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2025年7月14日月曜日

中国でBL狩りが始まった?


 本題と関係ないけど上の商品を見て、「何故自分はこの正四方形の物体を見て猫だと認識できるのだろう?」と数日間悩み続けた挙句、60元(約1200円)するけど買ってしまいました。私の好みは置いとくとして、この形にデザインして売ろうと思った人はかなりすごいセンスしてると思う。

【地獄絵図】中国当局、BL狩りを初めてしまい死屍累々(暇人速報)

 以前JBpressでも中国のBL市場について少し触れたことがありますが、マジでシャレにならないほどでかくなっているというか、上海市内でも明らかに腐女子ご用達と丸わかりな店とか増えてます。そんな矢先に上記リンク先のBL狩りのニュースで、この記事を見たとき何故か自分の頭の中に「黄巾の乱」という単語が浮かびました。マジで意味わからねぇ(´・ω・)

 このニュースについて、聞いてもないのに「最近二人乗り戦闘機パイロットのBL小説読んだの(*^▽^*)」と報告してくる中国人女性の友人にコメントを求めたところ、摘発されたのはBL小説を書いている作家たちで、大した収入も得ていないのにみんなのためにBLを書いてくれていた人たちを捕まえてひどいという感想を述べてくれました。
 なお中国ではBL漫画は現在ほぼ完全に禁止状態であり、餓えたBL女子たちはBL小説でしかその欲求を満たすことができないそうです。なおこの友人は日本の大阪に渡航する前、「どこに行けば日本産のBLを仕入れられる(。´・ω・)?」と真っ先に自分に聞いてきたので、とりあえずアニメイトを教えておきました。

 そもそも何故中国政府はBLを摘発するのかですが、「自然に反する感情や行為」だからだそうです。恋愛感情は男女間にしか芽生えず、それを同性間で持つのは非自然的であり存在してはならないという、最近のLGBTなぞなんぼのもんじゃいと言わんばかりに全否定しており、こうした輩が中国国内に存在すること自体にかなり否定的です。
 とはいえ、上記の通りBLファンは結構根強く存在しており、「実事求是」の精神はどうなのと若干尋ねてみたいものなのですが。

 逆にというかBL先進国である我らが日本からすれば、なんでこんなに感情的に摘発しようとするのかやっぱ不思議に感じてしまいます。蓼食う虫も好き好きというしそういうのが好きな人がいるなら、社会に迷惑をかけない範囲なら好きにやらせりゃいいじゃんと思うのですが、どうも中国政府の人たちは頭固いのかわざわざ労力かけてこうやって摘発する当たり存在すること自体許せられないようです。
 同じような理由で中国はいまだにポルノにも厳しいのですが、この辺を先ほどの「自然に反する感情や行為」という主張と比べると、ポルノに厳しい主張というか根拠がややあいまいとなってぐらつき、単純に政策指導者が気に入らないから規制しているに過ぎないというのが私の見方です。

 なおそれに絡めていうと、日本ではポルノの規制が緩いから少子化が進むと主張する人がいますが、日本よりも厳しい中国でも日本よりハイペースで少子化が進んでいることを考えるとその主張はやはり間違っている気がします。この辺、さらに米国とも比較すればより顕著でしょう。

 最後に今回話を聞いた中国人の友人とはそのあと、「日本もBL特区みたいなの作ってこういう摘発から逃れたい人を集めりゃ人口問題も解決するのにね(´・ω・)(・ω・`)ネー」といったことを駄弁ってました。

2025年7月13日日曜日

争点無き参院選

 ピーク乗り越えて緊張感抜けたからか一気に疲れが来て今日も寝たきり雀で過ごしていましたが、参院選は争点が全くなく、下手すりゃ都議選とかの方が盛り上がってたするくらいなので、多分自公が地滑り的に勝つんじゃないかと思います。

