2014年12月9日火曜日

大阪都構想を検証する

 どうでもいいですが今の私のパソコンの壁紙は「ミグ29」です。これ見てると昔大学で後輩と、「日本人ならやっぱミグだよなぁ」、「初音ミグとかでないのかなぁ」なんて濃い会話していたのをあの日のことのように思い出されます。
 
 ほんとにくだらないそういう話は置いといて本題に入りますが、このところ九州丸ごと特区化案とか美濃加茂市など地方自治ネタを取り上げることが多いですが、別に狙っているつもりではないものの今日もまたその類の記事というか大阪都構想について自分の見解をまとめてみようと思います。結論から言うと、現時点でこの構想は既に破綻しているように思え議論するだけ時間の無駄なのではと考えています。
 
大阪都構想(Wikipedia)
 
 大阪都構想とは維新の会の橋下市長が府知事時代から提唱している政策案で現在も大阪市議会で主要な議題として議論が続いており、今年三月に至ってはなかなか議会で同意が得られないことから橋下市長が民意を問うとして辞職し、選挙を経てまた市長に就任するなどやや混乱した状況が見られます。その大阪都構想なのですが具体的にどういう中身というか政策案なのかというと、極論すれば「大阪府と大阪市という二つの自治体を合併して二重行政をなくす」という内容です。
 ちなみに二重行政の解消というと私の中で真っ先に挙がってくるのはマーガレット・サッチャーです。
 
 現在、大阪市内の公共サービスは大阪市が管理するもの、大阪府が管理するものが入り乱れており、しかもその範囲も公共バスとか道路補修、水道などと、府と市で同じ場所に構えているとはいえ別々に管理する必要があるのかと疑わしい物が数多くあります。この二重となっている行政サービスを府と市が合併し、一元管理することによって無駄をなくそうというのがこの構想の基本概念になります。
 橋下市長がまだ大阪府知事だった当初はこの二重行政を府と市の担当部門同士で協議、整理して無駄をなくすという方針ではありましたが、両自治体の関係が悪いこともあってなかなか進まなかったことに加え、当時の大阪市長と橋下府知事(当時)もケンカし始める始末であったため、今後の禍根を断つためにもこの際合併しなければならないと構想が発展してきた背景があります。
 このほか橋下市長は大阪都構想というか大阪市と大阪府が合併することによって、東京都みたいに各行政サービスを再編・新設する区が担うようになるため住民に近い目線で対応でき、無駄をなくして効率的になるといった点や、大阪という大きな枠組みで政策が組めることから大規模な経済政策も打てるなどというメリットを強調しております。
 
 しかしこうした大阪都構想、当初でこそ自民や公明といった各市議会会派も賛成する立場を示していたものの、構想内容が具体化するにつれて逆に反対の立場を取る人間も増えてきました。そうした反乱の嚆矢となったのは兵庫県内にある大阪よりの各市からでした。維新の会はそれ以前からも暗に匂わせておりましたが2013年になるとこの大阪都構想の対象範囲を大阪市だけでなく、大阪府内はおろか兵庫県を含む関西経済圏内の市町村をまるごと大阪都に組み入れるという政策を打ち出し、これに対し神戸市を始めとした兵庫県の各市が明確に反対する姿勢を打ち出します。そうしたこともあってか、2013年四月に行われた宝塚市長選挙では維新の会の公認候補は落選しています。
 ちなみにどうでもいいですが以前に、「うちの親父は宝塚出身だ」と人に話したら、「えっ、お父さんなのに歌って踊ってたの?」と聞き返されたことが本当にあります。そっちの宝塚じゃないってのに。
 
 その後も維新の会に反抗する勢力はドミノ倒しのように増えていき、元々維新の会の公認を受けて堺市長に当選した竹山修身氏も反論した上で維新の会そのものからも離脱しています。竹山氏曰く、堺市は堺市なりに独自の文化や歴史を持っているというのに大阪市に飲み込まれるような政策は受けられないとして主張し、2013年の市長選挙では対立候補として擁立された維新の会公認の対抗馬を大差で下しています。
 
 敢えて比較表現をすると、「大阪市以外の市町村も大阪都に組み入れる」という構想を「大・大阪都案」、「大阪市と大阪府のみで合併を行う」という構想を「小・大阪都案」と表現した方がわかりやすいかもしれません。上記の様に「大・大阪都案」は周辺自治体から住民を含めて総スカンを喰らっていることもありこのところは維新の会も鳴りを潜め始め、従来の様に「小・大阪都案」に絞って政策主張をし始めてきたように見えます。
 
 では「小・大阪都案」なら実現できるのか、メリットはあるのかですが、はっきり言ってどっちもNOとしか言いようがありません。まず実現性についてですが大阪、というか関西は東京と違ってそこそこの歴史や文化がある(京都の連中はせせら笑うだろうが)ため、そこに住む住民もその地域に対して強い執着と共に高いプライドを持っています。維新の会の大阪都構想では現在23区ある大阪市内の区割りを5、もしくは7区に合併・再編する方針を示していますが、現時点でも「自分の住んでいる区がなくなるのが嫌だ」という声が上がっており、民意はまず得られないでしょう。
 そしてメリットについても、確かに二重行政が解消されることによってコストカットの効果は得られるでしょうが、その一方で新設する各区の役所にこれまで府や市がになっていた行政サービスの担当部署を新設することによって行政コストは増し、果てには市議会の代わりに区議会を新たに設置するとなると行政コストは今より確実に増えることでしょう。同時に、自治体再編に当たって住所なども全部洗い直す必要もあり、役所はおろか住民、運送業者が受ける社会的負担も無視できません。それだったらいっそ合併なんか始めからせず、府と市で行政サービスの整理、棲み分けを進める方が現実的で効果あるように思えるわけです。
 
 以上が大阪都構想に関する私の見解で、上記のような見方からこの構想は旨味は小さくデメリットの方が明らかに大きいと思えるため反対の立場を取らせてもらいます。最後にもう一つだけ苦言を呈すと、大阪府と大阪市が一体化すればいろんな経済政策を打てるなどと維新の会は主張していますが、お前らごときがまともな経済振興策を練れるだなんと本気で自惚れているのか、なーんて思ったりしちゃいます。もしそういうまともな経済感覚があるなら、どうして「あべのハルカス」の建設を始める前に止めなかったんだと言いたいです。第一、府と市が一体で打てる振興策なんてたかが知れているし、やるんだったらもっとスケールの大きい案を練ったらどうかと個人的に思います。

1 件のコメント:

  1. 大阪特別行政区を設立したら如何でしょうか?ご感想を聞きたく。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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