・東葛飾地域(Wikipedia)
上のWikiの記事では「ひがしかつしか」ですが、地元の人間は割と「とうかつ」と呼んだりする不思議な地域名です。対象地域は「葛飾の東」というだけあって東京都葛飾区に接する千葉県北西部ですが、ぶっちゃけ自分が小さいころ育ったのがこのエリアです。
このエリアは基本的に東京都に勤務する人のベッドタウンで、住民も帰属意識は千葉県というより東京都にあり、千葉市に行った回数よりも東京都内に行った回数の方が絶対的に多い人ばかりです。この辺は山に囲まれ自治体同士が隔絶し合っている岐阜市以外の岐阜県民たちも同じだと聞きます。
話は戻しますがこの東葛地区、かつては我らが犯罪都市のマッドシティこと松戸と柏が二大主要都市でしたが、近年はこの両市に接する流山市が人口増加率で全国1位になるなど急激に拡大しています。その辺の実態はどうなのかと思い、早速この三市の現在の人口を調べてみました。
松戸市:496,258人
柏市:432,427人
流山市:209,245人
以上の通り、人口拡大が続いているとはいえ未だに流山市に対し、松戸市も柏市も倍以上の人口となっています。ただこのところ、松戸や柏から流山へ移住する層もいるとされており、私自身の感覚でもかつては両市に寄生していたような流山がこのところは両市の人口を食っているような感じがします。
元々、流山市とというのはかなり例を見ないほど中心性の低い都市で、市役所のある中央部が何故か一番寂れてて松戸寄りの南側と柏寄りの北側境界部の方に人口が集中するという妙な都市でした。でもって、南側の人たちは松戸へ、北側の人たちは柏へ出かけることが多く、同じ市の人間であっても北と南で生活習慣がまるで違っており、価値観などもかなり相違あった気がします。
そんな感じで実質的に松戸と柏の延長みたく分断されていた流山ですが、つくばエクスプレスが通るや一転、都内への交通の利便性の高さから急に注目されるようになり、つくばエクスプレスが止まるおおたかの森駅周辺が徐々に流山の中で中心性を持つようになり、前述の通り人口も拡大しています。
その影響を受けてか、元々市内人口が減少傾向にあり羽振りの悪かった松戸も柏もこの20年で衰退が目立つようになり、百貨店や映画館の閉店はもとより、全体として古臭い街というイメージがもたれるようになってきています。それに対し流山は新興イメージが強く、関東に居を移す人たちからするとやはり流山が目に入ってくるのだと思います。
なおいい部屋ネットの住民満足度調査の千葉県ランキングでは以下の通りです。
松戸市:15位
柏市:8位
流山市:4位
(全25自治体)
見ての通りこの三市の中では松戸がぶっちぎり低いです。まぁマッドシティ松戸だしな。
ただそんな新興著しい流山ですが、結構目立つウィークポイントも抱えています。はっきり指摘すればそれは教育で、高校数が異常に少なかったりします。具体的な高校数は以下の通りです。
松戸市:11校
柏市:14校
流山市:4校
人口比率的に極端に少ないわけではないものの、松戸や柏と比べると流山は明確に少ないことがわかります。でもって、流山の高校はどれも偏差値が高い方ではなく、実際に流山市の中学生は卒業後、進学校の多い柏市の高校に通う子供が多いです。
その柏市ですが東葛地域ナンバーワンの東葛飾高校をはじめ、進学校を多数取り揃えています。松戸はマッドシティなだけに無難な学校は多いものの目だった進学校は少なく、文教レベルでいえば三市の中で柏が群を抜いており、その甲斐あってか予備校も柏駅前に集中しています。
もっとも、この三市は都内への進学も可能な距離にあるため、本当にできる子は都内の私立進学校に通うパターンの方が多いです。公立高校進学で頭のいい子が東葛飾高校に行くってイメージです。
最初に書いた通り、この三市はちょうど流山を挟む形で割と密接な経済圏を形成していたりします。三市とも都内勤務者のベッドタウンで共通していて、県庁所在地の千葉市に帰属心を持っていないことで共通していることから、ある意味で住民の価値観の共通水準は高いとみています。
でもって電車で数駅内の距離にあり、学校も市を跨いで通う子供多いため、私自身もこの三市で一つみたいな感覚を若干持っています。まぁ一番ネタにするのは松戸ですが。
流山はそれこそかつては松戸、柏に分割された植民地(コロニー)的な立場でしたが、近年は人口拡大が続き、住民もかつてと違って松戸や柏に対し劣等感を抱かず、下手すりゃ優越感すら抱いている有様です。
なお柏にも「柏の葉キャンパス駅」というつくばエクスプレス路線の駅がありますが、これが微妙に柏中心部と離れており、柏中心部がその恩恵を受けずに衰退が続いているように見えます。
この三市を見ていて思うこととして、やはり鉄道というのは街の発展で極めて重要な価値を持つのだなという点です。都内中心部に直結という条件こそあるものの、三市の力関係を変動させたのはつくばエクスプレス以外の何物もなく、逆にそれ以前は同じく都内直結の常磐線が松戸、柏で力を発揮しており、都内につながる鉄道がその将来の発展を左右したと言えるでしょう。逆を言えば、市政内容というのは都内周辺都市の発展においてあまり価値を持たない気がします。
ただ勢いづく流山であるものの、つくばエクスプレスは開業当初より利用客が異常に多く、それにまして近年も増加傾向にあるため、ラッシュ時はマジビビるほどホームは人で溢れています。横浜周辺ほどではないと思うものの普通に通勤するのが嫌になるくらいで、その点でいえば都内への通勤だったら松戸から通った方がいいんじゃないと密かに思っています。まぁ松戸に今後住むかと言ったら多分なさそうだけど。
2 件のコメント:
実はマッドシティ在住でして、このブログにたどり着いたのも松戸市について検索してた時でした。
流山市の発展はTXに全力で乗っかって東京からキラキラおしゃれ大好き夫婦を全力で引っ張ることに注力できた結果ですが、土地が未開でなんでも作れる余地があったのが大きいですね。今も色んな場所で新しい道路を通す工事をやっています。
松戸市は昭和に開発され尽くしていて、もう開発する場所がなく、今後のテーマは古い団地のリノベーションが中心になりそうです。
柏市は市街地から離れた場所は割と未開の地が残ってるんですが、そこに鉄道が通っていないので開発は今のところ厳しいですね。柏の葉は住宅地というよりつくばのような研究都市の雰囲気です。
流山市は元々すごく閉鎖的な地域で、松戸や柏と道路が無駄に繋がってない場所が多い上、常磐線が通るときは反対運動を起こして線路が通るのを拒否したりしてたらしく、おおたかの森の新住民との温度差は凄まじいようです。まぁこの地域は昔から千葉都民と土着民が交わってなくて、まちづくりが上手く行かない理由はだいたいそれに行き着くんですが。
どのコメント内容も凄く納得感があるというか、さすが地元民ことマッドシティシビリアンですね。
特に最後の流山に対するコメントは深く共感するというか、何故か柏と松戸につながる境界はやたら道が限定されてて、目の前にすぐいけそうであるのに回り道を強制されることが多く、閉鎖的って評価がしっくりきます。この10年くらいで道が整備されてきて前よりかは境界越えやすくはなっていますが、昔からの慣れゆえか、過去の限定されていた頃の道をわざわざ選んで通ることが多いです。
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