 ニュースでは外国人政策が取り上げられることが増えてはいるものの、正直無理やり作ったようなトピックに見え、そこまで有権者に響いているようには見えません。第一、排外主義を強めた結果がどうなるのかは今の米国みてりゃわかるだけに、この手の議論に乗っかる理由はあんまないと思います。
 唯一トピックになりそうだったのが外免切替こと外国人の自動車免許切替問題くらいでしたが、これも厳格化が施行される運びとなったので争点化できずじまいです。それこそ米価高騰が今も高止まりし続けていたらこっちが最大のtピックとなっていたでしょうが、あいにくこちらも下落傾向が続いており、有権者の要望でもあまり米価対策が見えないあたり争点とはなりませんでした。

 じゃあ一体この参院選の争点は何なのか。結論から言うと議席数そのもの、つまり今後の国会での発言権しか争点になってない気がします。こうなったのもある意味石破政権のおかげというか、野党は下手にここで自民の総裁が切り替わるよりかは人気のない石破政権が続いてほしいと願っており、なんか打倒自民というとか打倒石破政権みたいなスローガンが聞こえず、批判もやや小さいなって印象お受けます。

 今回に限らず争点のない選挙は今に始まるわけじゃないですが、報道などの反応見ている限りでは本当に投票先がなくて困っている有権者の方が多いような状況で、無投票率がまた高まる気がします。まぁ政党も論点ないんだから、無投票率高くてもいいんじゃないかと自分は思いますが。
 個人的には自民乙はもっと外交をアピールした方がいいと思います。関税問題がケリつかないのは日本政府のせいじゃないし、USスチール問題だけでもまとめたのは十分評価に値します。

2025年7月12日土曜日

井伊直弼の最大の失敗ムーブ

 また例によって「風雲児たち」を読み返して幕末を調べなおしていますが、「どうすれば幕府を延命できたのか」という視点に立って色々考えてみると、

・公武合体を進めるべきじゃなかった
↑↑↑
・日米通商条約の締結勅許を朝廷に求めるべきじゃなかった
↑↑↑
・14代将軍を家茂ではなく慶喜にすべきだった

 などなどとなっていき、結局は井伊直弼を大老にすべきじゃなかったに行き着くことが多いです。彼自身は幕府の権威を再び高めようと色々努力しましたが、結果的にそれは空回りし、最後には自分が暗殺されることでその権威を大きく貶めてしまっています。極論を言えばあの時点で大政奉還に近いような政策を採り、公武合体は推し進めず雄藩連合のみ成立させておけばまだ徳川の時代がまだしばらく続いたでしょう。
 それだけに、本人の意思とは裏腹に幕府崩壊を早めた井伊直弼は典型的な「やる気のある無能」だというのが自分の評価です。あんまほかの人は言わないけど、彼がやろうとした公武合体こそが徳川幕府にとってかなり致命的な一打にもなっているし。

 そんなやらかしまくっている井伊直弼ですが、敢えて彼の事跡の中で最大の失敗ムーブを挙げるとすれば、自分の中では安政の大獄における吉田松陰の処刑であるような気がします。一体これは何故かというと、長州藩を倒幕に回しているからです。

 安政の大獄では吉田松陰に限らず数多くの人物が捕縛、処刑されており、中でも水戸藩が最も弾圧を受けたほか、越前藩もその指導者であった橋本佐内が処刑されています。しかし、水戸藩も越前藩も徳川親藩であり、これらの弾圧によって井伊直弼個人へのヘイトは高まり、後の桜田門外の変につながってはいるものの、両藩ともに親藩ゆえか倒幕にまで頭が回ることはありませんでした。
 一方、吉田松陰の出身である長州藩、特に彼の門下である松下村塾出身者はその処刑をきっかけに、明確にその意識を尊王攘夷から攘夷倒幕へと変えています。長州藩は外様であるだけでなく、元々関ヶ原の戦後処理で辛酸をなめさせられていて倒幕意識がかねてより高かった藩なだけに、松陰処刑による倒幕意識の高まりがかなり影響した気がしてなりません。それこそ仮に松陰を処刑しておかなかったら、第二次長州征伐自体起きなかったかもしれません。

