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2023年5月8日月曜日

中国の露骨過ぎる満足度調査

 連休で休んでいたつもりでしたが何故だか疲労がたまってます。多分4月中の仕事の疲れが気を抜いたところで今出てきているのだと思え、季節の変わり目だし睡眠時間を増やしていきたいこの頃です。
 ちなみに昨日は軽く横になる感じでベッドに入ったらそのまま3時間昼寝し続けました。危うく待ち合わせしていた韓国料理屋に遅れるところでした。

 さてそんな感じで若干疲労気味なため筆も鈍っているので、どうでもいい中国の満足度調査について書きます。

 かなり前にJBpressの記事で書きましたが、中国のアプリをはじめとするアプリサービスは意外とユーザービリティが高く、使ってて不満に感じることは少なく、感じる点もアップデートされていく中で改善されてくことが多いです。ユーザーに不利なバグは修正されない日本のゲーム業界とは大違いだ。
 この点について取材した業界関係者によると、ただ単純に競争が激しいゆえに、ユーザーニーズを汲み取らないと負けるという意識から書くサービス業者は常に改善に取り組んでいるためだそうです。とても社会主義国らしくない勤労ぶりですが、実際にというか中国でネットサービスなどを使っているとユーザー満足度調査への協力を求められることが多く、その調査項目も微に入り細に入ります。

 具体的には、例えば先ほど私が答えたタオパオのアンケート調査だと、先日にパスケース兼財布を購入したためか鞄、バッグ類に関するアンケート調査が送られてきました。尋ねる内容としては注文から商品到着日までの輸送日数や、商品検索時の利便性、あと価格や品質に対する満足度など結構ありました。
 仮にこれがタオパオ商品全体ならまだしも、恐らく前述の通り財布を買った人には財布という、商品ジャンルごとに細かくこれら質問を集計していると思います。この点一つとっても、下手な日系企業よりも回答するユーザーがどれだけいるかわからないものの、ユーザーニーズの調査意欲は高いと断言できます。

 まぁぶっちゃけていうと、日系企業ほどユーザーニーズをなめてかかっているというか、エレキをはじめ逆撫でするようにユーザーニーズと真逆の開発やマーケティングをやる企業が多いと感じますが。

 話を戻すとこうしたアンケート調査は携帯電話の通信キャリアからもしょっちゅう依頼され、元々社会調査を取り扱う社会学専攻だったこともあり、調査側の苦労もわかるだけになるべく答えるようにしています。ただ通信キャリアのアンケートについては多分私が答えなくとも回答が多く集まっていると思えるのですが、その理由というのもい寛容な調査依頼文面だからです。

「現在ユーザー満足度調査をやっており、満足度が低い1から高い10までの数字で、このショートメッセージにあなたの感想を返信ください。なお10と答えた方には無料で追加の通信量をプレゼントしちゃいます

 これマジでいつもこんな風に聞いてきて、実際に「10」と答えると「ご協力ありがとうございます。10と答えてくれたあなたには今月1ギガ分の通信料をプレゼントしまーす(*´▽`*)」と返信してきます。まぁいつも規定通信量余らせているのであんまお得感ないのですが、この結果をもとに奴らキャリアは「ユーザー満足度は驚異の9.99!」などと宣伝するであろうことを考えると、あまりにもやり方が露骨過ぎて逆に好きになっちゃいそうです。
 調査の公正性こそ怪しいものがある、というか怪しさしかありませんが、少なくともユーザーからすればほぼ無料で追加通信量が得られるし、キャリア側も満足度指数を引き上げられるので、まぁWin-Winな構図ではないかと思います。日本の通信キャリアもこういうことやってくれたら、高い通信料据え置きでもユーザーに若干の罪悪心を抱かせて不満を抑えられると思うのですが。

 っていうかこれ書いてて思ったけど、日本のユーザー満足度調査とかかなりなめたものが多いし、そもそもあまり運用していない連中が多いと思います。この辺、製品メーカーにどれだけの頻度でどれだけ回答を集めているか聞いてみたら、結構伸びている企業とそうでないとこで差が出そうな気がします。

