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2016年2月17日水曜日

今勢いを感じる男性俳優

 去年頃から上海市内のスーパーでも「ウコンの力」が売られるようになったのですが、この商品を見る度に私は戦国武将、もといキリシタン大名の高山右近を連想し、「右近の力」の半分以上はキリシタンパワーだろうと内心信じています。
 その高山右近ですが、何でも最近バチカンに認められてこのほど福者に認定されることがほぼ決まったそうです。確かに細川ガラシャと並んで中世日本における代表的な殉教者だし「振興のためなら領土も捨てる」を地で行ってもいるので、本人も今頃あの世で盆踊りでも踊りながら喜んでいるんじゃないかと思います。

 ここで話が変わりますが一昨年に放映された大河ドラマ「軍師官兵衛」にて、この高山右近の役を生田斗真氏が演じていました。高山右近は黒田官兵衛のキリスト教入信において強い影響を与えたとされるだけになかなか出番の多いキャラでしたが、このドラマの中での生田氏の演技は私の中で強く印象に残り、「きっと身近に高山右近がいるとしたら実際にこんな姿だったのでは」と思わせられるほどの息を飲む演技ぶりでした。
 それだけ印象に残ったのもあって個人的に生田氏の経歴をドラマ放映中に調べたりもしたのですが、調べてびっくりというかこの人もジャニーズ事務所の在籍者、もといアイドルで、同じドラマで主役張った岡田准一氏といい、いつからジャニーズはこれほど演技達者な俳優を多く抱えるようになったのだと改めてこの事務所の凄さを思い知らされました。まぁ逆を言えば、SMAPの面々はそんなに演技上手いと思えないわけなんですが。

 同じく「軍師官兵衛」では黒田長政役を松坂桃李氏が演じる形で出演していましたが、この人も若いのに演技達者な人だと密かに評価している俳優さんです。前々から各所で演技力が評価されてはいましたがいまいちじっくり出演作を見ることが無く、名前が特徴的なのでどんな演技をするのかなと思っていたら「日本のいちばん長い日」に出演していて、この映画でじっくり見ることが出来ました。
 この「日本のいちばん長い日」で松坂氏が演じた役は畑中少佐という人物ですが、実はこの人物こそ映画を見る前に、「誰があの人物を演じるのだろうか?」と私が最もキャスティングを気になっていた人物でもありました。どういう人物であるかはリンク先のウィキペディアの記事を見た方が早いですが、要するにポツダム宣言直前にクーデター起こして戦争を継続させようとした軍人の中心人物で、クーデターが失敗に終わった8月15日早朝にピストル自殺していますが、歴史上もっとも融通の利かない軍人を体現しているかのような人物であります。
 そんな畑中少佐を松坂氏が演じると知って果たしてどんなものかと期待にワクワクしながら眺めましたが、よくもまぁこれだけ演じ切れるものかと、具体的には額に血管が浮かび上がらんばかりに怒鳴りちらしながら上官に迫ったり、陸軍参謀独特の仰角90度のお辞儀をしたりと、まさに前評判通りの見事な演技ぶりを見せてもらいました。

 以上の二名は私が知っている若手俳優の中でも一際抜きんでているというか、キャスティングされているだけでも出演作を見てみたいと思う男優です。しかし、こと男性俳優で今一番誰が上手いかと言われれば私の中で上がってくるのはこの二人ではなく、今旬なディーン・フジオカ氏でもなく、ほかならぬ伊勢谷友介氏だったりします。
 伊勢谷氏は映画の「カイジ2」で初めてその演技を見ましたが、主役の藤原竜也氏のイケメンらしからぬクズキャラぶりな演技もさることながら、いけ好かない感じの気取った敵役をこれでもかといわんばかりに演じており見終わった後に、「一体誰なんだこの俳優は?」と思って生田氏同様にすぐ経歴を調べた俳優です。元々高く評価されていた俳優なだけにその後も伊勢谷氏は話題作に出演し続けていますが、恐らく私だけではないでしょうが最も凄いというか恐ろしい演技ぶりだったのは間違いなく映画「あしたのジョー」で演じた力石徹役でしょう。

 この映画ではボクサーを演じるということから主演の山Pこと山下智久氏同様に相当なトレーニングを積んで出演され、どちらも体脂肪率を出演前から極端に落として撮影に臨んだそうですが、「力石といったら過酷な減量」と言われるあのシーンもきっちり伊勢谷氏は演じ切っています。実際にあのシーンの撮影数日前から絶食していたそうで、「水ー!」って叫ぶシーンなんか聞いててちょっと怖かったし、減量後の体重測定シーンに至っては文字通り幽鬼のような姿を見せ、鬼気迫る演技とはああいうのを指すのだと思います。実際に聞いてるとやや演技馬鹿というか妥協をせずにのめり込む体質の人らしくて、あの役にしてこの俳優ありだなというのが私の感想です。
 なお山Pも非常にしっかり身体作って演技しており、アイドル使った古い漫画の復刻映画と舐めてかかっていたらいい意味で不意打ち食らいました。

 何もこの記事に限るわけじゃないですが、「ウコンの力」からよくこんな俳優談義に話題を発展させるもんだなと自分で書いてて呆れます。実際、普段の会話でも小さなとっかかりから大きく話題を変えるのが非常に得意ですが。

2 件のコメント:

すいか さんのコメント...

松坂さん、畑中少佐の純粋真っすぐな気持ちをよく表現してましたね。本木雅弘さんも瞳の奥に悲しみをたたえて、昭和天皇役を好演してました~。
明日のジョー、見てみようかな。我が家の男の子達も好きそう(^^)

花園祐 さんのコメント...

 映画「あしたのジョー」はお勧めですよ。古い原作ですが現代人にも分かりやすい脚本にしてあるし、他にも同じレビューが出ていますが主役の二人は男の自分が見ても惚れ惚れする肉体で撮影に臨んでいるので女性が見るならなおさらでしょう。