元(約52万7千円)、世帯月収は9万元だったとのことです。中国は夫婦共働きが普通なので個人収入だけでなく世帯月収について統計を出しているのはなかなか面白いところな気がします。なおオーナーの平均年齢は33歳だったとのことで、日本と比べるとここには大きな差があるでしょう。
 メーカー別の平均で世帯所得が最高だったのはランドローパー、世帯総資産額が最高だったのはポルシェだったようです。逆に世帯所得最低はなんとトヨタ系列のレクサスで、生体総資産額最低も日産系列のインフィニティとなり、どちらも日系がワーストになっています。昔、フェアレディZが「プアマンズポルシェ」と呼ばれてたそうですが、同も中国の高級車市場では「お金のない人の高級車」、「まだ手が出しやすい高級車」みたいな位置づけで見られているのかもしれません。

2、日系ブランドオーナーの特徴
 丸々引用となってしまいますが、ここで出てきた日系ブランドのオーナーイメージ象を出すと以下のように分析されているようです。

<レクサス>
●オーナーのイメージ像:外資系企業の中堅幹部
●プロフィール:中性、男性が多い、高齢者が多い、高学歴者が多い
●社会的地位:中小企業の企業家、外資系企業の幹部、外資系企業の中堅幹部
●性格の特徴:努力家

<インフィニティ>
●オーナーのイメージ像:セレブ
●プロフィール:中性、若い、高学歴者が多い
●社会的地位:職業的特徴はあまりない。特に多い社会的地位はない
●性格の特徴:特に特徴はなく、比較的上品

 インフィニティはともかくとして、レクサスに関しては凄く納得できる結果に見えます。なんていうか中小企業の社長とか大企業の中間管理職のおっさん辺りが乗ってそうなイメージだし、最後の「努力家」ってのも如何にもトヨタ系列っぽいです。
 逆にインフィニティは「セレブ」ってなんやねんと思う意外な結果なのですが、女性陣に人気なのかもしれません。日本じゃあんまりインフィニティブランドが普及してないから日本国内でもこれというイメージが湧きませんが、とりあえず中国ではこんな感じのようです。

3、他の気になったメーカーの特徴
<ポルシェ>
●オーナーのイメージ像:富裕層の子供、気取っている、個人主義
●プロフィール:中性、若い、独身の高学歴者が多い
●社会的地位:富裕層の子供、成金、芸能人
●性格の特徴: 気取っている、上品、自信家、見栄張り

 「社会的地位」に「成金」って言葉が入っていますが、こんな単語は日本の記事じゃまずかけないでしょうけどすごく的を得た言葉であるような気がします。全体的に生意気そうな奴が乗ってる感じがビンビンと伝わってきます。

<ベンツ>
●オーナーのイメージ像:大企業家、上品、成功者
●プロフィール:中性、男性が多い、高齢者が多い、高学歴者が多い
●社会的地位:政府関係者、国有企業の幹部、大企業家
●性格の特徴::努力家、落ち着いている、見栄張り、責任感がある

 日本で高級車の代名詞であるベンツですが、こちらはイメージ的にはほぼ完全に日本と共通しているのではないかと思います。特に性格特徴の「落ち着いている、責任感がある」はすとんと腹に落ちてくるだけに、グローバル単位でベンツは自社イメージの徹底に成功しているんだなと思えてきます。
 もっとも、日本みたいにヤクザ御用達っていうオプションが中国でも通じるかはわかりかねますが。

<BMW>
●オーナーのイメージ像:ポジティブ、富を自慢する
●プロフィール:中性、女性が多い、若い既婚者が多い、高学歴者が多い
●社会的地位:成金
●性格の特徴:気取っている、物質中心、見栄張り、ポジティブ、責任感に欠ける

 ベンツと双璧を成す高級車ブランドのBMWですが、社会的地位が「成金」以外何もないってのがじわじわと来ます。逆を言えば日系高級車ブランドが致命的に書けている要素というのがこうした成金向けな要素ではないかとも思え、いまいち垢抜けてないのではないかとも思えてきます。友人とも話しましたが、レクサスにしろインフィニティにしろアキュラにしろ、変に庶民感を出したりするなどブランドイメージをきちんと固定化できていない面が見られ、偉そうなことを言える立場じゃないですがもうちょっと真面目に商売したらとこの調査結果を見ていて思うわけでした。 