2023年5月6日土曜日

松戸、柏、流山の東葛飾三国志

 最近意図的に真面目な記事ばかり書いてきてなんかネタ切れ気味になり、また趣味のプラモ記事でも書こうとした矢先に「あれがあったやん」と思い出したのでそのネタで行きます。

東葛飾地域(Wikipedia)

 上のWikiの記事では「ひがしかつしか」ですが、地元の人間は割と「とうかつ」と呼んだりする不思議な地域名です。対象地域は「葛飾の東」というだけあって東京都葛飾区に接する千葉県北西部ですが、ぶっちゃけ自分が小さいころ育ったのがこのエリアです。
 このエリアは基本的に東京都に勤務する人のベッドタウンで、住民も帰属意識は千葉県というより東京都にあり、千葉市に行った回数よりも東京都内に行った回数の方が絶対的に多い人ばかりです。この辺は山に囲まれ自治体同士が隔絶し合っている岐阜市以外の岐阜県民たちも同じだと聞きます。

 話は戻しますがこの東葛地区、かつては我らが犯罪都市のマッドシティこと松戸と柏が二大主要都市でしたが、近年はこの両市に接する流山市が人口増加率で全国1位になるなど急激に拡大しています。その辺の実態はどうなのかと思い、早速この三市の現在の人口を調べてみました。

松戸市:496,258人
柏市:432,427人
流山市:209,245人

 以上の通り、人口拡大が続いているとはいえ未だに流山市に対し、松戸市も柏市も倍以上の人口となっています。ただこのところ、松戸や柏から流山へ移住する層もいるとされており、私自身の感覚でもかつては両市に寄生していたような流山がこのところは両市の人口を食っているような感じがします。

 元々、流山市とというのはかなり例を見ないほど中心性の低い都市で、市役所のある中央部が何故か一番寂れてて松戸寄りの南側と柏寄りの北側境界部の方に人口が集中するという妙な都市でした。でもって、南側の人たちは松戸へ、北側の人たちは柏へ出かけることが多く、同じ市の人間であっても北と南で生活習慣がまるで違っており、価値観などもかなり相違あった気がします。
 そんな感じで実質的に松戸と柏の延長みたく分断されていた流山ですが、つくばエクスプレスが通るや一転、都内への交通の利便性の高さから急に注目されるようになり、つくばエクスプレスが止まるおおたかの森駅周辺が徐々に流山の中で中心性を持つようになり、前述の通り人口も拡大しています。

 その影響を受けてか、元々市内人口が減少傾向にあり羽振りの悪かった松戸も柏もこの20年で衰退が目立つようになり、百貨店や映画館の閉店はもとより、全体として古臭い街というイメージがもたれるようになってきています。それに対し流山は新興イメージが強く、関東に居を移す人たちからするとやはり流山が目に入ってくるのだと思います。

松戸市:15位
柏市:8位
流山市:4位
(全25自治体)

 見ての通りこの三市の中では松戸がぶっちぎり低いです。まぁマッドシティ松戸だしな。

 ただそんな新興著しい流山ですが、結構目立つウィークポイントも抱えています。はっきり指摘すればそれは教育で、高校数が異常に少なかったりします。具体的な高校数は以下の通りです。

松戸市:11校
柏市:14校
流山市:4校

 人口比率的に極端に少ないわけではないものの、松戸や柏と比べると流山は明確に少ないことがわかります。でもって、流山の高校はどれも偏差値が高い方ではなく、実際に流山市の中学生は卒業後、進学校の多い柏市の高校に通う子供が多いです。
 その柏市ですが東葛地域ナンバーワンの東葛飾高校をはじめ、進学校を多数取り揃えています。松戸はマッドシティなだけに無難な学校は多いものの目だった進学校は少なく、文教レベルでいえば三市の中で柏が群を抜いており、その甲斐あってか予備校も柏駅前に集中しています。

