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2025年4月6日日曜日

トランプ関税で日本が狙うべき市場

 このところ世界を騒がせているトランプ関税ですが、世界一律の10%の追加関税はもう発動され、9日も先日発表された上乗せ関税がまた発動されます。これらの一連の政策について日本の世論を見ていると、「発動後にデメリットに気づき米国は自ら短期内に撤回するに違いないという」という楽観論がやや強いように感じますが、ちょっとこういう考え方は危険じゃないかと思います。
 というのも物事は基本的に悪い方向へ向かうことの方が多く、またトランプ大統領のこれまでの言動からみても、失敗した政策ほど「これから効いてくる」などと強弁して延々と続ける可能性の方が高いからと感じるためです。

 また日本の米国向け輸出への影響ばかり取り上げられますが、もっと気にすべきなのは為替なんじゃないかと密かに見ています。今回の政策で基本的に世界中すべての国で対米貿易量が落ち込むことは間違いなく、この結果としてドルの使用量が落ち込み、ドル安が起こることは確実だと考えています。
 日本としてはこれで円高ドル安となり、米国、というかトランプ大統領の「日本は為替操作している」という批判を避けることができる、少なくとも「ちゃんと努力してるよ(´・ω・)」と言い張る根拠ができるので、これ自体は日本にとって悪くないかなと考えています。インフレもある程度の成果を得ているし、物価高を抑えるうえでもこの動きはむしろ日本にとっていい方向に作用する点が多いでしょう。

 こうした変化に対し、日本の報道を見ているとなんか受け身というか対応や対策ばかり議論されていますが、むしろこのパラダイムを前向きに利用しようという声が聞こえないのが密かに残念だったりします。
 具体的には何かというと、前述の通り今回の政策で世界中で対米貿易というか取引が減ることは間違いなく、これはいいかえれば、米国が他の国に持っている市場を失うことを意味します。この米国が失った分の市場を埋めるように日本が奪取すればプラスこの上なく、今のうちに奪い取れそうな市場や製品を官民揃ってピックアップすべきだとみています。

 敢えてここで私の方から挙げるとするなら、医療機器が一番狙い目じゃないかとみています。何故かというと、現在の米国にとって軍需品を除いて最も競争力のある工業製品だと思うからです。

 あまり日本の報道では見られませんが、現在世界の医療機器、特に先端分野は米国が圧倒的に強くなっています。かつて内視鏡で一世を風靡した日本ですがこのところはその内視鏡でもあまり振るわず、米国企業とかにシェアを取られまくってます。何気にドイツも、医薬品は依然として強いけど医療機器はそこまで強いというわけではなく、米国の後塵を拝しています。

 一体何故米国が医療機器で強いのかというと、金出す金持ちが多いからです。自分の寿命を延ばそうと高額な医療機器でもどんどん金を出すし、研究資金も率先して出します。命は金で買えないとは言うものの、こうした財力は医療機器の開発をもろに左右します。

 元々、この手の医療機器は価格が極端に高いものが多く、対抗関税で上乗せされる支払額はさらに大きくなるでしょう。また対抗関税が出されなくとも、米国への嫌悪感から買い控える動きが広がり、この辺の市場に穴が開くのではとみています。
 日本の医療機器はこのところ米国に負けていますが、決して実力がないというわけではないため、これを機にいろんな国へもっと売り込みをかけるのも一つの手じゃないかと思っています。もちろん医療機器以外にもあるでしょうが、私が思い浮かべるのはまずこれでした。

 なお半導体に関しては、現在もはや米国製品はそこまで強力という印象はありません。実質的にTSMCがいろんな国でインテルの半導体作ってるし、今回の関税でもそこまで半導体に苦労する企業は出てこないのではとも考えています。
 ぶっちゃけ、米国が製造業を守るために本気で潰すべき相手はTSMCだったと私は思います。TSMCがいなければCPUは米国がある程度独占し、守ることができたはずですが、トランプの政策では何故かこの手の半導体の議論はあまり出てきませんでした。支持勢力が自動車や鉄鋼というのもあるでしょうが、単純に他の工業製品、特にハイテク製品について政権があまり認知していないというのが最大の理由じゃないかと考えています。

2025年4月5日土曜日

ジークアクス面白かった(*´ω`)

 次期テレビシリーズガンダムとなる「ジークアクス」のプレリュード兼初期ダイジェスト版となる映画が現在公開されており、中国でも昨日から封切られています。同じくガンダムズ期の中国人の友人に先んじてみようと今日の午後に映画館を予約していましたが、友人は今日の午前に見てきており、先越したことをWeChatで連絡してきました(´;ω;`)ウッ…

 仕方ないので自分はそのままさっき見てきましたが、前情報を何も入れずに行ってみてきましたが、端的に言って非常に面白い作品でした。一番印象深かったのは音響で、どのBGMも外れなく的確に鳴らしており、声優の演技も誰一人として違和感なく耳に聞こえました。
 特に主演の声優は「どっかで聞いたような……」と思いながらエンドロールを見たら「黒沢ともよ」の名前があり、映画館で声出そうになりました。黒沢氏に関しては以前に「AIソムニウムファイル」というゲームで一度拝聴することがあり、有名声優が多数出演しているこのゲームの中で、ひときわ際立った演技のうまさを感じていた声優でした。自分が演技に衝撃を受けた声優を挙げるとしたら、種崎敦美氏とこの黒沢ともよしが間違いなくトップ2です。

 話を戻すと今回のジークアクス、製作はエヴァでおなじみの庵野監督率いるカラーであり、色遣いなどはやはりエヴァなどに近い配色だと感じます。特にニュータイプ現象を示すシーンの色なんかで特に色濃く、それら配色が何か問題あるわけではありませんが、自然色を強く出そうとする深海作品とは対照的に人工的な感じが強くする色だなと個人的に思います。

 作品のストーリーに関しては、前半はジオン軍の最大戦犯ことジーンが偵察に出撃しなかった畏怖シナリオの初代ガンダムで、シャアが主役として映されます。とうとうシャアの声も池田氏ではなく代役が立てられこの人の演技については特に違和感はありませんでしたが、この前半部分はシャアのカウンターパートとなるキャラがおらず、シャアが「5倍のパワーゲインだと?」、「やってみるさ」などと約1時間くらい延々と独り言を言い続けるのがちょっと目につきました。
 作劇上、仕方のないことだとは自分も思うわけですが、ソロモン内部で「ふっふっふ、これでザビ家も……」などと自分の陰謀を延々と一人で言い続けたり、間に入ってきた機体と戦闘しながら「アルティシアか!」とか一人実況するところは若干、「この人躁病なんじゃないの?」という印象を覚えました。まぁ仕方ないけどさ。

 そんなシャアのYoutuberじみた独演劇となる前半を終えて本編となる後編に入ってからは、これまdネオガンダム作品としては珍しい日本風の世界観でモビルスーツが動く映像はなかなか新鮮でした。特に「警察」の文字入りのザクは、中国でも漢字と意味が同じなだけに中国人ファンにも入ってきやすかったんじゃないかと思います。

 あとほかの人はそうでもないでしょうが、この作品の肝となる2対2のモビルスーツプロレスバトルのシーンで、「マグ」と呼ばれるコンビネーションプレイは個人的に見ごたえがありました。
 かつてこのブログでも触れましたが、これまでのガンダム作品の戦闘には基本的に戦術というものがなく、戦闘機では当たり前に行われる数機での片方が囮になったり、カバーについたりといった連携が一切ありませんでした。基本的にエース級のキャラがバンバン撃って倒すばかりで、あんまミリタリー色強すぎてもあれだけど、もう少し現実っぽいこうした演出が欲しいと前から思ってましたが、まさにこのジークアクスではそうした連携戦術が描かれており、しかも結構練られたものと感じられ、この点はすごくいいと感じました。

 もっとも、映像の中ではうまく動かし切れていたとはいえず、セリフで説明して視聴者に理解させるだけでしたが。この辺は本編でもう少し改善してほしい。

 このほかもう一点述べると、誰が決めたかは知りませんが、シャリア・ブルというキャラクターを本作でメインキャラクターに据えたのは英断この上ないでしょう。息の長いシリーズなだけにこのガンダムもオールドファンと新規ファンで結構壁があるのですが、ゲームの「ギレンの野望」をはじめ外伝でやたら活躍し、オールドファンから常に期待のまなざしで迎えられる彼を登場させることで、納得に至らないオールドファンはいないでしょう。
 それでいてほかのキャラクターは現代的なデザインで、細かいところで攻めているようにも感じられ、新規ファンにもとっつきやすいような気がします。本編がどういう風に描かれるかわかりませんが、割と女性にも受け入れられやすいような印象を受けたし、2対2のバトル形式も子供にわかりやすいような気がします。総じていえば、かなりのセールスが期待できるのではと考えています。

 なお日本でも封切られた「ナタ 魔童の大暴れ」を自分も先月見ていますが、こちらに関しては多分中国ほどには日本ではヒットしないように見ています。何故かというと映像に力が入ってはいるものストーリー面でやや拙さがあり、中国おなじみの「最後にひっくり返す」展開で、終盤もほぼすべての日本人が「ドラゴンボールじゃん」と多分思うからです。
 その「ナタ(ちなみに中国語の発音は「ナザ」のが違い。日本語の読みが「ナタ(ナタク)」となったのは安能務の誤訳がきっかけらしい)」を一つ前に見ただけに、今回のジークアクスは細かい演出の良さを強く感じました。今更だけど、やっぱカメラワークって本当に大事なんだな。

2025年4月4日金曜日

きっと水木しげるは知らなかった

 「土下座前」、という単語を聞いてピンと来るかどうかでその相手が京都人がすぐわかります。これはどういう単語かというと、京都市の三条河原町前を指示する単語で、「じゃあ土下座前で」などと待ち合わせなどに使います。なんで土下座前なのかというと、土下座した人物の銅像があるからです。

高山彦九郎(Wikipedia)

 その銅像の人物が上記の高山彦九郎で、時代的には江戸時代中期の十代家治、十一代家斉の時代の人物です。「寛政の三奇人」に数えられる人物で、恐らく日本で最も初期に尊王意識というか幕府打倒、天皇親政を目指した人物であり、京都市内へ入る際に必ず皇居に向かって道端で土下座していたということから像のポージングにもなっています。

 この高山彦九郎についてですが、上記の土下座前のエピソードから名前についてはかねてから把握してはいたものの、具体的にどういう人物であるかはこれまでほとんど知りませんでした。それが先日、知人に勧められてみなもと太郎の漫画「風雲児たち」を読んでみたところ、多くの登場人物が出てくるこの漫画にて中盤においてほぼ主人公ともいえる扱われ方をされていたのが高山彦九郎でした。
 というのもこの高山彦九郎、同じ「寛政の三奇人」に数えられる林子平は当然ながら、前野良沢や杉田玄白をはじめ当時の知識人と幅広く交友しており、この時代における蘭学と尊王(国防)意識のうねりの中心にいたような人物でした。それに加え性格と行動も過激で、故郷で一揆が起きていると聞くや江戸や京都から馳せ参じて一揆に加わったり、飢饉が起こるや募金を募って救民運動したり、やることなすことエキセントリック極まらず、漫画的にも描きやすかったんだと思います。

 こうした高山彦九郎の生涯について自分は全く知らず、というか「風雲児たち」に出てくるその他の人物、特に最上徳内などの事績について初めて知ることが多く、歴史はある程度極めたという自負がありましたが底の浅い考えだったと大いに恥じる思いをしました。特に幕末の吉田寅次郎なる人物が、前述の高山彦九郎の事績に影響を受け、彼の死後につけられた諱より「松陰」と名乗ったという事実はなかなかにでかいインパクトを受けました。

 そんな高山彦九郎の生涯を追ってみていると、「ああ、水木しげるが好きそうなキャラだなぁ」という印象がただただ濃かったです。本人も相当ハチャメチャな人物、それこそボーボボっぽいところがあっただけに水木漫画でもハチャメチャなキャラクターが多く登場し、読んでるだけでも作者もこういうキャラこそ愛着をもって書いているなというのがよくわかります。
 特に伝記漫画として「猫楠」という作品で描いた南方熊楠については、明らかにフィーリングが合っているというか筆の乗り方がほかの作品と段違いだった印象を受けます、うちのソ連人民の敵である親父もそう感じているらしく、水木作品の話題が出るたびに「猫楠」を挙げてきます。

 それだけに、もし水木しげるがこの高山彦九郎について詳しく知っていたら、きっと恐らく漫画化していたいように思うのですが、実際にはそんな作品はないだけに水木しげるは高山彦九郎についてはあまり知らなかったのではないかと思ったわけです。実際はどうだかわかりませんが、自分が見ている限り水木しげるとかなり波長が合うキャラなんじゃないかと思えてならないです。

2025年4月2日水曜日

トランプ政権に対応して日本が採るべき外交とは

 結論から書くと、米国周辺のカナダとメキシコに対し日本は通商を図るべきじゃないかと考えています。

 背景についてあまり説明する必要もないですが、トランプ関税によって恐らくこの20年くらいはなかった外交や貿易のパラダイムが起きつつあります。この状況を座して待つ必要はなく、むしろ変化が起きているこの時期だからこそ有利になるよう立ち回るべきであり、日本ももっとこれまでにない外交を試すべき時期にあるとみています。
 特にヨーロッパではウクライナがいまだにロシアより攻撃を受け続ける中、米国の安全保障が揺らいでいることもあってドイツやフランスを中心に新たな安全保証枠を作ろうという動きが広がっています。この中で一番得するのはドイツだとみており、北欧諸国やポーランドが相次いで軍事費拡大を決めており、この軍需の恩恵を最も受けるのではないかと思います。ただでさえドイツは経済が悪化していただけに、苦境を脱するいい契機となるやもしれません。

 翻って日本を見ると、安全保障についてはやや不安定となるものの、ここにきてオーストラリアやフィリピンが対中国で足並みを合わせてきてくれるようになっており、特に台湾有事に対して無関心を決め込むのではなく積極的に関与する姿勢を見せてきているのは僥倖だと思います。こうした動きに日本も積極的に動くべきで、以前にも書きましたが台湾有事が起きた際に避難民を受け入れる、情報を共有するなどの支援を行うことを今のうちにはっきり示してもいい気がします。

 話を冒頭の貿易というか通商に戻すと、個人的には今回を契機に米国への依存度を下げるように日本は動くべきだと思います。米国との関係を切ってはならないものの、その依存度を下げることは日本にとってはリスクヘッジになり、特に食糧やエネルギー方面で代替先というか選択肢を見つけるには越したことはありません。
 その最大の候補としては冒頭に上げたカナダ、次いでメキシコです。カナダは米国よりすでに関税引き上げを食らって、牛肉をはじめとする食糧の米国向け輸出が影響を受けています。この米国に行かなくなった食料を全部と言わずとも一部を日本が輸入するようになれば、カナダとしても大助かりだし、日本としても米国への食糧依存度を下げるきっかけになります。無論、米国から茶々が入るでしょうが、「もとはと言えばお前が原因」と言えば、これまでと比べ日本に対して米国も強くは出られないでしょう。むしろカナダとの通商を取引材料に、米国にもっと要求してもいいくらいです。

 次のメキシコに関してですが、若干期待も入ってはいるものの、今後米国からさらに製造業がメキシコあたりに移転してくるのではないかと考えています。というのも米国の製造業企業からすれば、米国内で製造すればするほど高い人件費によって赤字になり、それでいて今回の関税政策で米国の消費は落ち込むわけですから、いっそメキシコなどに生産能力を移してメキシコから欧州やアジアへ輸出する方が有利になってくるかもしれません。
 その場合、ただでさえ産業移転先となっているメキシコがさらにホットとなり、メキシコの経済規模が上がるとともに消費も拡大し、産業チェーンもそろってくる可能性もあるだけに、今のうちにメキシコと日本も通商を行い、関係を深めておくのも手だと思うわけです。元々、日系自動車産業はメキシコに結構進出しているし。

 そもそもカナダもメキシコも日本からすれば太平洋を挟んだ隣国にあたり、通商自体はしやすい国です。今後米国は明らかに経済力方面で力を落とすとみられ、その分を周辺国が受け継ぐ可能性もありますが、食糧やエネルギー方面ではカナダとの通商は日本にもメリットが少なくない気がします。
 このところの日本の外交はアジアにばかり目が行きがちですが、環太平洋ことアメリカ大陸の国とももっと可能性を探り、米国依存度を下げる外交をこの機に展開してはどうかというのが自分の見方です。

2025年4月1日火曜日

トランプの自動車関税で今後どうなるか

 このところの経済ニュースを独占している米トランプ大統領の自動車関税引き上げについてですが、まず自分が思ったこととしては米国内で中古車人気が高まるのではないかということです。関税分のコスト増によってどのメーカーも価格を引き上げざるを得ず(またはリストラか人件費削減)、価格高騰に嫌気がさした消費者が中古車を選ぶようになり、一時的に中古車市場が活気づくのではないかという予想です。
 ただそうした動きもしばらくすれば中古車自体がなくなり、関税引き上げによって余計に国外から入ってこなくなるのもあってタマ不足みたいになるでしょう。そしたら新車に向かうのかと言ったらそうでもなく、今度は買い控えが進み、今乗っている車をギリギリまで乗り切るように市場は推移するのではないかとみています。つまり行き着く先は、新車販売台数の減少という予想です。

 その上で今回のトランプ関税ですが、これによって一番被害被るのは多分米系自動車メーカーじゃないかと思います。ちょっと調べたところフォードの米国市場における国内供給率は80%と結構高いそうですが、それ以外のGMなんかでもせいぜい60%が関の山じゃないかと思います。というより、米国メーカーこそ地理的な近さからメキシコなどでの生産を日系以上にやっているように見え、今回の関税の影響を強く受けることになるような気がします。
 またこのところの米国の動きで、ほかの国においてはアメ車に対する嫌気が広がり、海外販売台数はただでさえ落ち目なのに今後さらに減るんじゃないかと思います。そもそもフォードなんか前から死に体だし、今後海外販売台数が落ち込めば財務的にもかなり厳しくなり、ブランドの切り売りなどに追い込まれるのではないかともみています。

 一方、日系メーカーについては米国市場の販売台数はそれほど落ちないとは思うものの、コストの増加は避けられず、利益の圧縮は起こるかと思います。ただ新車価格が高騰すれば長く乗り続けられる日本車のメリットがより際立つこととなり、マーケティングの仕方によっては追い風になる事態もあるかもしれません。

 また日本の消費者目線で見ると、恐らく日系メーカーは今後日本から米国向けの輸出生産を抑え、なるべく米国国内で生産して販売しようとするでしょう。そうなった場合、これまで米国向けに使っていたラインを国内市場向けに回せられる、というか稼働率を維持する上でもきっとそうすると思え、コロナ以降ずっと続いていた納期の長期化が解消されるかもしれません。
 っていうか半導体不足はとっくに解消しているのに、いまだ日本だけが半導体がないからという見え見えの嘘で納期を伸ばしているのは、完全に日本の消費者を舐めてみているからだと言い切れます。日本人向けには納入を遅らせてその分を海外輸出に回していたようにしか見えず、恐らく今回のトランプ関税の副作用で日本国内の納期は短縮化されると私は見ています。

 米国市場に目を戻すと、前述の通り関税を引き上げても米系メーカーの復権には至らず、依然売れないままの状態が続くとみています。そうなった場合にトランプは今度は「為替レートのせいだ」と責任転嫁すると私は見ており、日本などに円高ドル安方向にどうにかしろと言ってくるのではないかと思っています。
 急に言われるならまだしも今後こう言ってくるであろうと予想が立つなら、対策もいくらでも立てようがあります。そういう意味では行動が読みやすいトランプはうまく使えれば日本の国益にかなうように動かせる可能性もあり、この点で今後政治家には頑張ってもらいたいものです。

2025年3月30日日曜日

ガラパゴス化しかけていた日本のゲーム





  個人的にANAにはまり始めて前回のエアバス機に続いてボーイング機もプラモ作りました。これがANAの穴という奴か……。


 上の記事はたまたま目にした記事でしたがなかなか興味深くりょませてもらいました。なかなか人を誉めない久夛良木氏に褒められたエピソードや、プレステ3の困難など時が経過した今だからこそわかる話が多く載せられています。