2016年4月23日土曜日

熊本地震によるさらなる建設作業員人件費の上昇予測

 昨夜12時に床に入ってから今朝は9時半に起きましたが、昼間の午後2時から5時までまた昼寝していました。先週も大体そんな感じでしたが私と同業で同じく繁忙期を迎えている友人の嫁に話聞いたら、「私も今日、12時間寝てた」と言ってて、みんな疲れてるんだなぁってよくわかりました。耳栓とか睡眠グッズを今度買ってこようかな。

 話は本題に入りますが、先日起きた熊本地震を見て即思ったことがあったのですが、他に同じこと言う人いないかなと思ってこれまで黙ってきたものの今に至るまでそういった報道を目にすることなかったので今回記事にしますが、率直に言って、「マンションバブルもこれで終わりかな」と思いました。
 建設業界に密着しているわけではないのですが、ここ数年は東京都心部を中心にマンションの建設ラッシュが起こると共に販売も好調を続けていると聞きます。好調の原因はちょうど都内の再開発がオリンピック開催決定と共に始まってきたことと、リーマンショック後に大きく落ち込んだ価格が回復してきたこと、そしてなにより消費税増税前の駆け込み需要が大きかったと指摘されています。最後の消費税増税に関しては5%から8%に上がった時点で収まるかと思ったのですが未だに好調を続けていて、10%に引き上げ以降はわかりませんが長谷工とかを中心に未だに建設ラッシュが続いています。

 ただこの建設販売ラッシュにを心配する声は前から多く、特に建設作業員の人件費高騰はゼネコンや施工会社を中心に不安要素としてずっと指摘されてきました。建設作業員は東日本大震災の発生以降は慢性的に不足気味で、廃炉作業と合わせて人件費は上昇しっぱなしだそうです。それでも数ある施工不良事件にも負けずマンション販売は好調を保ってきていることから致命的な問題に発展するには至りませんでしたが、今回の熊本地震発生を受けてがれき撤去作業などにさらなる建設関連作業員の需要が高まると思われ、それにより人件費はさらに高騰し、業界的にも悪影響の方が大きくなるのではないかと直感的に思いました。

 特に廃炉作業がある福島とオリンピック準備建設がある東京の場合はまだ距離が比較的近い事もあって作業員の移動でも大きく問題にならなそうですが、この二か所と九州地方の場合は大きく距離が離れてあり、弾力的な人員移動は叶わず高騰に拍車をかける気がしてなりません。特に東京では国立競技場の建設を巡って度々問題となってきましたが、もし私の予測通りに人件費が高騰すれば当初の予算を大きく上回る金額となりかねず、その他の施設を含めてオリンピックによって大赤字を喫するのではないかという懸念があります。まぁそれ言ったら最初の東京五輪でも、「赤字予算」というパンドラの箱を開けるきっかけになったのですが。

 では今後どういう対策が必要なのか。なんでもしていいんだったら囚人を大量に導入してがれき撤去作業、廃炉作業に従事させるのがベターな気がします。逃げられないよう、いざって時に首ネジネジするアレつけたりして……。
 次に非現実的な対策として建設作業員を単純に増やすためキャンペーンを行うというやり方ですが、高額の報酬を出したところで果たして集まるかどうかという点で疑問があるので非現実的です。
 最後に現実的な対策としては、困った時の移民で、何らかの枠を以って建設作業員の移民を2020年までという期間限定で受け入れるというやり方です。現実的ではあるものの、決断する人は多分いないなとは思ってますが。

2016年4月22日金曜日

三菱自動車の燃費不正事件について

421億円、22日に繰り上げ交付=普通交付税、県と16市町村に―熊本地震(時事通信)