 もっとも、この三市は都内への進学も可能な距離にあるため、本当にできる子は都内の私立進学校に通うパターンの方が多いです。公立高校進学で頭のいい子が東葛飾高校に行くってイメージです。

 最初に書いた通り、この三市はちょうど流山を挟む形で割と密接な経済圏を形成していたりします。三市とも都内勤務者のベッドタウンで共通していて、県庁所在地の千葉市に帰属心を持っていないことで共通していることから、ある意味で住民の価値観の共通水準は高いとみています。
 でもって電車で数駅内の距離にあり、学校も市を跨いで通う子供多いため、私自身もこの三市で一つみたいな感覚を若干持っています。まぁ一番ネタにするのは松戸ですが。

 流山はそれこそかつては松戸、柏に分割された植民地(コロニー)的な立場でしたが、近年は人口拡大が続き、住民もかつてと違って松戸や柏に対し劣等感を抱かず、下手すりゃ優越感すら抱いている有様です。
 なお柏にも「柏の葉キャンパス駅」というつくばエクスプレス路線の駅がありますが、これが微妙に柏中心部と離れており、柏中心部がその恩恵を受けずに衰退が続いているように見えます。

 この三市を見ていて思うこととして、やはり鉄道というのは街の発展で極めて重要な価値を持つのだなという点です。都内中心部に直結という条件こそあるものの、三市の力関係を変動させたのはつくばエクスプレス以外の何物もなく、逆にそれ以前は同じく都内直結の常磐線が松戸、柏で力を発揮しており、都内につながる鉄道がその将来の発展を左右したと言えるでしょう。逆を言えば、市政内容というのは都内周辺都市の発展においてあまり価値を持たない気がします。

 ただ勢いづく流山であるものの、つくばエクスプレスは開業当初より利用客が異常に多く、それにまして近年も増加傾向にあるため、ラッシュ時はマジビビるほどホームは人で溢れています。横浜周辺ほどではないと思うものの普通に通勤するのが嫌になるくらいで、その点でいえば都内への通勤だったら松戸から通った方がいいんじゃないと密かに思っています。まぁ松戸に今後住むかと言ったら多分なさそうだけど。

2023年5月5日金曜日

忘れられつつある岸田総理の襲撃事件犯人

 まだ発生から1ヶ月もしてないですが、和歌山県での岸田総理を狙った襲撃事件についてもはや誰も話題にしなくなっています。まぁぶっちゃけ、ホームランが飛び交った今日の神宮花火大会の方が歴史的にも重要だと私も思いますが。

 同じ政治要人を狙った襲撃事件でも、去年夏の安部元総理の事件とはその後の反響が大きく違うと感じます。もちろん安部元総理の事件では襲撃が成功し狙われた安部元総理が亡くなったのに対し、今年の岸田総理の事件では幸いにも誰一人死傷者が出なかったという点で大きな違いがありますが、それ以上に反響の分かれ目となったのはやはり襲撃者が持つ大義の差にあると感じます。

 襲撃そのものを支持するつもりは全くありませんが、安部元総理の事件に関して犯人ははっきりと統一教会の問題が動機だと述べており、その問題に翻弄された家庭環境などについても後に報じられています。その内容を見た私としては以前にも述べていますが、仮に犯人と同じ立場であればこうした襲撃を企図しなかったか、企図しないまでも実際に統一教会に便宜を図っていたと言える安部元総理に憎悪を抱かなかったかと言えば、そうならないと言い切る自信はありません。
 実際に犯人の境遇に同情心を感じた人は少なくなく、その裁判に対する献金額も相当な額が集まったと聞きます。また事件後の自民党内における統一教会関係者への近すぎる距離に関しては非難も集まり、関連議員らも関係を断つと表明せざるを得なくなるなど、実際に政治的にも社会的にも大きな問題でありながら誰も切り込まなかった点、というより切り込めなかった点に犯人は食い込んだと言えなくもないです。その襲撃は政治目的ではなかったにしろ、皮肉ながら日本の大きな政治的欠陥を是正するきっかけになっています。