 なかでも自分が注目したのは、「ニーア・オートマタ」に関する言及です。直接記事を読んでもらった方が早いのですが、大体2010年前半くらいまで日本メーカー製のゲームはかつてと比べて海外での販売が芳しくなり、日本のゲームクリエイターたちも日本のゲームを海外で売ること自体を半ばあきらめ、日本市場向けと海外市場向けで製作するゲームを分けるようになっていました。
 そこへいかにも日本向けっぽいゲームながら、海外でも大ヒットを飛ばしたのが前述の「ニーア・オートマタ」で、これの成功を見て「こんな風にすれば日本のゲームも海外で売れるんだ」とクリエイターの意識を変えたと吉田氏が指摘していますが、自分も深く同感します。

 真面目に当時、ゲーム業界は日本市場と海外市場で完全に分かれていました。最近は減りつつあるものの当時は「洋ゲー」というジャンル分けまでされており、欧米市場のゲームは日本とは全く異なるし、プレイヤー嗜好も別物という意識が強かったです。
 その一例として、00年代中盤に登場してカプコンの看板タイトルなった「モンスターハンター」も、今でこそ世界レベルで爆発的ヒットを叩き出していますが、日本で一番盛り上がっていた2や3の頃は海外では全く受けず、「ゲームデザインからして海外では売れない」などとも当時言われていたのを私も覚えています。

 そうした状況もあって、何となくメーカーやパブリッシャー側も市場を分けるような方針を取っており、SteamやPSNをはじめとするオンライン販売プラットフォームにおいてもいわゆる「おま国」という、日本製のゲームなのに日本国内では配信販売をやらずにパッケージでしか販売しない、または日本語音声を入れない、日本向けのみ価格を吊り上げるという国際化とは逆行する妙な販売方針を採っていました。
 今思うと先の見えていない方針だったといわざるを得ず、実際に現在においてはこうした日本市場向けのみに対する逆便宜をやめ、ちゃんとパッケージ版同様に日本語を含め各言語に対応させ、またパッケージ版とともに配信も開始するなど差別化しない状態となっています。もっともこれはSteamの発展とゲーミングパソコンの普及も大きいでしょうが。

 そうした状況が変わってきたには確かに2014年の「ニーア・オートマタ」の発売頃で、日本製ゲームでも日本でも海外でも売れる作品が作れる、出せるとわかりはじめ、このころから急に展開の仕方が変わってきた気がします。
 あえて自分の方からもう一つ付け加えるとしたら、フロム・ソフトウェアが繰り出した2009年の「デモンズソウル」、そしてその続編の2011年の「ダークソウル」も、こうした海外販売の価値観を大きく変えた作品じゃないかと思います。どちらもハードな難易度ながらそれがかえって受けて、多くのフォロワーというかクローンゲームを生み出しており、日本のゲームの海外展開という点で大きなモデルを果たした作品だった気がします。

 そうした2010年前後の動きを見ていると、一歩間違えれば日本のゲームは携帯電話同様にガラパゴス化していた可能性もあったのではと感じます。まじめに当時はJRPGをはじめ、日本人にしか喜ばれないゲームを日本国内で量産する体制が続いており、新たなジャンルへの挑戦がやや弱く、人気タイトルの続編ばかりしか各メーカーも作らなくなっていた気がします。
 まぁ、「エルシャダイ」という斬新すぎるゲームも2011年でしたが……。

 もしあのまま「ニーア・オートマタ」のように海外でも評価される作品が出なければ、それこそ日本国内はテイルズシリーズばかりな感じで同じタイトルや内容ばかりのゲームでガラパゴス化していたかもしれません。現在では先のモンハンのように日本人も外人もみんなで楽しめ、またオンライン化の普及により世界中で協力プレイが行われるなど盛り上がっていますが、こうはならなかった未来もあったというか、そっちの方が色が濃かったと思う時代が確かにありました。

 なお2010年ごろについてもう少し触れると、当時はダウンロードコンテンツ販売で稼ぐという極端な売り方がやたら流行し、ゲーム本体よりダウンロードコンテンツのが高いという作品も結構ありました。無論、消費者からすれば高いゲーム本体買ってるのにさらに買わせようというあの売り方は反発が強く、現在では「好きな人だけ買ってね」的なおまけコンテンツの販売がダウンロード販売の主となっていますが、あの当時の売り方が廃れてくれて私自身もほっとしています。

2025年3月28日金曜日

「月曜から夜ふかし」の捏造事件について

 本題とは関係ないですがナウシカの「ラン、ランララランランラン♪」って歌を、ターミネーター風に「ラランランララン、ラランランララン……」とよく一人で家の中で口ずさんでいます。

月曜から夜ふかし、結構ヤバいことして炎上(ガハログ)

 それで話は本題ですが、フジテレビのスポンサー手控えが続く中で日テレがどうもやらかしたようです。この「月曜から夜ふかし」ですが、自分は日本で一切見たことがないものの中国では何故か見たことがあります。というのも中国出張ロケがたまにあり、その番組を以前に中国人の同僚から紹介されたことがあるからです。

 知ってる人には早いですがその回は天津や広州の街中で街頭インタビューする構成になっており、中国人でも知らないような現地の人々の生活や生の声を取り上げていて非常に好評だったそうです。中国でもかなり話題となり、小津がサイト名で中国語の字幕付きでアップロードもされているのですが、話を聞いたところ日本語を学んでいる中国人はほぼみんなその回を見ているそうです。

 そんなこともあって中国ネタならこの番組は安心だろうと思っていた矢先、今回のインタビュー相手の中国人女性の発言の捏造するというとんでもないやらかしをやっていたとのことで、最初は私も耳を疑いました。というのもこの番組のプロデューサーは上海出身の元女医だと聞いており、そんな人が今回の捏造された発言に対して疑問を抱くはずがないと思ったためなのですが、どうやらその人は既にこの番組のスタッフから外れていたそうです。

 で、その捏造の中身なのですが、恐らく中国人が耳にすれば「絶対にありえない」と誰もが思い、捏造されたものと一発でわかる内容です。詳しくは上のリンク先にもありますが、「日本と違って中国でカラスを見ることが少ないのは中国人がカラスをみんな食べてるからだ」、という発言が捏造されたのですが、何でも食べる中国人でも、カラスだけは絶対に食べることはないと私も思います。
 以前にもこのブログで書いたと思いますが、中国人のカラスに対する嫌悪感は非常に強く、感覚的に言えば日本人にとってゴキブリを見るような感覚に近いです。言うなればさっきの捏造された発言は中国人から見れば「ゴキブリを食べる」という発言に近く、そりゃ中にはいるかもしれませんが、普通の中国人の感覚からしたらあり得ないと思うのが当然です。

 なお、ハトに関しては決して間違いではなく、中国の街中では実際にハトを見ませんが多分みんな食われているせいでしょう。実際私もたまに中華料理屋でハト頼んで食べるし。

 以上が今回の捏造に関する私の見解というかコメントですが、一歩話を進めると、言われているようにこの番組の存続はかなり危ういでしょう。過去にも発言を捏造したことを理由に打ち切りにあった番組は少なくなく、また存続するとしてもフジテレビの騒動がまだ記憶に新しいこともあり、スポンサーもこれをきっかけに降りる可能性があります。
 ただそれ以上にシンキングタイムなトピックとして、この番組の捏造はこれだけなのかという点があります。言い換えれば、過去の放送回でも似たような発言の捏造や過剰な演出行為があったのではと現状疑わざるを得ません。仮にあった場合、この番組の打ち切りだけでは済まなくなる、というより他番組でもスポンサーが下りる可能性も出てくるでしょう。


 折も折というか上のような記事が出ており、ただでさえ効果が疑問視されているテレビ広告は現場が抱いている危機感以上に危機的な状況にあると私は思います。特にフジテレビでの出稿をやめたところなんかは、ほかのテレビ局にも今後手控えるようになるでしょう。
 あんま言われていませんが、かつてテレビ広告にもっとも金を出すといわれたのはお菓子メーカーです。しかし現在、少なくとも1月に私が日本にいたときにテレビ見ていてお菓子のCMはほとんど見ませんでした。恐らく上のネスレ同様、過去に高い金払って多分だけテレビ広告に価値はないと早くに気づいたのだと思います。いまだに活発にテレビCMを出しているのは飲料メーカーくらいでしょう。

 そういう意味では今回の騒動は今後の発展が気になります。まぁ番組の打ち切りはほぼ確定ではないかと思いますが、改編に間に合うかな。

 ちなみに最初に上げた天津や広州の取材回に関しては、インタビューに答える中国人市民の発言は正確に日本語に翻訳されていました。それは私も実際に見て聞いて確認しましたし、周りの中国人も誰も異議を唱えていませんでした。その点で言えば今回の騒動はスタッフの劣化によるものかもしれません。

2025年3月27日木曜日

地方によって異なる神道と仏教の信仰強度

 そこそこ日が経っていますが、日本にいた際に「日本のUSA」こと大分県宇佐市に行って宇佐八幡宮を参拝してきました。九州らしく広々とした境内に森林の多い神社で十分楽しめ、その後も阿蘇神社や太宰府天満宮など九州各地の神社をよく回っていました。
 ただこの時にふと、「あれ、なんか神社ばっかでお寺には全然行ってないような?」という疑問が頭の中に浮かびました。なのでもし何かいい感じの寺院があれば寄ってみようかなと旅行中にも調べてみたのですが、これと言って歴史やエピソードのある寺院は見つからず、結局どこにも訪れることなく九州を後にしました。でもってこの時、九州地方は有名な神社はたくさんあるのに対して寺院は逆に少なく、何となく九州は仏教よりも神道の方が勢力として強いのではないかと感じました。

 そんな九州と対照的と言っては何ですが、京都においては圧倒的に仏教勢力が強いです。八坂神社や平安神宮をはじめ有名な神社もたくさんありますが、仏教系寺院と比べるとその力の差は雲泥の差があります。その京都を含め関西地方は全体として仏教勢力が強く、大阪も何となくお寺の方が力もってる感じがします。
 もっとも奈良に関しては神道と仏教の勢力がほぼ拮抗しているというか、神仏習合が全国で最も色濃い地域であるような気がします。基本的に神社とお寺がセットで存在していて不可分なイメージが強いし。

 話を戻しますがこのほかの地域に目を向けると、あくまで外部からの印象論で語れば関東地方は何となく仏教より神道が強いように思え、また北陸地方は京都同様に仏教が圧倒的に強いという印象があります。こんな具合で、地方によって神道と仏教のどっちが強いかについてそれとなく傾向があるように感じたわけです。

 ではなぜこのような地方ごとに勢力差が生まれたのか。あえて仮説を出すとしたら単純にその地域におけるそれぞれの信仰心の差と言ってしまえば楽ですが、それ以上に明治の廃仏毀釈の影響が大きいのではないかという気がします。何故かというと最初に上げた九州地方が、地味に廃仏毀釈で仏教勢力が大きなダメージを受けた代表的地域だからです。

 また同じく仏教が弱いと感じる関東、特に北関東においては江戸時代における寺院の腐敗ぶりはかなり激しかったらしく、役人が踏み込みづらいということからヤクザに場所貸しして賭場を開いていたそうです。なおその際にヤクザが寺に払う場所代のことを「寺銭」と呼び、現代に伝わる言葉となっています。
 そうした腐敗ぶりから北関東でも廃仏毀釈の嵐はかなり吹き荒れ、少なくない寺が廃寺と化したそうです。九州の例を踏まえても、こうした明治期の廃仏毀釈の影響が現代における地方ごとの神道と仏教の信仰強度のベースとなっているのではないかとみています。

 最後に、ほかの地域はどうなのかなという疑問があり、特に東北や北海道などの状況は若干興味があります。長野県は奈良同様に神仏習合が進んでいるというか、そもそも諏訪大社と善光寺の立ち位置がやや特殊で独自の価値観を作っているようにも見えます。
 あと和歌山は何となく神道が強そう、というか山岳信仰が強そうな気がします。中国、四国地方に関しては、四国も何となく神道のが強そうな気がします。

2025年3月25日火曜日

イーロン・マスクはどこで変節したのか?

 結論から書くと、旧ツイッターことエックスの買収あたりからなんか彼はおかしくなっていった気がします。

 順序立てて書いていくと、このところ米トランプ政権で閣僚入りしたイーロン・マスク氏が率いるテスラモーターズの販売台数が世界各地で急減しています。米国国内に至っては襲撃対象にもなっており、既存オーナーも対策としてテスラのエンブレムを外したり、「TOYOTA」と書き換えたりしているそうです。
 にしてもこの手の自動車襲撃ニュースというと中国での日本車襲撃が主だったのに、米国人は米国メーカー車を襲撃する当たり半端ないな(;´・ω・)

 それはともかくとしてちょっと自分も気になったので中国におけるテスラ車はどうか調べてみたところ、中国でもここにきて販売台数が急減しているようです。2024年通年では前年比プラス成長を維持したものの、今年2025年に入ってからは1月、2月ともに前年割れしており、特に媒体によって数値が前後するものの2月単月に至っては前年比約50%減という、中国風に言うなら「断崖式」急減を記録した層です。
 なお2月単月の中国EV販売台数は全体で前年比プラス(確か+80%)だったので、テスラの一人負けが際立つ結果となっています。去年の段階でも躍進著しいBYDの後塵を拝す形となっていたので、恐らくこのままかつての稼ぎ頭であった中国市場においてもテスラはフェードアウトしていくのではないかと思います。世界市場全体でも急減しているので、恐らくもうテスラはピークを越し、これからは縮小を続ける可能性も高いとみています。

 ではなぜテスラがここへきて業績が大きく落ち込んでいるのかと言ったら、ほかならぬマスク氏の言動に原因があるとしか言いようがないでしょう。
 欧州諸国の首脳に対し公然と批判するだけでなく、トランプ政権に追随して排外主義ともとれる発言を繰り返し、挙句に自分やテスラを批判する人間は売国奴などと言えば、反発を買うのは当然でしょう。こう言っては何ですがトランプ政権発足以降の彼は、全力で自らのビジネスに対するネガキャンをやっているようにしか見えず、何故こうも自分の資産を小さくしようとするのかが不思議に思ったりします。

 元々というかかねてからマスク氏は言動が過激で奇行の激しい人物ではありましたが、テスラやスペースXを拡大させるなどビジネスに関しては間違いなく一流の手腕を見せていました。しかし現在はそれも見る影もないというか、前述の通りテスラは今後のビジネスも危ぶまれるような状況へ自ら追いやり、またかつて買収したエックスも買収以降にトラブルが頻発し、もともと赤字体質でしたがユーザー離れも引き起こしていると聞きます。
 何が言いたいのかというと、奇行が激しくなり、以前はうまくやっていたビジネスも破綻をきたすようになってきたように見えます。

 曲がりなりにもかつてはビジネスはそこそこ上手にやっていた、また以前は建前なのかもしれませんが環境保護に熱心で、その一環としてEVメーカーとなるテスラを立ち上げており、EVに懐疑的というか批判的なトランプ大統領に対しては第一次政権時にマスク氏は激しく批判していました。中国での生産拠点設立も、その意趣返し的な意味合いも強かった気がします。
 それが今やトランプ大統領の腰ぎんちゃくとなっており、その変節ぶりにはいささか疑問に感じます。こうした思想の変化、ビジネス手腕の低下という変節はいつごろから始まったのかが気になるのですが、個人的な見解として述べればエックスを買収したあたりからなんかおかしくなっていったような気がします。

 そもそも何故エックスを買収しようとしたのか。やはり巷間で言われているように政界進出に色気を出し、言論分野で影響力を強めようという目論見が一番の理由じゃないかと思います。言い換えればビジネス的な動機ではなく自らの影響力拡大を狙ったもので、だからこそエックスの経営は買収後もあんまうまくいってない、というかうまくいかなくても彼自身気にしなくなっているのではないかと勝手に考えています。

 しかしそうしたビジネスへの関心低下がなんかほかの分野にも波及してきたというか、閣僚入りして政治的権力を持ってから以前以上に強引に物事を進めようという価値観が強くなってきているように見え、それがビジネス面での冴えをどんどん失わせているように見えます。仮にこのままことが進むのであれば、エックスを買収したことが彼にとって最大の失敗となるかもしれません。

 前述の通り、私はもうテスラが世界トップとなることはないとみています。マスク氏自身が経営に関心を持たなくなってきているように見えるし、中国BYDがものすごい力をつけてきており、マスク氏自身のネガキャンに乗る形で一気にBYDがこの分野で世界覇権を取る気がします。そうなったらマスク氏の名も、一時の成り上がりとして歴史に残るかもしれません。

2025年3月24日月曜日

なんちゃってアルツハイマー体験

 日本も気温が上がって桜の開花予想報道が相次いでいるそうですが、上海は昨日今日と最高気温が28度くらいまで上がってました。四月下旬ならこうした夏日も出てくることはあるけど、さすがに三月でこれは異常と思え、若干自分も参っています。

 そのせいなのか昨夜、奇妙な夢を見ました。漫画喫茶を利用するにあたって会員登録をしなくてはならず、申込書に住所を記入しようとするのですが、「千葉県マッドシティ根本~」と本来の住所を書こうとしたところ、何故か「京都府京都市」と書いてしまいました。しかも自分が今書いてしまった京都市の住所は間違いだとわかっているのにそのまま京都の住所を書こうとするのですが、何故かその後に続く住所名の漢字を思い出すことができませんでした。
 にもかかわらずペン先が動き、文字とも言えない妙な図形を書き込んでしまったため慌ててグリグリとこするような感じで書き損じを消すものの、その後もいくら考えても自分の住所とその漢字を思い出すことができません。店員に「どうしました?」と声かけられるもうまく返事ができず、そのままめちゃ焦りながらどうしようと思いつつ、「これがアルツハイマーか」と感じたところで夢は終わりました。

 あくまで夢ではありますが、実際のアルツハイマー症の症状が起きたときの状況にいくらか重なる点があるのではないかという気がします。それまで当たり前にできていたことが突然できなくなる、やろうと直前まで思っていたことを忘れる、思い出そうとしても一向に糸口すらつかめない状態が続くというのが今回の夢の特徴ですが、実際自分の身にこれが起きると本当に焦るというか、どうすればいいのかという気持ちに支配されました。
 起きた後で冷静になって考え直したところ、あの後の対応として一番いいのは素直に店員に助けを求めることだったかもしれません。具体的には、「すいません、自分の住所が突然思い出せなくなってしまいました」ということを伝え、何かしら疾患を持っているということを伝えるべきだったのでしょう。逆に辺にあそこで平気そうなそぶりを見せ、ありもしない住所を書き込めば、最悪そのまま身元不明人になったかもしれません。

 それにしても上記のような症状が少しずつ進むのならともかく、突然起きた場合はマジ焦るというかやばい感じがします。実際、突発的にアルツハイマー症が発症した人なんかはまさにこうなるんじゃないかと思え、周りに身近な人がいなければ一発ノックアウトみたいな状態へ陥るんじゃないかと思います。年齢からも今までこうしたアルツハイマーや痴呆症についてそれほど懸念をこれまで持ったことはありませんでしたが、夢での疑似体験とはいえそれらしい体験をしてみると本当に怖いということを今回思い知りました。
 それこそ何もわからなくなるまで一気に思考力低下が起きるのならともかく、ある部分の記憶や機能のみ突然全く動かなくなるのは、なまじっかまともに意識を維持している分だけ怖かったです。外国使いはボケにくいと聞くので、まじめにこれからも中国語勉強しようと思います(;´Д`)

2025年3月23日日曜日

漫画「変な家」の変な展開

 先日に日本のホラー漫画や恐怖というより不安を煽る展開が多いという記事を書いた後、改めて日本のホラー漫画を読んでみようと、いくつかのおすすめホラー漫画紹介サイトを見て何冊か買ってきました。なおおすすめサイトの中には「彼岸島」を挙げている人もいましたが、あれをホラー漫画と取る人がこの世にいたということがある意味恐怖です。ギャグホラーではあるが。