 本題とは関係ないですが上記のニュースを読んで、「421億円の繰り上げ交付を4月21日に発表するってわざと?」って思いました。こういう数字ごろ合わせは中国だとよくありますが、日本だとあんま見ないだけにちょっと気になりました。

 で、本題に入りますが、最初に宣言しておくと私は自動車メーカーの中でも三菱自動車が一番好きな根っからの三菱党です。オイルショックの時代に何故か「オイルイーター」の異名を馳せた初代「マツダRx-7」を買って「ここでガス欠したらどないすんねん」とびくびくしながら乗車していたうちの親父も三菱党で、よく二人で、「あのパジェロイオいいね」、「RVRのカワセミブルーってなんやねん」などと三菱車については普段からよく語り合っていました。
 そんな二代続けての三菱党である自分(一番好きなのは「FTO」)からしても今回の事件を受けて、もうこの会社は駄目だろうとはっきり悟りました。海外販売は続けるかもしれませんが、日本国内ではもうどうやったって立て直しは効かないでしょう。

三菱の不正問題にはまだ続きがあるかもしれない。清水和夫が緊急寄稿(carview!)
三菱自動車の燃費不正、関与は実験部長に留まらず。拡大していくだろう(国沢光宏)

 もはや説明するまでもないでしょうが、三菱自動車が日産にもOEMで出している軽自動車二車種において燃費試験で有利になるよう基礎データを改竄していたということを20日発表しました。昨日は三成の評価がストップ高と書きましたが三菱自動車の株価は今日もストップ安で、ホークスの柳田選手の連続四球記録じゃないですが三菱自動車のストップ安が何日続くのかは一種見物でしょう。

 この燃費不正についてあちこちの報道を読む中、一番よく解説されているなと思ったのが上記リンク先の「carview!」の記事です。ジェイキャストなんか一応出典は書いているけどこの記事をまるまんま引用して自分とこの記事に使ってるほどですが、この記事にも書いている通りに本当にやらかした不正はこれだけなのかという点でやはり疑問に感じます。具体的に言えば海外販売している車種はどうなのか、仮に海外販売車種でも同様もしくは異なる不正が施されていればそれこそ第二のVW事件みたいに発展していくでしょう。
 また組織的関与についても現在は開発担当者の判断と三菱自動車側は説明していますが、上記リンク先で国沢光宏氏が指摘しているようにそれは有り得ず、複数部門が結託しなければ起こり得なかったと私も思えるだけに根はもっとずっと深いはずです。

三菱燃費不正問題を実燃費データから検証する(レスポンス)

 普段はあまりレスポンスの記事を評価していないのですが今回のこの事件については上記記事はよく取材されており、他メーカーの軽自動車と合わせてカタログ燃費と実燃費を比較しています。高燃費を謳う車というのは低燃費の車と比べ、概してカタログ燃費と実燃費の差が大きく開きがちなのですが私個人の感覚で述べるとその差は大体60%くらいで、カタログ燃費が30Km/ℓなら実燃費は18Km/ℓくらいになるとみています。レスポンスの記事の比較でも大体その通りでホンダの「N-WGN」が63.2%に落ち着いた一方、三菱自動車の軽二車種は50%台半ばと低く、今回の燃費不正で10%前後燃費が変わると発表していることから割とこの数字は不正があったことに合致するなという気がします。

 三菱自動車は過去のリコール隠し事件の影響から十年以上経っても「リコール隠しの三菱」という見方が強いです。そんなイメージが根強い中で今回の事件があってやっぱりその隠蔽体質は変わらなかったのかと消費者は考えてるでしょうし、実際に三菱自動車の社内もそうだったとしか言いようのない体質だったわけです。前回のリコール隠しの時も普通の会社なら潰れている所を三菱グループの強力なバックアップがあって命脈を繋げられましたが、さすがに今回ばかりは三菱グループもそこまで支援しないでしょうし、仮に支援があったとしても経営を継続できるレベルではないとも思え、ちょっと気が早いかもしれませんがもはや経営破綻は免れないでしょう。ランエボ大好きな奴田原さんとか、これからどーすんだろ。