 もっとも松陰自体がこうした展開を狙い、安政の大獄で敢えて自ら処刑されようと動いた節があります。知ってる人には早いですが、彼は井伊直弼がターゲットにした梅田雲浜と長州で会っていたことから出頭命令が出たものの、雲浜とは本当にあっただけでそんな交流はありませんでした。そもそも長州の一軍学者なだけに尋問する側もそんな期待してなかったそうですが、ここで松陰は何を思ったか、自ら幕府老中の間部詮勝を暗殺しようとした計画を自白し、これが原因となって死刑判決を受けています。
 また仮に死刑とならなくても、密航をはじめ過激な行動を繰り返していた松陰なだけに、生き残ったとしても何かしらやらかして藩論を倒幕へと変えていたかもしれません。そう考えると、「処刑しようがしまいがどっちも同じじゃんか(;´・ω・)」と思えそこまでの失敗ムーブじゃなかったかもと逆に思いなおしてしまいます。まぁ長州を敵に回したっていうのが、直弼の失敗ってことで話まとめます。

 あと関係ないけど、井伊直弼の肖像画の顔ってなんか石破総理に似てる気がする……。

発展途上国支援をすると逆に恨まれる

 また暑いので例によって朝から映画館言って「スーパーマン」を見てきました。全体の感想としてはテンポよく俳優の演技も十分で、ストーリーも比較的単純なので子供でも十分市長に耐える内容であり、傑作ではないものの見に行くには十分な作品という印象でした。
 その俳優ですが、悪役のレックス・ルーサー役をやったニコラス・ボルト氏の演技が際立ってよく、家に帰って調べてみたらマッドマックスで「こいつは俺の輸血袋だー!」と叫んでた彼でした。基本的に作品全体がハイテンションでエネルギーに溢れる作品ながらこの人のハイテンションぶりは一切負けておらず、それでいて終盤は脚本に恵まれたとはいえ静かな演技もこなしていて目を引いた俳優でしたが、やはり業界でも評価されていたようです。

 そんなレックスのセリフにスーパーマンを何故付け狙うかについて、「ちやほやされているお前への妬みだ」とはっきり言うシーンがありました。これ自体は悪役がよく言うセリフに見えますが、全体としてDC作品らしく政治色が強い作品であり、作中ではトランプっぽい俳優がロシア語で話したりするシーンも出てきます。それゆえ、このセリフもスーパーマンにというより米国そのものに向けられたセリフじゃないかと自分は思いました。

 かなり昔にこれも記事化していますが、20年くらい前に何かの評論で米国が嫌われる最大の原因は「嫉妬」だとしたうえで、国際支援といって周辺国に金をばらまきながら関係が一切改善しない日本もこういうところに原因があると指摘するコラムを読みました。はっきり言ってしまえば、国際資金援助をすればするほどその国には逆に恨まれると断言できます。
 この辺、日本もある程度反省しているのか近年は「人道支援」という表現で送金するのではなく設備や人員を直接送り、現地の人の目に見えたり触れられたりするような援助に切り替えてきています。こうした支援で白眉ともいえるのは、政府とは無関係ですがアフガニスタンのペシャワール会による現地の井戸掘削などの灌漑事業だと思え、先の中村哲医師の逝去はかえすがえすも惜しいものがありました。

 そんな上記知識もあったことから、同じくスーパーマンを見てきたとチャットで伝えてきた中国人の友人に上記セリフと考えを伝えた上で、「中国も最近アフリカ諸国へ派手に金を配っているが、恐らく一切感謝はされず逆に今恨みを買っている最中だよ」ということを教えてあげました。この辺の感覚ですが私が見る限り中国政府は一切理解できていないようで、自分らも散々日本から支援を受けながら日本に対するヘイトを高めてきたにもかかわらず、「人は、同じ過ちを繰り返す、全く……」的に繰り返しています。マジでこの辺、誰か教えてあげればいいような気がしますが、そういう人材、それこそ中村哲医師のような人がまだ中国にはいないってことなのかもしれません。