 その買った本の中に1巻がセール中だったのもあったので、「変な家」があります。これは小説原作で映画や漫画など伊メディアミックスされている作品ですが、少なくとも漫画版に関してはホラーというよりはギャグに近い内容だと感じました。というのも話の展開がおかしく、ツッコミ不在のままおかしい妄想を広げていくからです。自分が読んだのは2巻までですが、これ以上読む気はなく、よくこんな作品が世に出たなという感想すら持ち得ました。

 簡単に話のあらすじを説明すると、主人公のオカルトライターが知人に購入を検討しているが変な間取りがある家として、ある間取り図を見させられます。変なところというのは台所の壁に一か所出っ張りがあるというところで、この点について再び知り合いの建築士にみせたところ、2階の子供部屋もおかしいという指摘を受けます。
 2階の子供部屋は入るまでにドアを二つ介さなくてはならず、またトイレなども専用に設置されていました。この点から察するに、この家の住人はこの子供部屋に子供を閉じ込め、殺人を行わせていたに違いないという結論へ突如至ります。

 もうこの時点でどこから突っ込んでいいかわからないのですが一つずつ上げていくと、まず最初の相談者が何故壁の出っ張りを気にしたのに対し、どう見ても換金部屋にしか見えない二重扉の子供部屋を気にしなかったのかという点でしょう。窓も一切設けられていない監獄っぽい子の子供部屋の間取りに疑問を抱かないとしたら、ぶっちゃけ部屋選びはほかの人に任せた方がいいくらい感覚のおかしい人間と言わざるを得ません。
 次に、そんな監獄っぽい子供部屋を見て何故「ここで殺人が行われていたに違いない」という結論に至るのか、これも強引過ぎてちょっとついていけませんでした。一応ほかにもそう推論する材料を挙げてはいるもののどれも根拠不足だし、さらには「浴場で後ろから刺していたに違いない」という妙な推理を前提に「あのでっぱりは子供部屋から浴室へ移動するための秘密通路に違いない!」という推論にもっていくのは、さらに無理があるでしょう。

 そもそも間取り図には「子供部屋」と書いてはいますが、実際にこの部屋に監禁させられていた人物が子供である必要はありません。仮に殺人を行わせていたというのなら子供にやらせるよりは大人を監禁していたと思う方が自然だと思うのに、何故かこの後もずっと「子供に殺人をやらせていた」という前提を一切揺るがさずに話を進めていきます。なんでそうまでして子供に殺人やらせたいんだか。

 この後も2件目の部屋の増設部分を見て、「きっと地下室があったに違いない!」などと、根拠からは程遠く、妄想に近いような推理を延々が展開されていきます。この一連の展開を見て私が真っ先に思い出したのは90年代最高のギャグマンガと呼ばれた「MMR マガジンミステリー調査班」です。「変な家」も「MMR」も、過剰な妄想を武器に仮定に仮定を重ねていくのですが、その過程において検証という行為が一切挟まらない点で共通しています。

 それこそ最初の家を内見しさえすれば、作中でも語られているように浴室のルミノール反応は取れないとしても、壁の出っ張りが実は秘密通路かどうかくらいは壁叩くなりしてわかるはずです。2軒目に関しても、地下室の有無くらいなら何かしら痕跡を探すといったことはできるような気がします。
 しかし、この作品のキャラクターたちは自分たちの推理というか妄想が正しいのかという検証を一切行おうとしません。にもかかわらず先に立てた仮定が正しい前提でさらに別の仮定を重ねて妄想を広げていくという点で、まるっきりMMRじゃんと思ったわけです。はっきり言っちゃえば、展開が雑にもほどがあるような気がします。

 それこそ、部屋の中に近隣で見つかった死体の人物がささいな所有物が見つかったくらいの条件を提示してさえすれば、「もしかして本当に?」というリアリティを持たせられたと思うのですが、驚くくらいにそうした展開はないし、むしろ登場人物側の方が検証を避けるように内見を拒否しようとします。ギャグマンガだったら許されますが、それなりにミステリー作品とするにはこんな展開だと萎えることこの上ありません。っていうかよくこんな内容でメディアミックスしたもんだ。

2025年3月22日土曜日

夜が暗くなってきた上海



 マジで地球防衛軍は時間泥棒だという風に思えます。

 話は本題ですが、このところ夜の時間帯に上海を歩いてて「マジ暗い」と思うことが増えてきました。理由は何故かというと、通り沿いのお店ですら潰れることが多く、そこに後から入る店もなくて空きテナントが増えているからです。特に個人的にショックだったのは、このところは不動産屋の店舗すら閉店した跡がよく見られることです。
 そこまで社会全体に悲壮感は広がってはいませんが、逆を言えば危機感がやや足りてないのではないかという気がします。街の活気も薄れてきており、このままいけばますます上海の夜は暗くなっていくのではないかと予想しています。

 その上でもう少し続けると、自分は以前の記事で2年後の2027年が一つのターニングポイントになると予想しましたこのターニングポイントについて自信を強めてきたのですが、恐らくそこを割るかのような大不況に入るのが2027年だと思います。

 その理由はいくつかありますが、一番は今の中国政府の失策です。年初より一定金額の家電購入には政府が補助金を出すというキャンペーンが始まりましたが、恐らくこれは日本が2008年にやった家電エコポイント制度と同じ失敗を繰り返すことでしょう。
 具体的には何かというと、需要の先食いです。数年先の需要を先に消費するようなもので、市場が拡大している時期ならまだしも、すでに家電が普及して行きわたっている状態でこれやるとかえって市場のバランスを崩し、メーカーや小売店を問わず数年後のデメリットの方が大きくなると私には思います。

 こうした細かな政策のほか、先日の全人代の政府施政方針を見てもこりゃだめだと確信しました。何がダメかというと全体として地方政府と銀行の救済を主眼に置いているように感じたからです。一部税源の地方移譲などが大きく掲げられていましたが、これは財政難、そしてこれまで土地売却益で財政を支えてきた地方を救済する手段とみていいでしょう。
 もちろん地方政府の財政難を克服するのは決しておかしいことではないのですが、その結果として社会の不良債権は棚上げすることはやはりマイナスです。また地方政府がどうしてここまで財政がおかしくなったのかというと、自治体でありながら不動産登記に手を出す自治体が多かったからです。この辺の処分とうか規制もはっきりしない状態で救済するというのは、ちょっとおかしいんじゃないかという風に思いますし、またいつか繰り返すことでしょう。

 恐らく、地方政府や国有銀行、企業の救済を優先して不良債権問題には手を付けないだろうから、中国の不況はあと10年は続くかもしれません。特に国有企業を何故かこの段階にきてまた保護しようという動きが見られ、民間企業に効率面で圧倒的に劣るということを考えると甚だ疑問です。
 ちなみに国有企業で仕事に行った友人によると、「食堂の飯がめっちゃうまかった(´・ω・)」そうです。

2025年3月20日木曜日

日本のホラー漫画は恐怖よりも不安を煽る

 前回記事で私は専門家の意見を引用しながら、

・恐怖と不安はほぼ同じの感情
・唯一の違いは対象が明確であるか否か

 という説明を引用しました。その上で不安とはどういう感情なのかを色々自分なりにまとめましたが、その過程で思ったこととして、日本のホラー漫画は恐怖よりも不安を煽る構成が多いような気がしました。言うなれば、恐怖漫画というより不安漫画のが多いんじゃないかってところです。

 そもそも日本のホラー漫画は、あまり指摘されてない気がしますが世界的にもかなり異質な文化ジャンルに入るんじゃないかと前から思っています。推理小説に関しても何故か日本と英国でやたら発達していて、犯人殴って自白させる展開が多い中国なんかだと一切この手の作品が出てこず独自性が際立ちますが、ホラー漫画になると独自性どころか日本の唯一無二的な分野になっています。
 漫画自体が日本で極度に発達しているのもありますが、それがホラー形式でもあるのはマジで日本だけなきがします。でもってこのジャンル、日本人だけというわけでなく「富江」などの伊藤潤二氏の作品が世界的にも高く評価されており、前にも少し書きましたが映画でも「リング」が大ヒットするなどジャパニーズホラーというのは際立った存在感を示しています。

 そのジャパニーズホラーの特徴は何なのかですが、ここでさっき上げた不安がやはり一番じゃないのかと今回思いました。欧米のホラー作品というとグロテスクな描写を見せて怖がらせる「恐怖」的な演出が多いのに、日本のホラーは「え、なんで!?」と思わせる理不尽さを突き付けて怖がらせる「不安」を煽る演出が多い気がします。
 先ほどの伊藤潤二氏の作品なんかまさにそれがわかりやすく、ヤクでもきめてんじゃないのかと思うくらいぶっ飛んだ展開ばかりで不安感をめっちゃ煽ってきます。でもって、なんでそういう異常事態が発生し続けるのかについて一切説明せず、不安が解決されないまま幕を閉じることが多く、この点が読者に怖いと感じさせる点なんじゃないかと思います。

 そのように考えていくと、そもそも江戸時代の怪談物からして日本の不安を煽ろうとするホラー文化というものはほぼ固まっていたのではないかとも思えます。中国にも幽霊が出てくる怪談話は少なくありませんが、日本と比べるとなんか話が論理的で、幽霊もやたら多弁で言い訳がましい連中ばかりです。
 それと比べると日本の幽霊は黙して語らず問答無用で生きてる人に襲い掛かってきたりするなど、意味わかんなくて色々怖いです。例えば耳なし芳一とかでも、私なんか姿が見えなくなったとはいえ平家の幽霊が芳一の耳をもぎ取っていく行為に「なんでやねん(;゚Д゚)」と子供心に思いました。見知らぬおっさんならまだしも、平家物語を数日間にわたって語ってくれた相手だというのにさ。

 なおこの手の問答無用系で言えば、一番ホラーなのは薩摩藩士かもしれません。「誤チェストにごわす」をはじめ行動に一切の論理性がなく、殺害をはじめとする極端な行動を迷わず取ってくるあたり恐怖なり不安なりを強く感じます。っていうか薩摩藩士って設定にすれば、そのキャラクターが頭のおかしい行動をいくらとっても説得力がついてしまうのが色々おかしい。

2025年3月18日火曜日

「不安」とはそもそも何なのか?



 日本円で1000円くらいだったので、この前創業者が亡くなった韓国アカデミー製のミラージュ3のキットを組み立てました。骨董品みたいなキットでデカールが破れやすくて苦労しました。

 話は本題ですが先日ふと、陰謀論にはまる人の特徴に関して何かいい研究が出ていないかなと思っていくつか解説記事を読んでいました。この手の陰謀論はカルトとかもかかわってくるため前からたまに調べたりしていましたが、論文はあまり信用できないというか、矛盾する内容の発表をよく見ます。
 具体的には、「学歴が高い/低い人ほどはまる」、「若者/中高年ほどはまる」、「裕福/貧乏な人ほどはまる」などというように、相反する要素をはまりやすい特徴として各々の論文は挙げており、細かい論文内容を読んだり実験の詳細を見ているわけじゃないものの、若干バイアスかかった主張がなされることが多い分と思って私自身もうさん臭く読んでいます。

 そんな風に眺めていたところ、ある論文がちょっと目につきました。簡単に内容を説明すると、学歴とか所得、日常の猜疑心や慎重さとかははまりやすさにそこまで有意に相関しておらず、むしろ不安感の大きさが大きく影響するという指摘でした。この説明には文字通り膝を打つほど納得感があり、また先ほど挙げた学歴や年齢などの要素に関係なく不安というのはある人とない人が存在していて、先の要素について矛盾する発表が相次いでいることも説明が付きます。
 何より、不安感が大きい人ほど陰謀論にはまりやすいという指摘が一番体感的にもストンと落ち、かえってほかの要素は無視した方がいいくらい説得力を感じました。

 そこまで来たところでふと、「そもそも不安ってなんやろ?」という疑問がもたげました。


 不安に関する解説記事をいろいろ読んだ中、一番自分が納得したのが上の赤田太郎氏の解説です。重要な個所を引用すると、

「不安と恐怖は同じものだと考えてもらって大丈夫です。ただ、なぜ呼び名がことなっているかというと、対象が明確なものを『恐怖』といいます。対象が不明瞭なものを『不安』といいます。」

 これまたストンと落ちる説明で、不安とは恐怖と同じ感情であり、その差は対象がはっきりしているか否かだということです。

 あえて比喩を用いると、同じ室内にたくさんの人がいる中、殺人犯が一人混ざっているとして、殺人犯が誰かわかっている状態が恐怖、誰だかわからない状態が不安だと私は思います。

 なお最初に作ったたとえは、「ハイパー化するインド人がわかっているのが恐怖、わからないのが不安」でした。なぜ自分はインド人をこうもハイパー化させたがるのかがわかりません。

 上のたとえを踏まえた上で敢えて不安単独に対して自分の言葉で表現するとしたら、「明確な答えが欲しいのにその答えがわからない、手に入らない状態」というのが不安状態じゃないかとも思います。陰謀論にすがりつく人の心理状態がまさにこれなんじゃないかとも思っており、コロナワクチンが安全かどうかわからない中で「安全じゃない」という言葉に急激にのめりこむのも、こうした下地あってこそじゃないかと考えます。

 その不安ですが、先ほどの赤田氏によると「強度の低い不安感情というのは、実は有益」だそうです、これも非常に納得できるというか、ある程度のストレスがあった方が人間の健康状態とかもよくなるといい、身近な例だと締め切りや納期がが迫ってくるにつれて集中力が増すというのは誰でも経験していることでしょう。
 もちろん極度な不安状態が良くないのは言うまでもないですが、一番最初の陰謀論の話に戻すと、そうした陰謀論がはやる背景としては社会に不安がはびこっている、人々の間に不安が大きくもたげている状態にある可能性があります。その上で陰謀論にはまる人にはその陰謀論が間違っているというより、その人が何に不安を持っているのかを探り、それを解消してやる方が陰謀論から目を覚まさせるキーになるような気がします

 ほかの例でもそうですが、なんかおかしな行動をとる人というのは何かしらその背景となる精神的疾患や問題があるように私には見えます。でもってそうした原因は異常行動からは一見して推定し辛く、粘り強く観察してそれらを探り当てて解消する必要があるのではと思います。
 先ほどの陰謀論でも、かねてからワクチンに疑問を持っていたというよりは、家族や将来、健康に関する不安にさいなまされていたところで、その手の陰謀論に触れて縋りつくようになったというパターンの方が多いのではないかと思います。であればその不安の原因を解消しなければ、陰謀論を捨てることもないでしょう。

 そんな風にいろいろ考えている中で、「日本のホラー漫画って、恐怖というより不安を煽るよな」とも思えてきたのでその辺はまた次回に書きます。

2025年3月16日日曜日

石破首相の次は誰?

 降ってわいた金券政治によって風前の灯火の石破首相ですが、となると次は誰が総理となるかがもはやトピックとなるでしょう。

 その前に総裁選もとい石破総理の辞任はいつになるのか時期もポイントになりますが、これに関しては参院選前か後かのどっちかにもう絞られています。参院選へのダメージを最小限にするべく前に行うのが常道ですが、それまで石破総理が粘る可能性もあれば、どうせ負け戦だから石破総理に責任を負わせて心機一転で新たな総理を担ぐべきという目もあるだけに、前と後ろのどっちかはまだ絞れないような気がします。

 それで人選ですが、現状最有力候補は前回決選投票まで行った高市氏といっても間違いではないでしょう。ただ高市氏は党内に敵が少なくなく、実際それによって前回は一敗地にまみれたわけであるだけに、当選確実とは言い切れないのが現状です。私個人としては前回同様リンこと林官房長官を待望しているところですが、安定感は抜群だけどこれという強みがなく、何かしら風向きの動きがなければ勝率は低いでしょう。
 また前回名を挙げた若手筆頭の小林氏も十分候補足り得ます。彼の場合は一般党員の支持をどれだけ広げるか、待ったバックにつくタニマチこと自民党大御所がいるかいないかによって左右され、この方面で誰かしらにもうバックアップを頼んでいる最中かもしれません。

 その小林氏の名を挙げといてなんですが、5、6年前の情勢ならここで小泉進次郎氏が総理になっていても時期的におかしくはなかったでしょう。彼の場合はこの数年間で一気に人気を落とし、党内でもそれほど支持する人がいなくなっており、少なくとも次の総裁選では彼の目はないとみています。着実にキャリアアップと行きたかったでしょうが、大臣職についてからこれという功績もなく、また発言もフワフワしたものが多くなり、ここまで評価を下げるというのも過去あまりなかったかもしれません。
 もっとも総理になってから下がるよりかは、なる前の方が絶対いいに決まっています。その点では彼は幸福な部類なのかもしれません。

 あ、あと麻生派の河野氏もいたが、彼ももう目がないでしょう。なんていうかかつての与謝野馨みたいな経過をたどっているように見えます。

2025年3月15日土曜日

死者に人権はあるのか?

 先日に起きた女性配信殺人事件では機能に私も記事に書いた通り、犯人に借金するよう仕向けながら返済しなかった被害者に非難が集まるとともに、そのプライベートな情報も大きく拡散されています。こうした状況に対しネットで「死者だからと言って、さすがにプライバシーが暴露され過ぎでは」という見解を示す人も見られ、「死者に人権はあるのか?」という問いにするならば、一考に値する意見のように私も感じました。

 結論から述べると私は死者に人権はなく、個人情報などもある程度公開されることになってもことさら特別視するべきじゃないかという風に考えています。但し、例外というか限定条件が守られることが前提です。

 ちょっと横道にそれますが死者の敬称について、乃木大将やハマーン様など敬称付きの方が通りのいい人物を除き、がこのブログでは死者に対して「~氏」などの敬称は一切用いないようにしています。大手メディアなどは死後から数ヶ月は敬称を維持するなどの独自ルールを持っているそうですが、私としては生者でないものに敬称は不要だと思うし、失礼な書き方さえしなければ何と呼ぶのも自由という風に考えます。また死後の表彰も無意味だと考えており、表彰するなら生きている間に、またはほかの生きている人にしろという風に見ています。

 話を戻すと、上の敬称に関する考えのように死者に対して余計な遠慮とか配慮は不要で、そんなものするならもっと生きている人を大事にすべきだという風に考えています。こうした考えから死者に対する批判やプライバシー暴露に関しても、そもそも暴露されて困る本人がこの世にもういないんだから気にする方が野暮でしょう。

 またあくまで私の考え方ですがこの手の死者に対する批判やプライバシー保護を変に規制なり配慮した場合、世の中への弊害の方が大きくなると思います。具体例を挙げると安倍晋三やジャニー喜多川などが好例で、「死んだ人を悪く言うのはよくないよ」と変にその生前の行動に関する暴露や報道を止めていたら、後世の公正な評価や現代における対応にも波及する恐れがあったと思います。
 むしろ死んだからこそ追求できることの方が多いだけに、「死者だから」と言って配慮したりするのは悪手この上ないでしょう。

 但し、これはあくまで死者本人に関する事柄に限ります。メリー喜多川氏の関与などどうしても触れざるを得ない部分を除き、まだ生きている遺族に対する誹謗中傷につながるような情報やプライバシーの暴露に関してはそこに公益性があるかないかを判断すべきで、ない場合は極力暴露や批判はすべきじゃないかと思います。私見として述べると、日本の報道はこの辺の境目が特にあいまいで、死者に対する情報の取り扱いで遺族や関係者に不要な社会的批判を招いている節があるような気がします。

 以上の考えの大前提として、私個人としては「死者よりも生者の方が大事」という考えに基づいています。この辺は論語の「生者に対する礼儀もまだ完璧じゃないのに、死者に対する礼儀なぞ語れない」という言葉の影響を受けてるやもしれません。

2025年3月14日金曜日

全く同情されない殺害された女性配信者

最上あい(享年22)、もし1万円返していたら殺されずにすんだ模様(ガハろぐ)

 例の女性配信者殺害事件ですが、一言で言えばこれだけ同情されない殺人被害者は近年稀にみる水準じゃないかと思います。私自身も同じで、殺害行為の肯定こそしないものの、もし自分が犯人と同じ立場にあれば同じことを絶対にしないかと言われればしないと言い切る自信はありません。少なくとも、背後から全力で頭突きするくらいならためらわずにやるでしょう。
 なおこの事件を見て真っ先に思い浮かんだのは、かなり昔の下の事件です。