 でもって仮に経営破綻するとしたら、どこが買うのか、でしょう。家電業界と違って自動車業界なら国内メーカーもあり得るでしょうが最有力候補はやっぱり中国の自動車メーカーじゃないかと思います。そもそも中国の自動車メーカーはエンジンをほとんど自作しておらず三菱自動車、並びにその親会社の三菱重工から大量に仕入れ購買しており地味にそのシェアは半端なく高いので、買収するメリットは低くはなく、何より現金持ち歩いているのが強いです。三洋、シャープに続くというか、自動車業界からも外資に買収される企業が出てくるかもしれないというのが現時点の私の見方です。ってか、ドラマの「ハゲタカ」がこういう展開だったような……。

  おまけ



 地味に夢のようなコラボが実現していたようです。

2016年4月20日水曜日

日本のベストオブ施政家~文官だっていいじゃない

 さっきスカイプ開いたら友人に、「今日は帰ってくるの早いね」とすかさず言われました。繁忙期が一段落しつつあるためすぐ帰ってきたのですが、なんか帰宅時間を常にチェックされてる旦那のような気持ちを覚えました。

 話しは本題に入りますがよく歴史議論で、「誰が最強の将軍」だとか「戦国最強は誰か」などと戦が上手い武将や将軍の比較をよく見るのですが、「誰が最も政治運営が上手かったか」というランキングはあんま見ないように思え、ならそうした政治運営を司った文官系の歴史人物の中でも特別優秀だと思う人たちを私の視点で挙げてこうと思います。前置きは以上なので、早速行きましょう。

1、藤原不比等
 歴史教育では「大化の改新で活躍した中臣鎌足の息子」として紹介されることが多いものの、実際の業績を見るならば中臣鎌足こそ「不比等の父」と紹介されるのが筋だと考えています。藤原不比等は主に天武、持統朝で活躍し、後の大宝律令の原型となる養老律令を編纂したほか平城京への遷都といった当時の大事業を政治家リーダーとして指導しています。特に養老律令は古代日本における法律体系のスタンダードとなり後世への影響力も計り知れないのですが、それ以上に不比等の場合は今も五摂家として脈々と続く藤原氏の実質的な開祖に当たり、ある意味では天皇家に次ぐレベルで系統の長い一族を開いた人物としても見ることが出来そうです。

2、石田三成
 早くも三成ですがここ数年での評価の逆転ぶりには目を見張るものがあり、恐らく今後もストップ高が続くんじゃないかと思います。何故急に彼の評価が高まったのかは今までよくわかりませんでしたが、多分「戦国無双」ってゲームでかなりいい感じにキャラが作られたことが何よりも大きいのではないかと思います。実際、このゲームでは幸村やガラシャを抑えて常に人気ランキングトップらしいし。



 この人気に便乗しようとしたのか、滋賀県も気合の入ってきた妙なCM風動画を作ってきています。にしてもこの作品、いい具合に昭和テイストを盛り込んであって作った人は真面目にすごいと感心します。

 真面目な評論に移りますが、彼が行政官として活躍したのは豊臣政権の一時期でしかないにも関わらずその業績は非常に幅広い上に深く、後世への影響力も半端なく大きなものです。彼が主導した太閤検地によって日本で初めて度量衡が統一され、また五人組制度や参勤交代制度といった江戸時代に継続して採用され続けた制度の下地を作ったのも三成で、見方によっては主君である豊臣秀吉以上に後世への影響力が強い人物だったとも言えるでしょう。
 仮にもし三成が豊臣家を裏切って徳川家に仕えていれば、南公坊天海や土井利勝といった江戸時代初期の政治家は出る幕もなく、日本史上屈指の政治家としてその名を残していたかもしれません。

