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2017年6月25日日曜日

加計学園問題における特区の問題点

 わざわざ自分が書くほどの内容とは思わないもののあまり論点としてまだ軸になっていないため一応記事にします。

 さてこのところ世間を騒がせている加計学園問題ですが、この問題の焦点となるのはそもそも何故「獣医特区」が設けられたかに尽きると思います。細かく調べてはいませんが、なんでも愛媛県今治市に獣医学部を新設するに当たって先に今治市を獣医特区として認定し、その上で加計学園に獣医学部を新設することとなったわけですが、改めてこの過程を見ると疑問点が多すぎます。

 まず、なんで獣医学部を設置するのにいちいち特区を設ける必要があるのか。学部新設は文科省の権限範囲で行うべきであって、「特区にするから獣医学部が必要」というのはむしろ順番が逆です。
 次に、そもそも獣医特区は何なのかです。多分政府としては獣医研究、臨床の拠点としてうんぬんかんぬんいうでしょうが、獣医学を特区でやるから何のメリットがあるのか私には見えません。医療機器特区とかならまだしも、学術研究や臨床で、しかもこう言っては何ですが今治市でやることに必然性はなくむしろ疑問点しか浮かびません。
 最後、何故今治市なのかです。これの答えはいたって簡単で、加計学園が今治市に作るって言ってるからで、京都産業大学などほかの新設候補を蹴落とすために今治市を特区にして加計学園に新設を認めるという算段だったからでしょう。

 このように考えると、加計学園に獣医学部を新設させるために今治市をいちいち獣医特区にしようとしたというのがこの問題の枠組みです。誰が何というと「加計ありき」というのは間違いなく、またこの誘導のためにわざわざ国家戦略特区制度まで利用されたということで、皮肉を言えば非常に豪華な布陣です。
 私個人として一番不満なのは、まともな特区は作らないでおいてこういうわけのわからない利益誘導のために特区制度が利用されているという点です。それこそ審議にも上がった最低賃金特区や外国人雇用特区などは悉く無視されておきながらこういう無意味な特区が作られるだなんて、順序として明らかにおかしく本当に怒るべきはこの点でしょう。一応、獣医学会が学部新設に反対していたのでそれを突破するための特区設置と言い訳は立ちますが、だからと言って手続き順序がおかしく、なおかつ本当に価値のある特区が設置されない点は見過ごせません。

 それにしても前の記事でも書きましたが、安倍首相はどうしてこうも変な連中ばかりと付き合おうとするのか不思議でしょうがありません。金と権力のある所にはすり寄ってくるものがあるとはいえ、人を見る目こそもっと鍛えるべきだったでしょう。

4 件のコメント:

おでこ さんのコメント...

うん、ちょっと違うように思います。
時間がないのでポイントのみ。
・獣医学科の学部新設は文科省が申請すら認めない、という異常な規制下にあったこと。(今、問題指摘され始めている)文科省の規制の筆頭に挙げられていることです。
・では獣医は現在足りているのか?足りていません。これだけのペットブーム、自由診療であるべき治療代は高どまりし、競争原理が働いいていない。ワクチン注射1本で5000 円はざら。競争原理が働かないから、獣医の質も上がらない。専門医不足。ちなみに我が家のチビ太は気管支異常かもしれないと指摘されましたが、手術できる獣医師が限られ、手術代は70万程度かかります。これ、決して珍しい症状ではなく、犬に多い病気だそうです。
・産業獣医師の不足も問題。ただしこれについては待遇面の問題もある。
・そもそも加計ありきではなく、10数年に渡って県をあげて申請し続けた今治ありきなのです。四国で獣医を目指そうとすると、四国を出る必要がある。これが公平なことなのか?過去の経緯を踏まえ今治を主眼に認可を進めていたなか突如、京産大が応募した。
・ではなぜ1校に絞ったか。獣医師学会への配慮。獣医師学会の強弁な反対。
・混乱しがちなのは、今治ありきが加計ありきに取られるような総理との友人関係があったこと。

以上、ご存知のことも多いと思いますが。書き足らない部分もありますがごめんさない。



花園祐 さんのコメント...

 コメントありがとうございます。今治が10数年にわたり申請し続けたというのは把握していませんでsチア。
 おでこさんのご意見もわかるのですが、やはり今回のこの件は政治プロセス的に問題があると私には思います。いくつか理由を挙げると、

・四国に獣医学部を設置しても偏在解消にはつながらない(人間の方の医師も偏在が問題となっているため)。
・にもかかわらず「偏在解消」を理由に、挙句に特区制度を利用して今治に設置しようとした。

 私も獣医師(医師も)の不足は問題だと考えてはいるものの、本来踏むべきステップを取らず、よくわからない根拠と特区設置によって進められてきたことから、ある程度官邸の利益誘導があったと思えます。公平な審査や手続きで決まったならまだしも、やはり今回の手順や手続きは座してみることができません。
 それこそ今日の菅官房長官の会見のように、獣医学部の倍率が全国で15倍であり不足しているなどという根拠を元に文科省や獣医師会の反対を踏みつぶしてでも、開かれた審査でもって複数箇所で学部開設をしていればよかっただけの話です。そもそも何故新規学部開設が1校に絞られたのか、この過程にも不透明な点があるように思えます。

おでこ さんのコメント...

重ねてコメント申し訳ありません。
参考リンク
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0615/san_170615_2554634665.html
http://biz-journal.jp/2017/06/post_19333.html

なお、京産大が手をあげたのは1校に絞るのあと。

私はこの問題、いかに憶測で物事の白黒が決められるかのいい検証と思っているのです。
私自身も憶測が働いていないか、自戒しながら事実で見ていきたいと思っています。安倍さん指示ですから。(笑)

ただ政府の説明はあいまいであり、この点に疑い・懸念を感じております。

これにてこの件のコメントは控えます。大変失礼しました。

花園祐 さんのコメント...

 いえいえ、お気になさらずご意見があればどんどん行っていただけると助かります。政治問題というのは議論してなんぼですし、さすがにむちゃくちゃな意見は見ていてなんですがおでこさんのご意見であればいつも大歓迎です。
 リンク先の記事を拝見しましたが、上の記事は確かに一読の価値があるように思えます。ただ、下のリンクの記事については配信しているのがサイゾー系列のビジネスジャーナルで、ここについては嘘でない記事を探す方が難しいメディアと思っているのと、記事書いているのも高橋洋一氏でちょっとうーんっとなってしまいました。