 すでに各所でこの事件、というか被害者の行動が報じられており裏付けを取る必要もないほど赤裸々な情報が出ていますが、個人的に自分が着目したのは犯人が消費者金融から借金をしたのは被害者の指示だったという点です。もう工面できるお金がないという犯人に対して被害者は「すぐ返すから心配ない」といったことを言って消費者金融、それも複数社から借金させて借りた金を返済しなったそうです。
 言うまでもなくその後犯人は利息に苦しむことを考えるとこれは意図的に犯人の人生を破滅に追い込むような所業であり、重ねて言いますが殺人は肯定はしないものの、被害者は殺されても仕方ない人間だったという風に私は思います。

 また犯人は粘り強く返済を要求しており、司法手続きまで済ませているのに返済されなかったことを考えると、逆にこの人に私は同情を覚えます。以前からも指摘されていますが裁判で賠償命令が出たとしても踏み倒す人間が多く、また強制取り立て措置を取るためにはとてつもない労力が必要ということを考えると、この辺もっと簡単に取り立てられる制度があってもいいような気すらします。離婚時の慰謝料や育児費も支払いがよく滞るというし。

 もっとも今回の事件で被害者は自分名義の口座は空っぽにし、内縁者の口座で自分の収入を管理するなど意図的な取立妨害措置もとっていたため、並の手段じゃ取り立てるのは不可能だったでしょう。っていうかやり方が完全にプロの手口で、指南役がいるかほかにも多くの被害者がいるかのどっちかで、もうしばらくしたら「俺もこの女にやられた」という人が出てくるかもしれません。

 いつの世にも悪い奴はいますが、こういう人間が今回の事件のようにきちんと取り立てられない、処罰されないからこそ被害は広がるものであり、その点を踏まえてもこの手の民事案件に対する強制介入措置をもっと考慮すべきでしょう。

石破首相の商品券配布と政権終了

 長く使っていてそろそろ買い替えかなと思って新しい電気ケトルを買いましたが、大体5回に1回は過熱が止まらず中のお湯が蒸発しきるまで温め続けるので、また買い替えが必要になりそうです。以前はこんなことなかったんだけど、なんか最近は中国の家電にこういう不具合増えてきたような……。

石破首相側から商品券受け取り 議員十数人10万円ずつか 複数証言(朝日新聞)

 話は本題ですが石破首相が議員に金券配ってたそうです。あまり言われないけど朝日新聞はなんだかんだ言いつつかなりすごいスクープをよく拾ってきて、私はこの辺で朝日の記者を評価しています。

 話を戻すとすでに続報生地も出ていて石破首相も配布をしたことを認めているそうです。あえて言うなら石破クーポンともいうべきすが、そんな長く書く話じゃないので続けると、石破政権はこれでもう終わりでしょう。今国会で基礎控除引き上げなど減税や物価高騰対策をうまくやれば次の参院選後も生き残れるかもと考えていましたが、維新の口車に乗って余計な高校無償化やったり、基礎控除も無駄に手間のかかる累進性にしたりしているので、私としても早く政界から去ってほしいの一字に尽きます。

 当初はそれこそ参院選までは続かせると自民党も考えてたでしょうが、もうこれじゃ政権も持つわけなく、参院選より前、早ければ来月にも総裁選が実施されるでしょう。それにしても政治資金問題に国民がピリピリしている中でこんな金券配りするなんて、ここまで無能だとは私も想定していませんでした。悪いことは言わないからどっかで学びなおしてきた方がいいのではないかとすら思います。

2025年3月13日木曜日

責任を放棄しても特権を手放さない米国

まず一つ目の背景としては、戦った人たちが幸せになれないというスパイダーマンならではの設定があげられる。スパイダーマンはアメリカの比喩だから、これは要するにいくら戦っても、悪を退治しても幸せになれないアメリカ、ということになる。
 もっといえば、正義のために戦ってもいつもひどい目にあう主人公ピーター・パーカーは、湾岸戦争やイラクからの帰還兵の多くがPTSDになっているという、厳然たる現実を思い起こさせる。日本人はそうでもないだろうが、一定年齢以上のアメリカ人なら、これはきっと脳裏をよぎるはずだ。

 上の文章は映画評論家の前田有一氏が「スパイダーマン ノーウェイホーム」の批評から引用したものですが、自分もこの意見に同感であるとともに、米国を見るうえでなくてはならない視点だと思います。
 米国としては世界中で戦争をしてはいるけど、それは世界警察としての立派な役目であり、ほかの国からも感謝されるという意識がかつてあったと思います。しかしターニングポイントとなったのはイラク戦争で、フセイン政権を崩壊させて新政権を樹立したもののうまくいかず、結局はベトナム同様に完全撤退する羽目になりました。しかも前田氏が書いている通り多くの兵士の人命が失われたばかりか、帰ってきた兵士も「アメリカン・スナイパー」や「キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー」(←マーブル作品の中で一番好き)で描かれたようにPTSDとなった上、諸外国からは「間違った戦争だった」と非難される始末でした。

 そうした経験から、米国人自身も世界の安定や平和維持に米国が率先して血を流すことは必要なのかという疑問を、感覚的には2010年あたりから持ち始めているように見えます。かつてのモンロー主義のような価値観を現トランプ政権は主張していますが、これはトランプ大統領が主張しているというより、少なからぬ米国人自身がそのような希望を持ち始めており、それにトランプ大統領が乗っかったというのが実情じゃないかと思います。

 そんな具合で誕生したトランプ政権ですが、ウクライナやイスラエルの対応を見る限りだと世界の平和維持どころか、安全保障すら放棄したいという考えが見られます。要するに、紛争が起きても「自分たちでどうにかしろ。和解の仲介を依頼するなら手土産を用意しろ」的な価値観で、これは前述の通り決してトランプ大統領自身の価値観というより、米国全体の大きな方針であるようにも見えます。
 確かに米国はこれまでに多大な血と汗を流しており、またイラク戦争もあってこれ以上紛争に係わりたくないというのも理解できるのですが、そうした世界秩序の維持を放棄する一方で、これまで同様、いやこれまで以上に諸外国へ要求を突き付けてくることから、色々おかしくなってきているというのが現状だと思います。

 曲りなりにも世界秩序、とりわけ西側の自由主義陣営に安全保障を提供していたからこそ、日本を含む各国は米国の時に理不尽な要求にも受け入れてきたわけです。しかし安全保障の責務を放棄しながらもグリーンランドをよこせだとか米国本土に投資しろなどとこれまで以上に激しい要求をしたところで、言うこと聞く国はかつてほどはいないでしょう。
 実際、このところ欧州は米国抜きでの安全保障を模索しており、フランスの国際的地位が顕著に上昇していますが、不況にあえぐドイツも軍需産業が盛り上がることで恩恵があることから仏英の流れに乗るのではないかと思います。日本もこのままでいいのかという懸念が大きくなっており、そういう意味では次期主力戦闘機の開発パートナーが米国ではなく英国であったのは僥倖だったかもしれません。

 そうした背景もあって、まじめに日本も外交の転換期に入ってきているような気がします。これまでは米国に大きく依存する体を取ってきましたが、その米国自身が日本に対する安全保障に茶々を入れてくる有様であり、また中国も圧迫を強めていることから、色々と懸念が大きくなっています。
 ただ仮にロシアを仮想敵国とするなら、日本もNATOに入る価値はあるのかもという気もしません、仮にロシアがNATO諸国に侵攻した場合、日本も対ロシアに協力、時に参戦するという条件ならば、NATO側としても大歓迎する条件だと思います。あの広大な領土でロシアが二面作戦採れるはずもないし。

 無論、その分戦争に巻き込まれる恐れもありますが、何もしなくても戦争に巻き込まれたのが今回のウクライナであることを考えると、やはり何かしらの備えは必要ではないかという気がします。仮に米軍が日本から撤退する場合などのシミュレーションも必要ですし、場合によっては中国側に通行権を認める(中国が米国と戦争する場合に日本は一切関与しない)など便宜を図ることで紛争回避を図るという手段も考えられます。こうした様々な状況を想定した外交のデザインだけでも、今のうちに持っておく必要があるかなと思う次第です。

2025年3月10日月曜日

コロナ以上の観光業不況はもう来ない

 前にも書いていたかもしれませんが1月に九州地方を旅行している最中、外国人観光客が明らかに増えているのを見て何気なく旅館の女将に「外国人増えてますが景気はどうですか?」と尋ねたところ、「あのコロナの頃に比べたら……」と、今でもはっきり記憶に残っているくらい悲しそうな顔を浮かべました。コロナ流行期に観光業が大きな打撃を被ったことは報道でもちろん知ってはいましたが、やはり当事者たちからすれば報道以上に苦労を受けていたことは間違いなく、その一端を見たような気がしました。

 もちろん青の頃には政府も対策に動いており、雇用助成金をはじめ多くの支援が行われていました。私は当時、確かにこうした支援は必要ではあるもののやや観光業に偏り過ぎていないか、もっと他の産業にも分配したらどうかという印象を覚えており、確かこのブログにも当時書いていました。しかしこうして当事者の声を聴いてみると、ややちょろいと感じますがやはりあの時に観光業を支えて正解だったのかもと考え直すようになっています。
 少なくともあのコロナ期を日本の観光業が生き残ったおかげで今日の観光産業発展があるわけであり、あの頃の支援というか投資は無駄にはならなかったといえるでしょう。

 その上で今後に関してですが、私はかねてからアトキンソン氏のように日本の観光立国化を進めるべきだと考えており、観光業の強化は今後も必要だと考えています。前回記事でも触れましたが観光業への投資であればマネーの海外流出は起こらない上に、製造業と比べても雇用吸収力が観光業の方が高く、極端なことを言えば技術的素養も必要なくすぐ雇用可能という点でも製造業以上じゃないかとみています。

 ただ製造業と比べると観光業は景気の変動を受けやすいと指摘されます。この点に関しては私も同感で、ちょっと不況や何かしらの事件による風評被害が起こると観光業は確かにダメージを受けやすいです。もっともこの点に関しては製造業にもなくはなく、極端なオンリーワン技術とかなら別ですが、製造業も為替の影響を受けやすく、景気変動の影響を受けないわけじゃないです。
 その上で観光業についてもう少し述べると、少なくともいえることとしては、あのコロナ期以上の不況はよほどのことがない限り今後数十年間は起きないと思います。あのコロナ流行はまさに未曽有の大災害と言ってもいい時期で、あの時期を乗り越えた今の日本の観光業関係者は進撃の巨人で言えばシガンシナ区住民のようだといっても過言ではないでしょう。

 おそらくコロナ期には旅行会社をはじめ多くの観光業関係者が淘汰されたかと思います。ただ結果的には非常に力のある観光業企業のみが生き残っており、だからこそ今現在の観光業の盛り上がりを支えていられるんだと思います。前述の通りコロナみたいな自体はそれこそ戦争でも起きない限り自分の生きている間はもうないと思え、あの時期を乗り越えたんだから景気の変動くらいへっちゃらとまではいかずとも、日本の観光業関係者はきっとまた乗り越えられると信じています。

 その上で今後についていえば、もはや日本国内で観光業の競争が始まっているような状態じゃないかと思います。おみやげ品の開発や流通、宿泊施設のキャパ、誘致できる観光資源など、日本の地域ごとに観光客を奪い合う時代がもはや始まっており、下手に国際競争するより国内競争を通して日本の観光業の実力をさらにスリム化、強化していく必要があるでしょう。

 個人的な経験で述べると、今回回った九州はどこも地元名産はいい具合にお土産製品化しており、そのあと関西に行ってお土産屋を見てもこれはと思うパッケージや製品をあまり見ませんでした。地味に九州の人たちはお土産開発能力が高いように見え、ほかの地域も九州の人のように創意工夫して商品開発力をつけていくべきじゃないかと思います。
 っていうか熊本が何でもかんでもくまモンつけてお土産作るのはずるいと思った(´・ω・)

2025年3月9日日曜日

観光産業勃興によって初めて活きるゼロ金利政策

 自分でも思うところありますがほぼ常に何かしら考えていて、歩いている最中も本当にどうでもいいことを何か考えてたりします。先日もそんな感じでエスカレーター乗ってる最中に、「そうだ、観光産業が盛り上がってきたからこそ今日本でゼロ金利が効くようになったんだ」と思いつきました。

 かつてこのブログで私は、平成期にゼロ金利政策が行われながら実質的に日本国内の経済循環というか投資促成にはあまり効果を果たさなかったと主張しました。というのも平成中期から日系企業、特に製造業は中国をはじめとする国々への海外進出を重視するようになった、というより日本国内市場が成長しないので日本国内には投資せず、ゼロ金利で得た融資の大半を海外に投資していました。
 そのためゼロ金利で企業は確かに融資を受けるものの、受けた融資は国内には流れず、ほかの国に投資されて現地での雇用拡大にしかつながらなかったという見方です。まぁその投資で得たリターンこと配当金は日本本社に回ってくるので全くのマイナスというわけではないですが、そうして得た配当金も大体ほかの国の投資に使われてたでしょうが。

 以上の分析からゼロ金利政策はグローバル化された現代においては景気浮揚に対しあまり効果がないのではと考えていたのですが、これは日本経済が製造業中心だったからこそ起こった話で、そうじゃなければ効果あるのかなと最近思うようになってきまいた。何が言いたいのかというと現在、日本の主力産業はマジで転換しつつあり、観光産業がかなり大きなウェイトを占めるようになってきています。
 さすがに自動車産業にはまだ追いついていませんが、エレキと比べるならあっちは全く成長性がないのに対し、観光産業はまだ成長性もあるうえ、雇用吸収力も絶対的に高いことから、もはやエレキ以上に観光産業は日本にとって重要だと考えます。

 その上で先ほどの話に戻りますが、製造業と違い、観光産業の投資対象は日本国内にほぼ限定されます。海外への投資に使うとしたら現地旅行代理店などの拠点くらいなもので、9割以上は宿泊施設や運送手段などの整備に使われ、それがそのまま雇用拡大にもつながります。その点で言えば、投資を促すためのゼロ金利政策が日本国内へダイレクトに使われる意味でも、観光産業が盛り上がってきた今になって初めて効くようになったように感じます。
 これは逆を言えば、景気拡大をする上ではやはり国内にどれだけ投資を起こすかが重要で、先ほども書いたように海外進出というか海外に投資が使われる産業を応援してもあまり意味がないのかもしれません。先ほど書いたように確かに配当金収入は手に入りますが、少なくとも海外投資では雇用拡大にはつながらず、失業者対策には効果がないどころか、今の自動車産業のように国内産業の空洞化を招くかもしれません。

 言いたいことをまとめると、金利優遇政策は国内投資に限定させること、または観光業のように国内にしか投資できない産業に限定させる方がいいかもしれません。観光業以外だとインフラなど建設産業もありますが、こっちは外貨獲得には貢献しないため、優先度で言えばやっぱここでも観光業となるかもしれません。
 もっとも観光業は景気の影響を受けやすいというデメリットがあるという人もいるかもしれませんが、この点についても思うところがあるのでまた次回にでも。

2025年3月7日金曜日

シーマ様とバラライカは共通点が多い?

 以前に「評価が大きく逆転したガンダムキャラ」という記事を書きましたが、この中でガンダムの0083に出てくるシーマ様ことシーマ・ガラハウという悪役の人気が年月とともに上昇し、今や「悲劇のヒロイン」の如く高い人気を持つに至ったことを書きました。この傾向は今も変わらず、関連解説記事を見ると彼女の魅力について延々と語る人もいれば、公式の外伝作品でもどんどん過去情報が補完されているようで、ガトーをはじめほかの0083キャラが語られなくなりつつある中でシーマ様のみうなぎ登りしている感すらあります。
 まぁニナ・パープルトンもいまだに語られることが多い気がしますが、悪い方で。

 そんなシーマ様ですが、この前解説記事を読んでいる最中にふと、「あれ、なんかキャラ設定がバラライカと同じじゃね(。´・ω・)?」ということに気が付きました。バラライカというのは漫画「ブラックラグーン」に登場するロシア系マフィアの女ボスで、この作品屈指の人気キャラであるとともに「統制された暴力」という本作品のテーマを代表するようなキャラです。
 なおアニメでは小山茉美氏が声優を演じていますが、作品を視聴した人は誰もが口を揃えて「これ以上のはまり役はない」と言い切るほど、イメージと声が合ったキャラとなっています。実際、私も初めて視聴したときに「あ、バラライカの声だ(´・ω・)」と思いました。

 話を戻すと、シーマ様とバラライカには下記の共通点が存在します。

・元正規軍人だが、色々あって軍を追放された
・元部下たちを養うために海賊(マフィア)業に身を落とす
・部下たちからはめっちゃ信頼されている
・性格がキツイ
・身長がデカい
・身内に優しいが敵には滅茶苦茶容赦ない
・軍人時代の体験がトラウマ

 ざっとこんな感じですが、キャラ造形的にはほぼ同一背景を持ったキャラであるように思えます。もちろんどちらかがパクったというわけではなくたまたまそうなったとはっきり言えますが、逆を言えばこうしたキャラ設定は読者の人気を得やすいのではと思う節があります。

 実際、どちらもありきたりな美少女キャラとは程遠いキャラクターながらかなりの人気を得ており、本編外で外伝作品がいくつも作られるなどキャラの深堀が公式、ファン層ともにかなり盛んです。ではその人気の源泉は何かというとやはり先に上げた「身内に優しいが敵には滅茶苦茶容赦ない」という要素が特に大きい気がします。

 こう考えるのもかつて中東のテロリストの親玉がインタビューにて、「キツめの女が一人いると、組織というのはバシッとする」ということを話しており、何となくシーマ様とバラライカを見ていると「そうなんじゃないかな」と感じさせられるというか説得力を覚えます。それ以上に、小悪党的なポジションに落ちぶれてでも部下を食わしていこうとする世話焼きなところが、キツめの性格といい感じに組み合わさって「あ、この人なら支えてあげたい」的に思わせるんじゃないかと思います。

 ただ、こうしたキャラはメインヒロインのポジションに置くことはできないでしょう。あくまで登場キャラの一人としてこういうキャラがいると作品も映えるんじゃないかと思います。そういう意味では創作において上記設定は結構有用なキャラ設定となりうると思うわけです。

 にしても最近のシーマ様は女子高生姿が描かれたりとかはっちゃけてるな。漫画の「アラサーOLハマーン様」とかでもシーマ様出てこないかな。

2025年3月6日木曜日

トランプ関税で今年も世界的にインフレか?