3、大久保利通
 また時代が一気に飛びますが、現在の日本国の国家体制の基盤を一から作った人物となると間違いなくこの大久保利通が上がってきます。それまで薩長の有力者によって恣意的に役人を決める太政官制からの脱却を図るため省庁制度を導入し、日本で初めて官僚制度を整えたのを皮切りに、廃藩置県導入後の徹底、予算編成、果てには自ら借財しての公共事業の実施などありとあらゆる政治業務をほぼ彼一人(+博文)が指揮して成し遂げていきました。暗殺によって志半ばで死去しますが、仮にもし彼がその後も生き続けた場合、国会開設は早まっていたのか、それとも遅れることとなったのかは議論してみると案外面白いかもしれません。

4、高橋是清
 昭和金融恐慌、世界恐慌という二度の金融危機において大蔵大臣として第一線で指揮を取り、混乱する日本経済を見事に立ち直らせた実績とその実力は疑うべくもないでしょう。また日露戦争時に英国をはじめとした海外からの公債調達においても活躍されたと言われており、内政に外交と両方面で傑出した功績を残しております。彼の評伝はやや少ないようにも思いますが、戦前の経済政治家では間違いなくナンバーワンと誰もが目している人物なだけにもっと評価されるべきだと内心思っています。

5、池田勇人
 占領統治下の吉田茂、ノーベル平和賞の佐藤栄作、昭和元禄の田中角栄に囲まれて戦後の総理としてはやや地味というか目立たないこの池田勇人ですが、内政という業務においては私は間違いなく彼が戦後最高の実力を発揮した人物だと睨んでいます。大蔵官僚の役人として吉田政権下で活躍し、政界転出後はなんと当選一期生で大蔵大臣に就任してGHQとの経済交渉を一手に引き受け着実に成果を出し、「経済の事なら池田にお任せください」というキャッチフレーズと共に総理に就任するや「所得倍増計画」を打ち出し、復興を終えた日本のグランドデザインというか国家目標を編み出して国民を引っ張ったその実績はこちらももっと評価されるべきだと私は考えています。
 なおあまり知られていませんが池田は大卒後に大蔵省へ入省したものの、すぐ全身に膿がでる難病にかかり一時退職を余儀なくされます。この病気は計五年間も続き最初の妻は看病疲れで過労死するほどで、池田本人も激痛から何度も「殺してくれ」と洩らしたほどの壮絶な体験だったそうですが、病気回復後に大蔵省へ復帰するや有り余る能力を発揮して復帰者とは思えないほどの出世街道を歩むこととなります。一度「死」を体験したものの強さというべきでしょうか、地味に好きな戦後政治家であったりします。

自己愛の激しい人、自己嫌悪の激しい人

 以前に読んだ小保方氏の著書に対する佐藤優氏の書評にて佐藤氏は小保方氏のパーソナリティを、「自己愛の塊」と評しておりましたが、この表現に異論を述べる人はそんな多くはない、というよりはほとんどいないでしょう。実際自分から見ても自己愛の激しい人はこれまで直接間接含めていろいろ見てきましたがあれほどのレベルとなると確かに思い浮かばず、恐らく今この現状もフェスティンガーさんの認知的不協和を起こして自分ははめられただけで何も悪くなく、いつかきっと世間は理解していると本気で信じてそうな気がします。

 ここで引っ張り出した「自己愛が強い」ですが、わざわざ説明するまでもなくこの手のタイプは面倒だという事実をこの手の人間に関わった人なら誰もが十分に理解していることでしょう。自分なんか前の会社の上司がまさにこの典型で常に自分の自慢話か苦労自慢しか話さず、仕事でも常に失敗してるのですが景気がどうとかあともうちょっとで取れるとか交渉中だとか嘘八百を並べ立てて絶対に自分に非があるとは認めようとしない輩でした。挙句の果てには会社判断で進めていた話を中断すると決めたら、「そんなことするというのならもう自分は必要ないってことだな。それならば辞表を出す!」と言ってましたが、その後いつまでたっても辞表は出してくれませんでした。多分今でも自分は必要とされてるからクビ切られないとか思っているんだろうな。

