昼頃から頭痛を起こしてしまい、陽月旦の更新を今日もやろうと思っていたのですが無理そうなので、軽い話を一本紹介します。
さて皆さんは映画の「レッドクリフ」を見たでしょうか。レビューを見ると賛否両論ありますが、三国志に詳しくない人でもある程度理解できる内容になっているのでそこそこいい出来だと私は思います。諸葛孔明役で出ていた金城武はその前の「ラバーズ」という映画から中国でも大人気になり、今回も難しい役ながらなかなかうまく演じていたのには舌を巻きました。
それであの映画に出てきたキャラに「張飛」というのがおります。劉備軍の中でもトップクラスの腕力にもかかわらず短気で酒飲みでしばしば失敗をしてしまう典型的な「パワー馬鹿」キャラですが、実を言うと三国志の人物の中でも中国人からはトップクラスに人気なキャラクターであります(多分トップは馬超だろうけど)。日本人の中でも私のように張飛が好きな人も少なくないのですが、よく評論家からは中国は基本的に皇帝専制のがちがちの法治国家が続いてきたから、ああいう酒を飲んでは暴れてルールを無視するキャラクターに強いシンパシーを覚えるという人がいますが、私もなんだかそんな気がします。なにも三国志に限らずとも西遊記では「孫悟空」、水滸伝では「李逵」と、パワー馬鹿は大抵どの作品にも出てきますし、みんな人気になっています。
では日本人が好きなキャラクターですが、三国志なんかでは「曹操」が割と人気ですが、この人は中国では逆に非常に嫌われている人物です。なもんだから私が「日本じゃ曹操が人気だよ」と言ったら中国人に凄い驚かれてなんでと聞かれたのですが、
「日本人は自分であまり決断をしたがらないので、ああいう風に独断専行でバンバン突き進んでくれる人間の方が好きなんだよ。織田信長もそうだし」
と言ったらなんか納得してくれました。
2 件のコメント:
この話、非常におもしろいですね。
文化や国民性によって理想像が異なるのですね。
しかし、インターネットを見ていると、中国人は日本に比べて三国志がそれほど浸透していないようですね。日本で言う源氏物語的な、本当にガチの古典文学と捉えられているようですが。
それとは対照的に日本人は漫画やゲームによって中国人以上に三国志に愛着をもっていますが。
好きなタイプ、理想のタイプってのに意外と国民性が出て、やっぱり文化ごとに異なるからいろいろ比べると面白いですね。
確かにロックマンさんの言う通りに、中国では三国志は一古典のような扱いで日本のような熱狂的ファンはそれほど多くないですね。ですが最近だと日本からの光栄の三国無双といったゲームの逆輸入によって若い世代でも興味を持つ人が増えてきているそうです。
なお今日のニュースで、なんか中国で山岡荘八の「徳川家康」が輸入文学としてブームになっているそうです。中国人同士の身勝手さに互いに疲れ始め、我慢強い人間が人気になってきたのかもしれません。
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