 セールだったので地球防衛軍5を買ってしまい、めちゃくちゃ時間を取られてしまっています。上の画像はタイヤが宙に浮き始めたため無駄にキャプチャーしました。
 ちなみにプレイヤー名は「コシノ泥田坊」で、なぜこうなったのか、それは誰にもわからない……。

 話は本題ですが結論から書くと今年も日本では物価上昇が続く、というより世界的インフレが再び加速され、かなりの物価上昇になるのではと考えています。それもこれもトランプ関税です。

 決してこの方面に造詣が深いというわけじゃないですが、米国のトランプ政権はのべつまくなく関税引き上げを表明しており、すでに一部品目で米国内の物価上昇が始まっていると聞きます。仮に中国のみをターゲットにした関税引き上げとかだったら話は別ですが、米国に入ってくるあらゆる品目に関税を引き上げるとしたら、引き上げた関税の分だけ価格が上乗せされることとなり、それがそのまま物価上昇へとつながるのではないかと思います。
 仮に米国が関税を引き上げた品目を自国内で生産できるようになるなら話は別ですが、実際にそんなの短期間でできるわけないし、そもそも自国で安価に調達できないからこそ輸入するわけであり、自国内で調達できるようになったとしても輸入していた頃よりは確実に価格は上昇するでしょう。

 またこうしたトランプ関税に対し、すでに中国がやっているように報復関税を採る国もこれからどんどん出てくるでしょう。二つの国の間で双方ともに関税を引き上げるとしたら、両国で流通する商品の価格が互いに上昇することとなるわけで、これはそのまんま物価上昇となるわけです。得するのは関税を徴収する税関こと政府くらいでしょう。

 またこうした関税の報復合戦によって物価が上昇するとなると、恐らく多くの国でインフレ抑制策を取らざるを得なくなります。去年前半のように世界各国でインフレ抑制のために政策金利を引き上げることとなり、投資意欲の低下のみならず株式市場も株価低迷へと至るかもしれません。同時に為替も大きく変動することとなり、円安となるか円高となるかはまだ未知数ですが、政府の対応によっては大きく振れるかもしれません。
 それだけに、最高値を更新し続けている金の価格はさらに上昇する確率が高いとみています。

 あえてプラスな点について言及すると、トランプ政権は日本に対し為替誘導という非難をもうやってきたそうですが、今後世界的インフレを迎えた後なら、「為替がおかしいのはあんたの国の関税政策のせい」と言い返す余地が出てくると思います。少なくとも米国は今後激しいインフレになり、ドル安に至る可能性も高いと思うので、日本円ではなくドルの問題で米国に是正をするようむしろ日本が追及できる立場になるんじゃないかと楽観的に見ています。

 以上を踏まえた上で述べると、今年いっぱいは住宅など高額な買い物は控えたほうがいいんじゃないかなというのが自分の意見です。まぁ勝手な予想なので外れる可能性も高いっちゃ高いですが。

2025年3月4日火曜日

高校無償化に関する古館氏の意見

古舘伊知郎、維新にチクリ 「高校無償化」にはらむ“危険性”を指摘 「さすがの視点」「本当にその通り」(スポニチ)

 今国会で議論されている高校無償化についてですが、自分も何か意見を書こうかと思っていた矢先に上の古館氏の記事を見かけたのですが、正直言いたいことを全部言ってくれているように感じました。基本的に自分の見解も古館氏と同じで、特に私立高校が無償化をいいことに学費を値上げしてくるという予想は自分も最も懸念していた点であり、結論から言えばこの高校無償化は日本の教育レベルの底上げにはつながらず、むしろ底下げにしか役に立たないだろうと考えています。

 あえて古館氏の意見に付け加えるとしたら、古館氏は進学者が私立校に流れて公立校のレベルが下がり、ひいては国立大学の志願者も低下するのではと懸念しており、これについてもごもっともです。その上で私の見方としては、公立と私立の差がよりなくなり、公立校が教育方針やカリキュラムで私立校へ近づけていくのではという風にも見ています。もちろんこれは教育、国力的にもマイナスにしかつながりません。

 というのも公立校というのは基本的に国が教育方針を定めて、一番オーソドックスな教え方をしていると思います。それに対し私立校というのは公立校と差をつけるためオーソドックスな教え方では漏れるカリキュラムや教育方針を作ることで、その方針にあった親や子供を引き受ける形となります。
 結果的に公立と私立が併存することで異なる種類の人材を育成し、それらがお互いに埋め合って社会をいい方向に形成していくのだと思います。なので公立としては絶対多数的に求められる人材、それに対し私立というのは絶対多数ではなく少数ではあるけど、社会においてある程度供給してほしいタイプの人材を作るというのが理想形です。

 こう考えるのも自分が中学から大学まで私立校にいたせいもありますが、中学高校はともかくとして、大学に関しては言ってしまえばテロリスト養成校みたいな気風がありました。基本的にルールがあれば「まず破れ」と教えられ、反抗することにこそ価値を見出す学校であり、実際教授会でも「おめーがパッとしねぇから受験者数落ちてんだよ!」という学長に対する批判をみんな堂々とやっていたそうです。
 ただこうしが学風から生まれた人材は実際社会のあちこちでやたら反抗的な人材を供給しているそうで、理解ある経営者なんかは「組織がおかしな方向に進みそうなときに、こういう奴らがブレーキかけて軌道修正してくれるんだ」と言って、わざわざ私の出身大学に対し採用枠を設けていると聞きます。実際に私もそうした教えだったと理解しており、造反有理じゃないですがおかしいと感じることにははっきりおかしいといって拒否することが大事だと考えています。

 もっともこんな反抗的な人材ばかりが社会にいたら、文革期の中国のようにまともな社会が形成されるわけありません。あくまでこういう反抗的な人材が少数派で存在するからこそ、企業も国もうまくやってけるのでしょう。
 そうした考えから、私は大多数は公立で、一部の人間は私立に通うという形が教育体制としては理想的だと考えています。その上で学費の差というのはこうした比率を自然形成させる要因であり、これに差がなくなると恐らくいろいろおかしくなるのではという風に思っています。

 さらに付け加えると、機会の平等と結果の平等は基本的に成り立ちません。あえて両方とも平等になるよう取り計らうと、逆にそれ以前よりも平等が崩れることの方が多いとも私は考えています。
 今回の高校無償化は一見すると機会の平等のように見えますが、私は密かに結果の平等に向いた政策であるように考えています。それに対し私は機会の平等を追求する側であり、古館氏の意見や上記の考えもあってこの政策にはあまりいい気分がしません。

 むしろ学費負担の軽減というのなら、高校の教材費に限った無償化の方がいいんじゃないかと思います。学費の差がなくなることで、競争も個性もなくすよりはこっちの方がいいでしょう。

2025年3月3日月曜日

ストーリーにこだわらない中国のゲーム

 キーボードの叩き過ぎによる腱鞘炎対策として指ぬき圧迫手袋を買ってつけてみましたが、なんていうか中二病感が激しくていろいろ思うところがあります。

 それで話は本題ですが、先日ネットでおすすめされていたのとユーザーレビューが高かったのでSteamで「アフターイメージ」という、上海の開発会社が作ったゲームを買って遊んでいました。いわゆるメトロイドヴァニア系の探索型アクションゲームで前評判通りに遊んでてそこそこ楽しかったです。特に探索では地図を埋める作業が割と好きなので、また到達していない空白を埋めていく作業ははまりました。
 ただアクション面に関してはそこまでいいと思わず、悪いわけではないけど攻撃方法はやや単調で、ボス戦も相手の隙を突くよりもゴリ押し戦術の方が有用だったりしてなんか盛り上がりませんでした。ただそうした点以上に気になったのは、ストーリーテーリングでした。

 はっきり言ってストーリーはひどいの一言に尽き、どれくらいひどいのかというと冒頭で主人公の師匠さんが殺されてしまうや、

「このままじゃゾンビになっちゃうから、とりあえず死体処理しなきゃ。魂さえあれば肉体が還元したらまた蘇るしね(´・ω・)」

 という風に話が進められるのですが、マジで何の世界観も解説されずに上の会話を見させられるのでマジ意味不明でした。終始こんな感じで話は進められ、こう言っては何ですが妄想狂に一方的に話を聞かせられている感じがして、プレイ中はいろいろ思うところが多かったです。

 この点についてゲーム開発している中国人の友人に話したところ、「仕方ないじゃん。中国のゲーム開発者はストーリーなんかおまけ程度としか思ってないんだし(ヾノ・∀・`)ナイナイ」と教えられました。友人によると、中国のゲームはゲーム性(アクション)とグラフィックが重視され、その他、特にストーリーに関してはないよりはあった方がいいけど、そこまで特別見られるところじゃないからあまりこだわらずに破綻や矛盾に満ちたストーリー展開も少なくないそうです。
 実際、前述のアフターイメージもそんな感じで、グラフィックとか非常にきれいでこだわられているのにキャラクターの生い立ちやストーリー展開などはわざと無茶苦茶に作ってんじゃないのかっていうくらいひどいものでした。

 ただこれは逆を言えば、日本人はゲームにおいて特にストーリーを重視していることの顕れかもしれません。マジで日本のゲームはストーリーが悪ければそれだけでクソゲーとして認定されることもあれば、「ヘラクレスの栄光3」みたくストーリーさえよければその他要素は無視して名作扱いされることもあります。RPGに限らずアクションゲームとかでも、何かとキャラクターに背景を持たせたりするなどストーリー構成や世界観を強く意識してゲームを作っています。

 こうした日本製ゲームの傾向ですが、やはりそのきっかけは初代和製RPGことドラクエの影響が強いと思います。初代ドラクエの時点でお姫様を最終局面ではなく途中で救出するなどストーリー的に起伏を持たせており、その後に続いたファイナルファンタジーなどでもプレイヤーを魅了させるストーリーが盛り込まれるなど多くのフォロワーを作りました。それこそもしドラクエがなければ、日本人が現代のようにゲームにストーリー性をここまで求めることもなかったかもしれません。

 以上を踏まえて言うと、中国の開発会社と比べるとこうしたストーリーや世界観の構築で日本勢はまだアドバンテージがあると断言できます。中国のプレイヤーからすればそこまでストーリーを評価しないかもしれませんが、キャラクターのIPビジネス展開を考えると、ストーリーに強みがあるというのはビジネス面でも強みがあるように私には思います。
 逆に中国はグラフィックに対するこだわりが非常に強く、この分野、特に3D描画に関しては美少女キャラを含め日本はもはやあまり優位を持たなくなってきている気がします。このまま棲み分けと行くのかグラフィックにも力を入れるのか、日系ゲーム開発会社は腕が問われるところでしょう。

2025年3月1日土曜日

国際政治において存在感を高めるフランス



 上の写真は日本にいたころに作ったANAのエアバス機プラモですが、こうして作ってみて初めてANAの塗装はめちゃいいなということに気が付きました。ちなみにこのキット、組み立てるのはめちゃ簡単だけどデカール貼るのはめちゃテクニック要求され、写真のもちょっとミスったところがあり、いつかまたリベンジしてみたいです。

 話は本題ですが今日のトップニュースと言えばウクライナのゼレンスキー大統領と米国のトランプ大統領の会談における物別れでしょう。元々キレやすいといわれていたトランプ大統領ですが、公の場でああも激昂するのはそこまで例はなく、異例の会見だったと言わざるを得ません。
 言うまでもなく戦争でウクライナを一番支援しているのは米国なだけに、今後の戦争への影響が懸念されます。

  ただこの会見ですが、各種報道によるともともとトランプは拒否する予定だったそうです。それを収めて仲介したのがフランスで、結局締結されませんでしたが鉱物資源の米国への提供話も、明らかにトランプ側が要求しているのに「俺が持ちかけたσ(゚∀゚ )オレ」とマクロンが泥被る感じでフォローにも努めていました。
 そんなマクロンですが以前以上にウクライナへの支援を呼び掛けており、今回の米宇物別れ会談の後も一貫してウクライナを支援し続ける姿勢を早くも表明しています。これに限らず、近年のフランスはEUを代表して発言することが増えているように見え、国際政治における存在感が増してきているように感じます。

 この辺、正直なことを言えばもっと欧州の現状について詳しい人が解説なり報道なりしてくれないかなと前から思っています。というのも上記のフランスの姿勢といい、ほかの欧州諸国を含め現況はどうなのか、またウクライナに対する姿勢はどうなのかなど色々知りたいことが多いです。
 私個人の意見で言うと、前述の通りフランスの影響力が非常に増してきているように見え、現状の欧州の名手は英国でもドイツでもなくフランスとなりつつあり、しかも今後数年はこの傾向が続くというかフランスが伸び盛りのまま居続けるのではと考えています。
 このように思う根拠として箇条書きにすると、主に以下の三つが挙げられます。

・ドイツの影響力低下
・フランス製兵器輸出が絶好調
・米ボーイングの没落

 まず第一にこれまでEUを、というかEUの経済を引っ張ってきたドイツがかなりの経済苦境に入ってきており、はっきり言えばこれから中国とともに10年くらいは低迷し続けることが確実で、存在感なくしてきていることです。ロシアの天然ガスを得られなくなってエネルギー原価が上がっているだけでなく、VWなど自動車産業がEVシフトも従来車のアップグレードも疎かとなって勢いを失い、挙句に中国のへの依存の強さから中国の不況を直撃するなど、何一つ経済はいいことなしです。

 それに対しフランス経済ですが、細かい事情は把握していないものの兵器を中心に追い風吹いているような気がします。何故兵器かというと、ロシアのウクライナ進行で東欧を中心に軍備を強化する動きが広がっており、NATOの共通軍備が強化されれば必然的にフランスの軍需産業にも注文が舞い込むと思うからです。
 またウクライナ戦争でロシア製兵器が意外に脆いということが露呈し、これまでロシアから兵器を買ってきた国に対しフランスが売り込みをかけれる間隙が生まれてきているように見えます。米港と違ってフランスは兵器購入に対し、米国と違って思想や自国への服従をあまり強く要求せず、インドなど米露のはざまに立つ国などからは「買いやすい国」であるように見え、欧州に限らず中央アジアやアフリカなどでもフランス製兵器がさらに伸びるのではとみています。

 そして最後が冒頭のプラモ写真に係わってきますが、ここ数年、米ボーイング社は機体不具合に起因する墜落事故がたびたび起きているだけでなく、安全管理について内部告発が相次ぐなど、明らかに劣勢に立たされています。素人目にもボーイングに相対するフランスのエアバス社に追い風が吹いているように見え、この方面でもフランス経済はドイツとは対照的に好調さが際立っているように思います。
 さらに付け加えると、フランスは原子力大国でもありエネルギー面でも圧倒的な強みがあります。特にロシア産天然ガスが規制される昨今においてはこの強みがさらに際立ちます。

 以上のように経済面の追い風もさることながら、マクロンも国際社会の立ち回りがうまいなと感じます。必ずしも正義が勝つとは言いませんが、やはり正義というか大義名分というのは目に見えない大きな力を持ちます。
 今回のロシアの侵略はまさにその大義名分がないから簡単に攻略できなかったわけで、あれだけの軍事力なのだから、もし大義名分が本当にあればウクライナは既に併呑されていたでしょう。そうした大義名分として民主主義、自由、国際協調を掲げながらウクライナの支援を説き、自国製の兵器販路を広げる今のマクロンのやり方を見ていると、ああフランスは伸びるなという風に前から思っていました。

 それらを踏まえて言うと、日本はフランスとももう少し付き合い方を考えてはどうかなという気がしています。特に中国が今ああいう状態なだけに、中国の抜けた市場にうまく入り込む可能性もあるほか、フランスとの連携を持つことによって中国の覇権主義に牽制をかける風に持っていくのも大事かと思います。どちらにしろ、もっとフランスに関する情報を知りたいです私が。

2025年2月28日金曜日

あまり語られないコロナ前後の社会の変化

 漫画「銀魂」の読み方は言うまでもなく「ぎんたま」ですが、これ見た後で「鎮魂」という漢字を見るとなんか微妙な気分にさせられます。あとここ数日キーボード打ちすぎて中指痛い。

 話は本題ですが書こうと思いつつ結構日が経ってしまったと思うことして、日本滞在中のある出来事があります。もったいぶらずに語ると大阪で電車に乗っている最中にふと気づいたのですが、電車の中で誰一人として会話する人がいませんでした。東京周辺ではかねてから電車内で会話する人はほとんどいませんが、関西地方では割とみんな騒音に負けずに大声で関西弁を話し続ける人が以前は多かったと思うのに、少なくとも私が訪れていた間に乗った電車ではそういう人は見受けられませんでした。
 しゃべっているとしたら、自分か旅行中と思しき中国人くらいでした。

 何故関西人は電車内で会話しなくなったのか。たまたまだったかもしれませんがやはりコロナの影響が大きいのではないかと思います。この電車内の会話に限らず、2022年ごろから始まったコロナ規制の緩和から既に数年たっていることもあり、コロナ前と後の変化について語る人も減りつつありますが、改めて社会を見直してみるとほかにもまだ語られていない変化がたくさんあるように思います。

 私自身で語ると、コロナ以前はそんなに手を洗う回数は多くなかったのに、今では寿司職人のごとく帰宅するたびにきちんと手洗いする習慣ができました。あと上海ロックダウン中に死ぬほどチンゲン菜食べさせられたので、もう食べたくないと思い、あれ以降は口にしなくなりました。まぁあれはコロナというかロックダウンの影響だけど。

 改めて社会全般に話を戻すと、先日このブログで日本人があまりおしゃれに気を配らなくなった点に触れましたが、これについても「コロナの影響ではないか?」と指摘する人がいました。というのもコロナ期間中に外出する機会や習慣が減り、服装についても前ほど意識しなくなったという見方で、この意見に自分も同感しています。
 この外出機会の減少は明らかにあるように思え、実際日本にいたころ、滞在地では夕方ごろから急に人通りが減り、まるで吸血鬼が来襲するかの如く街が極端に静かになっていました。かつてであれば夕方くらいなら予備校とかに自転車で向かう中高生らの姿が見られたように思うのですが、それすらも見なくなりました。

 その中高生ですが、恐らくはリモートで予備校の授業や指導を受けるようになっているのではないかと思います。コロナで一番大きく変わったのはこうしたリモート学習やリモートワークの普及で、プラスの面も多いと思う一方で対面コミュニケーションを苦手とする人も増えたと聞きます。今のところはまだそれほど強い影響が出ていないですが、今後2、3年経ったあたりでそのような苦手とする世代が社会に出るようになり、いろいろ問題も顕在化してくるような気がします。

 以上を改めて踏まえると、本当にあのコロナ流行というのは世界史に残る歴史的大事件だったんだなと感じます。それ以前は9.11、東日本大震災が私が体験した中でも大きな事件だと思っていましたが、コロナの方が世界規模なだけにこっちの方が体感としては大きかった気がします。そういう意味では貴重な経験ができたと、前向きにとることもできるでしょう。

2025年2月24日月曜日

無法化状態のウェブ広告に対する規制が必要か

 昨夜作り置きした野菜スープを一気飲みしたらめちゃおなか痛くなりました(´;ω;`)ウッ…

「SNS偽広告」メタ社を全国5地裁に提訴、請求総額4億円超(日経新聞)

 話は本題ですが、かねてから問題性が指摘されてた旧フェイスブックことメタの偽広告について全国で一斉提訴が起こったそうです。簡単に内容を説明すると、無許可で著名人の画像を使った高校国で投資を募集し、集めた資金をそのまま持ち逃げするという詐欺行為がフェイスブックで相次ぎながら、踏めた側はこうした詐欺広告を規制、防止するなどの措置を一切取らず、被害を拡大させ続けているそうです。
 ぶっちゃけフェイスブックとは自分も過去にトラブルがあり、運営に対応を求めたもののちょっと前のメルカリみたく何の対応を取ることもなく無視されました。それだけに今回の騒動も、ここならやりかねないし消費者庁ももっと仕事しろよと言いたくなります。
 ただこうした露骨な詐欺広告に限らず、近年のウェブ広告の無法ぶりはやや目が余ります。

 同じ広告でもテレビCMでは、消費者金融のCMには現金を見せてはならない、特定の思想信条を県転してはならないなど、あまり知られていないものの意外と規制が多かったりします。それ以前に広告出稿料がそこそこ高く、また放送局側も過度な特定団体への支持などの嫌疑を受けないよう審査するため、全くないわけではないものの不快感を覚えさせる広告はウェブに比べれば明らかに少ないです。

 それに対しウェブ広告については、はっきり言って今無法状態に近い気がします。出稿単価が低いため変な団体や前述のように犯罪組織もどんどん出してくるし、広告掲載側も仲介のGoogleをはじめとするウェブ広告業者などに出稿する広告を一任しているため、広告内容について審査など一切行われていない状態です。
 実際自分のこのブログでも、「なんでこんなもの載せるんだ?」と思う広告がたまに入れられることがあり、今でもGoogleアドセンスを続けるべきか悩んでたりします。

 またそうしたウェブ広告の中には、目立ちさえすればいいとばかりに悪目立ちを図るというか人へ一方的に不快感を感じさせる広告を平気で出す輩も少なくありません。自分が見た中だと疲労回復薬品として披露した中年男性の気持ち悪い画像をでかでかと出すものや、実際に含まれていない内容を見せるゲームの広告、過払い金を回収するという詐欺みたいな弁護士の広告などがカチンとくる内容で、仮にこれらがテレビ広告を出していたら流し放送局が処分食らいかねないような内容です。
 またYoutubeの動画広告なども見るに堪えないものが少なくなく、特にあべりょうに関しては誇張など一切なくはっきりいって早く死んでほしいです。