 上のは私の身近な話ですが、芸能界でもう一人極端に自己愛が強いなと密かに睨んでいる人物として元フィギュアスケート選手の安藤美姫氏がいます。なんでこう思うのかという理由としてはテレビ番組にこの人が出てくるのを見ればすぐわかると思いますが何かコメントをする際に十中八九、「私もフィギュアの練習などで……」、「私もフィギュアの試合前とかに……」などと、確実に自分の体験談(それもほぼフィギュア関連)を引用して自分の話しかしないからです。相手の話に合わせて「その時はどういうこと考えたのですか?」などという返答は皆無に近く、よくここまで超然としてられるなと逆に感心します。なんていうか生き様もそんな感じするし。

 こんな具合で、正直なコメントを述べると自己愛が極端に強い人にはあんま傍にいてもらいたくないってのが私の本音です。遠目に見る分にはそりゃ楽しいかもしれませんが近くにいたらすごい疲れそうなので、何かとトレードオフする才能とかない限りは私もなるべく関わろうとはしないようにしています。

 では逆に自己愛が低すぎる人、自己評価が低い人、極端に来れば自己嫌悪の激しい人はどうなのでしょうか。多分今真っ盛りの就活の面接で、「あなたは自己愛が強い方でしょうか、それとも自己嫌悪の方が強いでしょうか?」と質問されて「自己嫌悪!」って言ったら真っ先に落とされてしまうでしょうが、ここだけの話、日本人は平均的に言えば自己嫌悪の方が強い国民性だと思います。端的に言ってアメリカ人と日本人を比べればもう歴然で、中国人と日本人とを比べてもやっぱり中国人の方が「自分大好き!」って屈託なく言ってくると断言できます。

 もちろん自己愛も自己嫌悪も極端でなければいいわけでどちらが強いか弱いかは優劣につながるわけではありません。社会学的に言えばアノミー論にもつながりますがどちらもほどほどのバランスを保っている状態が精神的には落ち着くとみられ、どっちかに大きく偏っているという自覚があればそれをバランスのいい状態に持って行こうと意識するのが割とベターだと私は考えています。実際、私が指導する人間にそのような傾向が見られた場合は、はっきりとは言いませんが自己愛が強い奴にはプライドをどっかでへし折ってやって、逆に自己嫌悪が強い人間には何かを持ち上げて自信をつけさせたりしてきましたし。

 ただ自己嫌悪が強い人間は、日本人が平均的にその資質を持っていながらも、極端なレベルとなるとほとんど見ることはないと思いますし私もそんなに会うことはありません。自己愛が極端な人がやたら目立つということもあるでしょうが自己嫌悪が強いかどうかはパッと見では意外と気づき辛く、またネガティブな表現してることもあってむしろそうした資質がばれないような行動を取ってくるので気づかないし目に入らないのも自然なことです。
 そこで私の持論なのですが、見分け方というより自己嫌悪の強い人に共通するのではと思う特徴として周囲に対する貢献意識や献身行動が極端に強いという点があるのではと密かに睨んでいます。それもなるべく割に合わない仕事とか作業を引き受けるようなタイプです。

 仮にこの通りであれば、自己嫌悪の激しい人が横にいると便利というか非常に楽できそうな気がするので、むしろそういう人が身近にいてくれれば助かります。平たく言えば日本人全体にこのような傾向があるとも思えるのですが、その一方でやはり極端に献身行動が強い人には心配に感じることも少なくなく、そういう人を見かけたら「もっと自分にワガママになれよ」って一声かけるようにはしています。
 まとめとしては、自己愛も自己嫌悪もどっちかに大きく振れたら意識して引き戻しバランスを保たせた方が無難だというのが私の意見です。

 ……多少愚痴になりますが、こういう話をして太宰治をすぐ確実に引用してくる友人に囲まれてた学生時代はよかったなぁと思うと共に、こっちが全力出して議論に臨む機会が最近めっきりなくなった現状を寂しく思います。

