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2011年9月20日火曜日

産業空洞化懸念に対する一つの意見

 もはや1ドル70円台が定着しつつある日本の円高状況ですが、この円高に伴いメーカーの海外進出は確実に増えてきております。メーカーからしたら日本で物を作るだけでどんどんと損失が増えるような状況ですし、この異常なまでの急激な円高を考えると彼らに対して「出ていかないでつД`)」などとはとても言えません。
 しかしこうしたメーカーの動きに対して主に政界などから、工場が海外に移転していくことで日本国内の技術力の低下、産業の空洞化が広がってしまうのではという意見がこのところ出てきており、なにか優遇策を付けてでも日本に残ってもらうべきではないか検討するべきという声も聞こえます。こうした産業空洞化懸念に対する私の意見は至極その通りだと考えており、これまでのグローバリズム化による空洞化懸念(通称、いくいく詐欺)とは違い、今回の円高は真面目に企業の生き死にもかかっているだけあって何かしら対策を打つことも必要性を感じます。具体例を一個あげちゃうと東レがこれまで日本でしか作ってこなかった強化炭素繊維の工場を顧客も多い韓国にも作るとこの夏に発表しており、東レを責めるつもりは全くありませんがこれにはさすがに冷や汗を垂らしました。

 ただこうして産業空洞化の対策を打つべきと主張する一方、技術や製品によってはこの際に日本は捨ててしまうべきなのではないかと真逆の意見も私は持ち合わせております。極端な意見に聞こえるかもしれませんがこうした「技術の放棄」についてこのところ真剣に考えているので、今日はちょっとその辺について軽く触れます。

 ここで私の言う技術の放棄とは文字通り、特定の技術を完全に捨て去り関連する製品や部品の日本での製造をやめてしまうことです。捨て去るべき特定の技術とは具体的に言うと、「日本国内で製造しても採算の取れない技術」、「今後新技術に取って代わられる可能性が高い技術」のことで、身近な例を挙げると白物家電とかがこれに当てはまります。また後者の例だと、ガソリン車から電気自動車に移り変わる過程でなくなるエンジン、ラジエーター、マフラーなどといった部品の製造技術がそうです。
 何故これらの技術を捨て去るべきだと主張するのかですがこれはごくごく単純な理由で、今だったらまだお金に換えられる可能性があるからです。日本では採算の取れない技術でも中国や他の新興国ではまだ必要とされている技術も多く、多少プライドにも関わりますがどうせ日本では使えないのであればそれらの国々の企業にこの際に売ってしまい、売って得たお金で新技術やまだ採算の取れる技術に注力した方がまだ未来につながるのではないかというわけです。

 またもう一点こうした案を持つ理由を挙げると、団塊世代が大量退職した時期にはよく技術の継承問題が盛んに言われてきましたが、私は技術というものはなんでもかんでも継承するべきでなく、物によっては継承してはならない技術もあると考えています。私がこう思うのも既に何度かこのブログでも書いていますが、以前に親戚から、

「昔に家電メーカーでブラウン管テレビ作っていた連中は今は悲惨だ。ブラウン管テレビ自体がもう日本では作られなくなったし、ほかの方面に技術を転用することもできないから完全に日干し状態だ」

 という話を聞いたことがあり、芸は身を助けるとはいうものの企業内である特定の技術に染まったらなかなかそこから脱却できず、その技術の衰退と命運をともにしてしまう可能性が高いからです。それこそ下手に今後使われなくなる可能性の高い技術の継承をしてしまったらその技術を継承した人間はすぐにお払い箱になってしまうこともありうるわけで、こんなことを言ってろくでなしと言われても仕方ありませんが、死ぬ人間は少ない方がいいに決まっており、死ぬべき技術は継承なんかして犠牲者を増やすべきじゃないと私は考えています。

 このような観点から言って、技術を早めに捨てるという選択肢も今の日本には求められているのではないでしょうか。一つのモデルケースとして私が今現在でよく使っているのは、IBMによるLENOVOへのパソコンハード部門の売却で、この例は他山の石にしてはならないと思います。さらについでに書くとHPも今度ハード部門を売却すると言ってて、台湾のノートPCメーカーらは「サムスンが買わないように」と祈ってます。
 また技術を売るにもタイミングというものがあります。ほっといても新興国でもどんどんと腕を磨いてきますし後になって売ろうと思っても相手してくれなくなることも十分ありうるわけで、将来性がないと判断するのであれば決断を早くし、失敗するかもしれませんが新たな方面へ売却で得たお金を投資する方がまだ生き残る可能性も広がるのではと思います。

 この際だからもうはっきりと書いちゃいますが、液晶について言えば日系メーカーはもう完全に撤退した方がいいでしょう。有機ELならまだ投資する価値がありますが、液晶はこの後はどうあがいても採算は取れず赤字を生むだけです。なんせ韓国、中国メーカーですら手に余るくらいなんだし。
 同様にさっき挙げた一部の自動車部品においても、発展する見込みがなく電気自動車には使われないものだったら捨てるべきかどうかを検討すべきです。一つの技術で死ぬまで食べていける時代ではもうないのです。

 じゃあそうした技術を捨てた後で今度は何に投資するべきなのか。実は一つ、凄い気になっている技術があります。

【TGS 2011】脳波で猫耳を動かそう!neurowearの「necomimi」(インサイド)

 実物を見たわけじゃないですが脳波で猫耳が動くって、何気にこれはとんでもないものなんじゃないかとこのところ注目しております。それこそ萌えにとってはただの一歩だが、人類にとっては大きな一歩っていうくらい。
 いちおう注意書きを書いておきますが私がここで主張する「有望な投資先」というのは猫耳ではなく、脳波感知系です。ガンダム風に言うならサイコミュですが、このニュースが出る以前にも今後自動車にどのようなものを付けたら付加価値が付くのかと考えており、あるとしたらやはり曲がろうと思っただけでウィンカーが自動的につくサイコミュしかないと思っていた矢先でした。

 これ以外のサイコミュの運用先となると、風呂に入ってて湯加減を自動で感知して温度を調節するとか、その日の気分で音量が自動で変わるスピーカーとかせこいものばかり浮かびますが、最大の運用先となるとやはり軍需産業です。それこそガンダムに出てくるファンネルなどといった脳波でコントロールする無人兵器さえ作れたら某米国など一瞬で叩きのめせるわけですし、夢は限りなく広がります。ただファンネルの場合だとハード面はもとよりソフト面も強化が必要で、なんとしてでもギュネイ・ガスを超える強化人間も作る必要があります。

 別にこの記事に限るわけじゃありませんが、前半と後半で語る内容に大きな差を感じます。ひょっとしたら自分は後半部を書くためだけに、わざわざ前半部を用意して引きを作ったんじゃないかと、自分で自分に妙な疑念を抱くくらいだこの記事に関しては。

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