 そうした、ある意味で日本の暗部に切り込んだ安部元総理襲撃事件の犯人に対し、岸田総理襲撃事件の犯人に関しては、その襲撃に関して何の大義というか共感も覚えません。報道ベースではいまだこの犯人の動機について報じられていませんが、これは動機に対する憶測や下手な共感が広がることを防ぐためという政治的な報道規制が行われているとの声も出ているものの、単純に誰も興味持ってないという方がより実態に近い気がします。
 事件直後の報道によるとこの犯人は選挙出馬年齢の下限に対して不満を持っており、わざわざ裁判を起こしてまで改正しろと主張していたそうですが、時間が経てば誰でも年齢条件クリアできる点で平等だというのに、こうした主張をするあたりでまともな人物とは到底思えません。実際に事件前の怪しい行動をよくとっていたとのことで、単純にまともな判断力を持たないおかしな人物がおかしな行動に出たという風にしか、この事件については見えません。少なくとも「人を殺すに足る」理由をこの犯人は確実に持っていないでしょう。

 そういう意味では大義とまでは言わなくても、行動に周囲の人も納得するだけの動機があるなら世の中もその行動や犯人の人物像に関心を持つのに対し、そうしたものが一切なく、ただ自分の不満を他人にぶつけようとするだけの浅い価値観の人間に対しては誰も興味を抱かないし、支持もしないのだなというのが両事件の一番大きな差に見えます。以前の記者時代に当時の編集長が革命なり大衆運動なり起こすに当たっては、みんながそりゃそうだと思うような大義がなければ決して成功もしなければ続きもしないと語り、大義なき行動というのは絶対に失敗すると言っていたのを思い出します。

 襲撃や暗殺に大義はあるのかと言えば、少なくともなければその行為は後に否定され、暗殺され側を逆に盛り上げることになるという風に思います。現実にあの事件から岸田政権の支持率は株価みたく反発上昇トレンドを取るようになり、もし今年総選挙が起きて自民党が勝利したらその最大功労者は襲撃事件の犯人とかになりそうです。
 っていうかあの事件以降、若干政権と距離を置き始めていた菅元総理が急に静かになったし。

 以上から、少なくとも大義がないのなら暗殺とか襲撃はやるだけ無駄だし逆効果になるからみんなやめなよというのが自分の意見です。まぁ大義があるならやっていいってわけじゃないですが、大義があるなら実力行使に出る前にもうちょい世論に訴えかけるところから始めてもらいたいものです。

2023年5月3日水曜日

物々しさを感じた対馬


 今更ながら去年の秋、世を忍ぶ仮の姿で対馬を訪れていました。なんで対馬に行ったのかというと、以前に元寇の記事を書いて興味持ったのと、興味がまだ続いている間じゃないともう一生行くことないだろうという予感から、ソ連人民の敵であるうちの親父と行ってきました。
 それにしてもマジでうちの親父はドイツの戦車のプラモはたくさん作るくせに、ソ連製戦車は頑なに作ろうとしません。T-34とか超いいのに。


 島内には上の写真の塔のように、元寇について触れる史跡が残っています。対馬は鎌倉時代の前までは独自の領主を持っていたそうですが、鎌倉時代に入る前後辺りに九州の有力武士であった少弐氏の命で宗氏が派遣され、以降は宗氏が江戸時代まで支配し続けることとなりました。


 その宗氏の名前が歴史の表舞台に出てくるのは言わずと知れた元寇で、当時の宗家当主であった宗助国が対馬で元軍を迎え撃つも多勢に無勢で打ち取られます。この時に宗家の一族は多くが討たれたものの、別の島に避難していた一族は戦後に対馬に戻りその支配を続けたとされています。
 この辺の宗一族のハイライトはJBpressでいつか記事化しようと思っていたのですが、先に連載が終了することとなったので結局書かずじまいでした。なお明治に入ると宗氏は国境最前線の領主で朝鮮外交も仕切っていたことから、石高に比して高い爵位が授与されています。でもって華族としての宗家最後の当主である宗武志は朝鮮王家から嫁を貰っていますが、その嫁は精神病があり後年に離婚し、その後千葉県にある麗澤大学の運営に係わりここの名誉教授にもなって、校歌も彼が作っっています。