2016年4月19日火曜日

日本の電気自動車がテスラに敗北すると思う理由

 最近お金使い過ぎだと思うから節約しなきゃと思ってた矢先でまた衝動買いをしてしまい、輪行用の袋を昨日買ってしまいました。輪行と聞いてもすぐわからないと思いますが要は自転車を丸ごと入れて運ぶための袋で、さりげなく寄ったジャイアントのお店で店頭にある袋を指さして、「これいくら?」と聞いたら1980元(約4万円)といわれ、もっと安いのないかと聞いたらすぐ480元(約1万円)を出されちゃもう買うしかないです。店の親父には、「日本に持って帰るの?」と聞かれましたが、約一ヶ月ぶりに来たのに私が日本人だってことをしっかり覚えてる辺りは見事なもんです。
 ってか、やたら頻繁に来る変な日本人って噂されてるのかも……。

テスラは未来のクルマか?(ITメディア)

 そんなわけで本題入りますが、以前に米国屈指のカリスマ経営者であるイーロン・マスク氏を取り上げた際に彼の起ち上げた電気自動車(EV)メーカーのテスラモーターズも紹介しましたが、やはり話題になっているというか私だけでなくあちこちでもこの会社はよく取り上げられています。上記リンク先の記事もその一つなのですが、見出しを見ればわかる通りにどちらかと言えばテスラの悪い所を突っつくかのような書き方がされてて、元々ITメディアの記事は前から好きじゃないというかライターの質があんまりよくないな(無駄に専門用語を並べ立てようとする癖がある)と思ってはいたものの、この記事も読んでてアホかいなと思うところと思う点がいくつか散見されました
 まず最初に目についたのはテスラの車の問題点として過大な車重を指摘している点です。具体的に引用すると以下の部分がそれに当たります。

「各方面の報道でモデルSの車両重量を調べてみると、その重さは実に2.2トン超えというものだ。リーフは1430kgから1480kg。日産のエンジニアはこういう現実的な車両重量に収めるためにバッテリー容量にタガをかけているわけだ(関連記事)。単純な話、2.2トンもあると立体駐車場の重量制限を超えてしまう。都市部で駐車するなら平場の駐車場を探し回らねばならない。」

 通常、コンパクトカークラスの車重は1000kg弱で、ミドルハイクラスセダンなら1200kg辺りです。1500kgを越えたら「重たい車」と言ってもよく、そういう意味では約2200kgあるテスラのモデルSは確かに「とても重たい車」ですが、EVという特殊な車で高い航続距離を稼ぐために電池を乗せることを考えると別にアリなんじゃないかと私には思います。
 引用した箇所で一番気になったのは「立体駐車場の重量制限を超える」という記述で、なんで気になったのかというと、立体駐車場という存在は日本国内以外にはほとんどないからです。調べりゃすぐわかりますが立体駐車場を作るメーカーというのはIHIとか日立など日本の重機メーカーが世界トップをほぼ占めており、何気に日本国内で一番消費されてたりもします。逆を言えば世界じゃあんまり存在しないのだから、グローバルでの販売に当たって立体駐車場に乗れるか乗れないかを気にするのはナンセンスなわけで、余計な揚げ足取りもいい所でしょう。日本、それも都内でしか売らないってわけじゃないし、都内での販売だけを気にするのもそもそもあれだし。

 またこのコラムの筆者はテスラの車はEVではあるが高馬力なスペックで作られてるため全体的にはエコな乗り物じゃないと踏まえた上で、「テスラが加速性能と航続距離を誇らないモデルを作ったとき。それこそが電気自動車の本当の夜明けになるのではないか。」と述べてますが、だからなんだというのが私の正直な感想です。逆に私の方から言わせてもらうと、多分テスラの連中はエコな乗り物を作ろうっていうのは二の次にしか考えてないと思いますし、逆にエコな乗り物にこだわってて日系EVメーカーは失敗したと私は考えています。

 元々、世界で初めてEVを量産販売したのは日本の三菱自動車で、待望すべきその車種は「i-MiEV(アイミーブ)」です。しかし発売当初でこそ受注に生産が追い付かない売れ行きだったもののその後は伸び悩み、最近に至っては街中で見かけることすらもうほとんどない状態ではないかと思いますし、EVと聞いてアイミーブを思い浮かべる人もほぼいないでしょう。
 続いて量産販売されたのは日産自動車の「リーフ」です。軽自動車のアイミーブに対してリーフはコンパクトカーサイズのEVで、また航続距離もアイミーブより長く現状における知名度や販売台数ではこちらのリーフに軍配が上がるでしょう。しかしそのリーフも最近売れてんのかというと売れてるとは聞かないし、日本の街中ではたまに見かけられますがそれでもプリウスやアクアといったハイブリッド(HV)車の方が断然多いです。

