一応有給はあるけど、チームメンバー全員が先に休暇を取ってきたので自分が出ざるを得なくなりました(´;ω;`)ウッ…
その代わりというか休暇日数は土日含めて毎年7日間のところを今年は8日間になっています。個人的には日数以前にやっぱり大晦日から休ませてほしいというか買いだめとかしたいのが本音で、なんで今年はこんな変則的なんだと言いたくなり、やはり不況のせいかと勘繰ってもしまいます。
さてその中国の不況、何度もこのブログでも書いているし日系メディアもいろいろ報じてはいますが、少なくとも自分が見ている限りで日系メディアは中国現地の状況を伝えきれていないと日々感じます。記事に書かれている以上に中国の街中では失望ムードが強く、株価低迷もあって不景気そうな面をみんなでしています。さすがに自分の直接的知り合いではまだいませんが、失業者も増えているといい、大卒者も内定先がなく苦労しており、感覚的には「バブル崩壊」という単語が出始めた1995年くらいの空気感です。
仮に私の空気感が正しいとしたら、中国は最低5年間はこれから不況に苛むという計算になります。もっとも日本の場合、1995年からの5年間において不良債権に一切手を付けず、無駄に財政出動して借金だけ増やし、景気は一切回復しなかったのですが。
何度もこの記事でも書いているように、失われた30年という人もいますがやはり小泉政権の前後でいったんは区切るべきだと思うことから私は「失われた10年」という言葉を使うべきだと思います。その失われた10年が一体何故区切りを迎えたのかというと、小泉政権下で竹中平蔵氏が不良債権処理に一気に動かしたことが間違いなく最大の理由です。
当時、竹中氏は3年で日本の不良債権を半減化すると見えを切り、野党はそんなのできっこないと批判しましたが、実際に2年半でこれを達成しました。これを受け、ちょうどデジカメや大型テレビなどの新たな家電品が登場して消費も上向いていたこともあり、日本の景気は2005年の郵政選挙を皮切りに間違いなく上げ潮に乗りました。
なおこの時の小泉政権下では財政支出を増やすどころか減らす緊縮財政を取っており、これは金融環境がズタボロ時に、金をいくら市場に投入しても無駄という教訓として非常に重要な例だと勝手に思っています。
話は戻すと、一応中国もようやく財政出動に動き始めていますが、根本的には社会における不良債権をどうにかしない限りはいくら財政出動しても一時的なカンフル剤にしかならないと思います。というより、完全に日本の失われた10年のトラックを追うことになるので、内心ではやめた方がいい、そんな金あるなら不良債権を削れと私は言いたいです。特に地方債務。
その不良債権に関連してつい最近知ったのですが、上記の竹中氏が不良債権処理を推し進めて銀行に対し厳しい自己資本比率を設定していた際、三井住友銀行はとんでもない方法でこれを達成していたらしいです。
・わかしお銀行(Wikipedia)
このわかしお銀行がどんな銀行か知っている人は恐らく現代にはいないと思います。じゃあどんな銀行家というと、現在存続する三井住友銀行を買収し、親会社となった銀行です。
わかしお銀行は元々、三井財閥系のさくら銀行の子会社でした。そのさくら銀行も破綻待ったなしな状態になった際、住友銀行と合併することとなったのですが、さくら銀行と住友銀行が合併しても依然として自己資本比率は要求される基準に達しませんでした。
そこで当時の住友銀行頭取だった西川善文はなんと、
1、住友銀行とさくら銀行が合併して三井住友銀行を作る
2、できたばかりの三井住友銀行をさくら銀行の子会社であるわかしお銀行に吸収買収させる
という、いわゆる逆さ合併と呼ばれるスキームを当時組んだそうです。これによってどうなるのかというと、文字通り「小が大を飲む」吸収合併となるので、吸収する側のわかしお銀行はその合併時に会計上で大きな資産評価プレミアムを得ることとなります。わかりやすく言うなら、本来の価値よりずっと安い代価で三井住友銀行を買うこととなるため、その本来の価値が上回っている分だけ含み益(のれん)をわかしお銀行が得ることとなります。
このスキームによって合併再編の完了後に三井住友銀行は大量の含み益を手にすることができ、これを使って不良債権を一掃して、自己資本比率を基準に到達させたそうです。この手法に関しては行内からも邪道だと批判する声も多かったそうですが、当時の待ったなしな状況で最も適切な解決手段であると西川が考えてかなり無理くりして通したそうです。本人曰く、反対は覚悟していたし、信念のある決断だったからこそ、その後の結果も好転したとのことです。
自分はこの話を西川の「仕事と人生」という本で知りましたが、こんな裏技的手法で不良債権を一掃していたことにマジビビりました。なおこの手法は企業合併には簿価基準で行うようになった現代ではできないそうで、まさにあの時代限りのウルトラCだったそうです。
敢えて例えるなら、選挙に勝つため子供を政党の党首に据えるようななりふり構わぬ手法であり、そうまでして不良債権を削ろうとした西川の凄みがいまさらになって感じ入ります。しかしこれを見て、今の中国に必要なのはこれくらいの気迫で以って不良債権を削る意志だろうとも思わせられました。
そんな具合で先の見えない中国でまた年越しですが、連休中はなるべく明るく過ごすようにしようと思います。買いだめしてるプラモも作らないと(´・ω・)
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