 なお写真で見ると宗武志はやたらイケメンです。若干、スワローズの山田選手の面影を感じますが。

 話を戻すとこの時訪れた対馬ですが、思ってた以上にでかい島で、島の南端から北端まで車で行っても2時間くらいかかるほどの大きさでした。ただ平地は少なく、島も山々で区切られているため、トンネルがなかったころは島内に複数の自治体があって別々に運営されていたというのもよくわかる地勢でした。
 また沖縄同様に日本にとって国境最前線でもあることから島内には自衛隊基地が多く、そうした風土からか全体として尚武の精神が島全体に満ちているように感じられ、島内の学校にはやたらどこそこの運動部がとこそこの大会出場などといった横断幕がたくさん垂れ下がっていました。その上で、ゲームの「ゴーストオブツシマ」の影響で観光も盛り上がっているのかと思いきや、そういった観光ムードは一切感じられませんでした。

 まず宿泊施設が島内に少なく、チェーン系ホテルとしては唯一存在する東横INNに旅行客が異常に集中していて、駐車場にすら事欠く有様でした。また飲食店の数も少なく、また平日はケータリングのみで店舗営業していなかったり、夕方5時で閉めてしまうお店も多いなど、観光客向けの対応をしていない店が多い、っていうかしている店がほとんどありませんでした。
 唯一、利用したレンタカー屋のみが「ゴーストオブツシマ」に出てくる地形をまとめたお手製ガイドブックを用意したり、島内のことをいろいろ教えてくれたりと観光客にやさしいお店でしたが、このレンタカー屋を除くと全体的にあまり観光客を歓迎しているようでなく、上記の自衛隊基地と相まって、島全体で物々しさをはっきり感じました。

 なおこの対馬を見に行った後に帰途にあった壱岐島にも寄りましたが、壱岐島の方が博多に近く生きやすいことから釣り客も多く、フェリー乗り場も観光客向け施設が充実しており、まだ観光客を集めようとしているように見えました。まぁ観光客が来ると施設などの整備も大変になるので、歓迎したくないという態度もわからないではないというか、京都の地元の人なんかまさにそんな感じだったりしますので、対馬の雰囲気も理解できます。

 ちなみにこのほかの思い出を語ると途中で経由した博多の街を見て、なんか街中の建物がどれも四角い建物しかないことにビビりました。本当に丸い構築物が見当たらず、何であんな四角いのかって福岡出身の人に聞いてもみんなわかんないと言ってた当たりミステリーです。

2023年5月2日火曜日

古いアルピーヌA110

 本題と関係ないですがこの前英国でとにかく明るい安村が準裸芸が評価されたと中国人の同僚に話したら、「自分が日本にいたころは、小島なんとかが似たような芸してた(´・ω・)」と話してました。中国人の記憶に残るくらい小島よしおは頑張ってたんだなと思うとともに、「あの人未だに同じ芸風を保っているというか常に裸だよ」と教えてあげたらびっくりしてました。


 それで本題はまた自分のプラモ話ですが、今回作ったのはこちら「ルノー・アルピーヌA110」です。


 車について簡単に説明すると、アルピーヌとは昔フランスにあったルノーの車をベースにした改造車を売るカスタムカーメーカーでした。その後、ルノーに法人が買収されて「アルピーヌ」ブランドとしてスポーツカーが売られていましたが、一時ブランドが断絶するという憂き目に遭っています。
 もっとも、その人気は根強かったこともあって近年にブランドが復活され、今回プラモで作ったこのA110と同じ名を冠する新型A110が現在販売されています。特殊なカラーを選ぶだけでオプション料金が75万円も追加されるなど、めちゃ高い車ですが。


 この古い方のA110は半世紀以上前の1963年に発売され、WRC以前の数あるラリー大会で幾度も優勝し、大会によっては1位から3位まで表彰台すべてをこのA110が独占するほどの実績を残しています。アルピーヌと言えばA110と言われるほどで、それが前述のブランド復刻、並びに同盟車種の新発売につながったと言えるでしょう。