 こうした状況、少なくとも詐欺広告が大手を振って広告を出し続けて被害者を増やしている現状を考えると、あまり望ましくはないもののウェブ広告に対しても法規制が必要なのではないかと思う節があります。具体的には詐欺広告を出稿した者だけでなく、配信、掲載に係わった人物にも罰金などを科すといった規制があった方がいいかと思います。
 もちろん法規制にまで発展させないことが一番望ましく、具体的にはウェブ広告関連企業の業界団体がガイドラインや基準を作り、これらに違反した企業は公表したり処分したりするなど、民間の中で自主規制をかけていく方がいいでしょう。まずはともかく、無法化しているウェブ広告について何らかの対策を持つべきという議論を発展させることが先でしょうが。

 なお最近性的だという批判が起きたカップうどんの赤いきつねのCMに関しては、自分も動画を見ましたが性的だとは感じませんでした。しかしキャラクターの動きがやや不自然で、恐らく意図的でしょうが悪い意味で気になるように作られた動画であるように見え、アニメ動画としてみた場合はあんまいいCMではないように思えました。

2025年2月22日土曜日

中国における謎のちいかわ、クロミ人気

 職業柄かお店とかで店員と対峙する際に、何かの足しにとばかりによく質問する癖があります。もちろんほかにお客が待ってたり忙しそうなときはしませんが、先月訪れた有馬温泉のお土産屋でも、「外国人がよく買っていくお土産ってあります?」と聞きました。
 そしたらお店のおばちゃんは真っ先に、「なんか台湾人がやたらとこれ買っていく」と、にんにくの漬物を示してくれました。私の予想ですが恐らく、精力剤かなんかだと考えて買っているような気がします台湾人は。

 そのうえで、「あと、これがやたらと売れる」と言って、ちいかわのぬいぐるみを指し示していました。

 ここだけの話っていうわけじゃないですが、実際に中国におけるちいかわの人気はかなりの水準があります。街中歩いていてもミニソウを中心にちいかわグッズを目立つ場所で売るホビーショップが多いだけでなく、カバンなどにちいかわの小さなぬいぐるみ状のキーホルダーなりを付けた女性をよく見かけます。その率たるや日本の比ではない気がするほどです。
 そうしたこともあり中国の同僚の女性にも東京限定で雷門を抱えたちいかわのぬいぐるみをお土産に買っていったところ、案の定喜ばれました。彼女によると、SNSにアップするや東京限定でうらやましいとあちこちから言われたそうです。

 そんなちいかわに負けず劣らずの人気を誇るのが、サンリオのクロミでしょう。このクロミも中国でやたらと人気があり、日本でも人気の高いキャラクターだと思いますが中国での人気は日本を上回る気すらします。こっちも町中でアクセサリーを付けた女性がたくさんおり、同僚に話を聞くと親戚の子供の間でもめちゃくちゃな人気を誇るそうです。

 一体何故ちいかわとクロミがこれほどまでの人気を誇るのか。中国人女性に話を聞いてみたところちいかわはともかくクロミは「クールな感じがいい」そうで、これには自分も納得します。
 割と中国人はクールな人間を男女ともに好む傾向があります。逆に熱血キャラは「暑苦しい」とばかりに敬遠する傾向があり、ジョジョで言うとジョルノみたいなクール系なキャラクターの方が人気が出やすいような気がします。

 一方、ちいかわについてはいまだに何故これほど中国で人気が高いのかその背景は掴めていません。もっとも日本でも異常な人気を誇っているのだから単純にいいデザインのキャラだといえばそれまでなのですが、先ほどのクール系が人気が出やすい中国でこんな風に人気が出ていることが前から不思議に思っており、いいヒントがあればだれかください。

 そういえば、すみっこぐらしは急に見なくなったな。自分は前からスミスキーの方が好きだけど。

2025年2月20日木曜日

つば九郎につき喪中


 すでに各所で報じられている通り、ヤクルトスワローズのマスコットキャラであるつば九郎の担当者が亡くなられたそうです。昨夜この報道を見たときは驚くとともに、先に体調不良の報道も出ていたのでそこまで深刻であったのかとも思いましたが、そもそも長年活躍し、そこに存在するのが当たり前のような存在にもなっていたことから、こうして亡くなられたという事実が今でも信じられないような気持がします。

 一夜明けたきょうには各方面からその逝去を悼む声が報じられていますが、中でも何故だか自分のパソコンの中にあった上の写真のように、スワローズに在籍し活躍されたバレンティン氏も「Rest in peace」という言葉を送ったという報道には自分も目頭を熱くしました。
 これまでつば九郎が公でコンビ組んできた選手は外国人選手が多く、特にコンビ芸まで発展させたラミレス氏と、上の写真のようにバレンティン氏とは傍目にも仲がいいと感じていました。実際にバレンティン氏もつば九郎に対する思い入れが深かったのかこうしてメッセージを送られており、改めて故人の人柄が偲ばれます。

 そんなわけで今日は自分も喪に服そうと午後から会社を半休していました。実際はただ単に仕事少なくて有休消化しただけですが、周りの同僚も「喪に服すのなら仕方ない」と快く見送ってくれました。

 ただつば九郎は間違いなく日本プロ野球史において過去最高の人気と知名度を誇るマスコットキャラクターと言え、その逝去は文字通り歴史に残る出来事だと思います。余人をもって代えがたいキャラだっただけに担当者の変更は恐らくないと思われ、スワローズはつば九郎とはまた別のマスコットキャラを今後出していくのではないかと推測しますが、私自身も変にキャラを引き継がず、新たなキャラに切り替えたほうがいいのではないかという風に考えています。それほどまでにつば九郎の存在は偉大でした。

 改めまして、故人のご冥福をここにお祈りします。

2025年2月19日水曜日

「令和ロマン」髙比良くるま氏のオンカジ自粛をみて

・ 【速報】「令和ロマン」髙比良くるま、芸能活動自粛発表

 上のリンク先のまとめ記事にあるように、過去にオンラインカジノに手を出していたことを理由に、お笑いコンビ令和ロマンの髙比良くるま氏が芸能活動を一時自粛すると発表したとのことです。結論から言えば、なかなか殊勝な対応であるように見え非常に好感が持てます。

 報道を読む限りですが、髙比良氏がオンラインカジノをやっていた時期は結構前で、すでに刑事での時効は経過しているとのことです。一部の人が指摘されているように、今回彼のカジノ履歴が報じられるようになったのは警察の見せしめ的な意味合いが強いように思われ、倫理的にはともかくとして刑事的には罪を問われる理由はないように感じます。
 とはいえ会社に言われたからかもしれませんが、こうして活動を自粛することでオンラインカジノはやってはならないものであり、手を出したら一定の制裁を受けることになるという啓発活動の一助となっているように見えます。違法ギャンブルに手を出しているので悪いっちゃ悪いですが、松本人志氏とは違って自分の非をすぐに認めて謝罪したうえ、こうしてきちんと自ら制裁を受け入れるという態度を示すのは模範的だと思えるし、反省を示している人間には社会も寛大な姿勢を持つことが後に続く人間を増やす上で価値を持つでしょう。

 以上のような考えから、私個人としては今回初めて彼の名前を知りましたが、復帰した後は陰ながら応援したいという気持ちを持ちました。さすがに人殺したり怪我させたりしたという前科ならともかく、違法賭博くらいなら反省した人間を許してやるくらいの寛容さが社会にあった方がいいでしょう。


 そんな髙比良氏とは正反対だと思うのが、上のニッポン放送の態度です。あくまでニッポン放送は「オンラインカジノのCMは流していない」と主張していますが、ベラジョンという同じブランド名で無料版と有料版で異なる業者だというのは無理があるでしょう。
 第一、これまでオンラインカジノのCMを流したことがないというのなら、広告の考査基準を変える必要もなければ、過去のポストも削除する必要なんてありません。明らかに言動が一致しておらず、こんな無能な広報を抱えてて見ていてむしろかわいそうに思えてくるほどです。

 そんなニッポン放送は言うまでもなくフジテレビと同じフジサンケイグループですが、やはり同じ穴の貉というべきか、誰に向かって言ってるんだといいたくなるようなしょうもない言い訳をする点で共通しているように感じます。何ならフジテレビも、「テレビに出ている中居正広と、報道に出ている中居正広が同一人物だとは思わなかった」と言い訳したらどうかと勧めたくなってきます。

2025年2月17日月曜日

ジーパンを履かなくなった日本人

 昨日の「すもうレンタル」の記事は頭痛に苦しみながら書いたので我ながら荒れた文章となっていますが、ああいう逆境でもきちんと記事書けるのが一流の証なのでまだ自分も精進が足りないと感じています(;´・ω・)

 話は本題ですが先週まで日本にいたときにやや目についたというか気が付いた点として、見出しにも掲げている通りジーパンを履く日本人が減っているように感じました。かくいう私も学生時代は「ダブルデニムの花園」と陰で呼ばれ(マジで)、上着はジージャン1枚で真冬の京都を走り回る寒さ的に攻めたファッションをしていましたが、現在は1枚もジーパンを持っておらず、ジージャンも棚の奥深くに封印したままです。
 なんでジーパンを履かなくなったのかというと、私の場合はロードバイクに乗るようになったからです。乗り出してから身長や体型に比べて太ももが大きくなり、ジーパンのように固い生地だとマジで太もも圧迫して苦しさを感じるようになり、太ももが楽になるよう綿パンを好むようになったのが最大の理由です。もっともそれだとジージャンを着なくなった理由にはならないので、やっぱ私の中でもデニム離れみたいな現象は起きていたのでしょう。


 コロナ前の6年前という古い記事ですが、上の記事によると実際に2019年の段階でジーンズ離れは起きていたようです。どうもこれ以降、ジーンズの販売統計はあまりとられなくなったとのことですが、私が見る限り6年前よりもさらに日本国内でジーパンを履く人は減ってきているように思え、ジーパン業界にとっては事態はより深刻化してきているように思います。

 では何故日本人はジーパンを履かなくなったのか。上の記事では価格破壊を行ったユニクロジーンズを主犯と名指ししていますが、確かにあれは一つの転機だったように思うもののジーパン以前に、日本人がファッションに金をかけなくなってきていることこそが主原因だと思います。

 本当は見出しもこっちにすべきだったと思いますが、ジーパン以上にもっと気になったのは日本人のファッションの地味化です。10年代中盤までは既に地味化は始まっていたもののトップスはチェック柄がやたら多かったですがまだファッション性がありました。しかし最近の日本で電車とかに乗っていると、どっちを向いても無地の上下を着ている人が多く、女性もスカートやワンピースを着ている人はかなりのレアキャラでした。
 ある意味、一番攻めたファッションしているといえるのは、相も変わらず真冬にもかかわらず根性で短いスカートを履いている女子高校生だったかもしれません。

 あくまで私が観察する限りですが、2、3年前と比べても日本人のファッションが地味化しているというか御金をかけないファッションになっているような気がします。そう思って改めて振り返ってみると、ここ数年でファッションの流行やブランドに関する報道なり解説も全く見なかったような気がします。なんか日本全体で、ファッションに対する関心が落ちているというか話題にも上がってこないといった感じです。

 私自身、昔からあまりファッションにお金をかけるタイプではなく先日も洋服の青山で、「一番耐久性のいいスーツをくれ給え('ω')」と変な要望を出して店員を困らせるほどでしたが、そんな私ですら現在の日本におけるファッションへの無関心ぶりには驚くというか呆れるほどです。決しておかしなファッションをしているように感じるわけではないものの、ここまで関心を持たないのかと不思議に感じます。

 もちろん、お金さえあればこだわりたいという人も多いのかもしれません。とはいえほとんどユニクロかしまむらで統一されている今の日本の現状はやや行き過ぎているように思え、安くてもいいからもう少しほかの人と差別化したファッションを目指す人はいないのかとも思え、ファッションに対する関心度の低下は間違いない気がします。
 仮にそうだとしたら、やはり影響があるのはアパレル業界でしょう。関心の低下は市場縮小に直結するだけに、早く今のうちに関心を呼び起こすような手立てをもっと採るべきです。もっともそんなのあったらとっくに採られているだろうから、関心の低下に歯止めがかからない状況なんだろうな今が。

 最後に最近の私のファッションですが、2013年末に真冬の万里の長城(気温-15℃)へジージャン1枚で乗り込んだ際に自分のファッションに限界を感じたというか、これ以上抵抗するのはやめようと思い、翌年から冬場は薄手でダークブルーのウインドブレーカーを着るようにしています。中国人の友人からこのウインドブレーカーを着てると「地方視察に来ている共産党幹部みたい」と言われ、実際自分もそう見えるので、共産党幹部スタイルをこれ以降ずっと貫いています。
 っていうか、今気づいたけどそのウインドブレーカーをもう10年も着続けているのか。いまだにへこたれず着続けられる当たり、さすがヨーカドーブランド(´・ω・)

2025年2月16日日曜日

すもうレンタル

 今日はキャプテンアメリカ4を見てきましたが言われているほどひどい作品ではないと感じたものの、確かに見せ場やテーマ性は少ないと感じました。比較的よかったのは戦闘機の空戦シーンだけど、日本がF35飛ばしているのに対し米軍がF18っていうのはなんだかなぁとは思いました。

 話は本題ですが日本はそろそろ引っ越しシーズンに入り引っ越し屋が忙しくなるころだと思いますが、先日引っ越しやと思われるトラックを見ながら「力士レンタルできないのかな」と思いました。というのも単純な力仕事なだけに力士の方がいるとめちゃ助かるのと、こういう日常作業に力士が派遣されることで世の中に力士がどんだけすごいんだということを知らしめるのに一役買うのではと思ったからです。

 いうまでもなく力士というか角界はかなり閉鎖的な世界で、一般社会がどのように成り立っているのかを知らないまま引退を迎える力士も少なくないと聞きます。また一般社会の方も関係者を除くとなかなか力士と触れ合う機会がなく、お互いに隔絶された状況にあるのではないかと思え、そうした隔たりを解消するためにも力士専門の労働派遣を角界の広報活動の一環として置いてみるのもアリではないでしょうか。

 もっとも現役の力士ともなると稽古もあれば取組にも出なければならず、稼働可能な日は非常に限られるでしょう。ただこの力士派遣ことすもうレンタルの場合、無理して現役力士を出す必要はなく、引退した元力士でも十分価値があります。前述の引っ越し作業はもとより、建設現場、災害復興、自治体のイベントなど力士に来てもらう需要がありそうな現場はたくさんあるだけに、元力士の方で集まってフィジカル系に特化した派遣業者とか誰か作ってほしいものです。

 まじめな話、以前にマッチョ限定の介護業者があるというニュースを見ました。社内ではトレーニング時間も設けられておりマッチョたちも自分のトレーニングを維持しながら働けるというのが売りでしたが、こうした単純に腕力が求められる業界や現場は必ずあるだけに、日本の力士普及のためにもすもうレンタルは考慮すべき話でしょう。

2025年2月14日金曜日

うなぎマスコット一族

 すでに上海に戻ってこの記事を書いていますが、日本と違ってVPNを介した回線の遅さに辟易しています。日本だと回線速度が速いからネットで調べものするときもめっちゃ短時間で終わるため効率もいいのですが、こっちだとともかくだれて気が散ります。

 そんな悪環境にもめげずに話を続けると、日本滞在中には九州地方も周り、その中には立花宗茂が治めていた福岡県柳川市も入っていました。今回ここへ行ったのは近くを通ったことと、近年彼の人気が高まっており自分自身も興味を持ったからです。
 そもそも何故立花宗茂の人気が高まっているかについて、恐らくきっかけはゲームの「戦国無双」からだったんじゃないかと睨んでいます。もともと、立花とくれば彼の養父で信長の野望で鬼つよな立花道雪の方が通りがよくこっちの方が人気も高かった気がしますが、戦国無双が女性キャラを増やすため宗茂の嫁で道雪の娘である立花誾千代(ぎんちよ)を登場させたことで宗茂の露出も増え、もともと評価の高かった武将でもあったことからいつしか誾千代を追い越す人気を得るに至っていったように思います。

 話を戻すとそんな宗茂が関ヶ原前に治め、関ヶ原後に没収され、そのあと再び支配するようになったのが柳川市です。立花家は明治維新に至るまでこの地を治め、また明治維新後も藩主別宅をホテル兼レストラン(御花)に変えて運営するなどこの地に根差しており、地元の人も立花家に対する関心は明らかに現代でも強く残っています。
 実際、柳川市を歩いていると「立花夫妻を大河ドラマに!」と書かれたのぼりをあちこちで見かけました。私自身も立花宗茂主人公なら普段あまり取り上げられない九州の戦国時代後期が舞台となるので、大河ドラマにするのにいい題材だと考えていますが。

 なおお土産屋の人に大河について話を振ったら、さも当然かのように「もちろん目指しています!」と力強く肯定されました。

 そんな具合で柳川市を巡っていたところ、お土産屋さんに奇妙なおみやげというかマスコットキャラがいるのに気が付きました。そのマスコットキャラというのも、これです。


 キャラクター名は「うなしげくん&うなちよちゃん」とのことで、柳川市にある伝習館高校のマスコットキャラだそうです。「何故うなぎに?」と誰もが思うことでしょうが、実は柳川市は「柳川鍋」という名物料理があるくらいだからドジョウばかり食べているかと思いきや、うなぎ屋が非常に多い街でした
 マジで街全体がうなぎの匂いに包まれてるんじゃないかってくらいうなぎのたれ臭く、実際どこ歩いても隙間なくうなぎ屋があり、歩いててめっちゃ腹減りました。

 そんな土地柄ゆえにこのようなうなぎとフュージョンさせたキャラクターも飛び出してくるのでしょうが、実はこのキャラを見たときに自分は別のマスコットキャラを連想していました。そのマスコットキャラというのも、これです。


 多分知る人ぞ知る、っていうか普通の人はまず知らないであろう空港のある千葉県成田市のマスコットキャラこと「うなりくん」です。

 私自身、うなりくんを初めて知ったのは去年のことで、成田市内の土産屋で最初見たときはSUICAのマスコットキャラのペンギンの派生グッズだと最初思いました、マジで。またその時になって初めて成田市もうなぎ屋が多く、JALやANA関係者は成田のうまいうなぎ屋に詳しいという事実をうちのソ連人民の敵である親父から聞きました。

 柳川市も成田市も、その市内にうなぎ屋が多いという共通点からマスコットキャラもうなぎで共通していたというわけですが、私が声を大にして言いたいこととしては「こいつら絶対親戚だろ!」という一点に尽きます。同じうなぎ同士ということもさることながらビジュアルも結構似ており、土地は違えどきっと遠縁の親戚同士に違いないと睨んでいます。
 なおその親戚には例のSUICAのペンギンも含まれているだろうともみています。あっちはうなぎじゃなくてペンギンだけど、親戚じゃないと説明できないほどにビジュアルが似通ってるし。

 ただマジな話、柳川市も成田市もともにうなぎが盛んでマスコットもこれだけ似てるんだから、姉妹都市提携などしてもっと揃ってうなぎをプッシュしたら面白いんじゃないかと思います。東西うなぎ対決しても楽しそうだし、うなぎ消費量とかで競ってみるのもありかもしれません。
 なお柳川市では朝早くに訪れすぐ次の目的地に移動したためここのうなぎ屋を試すことはできませんでしたが、次行く機会があれば柳川のうなぎを堪能してみたいと思っています。にしてもドジョウといい、柳川の人はぬるぬるしたものが好きなのだろうか(。´・ω・)?