 一体何故日本のEVはそんなに人気とならなかったのか。私に言わせればエコな乗り物でしかないからだと思います。CO2排出量や走行に必要なエネルギー量で上記二車種は確かにHV車を上回る環境性能を持ち合わせていますが、それ以外に何があるかというと何もなく、利便性においてはむしろ充電の手間や短い航続距離、限られた充電スタンドなどといったデメリットの方が多いでしょう。またアイミーブに関しては発売当初、リチウムイオン電池確保の問題で1日30台くらいしか生産できずスタートダッシュに失敗してますが、この点もやっぱしっかり考慮すべきだったでしょう。

 あまり長く書いてもしょうがないので言いたいことを書きますがやはりEVを買おうと思う人たちは、エコな環境性能とか高い燃費能力とかではなく、ほかの車とは違う特別な何かを求めていたし今も求めている気がし、言ってしまえば高級車を買おうとする動機に近いと思います。「EVという特別な車や、どや凄いやろ!」というような、今までのガソリン車とは根本から異なる新規に新しく今までにない特別な車を求めようという期待が一番大きいように思われ、そういう意味で今の時代でEVは「大衆車」ではなく「スペシャリティカー」であることが根本的な価値でしょう。
 このような視点から見てテスラのEVはやっぱりよく出来てると思うのですが、EVがもたらす強力なトルクによって実現する加速力、一目でテスラとわかる目立つアウトデザイン、あらゆる走行設定を車内コンピューターで制御するシステムや豪華な内装など、どれも今までの車にはなかったような特別な試みがあちこちに仕掛けられています。また生産能力が低いことを逆手に取るかのように「特別な超高級車」として売り出したことも会社の状態を考えれば理に適っています。

 先ほどにも述べた通りテスラの開発者たちはそれほどエコな性能にこだわっているようには見えず、むしろ新しい技術をどれだけ自分たちが作る車に詰め込むか、またそれでどれだけうまくビジネスに仕立てて売り出すかをイーロン・マスクを筆頭に考えているように見え、CO2がどうとかこうとか燃費がどれだけお得かなんてほとんど思慮に入ってない気がします。またテスラのEVを購入する層も環境は二の次、むしろ今までにないドキドキとワクワクをテスラに求めてるようにしか見えません。

 それに対して日本のEVは先ほども言った通り泣きたいくらいにエコであることしか特徴がありません。デザインは二車種ともなんだかよくわからないしかっこ悪いデザインで、アイミーブに至っては既存の「i」の流用でした。車載ソフトがどうとか、驚くような加速とか、オートクルーズとかそういう真新しく今までにない物は全くありませんし航続距離の点でもテスラと比べて泣きたいくらい短いです。何故そうなったのか説明するまでもありません。三菱も日産もEVをスペシャリティカーではなく大衆車として売り出そうとして、余計な費用はかけようとせずコストダウンに走りに走って「電池で走る」ことだけに注力した結果でしょう。どうせ生産能力が限られてたんだから、もっと高くてもいいからスペシャリティカーとして作って売ってればよかったと思うのですが。

 環境について意識する人は多いものの、利便性とトレードオフしてまでもという人はやはり限られます。それであれば利便性といくらかの環境性能が両立できるプリウスやアクアが良いように思われ、私でもそっちを迷わず取ります。しかし、もし自由に使えるお金があるのであればやっぱりテスラのEVことモデルSを買うでしょう。なんでかっていうと、普通の車とは全然違うし、早いし、格好いいし、利便性が悪くてもワクワクして面白そうだからです。こういう視点がメーカーはおろか、さっきの記事書いた人にもすっぽり抜けているんだなというのが私個人の独りよがりな見方です。