隣は前に作ったセリカGT4

上から見るとA110がどんだけ小さいかよくわかる

  ぶっちゃけこの車はプラモ屋で見かけるまでその存在を全く知りませんでした。ただプラモ屋で一目ぼれしたというか、ブルーのボディに四ツ目ランプ+フォグランプという組み合わせがたまらず、すでに買い置きしてあるキットを差し置いて先にこのA110を組み立てるほどでした。
 内装部分はそうでもないけど、外装部分は正面のライトを筆頭に結構手間がかかるキットでしたが、そこまで大きなミスなく完成でき、デカールも割かしきれいに晴れたと思います。でもって機体に違わず満足間の高いキットとなりました。

 それにしても昔の車の小さいこと小さいこと。こんな小さな車でラリーとかやってドライバーは体ぶつけたりしなかったのだろうかとみていて心配になってきます。まぁラリーは小さく車重の軽い車が強いということは、近年のヤリスが証明していますが。

ラスボス感の強い戦車


 この連休中は軍事研究に勤しんでおり、一昨日には上記写真の旧ソ連製戦車であるJS-3(スターリン戦車3号)の模型を作ってました。


 この戦車は前々から作ってみたかったものの、重戦車ということでサイズがでかく、場所を取るため置き場所がないのではと思いなかなか購入に踏み切れていませんでしたが、店舗で実際箱を開けてみたら箱が無駄にでかく、実際のパーツはそんなでかくないことがわかり、最終的に購入に至りました。
 ちなみにJS-3は砲は馬鹿でかいですが車重自体は約45トンと比較的スリムで、ドイツの中戦車であったパンター(約45トン)と同程度です。なおティーガー2は約70トンとこいつだけ桁が違います。


 JS-3の車重が比較的手ごろなのはその極端な傾斜装甲が理由とされています見ての通り、正面装甲は八の字型に溶接されており、ちょうど亀の甲羅みたいな形になっています。正面にくっついているのは予備のキャタピラですが、どう見てもモヒカンがよくつけるトゲトゲ肩パッドのようにしか見えず、ラスボス感を強く感じるデザインです。色的に、デスピサロっぽい。

付属の人形との2ショット、車高はかなり低いのがわかる

正面構図

やや左寄り正面、砲がくそ長いせいで撮影時は構図取るのが難しかった


 組み立てる前もそうでしたが、組立後もこのJS-3はめちゃくちゃ気に入っており、自分はやはり丸い形した戦車が好きなんだろうなということを強く再確認しました。もっともこんな自分探しの結果を知ったところで、後の人生に何かプラスに働くかといったら多分ないでしょうが。
 なお撮影中、スマホカメラのAIからは「食物?」というワードが表示されました。


 前に作った二次大戦後の米戦車ことウォーカーブルドック(真ん中)、二次大戦中の装甲車のグレイハウンド(右端)との比較写真で、こうしてみるとJS-3(左端)のでかさが見えてきます。全長こそ長いものの、車幅は道路上を走行することからウォーカーブルドッグとほぼ全く同じでした。

 今回作ったキットはタミヤのキットで170元(約3400円)して、中国メーカーのトランぺッターのキットだと80元(約1600円)だったのでどっちかうか悩みましたが、多分後で後悔すると思ってタミヤにしました。パーツ数はドイツ系の戦車と比べると目に見えて少なく、サイズがでかいこともあって簡単に組むことができ、多分小学生でも問題なく組めるのではないかと思います。
 パーツ数が少ないのは多分、東側の戦車であんまり取材とかできなかったからかもしれません。

 あと、本当は先代のJS-2も作ってみたくてかなり悩んだのですが、あっちは240元(約4800円)とさらに値段が高かったので、JS-3にすることにしました。いつかJS-2も作る時が来るかもしれません。

