個人的にはこのあらすじ以上に作者の亜月ねね氏の漫画表現の上手さを自分は評価しており、主人公が前を向いて話す→振り向いて話す→また前を向いて話すというたった1ページ3コマのシーンながらキャラクターの動きをすごく感じ取れるシーンがあり、余計なコマを挟まず描写を描くのが本当に上手いと考えています。
・ニナ(みいちゃんと山田さん)(Pixiv辞典)
話を戻すと、そんなみいちゃんの中でも一番印象に残ったのが上のニナというキャラクターが出てくる話です。このキャラは大学を卒業して一般企業にも勤めたことがあったものの長続きせず、再び夜職ことキャバクラに戻ってくるのですがここでもうまくいかず、遅刻や忘れ物を繰り返し、最終的には店側に叱責されたことをきっかけに連絡もせず勝手に退職してしまうキャラクターです。
このキャラについてははっきりと大人の発達障碍者であることが作中で語られており、知能こそ健常者並みにあるものの、他人の気持ちをうまく理解できなかったり、指示された行為を指示通りにできない、集中が続かない、ストレスにさらされるとすぐ逃げてしまう、部屋の片づけができないなどといった特徴を持たされています。本人も自分が並の人よりも劣っているという自覚があり、何もわからない人と比べ自分が無能であることが理解できてしまうことに悩むように描かれていました。
ただ作中で10年後は一般企業に勤め、理解者にも恵まれ、相変わらずミスすることが多いもののおおむね幸せに生きている結末が描かれており、この作品の中では読後感の良い結末が用意されていました。
この大人の発達障害ですが、ADHDや境界性知能などいくつか種類があるものの、作中でも言われている通り2012年頃はまだあまり認知が広がっておらず、自分の感覚でも2015年くらいから徐々に社会で認知されてきたように思います。逆を言えばそれまでこの手の人は迂闊だとか責任感がないなどと批判され、当事者たちも肩身の狭い思いしつつ自らの特徴とうまく付き合えない社会生活を送っていたと言われています。現在も世間の目は決してやさしくはないですが、以前と比べれば診断が下りていればその特性に合わせた働き方などを用意してくれる職場も出てきており、以前よりは改善していると思われます。
なんでこんな大人の発達障害を急に語りだしたというかニナちゃんが気になったのかというと、見出しにも掲げている通り明らかに「きっとこれだったんだなぁ」という人間を自分が以前見たことがあったからです。具体的には同じ大学のゼミ仲間でしたが、そこそこいい大学に通ってはいるものの一番重要な授業であるゼミに何故か毎回遅刻してきて、最初は許していた講師もさすがに途中で怒り教室に入れなかったことがありました。それからは遅刻癖は少し収まったものの、その後も何度かやらかしていました。
こんな具合なので大学卒業に必要な単位もかなりギリギリだったのですが無事卒業し、卒業直前に何とか得た内定先に就職もしたのですが、伝え聞く話によるとその後もかなりヤバかったそうです。自分も一度彼のSNSを見たのですが、何でも入社から1週間くらいで3回くらい遅刻したほか、勤務先が自動車部品メーカーだったので会社からお金を借りて車を買うもすぐに事故って廃車させ、その後なんと自ら借金してまたもう一台買っていたそうです。本人も借金で首が回らないと言っていたそうですが、なら何故買うと言いたくなります。
それから数年して結局その勤務先を辞めるのですが、彼を支援する目的もあり簡単なデータ入力作業の仕事を私から回したことがあったのですが、最初はノリノリでやる気を見せる返事をしていたものの、何故か途中から一切連絡をせずに勝手に仕事を放棄していました。こちらが進捗を尋ねてもうんともすんとも言わず、学生時代を見ていただけに私も「まぁ彼だからな」と深く追求せずにそのままなかったことにして処理しました。
その後何度かあったものの付き合いは薄れ、共通の知人から話を聞くに再就職した会社もすぐに辞め、その後うつ病になりなんか今は保育士をしているという噂を聞きました。何となくその仕事も大丈夫なのかなと思うと同時に、自分の特性を理解した上でそれとうまく付き合う生き方をもっと早く模索できなかったのかなという気持ちを覚えました。悪い奴ではないのですが、正直私も背中を預けられないというか一緒に仕事したくはない奴でした。
はっきり言ってしまえば彼もニナちゃん同様、大人の発達障害を明確に抱えた人間だったと考えています。知能こそ平均水準より上であるものの、普通の人が「これ以上言ったらまずい」と考えるボーダーをあっさり超えてしまうというか、むしろ重要度が高くプレッシャーが上がると逆に放棄しようとする傾向が強くなり、言うなれば重要度の高いタスクほど実行、実現をあきらめる人間でした。でもってニナちゃん同様、本人も先ほどの遅刻を含めこうした逃避行為にいくらか負い目を感じてこういうことはよくないと自覚はしているものの、それを直そうとする実行力には乏しく、友達付き合いならともかく業務付き合いとなるとまるで信用がなくなるところがありました。
私としてはあくまで友人関係で、前述の作業も代替がきくものだったために深く咎めませんでしたが、仮に雇用側や上司として接するとなるとどんな風な態度になったかわかりません。学生時代の時点で「ちょっとこの人は普通の人とは違う」とは感覚的に理解してはいたものの、正しい付き合い方となると正直今でもわかりません。
などとグダグダ書いたうえで何が言いたいのかというと、冒頭のニナちゃんのような人間は決して漫画の中だけではなく普通に存在しているというのを自分自身、はっきり経験しているということです。だからこそニナちゃんの話が一番印象に残っているとともに、こうした人たちを社会でどう活用するか、付き合っていくかを少しは考えるべきだし、排除だけはしてならないという実感も持っています。
もっともここでは綺麗事をいくらでも言えますが、いざその立場になったら私も良識的な行動を取れるか自信がないです。ぶっちゃけSNSマナーが病的に悪く、何度も拒否しているにもかかわらず不快なメッセージや画像を送り続けてくる友人に公衆の面前で罵倒したことが何度かあり、若干その友人にも何かしらの心理的起因があるのではないかと疑っています。中国だと街中で大声で怒鳴っても誰も気にしないからやってしまえるというのもありますが。
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