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2014年12月8日月曜日

漫画レビュー「実は私は」の9巻

 知ってる人間には何人か話していますが実はこのところブログ書くのがスランプで、毎日パソコンに向かう度に「書きたくないなぁ」なんて思いがしていました。昨日の記事も引用元のリンク先アドレスを間違えてアップロードしてしまいましたが、自分の後輩が微信という露骨という言葉じゃ表現しきれないほど堂々とLINEをパクッた中国製アプリで知らせてくれたので事なきを得ました。
 そんなわけで今日はリハビリがてらに自分の書きたいもの(いつも好き勝手書いているが)を好きに書こうと思うので、ちょうど昨日に9巻が発売した「実は私は」という漫画があるのでこれについて書いてくことにします。

 「実は私は」については今年一月にもレビュー記事を書いておりますがあれから連載は続いているものの面白さで言えば全くペースは落ちておらず、むしろ各キャラクターが個性をどんどん発揮していて回を増すごとに面白さを増しております。
 知らない人向けにも簡単にこの漫画のあらすじを説明すると、「実は私は」は少年チャンピオンで連載しているラブコメ漫画で、メインヒロインが吸血鬼とのハーフであることを始めとして女性キャラクターがみんな何かしら秘密を持っているという設定で、高校男子の主人公を中心にドタバタ系のコメディ色が強い漫画です。なおメインヒロインに関しては先ほどにも書いたように吸血鬼とのハーフですが、回を増すごとにこの設定があまり生かされず、むしろアホの子としての性格がどんどん強まってきています。まぁこれはこれでキャラ立っているから全く問題ないけど。

 ただ前回の記事にも書いた通りメインヒロイン以上に結構多いサブヒロインらの方が圧倒的にキャラが濃く、癖の強いキャラが多い割には話が破綻せず、ちゃんと各回でそれぞれの個性を発揮しながらストーリーが進んでいくというのはなかなか見事な手腕だといつも唸らされます。ちなみに各キャラの秘密というか正体を列記すると、

・ヒロインキャラ:実は吸血鬼と人間のハーフ
・委員長キャラ:実は手の平サイズの宇宙人
・幼馴染キャラ:実は疫病神が乗り移ったメガネを持っている
・ヒロインの友達キャラ:実はというかあからさまな露出狂の痴女
・主人公の後輩:実は未来人で主人公の孫
・学校の校長:実は悪魔
・生徒会長キャラ:実は天使
・主人公の担任:元ヤンキー

 何度も書いているようにこの漫画はラブコメであるものの全体的にはドタバタコメディ色が強く、青春的な場面も少なくはないですが一話完結ということもあって読んでて笑えることの方が多いです。特にギャグシーンにおいては主人公の行うツッコミが非常に鋭く、これほど毎回的確な突っこみいれるギャグ漫画の主人公って過去にいたのかなどと思えるくらいキレキレにやっています。なおその主人公がボケに加わる際は先ほど挙げたサブヒロインの痴女がツッコミ役をこなし、ほかの人のレビューでも書かれていますがその特徴からは想像し辛いもののこのキャラがこの漫画の中で一番の常識人なのではないかと私にも思えてきます。

 そんなわけで昨日発売して電子書籍で夜中速攻ダウンロードして読みだした9巻についてですが、ストーリーも大分終盤に来ているのか主人公もヒロインもかなり明確に相手を意識していてそろそろ告白エンドなのかな、アニメ化まで頑張ってもらいたいのになと思いながら読み開きましたが、正直言って今までの単行本の中で一番笑える単行本でした。メインのストーリーは修学旅行なのですが主人公に好意を持つ上記の委員長キャラと幼馴染キャラが互いに相手を妨害しつつしのぎを削る回が多かったのと、自分もイチオシの委員長キャラが勇気を持っていざ主人公への告白へと臨もうとするところで終わっています。

 その委員長キャラ(9巻表紙の青い髪の子)ですがプライドが高い上に真面目過ぎてしょっちゅう暴走することが多いキャラで、この巻でもその性格でもってまさに縦横無尽ともいえる活躍を見せており、特に最後に載せられた回では「恋とは戦いだ」という妙な誤解から主人公への告白に臨むに当たって白装束に薙刀持って乗り込もうとしたら「やる気が出過ぎている」と痴女にツッコまれ、それならばと今度は気配を完全になくそうと迷彩服にライフル片手に持って乗り込もうとしたら「かわいげがない」と痴女にツッコまれ、それならばと今度は全身猫の着ぐるみ着て乗り込もうとしたら「夜中にそれじゃ逆に怖すぎる」と痴女にツッコまれ、「もう制服着ていけば無難だよ」と言われて最終的に猫の着ぐるみの上に制服着て部屋を出て行きました。この一連の着替えは2ページごとに切り替わっており、構成の妙というかギャグの何たるかをよくわかっているとここでも唸らされました。

 先日友人ともちょっとこの辺で話をしたのですが、かつてはたくさんあった一話完結のこういうギャグなりラブコメ漫画がこのところのストーリー漫画の氾濫によって減ってきており、そういう意味でも「実は私は」は当初から貴重なタイプの漫画だと考えていました。その期待に違わずよくここまでクオリティを落とさずに続けてきたと思うのと同時に、もうちょい増えないかなぁこの手の漫画などと密かに思う次第です。

   

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