2025年2月13日木曜日

日産、ホンダの統合破談について

 特に書くこともないのでこちらの話題に触れますが、まぁ結果的に良かったかと思いますホンダにとって。末期症状を呈している日産に比べ、経営がやや迷走気味ではあるもののホンダはまだ売れる車もあれば経営も維持しており、溺れる日産を拾う理由はほとんどありません。

 そもそも今回の統合話はホンダも嫌がっていれば日産も「対等なら考えてやる( ・´ー・`)」などと無駄に上から目線で、双方ともに率先してという態度はありませんでした。一部でも言われている通り、苦境にあえぐ日産を救済してやれと経産省あたりがホンダに働きかけたのが背景だと私も思います。

 今現在で問題なのはやはり今後の日産でしょう。日本国内はもとよりこれまでの収益の柱だった中国市場も、EV普及によって日産のシェアはこのところ激落ちくんとなっています。またEVや水素自動車などの次世代車はもとより、ハイブリッド車や従来燃料車ですらさしたる技術力がなく、むしろ子会社同然な三菱の方が軽自動車の開発力に分があるような状態です。こんな自動車会社ともなると買おうとするところがあるのかと言いたくなる状態です。

 実際に先日うちの親父とも仮に車種単位で切り売りできる分野があるか話したのですが、現行のR35GTRですら陳腐化が激しく、フェアレディZに至っては詐欺的な売り方をしており、敢えて言えば20年以上前に発売したR34GTRの意匠権とかならまだ買いたいというありさまでした。一部でも言われていますがかつてはキューブのような、それこそ今のN-BOXがコンセプトを受け継いでいるようないい車もありましたが、この10年くらいで日産でほしい車はマジで見当たりません。

 では今後日産はどうなるのか。正直言って日本国内はホンダ、三菱を除けばすでにトヨタの息がかかっているというかトヨタ陣営と言ってよく、今回のホンダの破断で提携先は日本国内にはもはやありません。では海外はどうかというとまだ5年くらい前なら中国自動車メーカーも動いたかもと思う節がありますが、現状に至っては中国も大半の自動車メーカーは息切れしており、新興EVメーカーも今更日産を買おうという酔狂なところは現れないでしょう。

 欧米メーカーに至ってはさらに状況が深刻で、VWのように下手すりゃ日産以上に厳しい状態にある会社ばかりで、今更日産と手を組みたがるところは見当たりません。現提携相手のルノーですら、内心日産の株を売りたがっているのではと思う節すらあるし。
 以上を踏まえると、なんだかんだ言いつつゴーンはいいタイミングで日産を脱出したなという感すらあります。あのままCEOを続けていれば彼の経歴に傷がついたでしょうし、退職金も得られなかったかもしれません。

2025年2月11日火曜日

英語の五文型を何故教えない?

・ 【悲報】英語の主語動詞の塊には5つのパターンがあると分かりX民騒然(暇人速報)

 上のまとめ記事で中学時代に英語の基本五文型を教わらなかったと訴える人がいますが、実は私もそうだったりします。何故か私が通ってた私立中学では英語の授業で五文型を教えず、「この文章にはこういう訳」という感じで文章単位での暗記を強く矯正する授業が行われ、単語単位から考えて文章構成を読解するというやり方を教えませんでした。はっきり言えば、あまり教師が良くなかったというほかありません。

 はっきり言って中国語の翻訳に関してはガチプロだと胸張って言える私ですが、外国語の翻訳にあたっては「All you need is kill!」など頻繁に使われる文章フレーズを丸暗記するやり方も否定しませんが、最終的には文章構成を理解し、文法ルールや要素から外国語を読み解いていく方法が勝ると考えます。何故かというと外国語は日本語ではなく、その文章を完全に日本語に転換することは不可能だからです。不可能だからこそ、どのように解釈するのか理詰めで考える必要があり、こうすることによって解釈齟齬を可能な限り縮小できると思えます。

 そのうえで上記の英語五文型について話を戻すと、この五文型を学ぶことで何が一番大きいかというと英単語の属性を意識するようになるのではないかと思います。言うまでもなく単語には名詞、動詞、形容詞、副詞、連体詞があり、これらは体言と用言の二種類に分別されます。
 五文型で言えば、Vが動詞でCが形容詞、Oが目的語となりますが、この文型の配置になぞらえることで各単語が動詞なのか形容詞なのかを自然と理解し、深く意識しなくても単語の属性とその傾向、活用の変化なども覚えていくことになります。

 そのうえでさっきの「All you need is kill!」を例にもっていくと、この文章でSこと主語にあたるものは何かといえば「All you need(お前が今最も求めれるもの)」になります。主語と言っても一単語ではなく一文節となるのですが、まじめに外国語翻訳ではどこからどこまでが文節なのかを瞬時に把握することが一番重要だったりします。
 この辺、中国語が恐らく世界で最も文節の判別しづらい言語である可能性もあるのですが、どこからどこまでが名詞節なのか動詞節なのか、「烈」という単語は動詞にかかる副詞なのか名詞なのかなどの判別がくそむずいです。

 逆を言えば、この文節の範囲を適切に区切ることができれば大きな誤訳はほぼ確実に防げ、この点では英語においても同様かと思います。この辺の感覚は単語の配列順番が非常にあいまいであっても、「~は」あの後には用言が来るなど助詞を用いることで文節を明確に区切られる日本人からすれば若干未知の領域で、文型を意識しないと気づきづらい点だと思います。

 そうした自分の経験を踏まえても、英語教育においては単純な単語を100語くらいひとまず覚えさせた後、この五文型を徹底的に教え込み、実際に文型別に英文を作成させて意識させることが英語教育であるべき一歩だと私は思います。なんか日本の英語教育を見ていると学内より学外の方が重きをなしているように見えるだけに、予備校に通わずとも英語のできる生徒を生む教師の指導とかもっと共有してもらいたいものです。

2025年2月10日月曜日

江戸時代の三大改革をこのまま教えるべきか?

 先日も少し書きましたが知人に勧められ、みなもと太郎の「風雲児たち」という漫画を今読んでおり、その内容の深さというか細かさに非常に驚きつつ楽しみながら読んでいます。もともとこの作品は「明治維新を描いて」と言われて、「明治維新を描くなら関ケ原から始めないと……」といって、十年以上にわたり関ケ原からの江戸時代を描き続け、幕末にはなかなか至らなかったという数奇な経緯を辿った作品です。

 そんな「風雲児たち」において一つの重要トピックとして、「蘭学」があります。端的に言えば医学を含むあらゆる西洋知識に対する学問研究を指しますが、江戸時代において蘭学はたびたび規制され、蛮社の獄をはじめ政治的に弾圧され多くの被害者も生んでいます。「風雲児たち」ではこの蘭学を学ぶ蘭学者を非常に大きく取り上げており、解体新書の杉田玄白をはじめ、高野長英や佐久間象山にクローズアップしています。

 話を戻しますがこの「風雲児たち(さっきからやたら「不運児たち」とミスタイプする)」を読んで改めて疑問に思ったのが、「江戸の三大改革」という言葉です。これは徳川吉宗の享保の改革、松平定信の寛政の改革、水野忠邦の天保の改革を並べたもので、江戸期に行われた政治改革運動をひっくるめた呼称であり日本でも義務教育期間中には必ず教えられるしテストにも出てきます。
 しかしこれら改革の内容を見ると、実際のところは改革とは呼べない、むしろ蘭学者たちが起こした改革に対するムーブメントを抑え込む保守回帰的な反動政策だったのが実情です。

 一つ一つ順に解説していくと、享保の改革には医学をはじめとする洋書の輸入を解禁するなど確かに改革と呼べる要素も多いです。ただ幕府財政に関しては目立った成果はなく、現実には税率引き上げによる財政補填という結果しか生んでおらず、その後の社会矛盾の種もたくさんばらまいています。

 次の寛政の改革は完全な反動政策で、松平定信の前任者である田沼意次が行った政策を否定することしかやっていません。田沼が手配した蝦夷地探検隊の責任者に横領の罪を着せて切腹させたほか、田沼が行楽地にと作った埋め立て地すら掘り返しており、ぶっちゃけこの松平定信がいなければ日本は、いや徳川幕府はどんだけ良くなったんだろうと思うくらいに余計なことしかしていません。

 天保の改革も似たようなもので、こちらは幕府権威を高めることが重視されて蘭学者を弾圧したほか、迫りよる西欧列強に対する対策も放置し、いるかいないかでいればいないほうがいいような人間が政権主導者でした。まぁそのかいあってたった二年で終わっていますが。

 むしろ上記の三大改革と比べるならば、田沼意次が行った数々の政策の方が改革としての先進性を備えており、真に改革と呼べるのは田沼の政策だけだったようにすら私には思います。もっとも彼の行った政策は浅間山の噴火によりほとんどすべてが水泡に帰し、松代定信によってなかったことにされ、唯一残った功績としては最上徳内を後世に残したくらいですが、それ一つだけでものちの日本に大きな足跡を残したように思います。

 以上を踏まえると、享保、寛政、天保の改革を「江戸の三大改革」と呼ぶどころか、改革と呼ぶことすら憚られるような内容であるような気がしてなりません。少なくとも後ろ二つは「江戸の二大失政」と言ってもいいくらいの体たらくであり、実際に二つとも徳川幕府の権威を高めるどころか下げています。そのように考えると、これらを三大改革として義務教育で教えることは逆におかしいと私は声を大にして言いたいです。
 反対に、田沼の政策は改革と呼ぶべきないようで、子供に現物経済から資本主義への経済転換を理解させるうえでも彼の行った政策を学ばせることは意義があると思います。この辺り、マジで教科書とかも書き換えてほしいものです。

2027年が中国経済の山場

 昨日は新潟に日帰りで友人を訪ねに行ってましたが、新潟より千葉のが寒い気がします。家の中だと動かないでじっとしているから余計に寒く感じるのかもしれませんが。
 話は本題ですが結論から述べると中国経済が大きな山場というか本格的などん底に至るのは2年後の2027年ではないかと密かに予想しています。

 中国の不景気についてはこれまで何度も取り上げていますが年々厳しさを増しており、いまだ底打ちしていない状況が続いています。ではいつまでこの盛り下がり傾向が続くのかが議論の的となりますが、底打ちする時期については正直まだ見通せないものの、決定的にこの不景気が一時的でなく生半可なものじゃないと中国自身が気付き、社会の各方面に年金崩壊など目に見える大きな影響が出るのは今から約2年後の2027年くらいになるのではという風に見ています。

 このように考える根拠ははっきり言って大したものはなく、ほぼ勘です。ここで述べるまでもなくすでに中国の地方、国家財政は火の車状態で、特に地方はバス運転手などの地方公務員に対する給与すら遅配するなどまともに支払えない状態となっています。それもこれも2020年のコロナ流行開始以降にロックダウンをはじめとして異様な対策費を数年間消費し続けたことによります。

 私は当初、日本も1991年にバブル崩壊が始まって1997年まで政府が景気刺激策の名のもとにバラマキを続けたことで、企業業績はともかく個人消費は拡大し続け社会景気もある程度の安定を保っていたことから、中国も不景気に転じたとしても10年くらいはバラマキで持つとみていました。
 しかし前述のように中国の財政はすでに破綻しかかっており、だからこそ去年から明確な不景気を認識しつつも政府支出の拡大など思い切った対策を打てなかったわけですが、これらを踏まえると日本のようにバラマキで命脈を保たせる手段は限られるというか、生命維持できる期間はより短くなるのではと考えています。去年に中国政府はすでに国有銀行などへバラマキを行うことを表明していますが、恐らくこういった政策はもう何度も行うことはできないでしょう。

 そのうえで、中国は根本的な対策となる不良債権処理にはいまだ手を付けていません。もし2023年の段階で不良債権処理に手を付けていれば2026年くらいには景気の上向きを迎えられていたかもしれませんが今から手を付けるとしても最低3年はかかるでしょう。
 ちなみに日本の場合は小泉政権下の竹中財政では3年で半減という目標に対し、2年半で半減を実現しています。主導した竹中平蔵氏も相当根に持っていたのか、「野党は3年でできっこないと言ってたけどね(# ゚Д゚)」と話してますが。

 以上の要素を勘案し、2年後の2027年くらいにはバラマキに使える資力も失い、今以上に大きな不景気のインパクトが中国を襲うのではないかと予想しています。今回のトランプ政権の成立、対中関税発動によってその時期はより早まる可能性ももちろんありますが、それ以上に人民元の流動化政策によってもいろいろ混乱が起こる可能性もあるのではないかとも考えています。

 こうした予想から本音を言えば自分もそろそろ中国から引き上げたいという気持ちも既に抱いています。実際この2年間に自分の給与は一切変動がなく、かつては毎年のベースアップが当たり前だった時代はもう来ないともみており、変動があるとしても下がる一方だろうとかなり悲観的に予測しています。
 とはいえ今いる職場には恩義もあればやるべき仕事もあるため、実際にすべて放り投げてやめるようなことはさすがにできません。可能ならば自分の代わりに若い子を入れて業務が回るような体制をこしらえてから去りたいものですが、一体いつになることやら┐(´д`)┌ヤレヤレ

2025年2月8日土曜日

完全に逆転した日中のデパート人出

 前回記事で書きそびれましたが先週訪れた大阪梅田の阪急デパートですが、平日にもかかわらず大賑わいな人出で密かに驚いていました。ここに限らず大阪周辺ではドコモ人でごった返していて傍目にも景気が良く、万博準備の影響かもしれませんが東京以上に景気がいいように感じました。

 話は阪急デパートになりますが、ここに限らずこの1ヶ月デパートやショッピングモールなどの商業施設ではどこも人で溢れていて、密かに驚いていました。平日昼間でも喫茶店では主婦層らしき女性らによって満席でなかなか座れず、販売店の方でも多くの人で賑わい、一体何故これほど客が来ているのに日本人は好景気だといわないのかが余計不思議に感じました。
 それと同時に十年前と完全に逆転したというか、日中で商業施設、特にデパートの人の入りようが現在また正反対になっているということも痛感しました。具体的には、現在中国のデパートではあまりにも客が来ず、閑古鳥が鳴いて閉鎖するところも少なくありません。

 十年前であればこの状況は逆で、日本はまだ中国人の爆買いブームが起こる前でどこのデパートも売上の落ち込みが続いており、「消えゆく業界」などと語られていました。反対に中国は経済成長を追い風にデパート、ショッピングモールともにどこも大賑わいで、私も十年前に日本のデパートを訪れた際はこんなにも人がいないものかと中国とのギャップに驚いていました。

 しかし現在はその状況は完全に逆転しています。外国人観光客も多いとはいえ前述の阪急デパートでは日本人客も少なくない、というより大半を占めており、下手な観光地よりは中国語などの外国語はあまり耳にしませんでした。
 ちなみにその前々日に訪れた奈良で利用したタクシーの運転手は、「今日の奈良公園は絶対日本人より外国人のが多かった」と話していました。

 話を戻すと、以上のように活況を呈す日本と違って中国では、比較的建設から日が浅いショッピングモールはまだ別ながら、古くなったショッピングモールやデパートではマジで人が来なくなり、テナントが入らず空いたスペースがあちこちにあって目立ち続けています。こうした状況は中国の近年における不景気も大きいでしょうが、それ以上に要因としてでかいように思うものとして、異常に発達してしまったネット通販ことECショッピングの影響があると睨んでいます。

 日本でもECはもはや一般的で、二十年前と比べるなら利用したことない人はもはやほとんどいないといっても過言ではありません。しかし中国では日本以上にECが発達しており、送料も消費者負担はほぼゼロという手軽さもあり、マッチ一本買うのにもネットを使って自分でお店に買いに行かないという人も珍しくありません。
 ちなみに私がネットで買うのはUSBハブなどPC周辺機器が一番多いです。日本だと2000円以上はするUSBハブが中国だと500円くらいで気軽に買えるのと、あんまり場所取らず収集できることから同じ機能の周辺機器を何故かやたらと買い込んでいます。

 また話を戻すと、何となくこの以上に発達したEC社会によって、中国の実体小売はもはや成り立たないくらいにまで苦境に追いやられているのではないかというように見えます。商品だけでなく食材や調理済み料理まで中国はスマホ一本で注文でき、お店へ行って買い物するという人がマジで日本と比べると少ないです。それこそ、いろんなお店を回って商品を吟味するような人となるとレアキャラとなってくるでしょう。

 日本のデパートが現在のように今後も活況を呈するかはまだわかりませんが、中国に関しては今後もずっとデパートには人が戻ってこないような気すらします。そう考えると、中国政府は個人消費を促すため現在あれこれと手を打っていますが、それらの政策はECの異常発達によってあまり奏功しない可能性があります。それ以前に、個人消費がネットに集中し過ぎて外出→電車→商品購入→外食などといった外出によって連鎖的に生まれる消費も発生しづらくなっているかもしれません。まぁ昔の日本もデパートに人いなかったんだから、あまり人のこと言えませんが。

2025年2月6日木曜日

統計情報を報じようとしない日系メディア

名目賃金は28年ぶり高水準、所得環境の改善続き日銀正常化を後押し(ブルームバーグ)

 昨日何気なく、中国の検索エンジンの百度で「日本」というワードでニュース検索したところ出てきたのが、上の記事でした。記事内容を引用すると、2024年12月単月の名目賃金上昇率は1997年以来28年ぶりとなる4.8%増という高水準を記録したとのことで、市場予想(3.8%)を上回っただけでなく、実質上昇率も0.6%増を記録し、着実にデフレから脱却しつつある傾向が報告されています。ただこれはブルームバーグの記事であり、日系メディアはほとんど報じていません。
 近い報道としては、下の読売の記事だと思います。もっともこっちは年率データに重きを置いているけど。ちなみに賃金上昇率に関しては、年単位の前年比データより月単位の前年同月比データの方が重要であることは常識だと、私は思うのですが……。


 この賃金上昇率のデータは少なくとも、テレビメディアでは全く取り上げられていなかったような気がします。寒波のニュースがトップに来るのはまだわかりますが、それでも二番目くらいにこの賃金データも取り上げられるべき重要度だと私は思うし、中国では実際それくらいの扱いなのですが、何故だか日本では取り上げられません。
 もっともこれに限らず、統計に関するニュースは何故だかほとんど日本では報じられません。冒頭に書いているように私は今回のニュースを中国の報道で初めて目にしており、なぜこんな重要な情報を日系メディアが大きく報じようとしないのか、いろいろ暗澹たる気持ちにさせられます。


 ただ統計データの中でも、上のリンク記事のように倒産件数だけはほぼ毎月目にします。上の記事のようにこの半年くらいの倒産件数は毎月「大幅増」という見出しとともに報じられているのですが、私は逆に何故このデータしか報じないのかといつも疑問に思っています。
 それは何故かというと、企業の倒産件数は増えているのに失業者は減っているからです。


 上は統計局の雇用・失業率データですが、このところ失業率は右肩下がりに減っており、2024年12月も前月比0.1ポイント減の2.4%と好調な数字を見せています。
 当然ながら企業が倒産すれば一人社長企業を除き失業者が発生します。なので企業倒産件数が増えていれば失業者が世にあふれるはずなのにさにあらず、是は如何にという話になってくるのですが、私が見る限り日系メディアでこの両データを組み合わせて言及している人はまだ見たことがありません。

 結論から言えば、「倒産によって発生する失業者数<既存企業の新規採用数」という構図が今の状況です。言うまでもなくこれは好景気であることを示すサイクルで、効率の悪い企業が市場から淘汰され、より効率のいい企業へ労働者が移っているともいえるかと思います。このサイクルが続けば経済的にも非常にプラスであるだけに、倒産件数が増えているということは別に何の懸念でもないでしょう。

 しかし倒産件数のニュースはほぼ毎月見るものの、失業率というか雇用統計については自分がこうして統計局行かないと見ることができませんでした。以前からも同じようなことを話していますが、何故日本のメディアはこれほどまでに重要な経済統計をあまり報じようとしないのか、また複数のデータを組み合わせて分析しようとしないのか、10年前から何も変わっていません。
 経済というのは市井の声も大事ですがそれ以上に統計の方が先を見るうえでもっと重要です。にもかかわらず適当な街角の反応で「物価が高くて辛い」などと念仏のようなインタビューばかり報じ続け、今回私が日本にいる間に「日本は今好景気だ」と言っている人は誰もおらず、私一人でさながら狂人のごとく唱え続けるばかりでした。先の失業率のデータを前にして、何故日本が今好景気だと誰も言わないのかと話しててこっちが気が狂いそうです。

 愚痴っていてもしょうがないですが、もう少し日本人は科学的、客観的に世の中を見るというか考える人間が増えてほしいです。印象論だけで議論しても意味なぞないのだし。

2025年2月5日水曜日

大阪市中心の再開発主導者は誰なの?