2023年5月1日月曜日

中国でバスケ人気が普及した背景


 今日同僚(BL大好き)にプッシュされてこの「長空之王」という映画を見てきました。内容は「トップガン」が意識され、っていうか戦闘機映画で「トップガン」意識しない奴なんていませんが、主人公が搭乗する機体が毎回故障を起こして墜落するので、こいつとは同じ飛行機に乗りたくないと感じさせられる脚本でした。
 映像に関しては戦闘機の飛行シーンは良く撮れているものの、コックピットを映す映像がどれも真正面からしかなく、もう少し角度を変えた撮影も欲しかったところです。なおフランカー(恐らく中国のコードナンバーはJ-16)が飛んでるシーンは、機体が機体なだけにめちゃくちゃ美しいです。

 話は本題ですがまたコメント欄で質問が来たので、中国で何故バスケが人気になったのかについて解説します。

 先日も中国で日本の「スラムダンク」の映画が大好評で、最初のテレビアニメ放映時にどうして人気に火がついたのかについても解説しました。今回はその延長となりますが、中国ではスラムダンクだけでなくバスケットボール自体がスポーツとして圧倒的に高い人気を得ており、恐らく順位的には、

1位 サッカー
2位 バスケットボール
3位 テニス

 みたいな感じじゃないかと思います。卓球については中国人自身も「強いけどそんな人気じゃない(´・ω・)」という人がいます。

 中国でバスケ人気が高まった最初のきっかけは、やはり日本と同じくスラムダンクが火付け役だったと思います。90年代に全国でテレビ放映されて青少年を中心に高い視聴者層を獲得し、何気に私の友人でよく嘘つく上海人も、スラムダンクを見てバスケットボールを当時やっていたと言ってました。
 ただ現代における中国のバスケ人気は、スラムダンクだけによるものではありません。その次に来た、米NBAの試合のテレビ中継放送こそが、最大の要因だと私は睨んでいます。

 日本でNBAの試合が地上波で放送されることはまずなく、見ようってんならインターネット番組やケーブルテレビを契約しないとまず無理でしょう。それが中国の場合、CCTVなどで本場NBAの試合が普通に放映されてたりします。
 これは何もNBAに限らず、サッカーも世界各国のトップリーグの試合が半リアルタイムで放送され、スポーツ観戦好きな人だったらマジ天国みたいな環境です。何故こんなことが可能なのかというと、圧倒的な人口と視聴者数による広告費で、これらトップリーグの版権料を払ったって黒字になっているからだと思います。また政治的にも無色なスポーツの試合中継であれば、外国製番組の放映に関してあれこれ文句付けてくる中国文化規制当局からも認可が得やすく、放映局もこぞって番組を購入して流しているような気もします。

 いつ頃から中国でNBAの試合が放送されるようになったかは自分でも把握していませんが、少なくとも10年くらい前からは当然みたく普通に放映されていました。やはり本場でハイレベルな試合を見せつけられれば見ている人も自然とファンになるというもので、スラムダンクもそうでしたが、一般テレビ放送されるということが中国のバスケ人気を作ったという風に私は見ています。

 なお、仮に今から中国でアメフトなり野球といったまだ人気を得ていないスポーツのトップリーグの試合をテレビ放送した場合、サッカーやバスケみたいな人気が得られるかと言ったら、私は多分得られないと思っています。理由は何故かというと、日本でも同じようにもはや中国でもテレビは最大の娯楽ではなくなっているからです。
 もちろん影響力の強さは未だあるものの、かつては本当にテレビくらいしか娯楽がなかったのに対し、現代ではインターネット、特に動画サイトが高い人気を得ており、テレビを見る時間はかつてと比べると極めて少なくなってきています。またそのネットの視聴対象も個々人によってばらばらで、日本にも同じことが言えますが、誰もが同じ対象をみんなで見るという習慣は今や中国ではほとんどなくっており、趣味嗜好の千差万別化みたいな状況になってきています。

 そういう意味では先日のWBCは近年の日本においては極めて珍しく、かなり久々に幅広い層が同時に視聴、体験したエンターテイメントであったと見れるでしょう。