 また昨日まで関西地域を旅行し、奈良では定宿としている奈良ロイヤルホテルに泊まりました。ここが安くてお得なのはせんとくんなら知っている。

 この旅行中、関西に住む友人より大阪市の中心地を南北に貫く御堂筋が再開発できれいになっていると聞き、勧められるままに本町から梅田に至るまでの道を歩いてみました。友人の言葉通りに以前来た時よりも御堂筋はすっきりとしていて歩きやすく、たまに歩道を逆走する形でしかもスピード乗せてくる電動自転車を除けば散歩していても楽しく、何故かあんま足も傷みませんでした。
 ちなみに前日はまた日本人よりも絶対中国人のが多いエリアとなっていた兵庫県の有馬温泉付近を訪れていましたが、ここのアップダウンで坂道を下るときのブレークで普段使わない筋肉を使ったのか、左ひざの部分だけ筋肉痛を起こしました。自転車に乗っているから足の筋肉痛はこれまでほぼ起こったことなかったのに……。

 話を戻すと御堂筋のビルを見ていると、上階に比べ1~2階だけ内側にえぐれたようにへこんでいるビルを多く見ました。改装中のビルもそのようにというかえぐるように改装しており、恐らくこれは意図的な処置ではないかという気がします。1~2階部分がえぐれることによって人が歩ける道路沿いの浦東スペースは広がるし、また上階との幅の違いで建物には立体感が生まれるし、歩道を右折左折する車も見通しが良くなっているのではないかと思え、誰が指示しているのわかりませんがよくこんなこと考えたものだと思います。

 この御堂筋に限らず、大阪の梅田周辺はこの十年間で大きく様変わりしたというか再開発が続けられています。でもって、その再開発の結果について誰もが「前より良くなった」と評価しており、私も同じく高く評価しています。
 それこそ私が京都で学生していたころは梅田はマッドシティほどとは言わずともごちゃごちゃしており、特にJR、阪急、阪神が乗り合う梅田駅周辺は土地感覚もないためよく迷うし、道路広いし、車多いしであんまいい印象を持っていませんでした。それが梅田駅で再開発が進む、具体的にはヨドバシカメラ梅田店ができたあたりから歩道や地下道が整備されていき、地上付近もランドマークができてわかりやすくなり、見違えるように歩きやすくなった印象があります。

 前述の御堂筋といい、恐らく大阪市役所内でこの再開発を企画から主導している人がいるのではないかと思いますが、誰かとはわからないもののマジでプロジェクトXに出てもいいんじゃないかっていうくらい有能な人である気がします。可能ならばその再開発のノウハウを広く共有するとともに、マッドシティこと松戸市の再開発にも携わり、トラムを通してもらいたいものです🚊

2025年2月3日月曜日

中津市民の黒田官兵衛に対する評価

 先週九州を旅行した際、中津唐揚げでおなじみの大分県中津市を訪れました。何故ここを訪れたのかというとこの旅行の直前に知人に勧められ漫画の「風雲児たち」を読んでおり、この漫画に出てくる解体新書の前野良沢が中津藩士であったことを知り、興味を持ったからです。
 なお中津藩士にはこのほか福沢諭吉もおり、何かと学者を輩出する藩だという印象を受けます。

 この中津で訪れたのは福沢諭吉の旧居はもとより、一番の花形でもある中津城にも行ってきました。中津城自体は創建当時のものではなくその後に再建されたものなのですが、比較的建物がコンパクトで展示内容も分かりやすく、解体新書だけでなくこの中津城の位置取り、建設を行った黒田官兵衛や、その後に明治まで中津を治めた長篠の合戦で長篠城を籠城していた奥平家の具足なども展示してあり、あまり知名度は高くないとは思うものの見ごたえのある展示でした。

 今さらりと触れましたが、この中津の支配者はそこそこの変遷を辿っています。秀吉の九州征伐の後に最初に収めたのは黒田官兵衛ですが、黒田家は関ケ原の合戦の働きにより加増の上で福岡へ転封しています。その後は細川忠興が一時治めるも彼も熊本へ転封となった後は間に小笠原家が治めた後、前述の奥平家が中津を治めそのまま明治維新まで続きます。

 そのため中津の人たちからすれば殿様とくれば奥平家とのことなのですが、最初に中津へ入り、その基盤を作った黒田官兵衛についてどう思うのかと中津城の受付の人に何となく聞いてみたのですが、

「黒田家は中津に入って地元の豪族を騙し討ちにした連中なので、あまり好きじゃなかったりします(;´・ω・)」

 という、ちょっと意外な回答が返ってきました。
 この豪族というのは城井鎮房のことで、なかなか黒田家の支配に素直に従おうとしなかったことから黒田長政が酒宴にかこつけて呼び寄せてだまし討ちにして殺しています。またその父親の城井長房も、一揆勢と戦っていた黒田官兵衛に従軍していたところ陣中で殺されており、その後怨念の噂が立つなど血なまぐさい粛清が行われています。

 言われてみると確かにそうというか、中津の人からすれば地元の人を粛清するだけしてすぐに任地を変えて出て行った存在だと黒田家を見ているようです。そのまま中津を治め続けていれば話は別だったでしょうが、以上の顛末を見るに中津の人が黒田家を好ましく見ないのも自然なことでしょう。

 なおこのほか中津市はちょうど福岡との県境にあるので帰属意識はどうかとも尋ねましたが、その辺はやっぱり大分県にあると答えられました。我ながら妙なことばかり聞いてた気がします。

2025年2月1日土曜日

すずめ増えてね?

 今週は朝早くから漫画喫茶に入り浸って関心はあるけど単行本を買うほどではない漫画を読み漁っていました。具体的には、

・推しの子
・送葬のフリーレン
・戦隊大失格
・創世のタイガ

 以上の漫画を読んできましたが、この中だと「送葬のフリーレン」が白眉でした。時間の流れを読者に感じさせるあの構成は見事な気がします。

 そんな感じの日々を送っていますが、朝早くに自転車こいでるときにふと雀が増えているような感覚を覚えました。かつて、具体的には自分が子供だった頃は朝早くからチュンチュンなく雀の声をよく聞きましたが、大体00年代の中盤あたりから急激に減り、当時の報道でも人里を好む雀が何故減っているのかわからないという学者の意見が出されていました。
 推測として考えられる理由としてはカラスやハトなどの増加によって雀が追いやられたなどがありますが未だ詳細は明らかでなく、中国と比べても日本は雀を見る機会が少ないのでこのままいくともう見られなくなるのかなとも一時期は感じていました。

 それが今回、日本にいて朝早くに自転車乗っていると道路にたむろする雀を見る機会が以前と比べ多くなりました。もっとも朝方だけで昼日中に見る機会は少ないのですが、かつては全く見られなかったのと比べると自分でも驚くくらいの変化で、実際はどうだかわかりませんが雀が増えているような気がします。
 仮に増えているとしたらその理由はなぜか。やはり一番可能性を高く感じるのはコロナ期間で、この間に外出する人が極端に減り、現在もコロナ前と比べで歩く人が少なく、この街中における人の往来の減少が影響を与えているのではないかと推測しています。この辺、鳥類学者の意見とかも聞いてみたいですが、いないよりかはいたほうが雀はいいように思うのでこのペースで増えていってくれればと密かに思います。

 その一方、以前からも書いていますが日本のカラスの多さとでかさにはこっち来るたびに驚かされます。マジな話、上海でカラスを見る機会は一切なく、鳴き声すら聞いたことがありません。なんであんなでかい鳥が人におびえることもなく闊歩している姿には恐怖を感じます(;゚Д゚)

2025年1月30日木曜日

松戸市胡録台のトラムルート案(ヨーカドー突入ルート)


 いよいよ第三回目となるこの胡録台にトラムを通すという謎企画。九州の立花家とかほかに書く話を差し置いて連投を続けるこの企画ですが今回が最後であり、且つ本命です。

 このトラム導入案を最初に打ち出した時、私は胡録台を縦断するトラムがそのまま陸橋で松戸駅と接続しているイトーヨーカドー松戸駅東口店(プラーレ松戸)にまでたどり着ければ、あとはヨーカドーを通ることで駅まで簡単にたどり着けられるはずだと提唱しました。実際、実現性は無視してこの接続の仕方が最も理想的であり、且つ乗客の利便性にも資すると考えています。
 前回では最大の難所である6号線突破という観点からルート設計を行いましたが、今回は上記観点こと何が何でもヨーカドーに接続させるという見解からルートを設計します。


狙ったわけじゃなかったものの聖徳大学のバスが映り込んでた

 まず6号線からヨーカドーへの接続ですが、結論から言えば2種類のルートがあります。一つは上の写真にある岩瀬交差点からそのまま道路伝いにヨーカドーへ突入するルートです。地図で見ると以下の通りとなります。


 一見すると細い路地を結構な距離を走るように見えますが、この路地付近は学校や幼稚園が集中する文教区であまり一般車が入ってくることはなく、トラムを通すことに意外と阻害要因は少なかったりします。道路幅がやや狭い個所もありますが周辺が学校や公共施設ばかりなので広げようと思えば広げられないわけではないように思え、実はかなり好条件が揃っています。
 これだけ見たらもうこのルートで決まりじゃんと言いたくなりますが、実はかなり大きなマイナスポイントも存在します。それはどこかというとこのルート上ではなく、このルートへ至るまでの過程です。


 今回のトラム導入案では胡録台を東西に縦断する水色のラインをトラムが通らなければほぼ意味がありません。その水色のラインから先の文教区のルート(紫色のライン)に乗せるためには6号線を一度左折してしばらく進んだ後を右折しなければなりません(黒色のライン)。
 距離としてはそれほど長くありませんが、交通量の多い道路を二度旋回することはトラムの速度や運用効率に大きく落とします。また6号線をトラムが走ることにより、この道路を走るほかの車両にも影響を及ぼし、渋滞を引き起こす可能性も否めません。

 ならば紫のラインを直線で跨ぐように、トラムを先に迂回させたらどうかとも言いたくなりますが、紫ラインに直線で乗る迂回路はありません。あの交差点付近は密集した住宅街で道路幅は非常に小さく、トラム自体が入り込むことが不可能なほどです。やはり6号線が最大の難所です。

 正直言ってこの6号線問題さえなければ本気でトラム導入を考えるべきだと大手を振って訴えたくなるほどこのルートは条件がそろっているのですが、6号線に入ってしまう問題からプッシュしきれなくなりました。極端な対策としてはトラムが入り込む部分のみ6号線の道路を拡幅するという手段もありますが、あまり現実的ではないでしょう。

 ではもう一つの突入ルートはどうか。ルート案はこちらです。


 こちらのルート案における先の文教区ルート案との違いを挙げると、こちらも6号線に乗っかるものの交差点を斜め方向に縦断するため、6号線上を走行することはほとんどありません。そのうえで、その先の道なき道を爆走した挙句、聖徳大の敷地を縦断してヨーカドーへ突入するルートとなっています。

主要幹線道路から左折する6号線交差点

聖徳大ルートへと向かう方角(赤い丸付近)

 6号線から聖徳大へ向かうルートですが、6号線から先にはいくつか住宅があり、空き地というわけではありません。ただほかの区画と違って住宅が密集しているわけではなく、空余地もやや存在することから、比較的に言って買収立ち退き交渉がまだしやすい場所だと感じました。
 無論これは自分の勝手な憶測にすぎず、関係住宅権利者や住人の方には大変失礼な主張をさっきから展開していることを深くお詫びします。あくまで一つの構想として大目に見てもらえるとありがたいです。

ヨーカドー5階にある聖徳大への連絡出口

 話を戻すと、6号線への影響を最小限に聖徳大へと向かう道路へといったとしても、ヨーカドー前へたどり着くことはありません。しかし仮に聖徳大の敷地を踏み越えられるならば、もともとヨーカドー内に聖徳大正門前への通用口が5階に用意されていることからも、ヨーカドーを経由して松戸駅へ行くという構想に最適なルートとなります。
 もっとも、実際に聖徳大の中に入って敷地見たわけじゃないですが、さすがに大学内にトラムを入れるとなったら聖徳大も抵抗があるだろうし、途中で建物が絶対立ちふさがると思います。こうした点も考えるとこのルートも実現性低そうですが、それでもほかのルート案に比べたら私は一番実現性が高いと感じます。

 このように考える理由としては以下の通りです。

・胡録台からヨーカドーまで最も直線的にたどり着けるルート
・トラムが敷地に入ることで聖徳大も一部恩恵がある
・ヨーカドーも胡録台から消費者を引き込める
・6号線突破にあたっての用地取得がほかの案に比べ難易度が低いように思える
・ヨーカドーと聖徳大の間に空き地が意外に多い

 最後の項目は今日野田の東京理科大まで行ってから松戸まで自転車で来た際にたまたま気が付いたのですが、なんか聖徳大の横付近にもう誰も住んでいない廃墟団地が存在しました。中に入り込めないので地形配置をいまいち把握できなかったものの、もし条件が揃えばこの廃墟跡地へトラムが乗り込むことで聖徳大に入らなくても、ヨーカドーと接続できる可能性もあるような気がします。
 っていうかあれだけの用地なら、トラムの車両基地としても十分使えそう。

 こんな感じで、胡録台と松戸駅をつなぐトラム案について今回いろいろ検討してみました。検討を終えてみて気が付いた点として、なんでこんなこと急に思いついたのかというとこの前に「キングダム&キャッスル」という中世の街づくりシミュレーションやったせいなのではないかという事実にようやく気が付きました。
 とはいえこういう風に「どうすれば街はよくなるのか」という視点を持つことは、やっぱ大事であるような気がします。実現性を抜きにしてもそうしたアイデアからまた別の実現性を備えた案が出てくるかもしれませんし、何より街に対する愛情も増してきます。

 今回自分が出したこのトラム案も、トラムと言わずバス専用レーンとしても検討することができる気がします。バス専用レーンを設けたり、ルート上の一部道路を一般車立ち入り禁止にするだけでも交通の利便性は高まると思うだけに、若干失礼な表現も含まれていることを承知しつつもこうして記事としてまとめ上げることとしました。

 にしても今日ヨーカドーのクロックハウスで何故か腕時計買ってしまったよ( ´Д`)=3 フゥ
 前から腕時計新調したかったとは言え、トラムのことを検討していて松戸への愛着高まっていたから変に散財してしまったよ( ´Д`)=3 フゥ

2025年1月29日水曜日

松戸市胡録台のトラムルート案(ニトリ・ヤマダ電機ルート)


 相も変わらず松戸市民にしか刺さらない松戸駅東側にある胡録台へトラムを通すルートの検討記事です。前回記事では胡録台を縦断する幹線道路にそのままトラムを通す案を検討しましたが、結論から言えば駅前まで到達するには道路幅の狭い坂を経由しなければならず、しかもその先にある線路を跨ぐ陸橋付近は渋滞の頻発地点であり、トラムを通すことにより渋滞が悪化する懸念からあまりいいルートではないと判断しました。

 そもそもこのトラム導入案における最大の難所は、前述の坂の手前にある、上記地図で言えば真ん中よりやや左側の黄色い南北線こと国道6号線でしょう。主要道路であることからそもそもトラム縦断すら許してくれない可能性もあるうえ交通量も多く、ここをいかにスムーズ且つ影響なく通すかが最大の論点になってきます。
 そこで先日の実地参観では、直線ルートは前述の理由からほぼ難しいとすぐ感じたため、この6号線を突破することのみを考慮したルートも検討していました。結論から書くと、以下のような迂回ルートが6号線突破においては最適案じゃないかと考えます。

青色が本線、緑色が支線

 以上が、6号線突破に特化したトラムルート案です。件の6号線突破箇所ですが、上の地図ではトヨペットの下部分で、より詳細な地図だと以下の通りです。


 見ての通り、6号線の突破箇所となるのはニトリとヤマダ電機の間を通った先にある小道です。実際の現場写真もあります( ・´ー・`)

交差点の南側から見た光景(右手前にニトリ、右奥にヤマダ電機)

ルート案上にあるニトリとヤマダ電機間を通る小道

ニトリ

 ルート案にあるこの細い小道ですが、すぐ近くに大きな交差点と信号があり、その信号と連動させてトラムを通すようにすればさしたる6号線交通の阻害をせずにトラムを通せるのではないかと思います。またこの小道は迂回路も作りやすく、トラム専用道路としてしまうことも可能じゃないかと思います。そして何より、この小道を超えた先が胡録台特有の高低差を攻略するうえでカギとなります。

小道の先にあるやばい坂(左側には公園)

 上の小道を通った先にはこの写真のように、大きな高低差のある坂、というよりほぼ崖みたいなところに出ます。写真の左側には歩行者や自転車が下るための坂の遊歩道がありますが、高低差はかなりきついです。
 ただこの下は写真にある通り公園や駐車場などとなっており、比較的用地の融通が利きやすいように見えます。高低差は確かにありますが、盛土を施してなだらかな坂とすることでトラムを通すこと自体は可能であると感じられ、この坂をトラムが突破することこそこの計画の柱でもあるだけに、非常に可能性の感じられるルートだと私は思いました。

 ただこのルートは6号線突破においては最良だと思うものの、ルート事態にいろいろ問題があります。


 上は最初の地図ですが、見ての通り本線となる青色のルートは胡録台にかすってしかいません。メインとなる胡録台の住人が使うには外れたルートで、その点で利用者の規模でマイナスとなってしまいます。
 もっとも、中央署から6号線へと至る道はここも結構激しい坂で、なおかつURの団地など戸数の多いマンションが南東側にかなり集中して建っています。この辺の住民も激しい坂のアップダウンに苦しんでいるであろうと考えると、トラムが通ればその利便性は大きく高まることが期待されるため通す価値が全くないわけではないですが、難しいところです。

 ならばこの青いルート本とし、当初の直進ルートを支線として引いてみてはどうかというのが緑のラインですが、ぶっちゃけこれだと運行管理が大変になるだろうし、また複線でトラムを通すのは難しいことを考えると運送効率も大きく落ちてしまうでしょう。そのためこの支線案はほぼ実現不可能で、主要目的である胡録台の住人が恩恵を受けないという本末転倒な事態となってしまいます。

坂を下った先にある松戸駅南までのルート

 また前述の坂を下った先のルートも問題ありありです。上の写真のようにこのルートの道路は幅が狭く、また戸建て住宅がかなり密集して建っています。住人の立場に立つなら騒音にもなるだろうからトラムなんて通してほしくないだろうし、また無理やり通す場合でも一般車は通行禁止などの措置が必要となります。
 またそうまでして通したとしても、最終的にたどり着く終点は松戸駅からかなり南にある地点が限度です。ここから松戸駅へ向かうにしても依然距離があり、なおかつこの付近も道路渋滞がいつも激しく、そこへトラムを入れようものならマジで交通マヒを引き起こしかねません。

 以上をまとめるとこのルートの以下の通りです。

  メリット
・6号線を大きく阻害せずに突破可能
・高低差を克服できる
・281号線沿いの住人に大きな恩恵をもたらす

  デメリット
・胡録台に住む多くの住人に恩恵をもたらさない
・6号線より先の道路にトラムを通すことはほぼ不可能
・終点が松戸駅から離れている

 こんな感じで、はっきり言えばこのルートは先の直進ルート以上に実現不可能だと言わざるを得ません。にもかかわらず何故こんな写真とともに紹介したのかというと、やはり281号線沿いの住人にも松戸駅までの交通手段が必要だと感じ、トラムと言わずバスとかでもっと運航できないものか、そのルートを考える一助になればとの思いからです。正直言って胡録台以上にUR団地の住人は松戸駅から切り離されており、あれだけの戸数を考えると商圏を無視できない存在に思えます。でもって、目の前の坂は相変わらず急だし。

 個人的にはニトリとヤマダ電機の間にある小道とその先の崖に至るルートはいじくりようがあるというか改善ポイントがあるように思います。残念ながらトラム用のルートとしては使えないものの、何か別の方策で活用してもらいたいものです。
 そんなわけで、最後となる次は本命ともいえる聖徳大突破ルートを紹介します。