2025年7月11日金曜日

神話は誕生を、宗教は死後を詳しく語る


 今日お昼休みに何気なく上の記事を読んだのですが、「神道と仏教の違い」について芸人と神主の二足の草鞋を履く狩野英孝氏の以下のセリフが冒頭に引用されています。

「ぼくがよく言うのは、『始まりと終わり』ってこと。例えば、神社は子供が授かりますように、子供が生まれて新たなスタート、合格祈願、高校大学で新しくスタートしたい、商売繁盛、店をたてて新しく何かをスタートとか。何かスタートするのが神社にお願いすること。その方がいずれお年を召して、亡くなるでしょ? 亡くなったときにお寺に行ってお墓に入る」

 この解説を読んでみて、「奴さん、なかなかうまいこと言いやがるじゃねぇか」と無駄に江戸っ子っぽい感想を持つとともに、なかなか筋の通った面白い見方だと感じました。言われてみると確かに誕生祝や七五三なんかは神社でやって、葬儀や悪霊払いなどの儀式は寺でやること多く、神社は始まりを、寺は終わりを扱うなどと言ったことを考えてました。
 その際ふと、「いや待て、そもそも神話は世界や人類の誕生を詳しく語るのに対し、宗教は世界の破滅後や死後について語ることが多いのでは?」と、見出しに掲げた内容が頭をよぎりました。でもって考えれば考えるほど、この法則はかなり幅広くあてはまるようにも思えてきました。

 まず日本を例にとると、神話というのは日本神話こと古事記で、宗教はやはり仏教がメインです。古事記においては言うまでもなく日本というか世界がどのようにできたのかが最初に語られ、イザナミやイザナギがアメノヌボコでかき回して大地が作られ、天皇が空から降りてきて人類とかも生まれるみたいな解説がなされます。死後の世界についても一応は黄泉の国などについて少し語られはするものの、人間が死後どんなふうになるのかはあんま触れられていない気がします。

 一方、仏教はこの世界の誕生については間違いなくあまり触れません。そもそも輪廻転生を是とする世界観で、言うなれば今の世界は一つ前の崩壊後の世界が再生した後の世界であり、一番最初の誕生はどうだったかについてはそこまで詳しく語りません。一応、宇宙開闢については多少は説法もあるものの、どちらかといえば初めからそこにあったという語り口が強いような気がします。
 逆に、死後の世界についてはこれでもかというくらい詳しく説明されています。そもそも仏教自体が「死後に極楽浄土に行くにはどうすればいいのか?」が価値観の柱となっており、死後のために今生きてる現世をどう生きるかを説くことが思想的根幹にあるでしょう。そのため極楽浄土や地獄の世界観について詳しく描写するとともに、実際に過去に死んだ偉人らが死後どうなったかも色々取り上げられています。

 以上は日本での話ですが、ほかの国や地域もこうした傾向がみられる気がします。例えば西洋だと、ユダヤ教の旧約聖書ではアダムとイブに始まりノアの箱舟など、この世界の成り立ちがこれでもかっていうくらい詳しく書かれてあります。それがキリスト教の新約聖書になると、生前のイエスの言行も詳しいですが、むしろメインとなるのはその死後で、現在の布教においてもイエス死後の聖人らの活動が大きく語られるとともに、そうした聖人らが天国でどうなるかなどを含め死後の世界観についても詳しく語っています。
 同じ西洋においてはギリシャ神話もこの世の成り立ちというか、世界を司る神々の経歴がメインストーリです。地獄についての概念もありますが、大体ハデスがチョンボしたり悪さしたりするような話で、啓発的な意味合いは宗教と比べると弱い気がします。

 もう一つお隣こと中国で見ると、宗教に関しては日本と同じく仏教ですが、中国の神話となるとやはり道教です。この道教も盤古の死体が大地となって、伏犠や女媧が人間を作るなど世界の成り立ちに関してかなり詳しく説明しています。一方死後に関しては一番ぶっ飛んでるというか、「道教を修行すればいつか仙人になって無限に生きられるよ」という、死後の世界を否定するような価値観すらあります。
 一応、閻魔大王のもととなった泰山府君など地獄の概念とかもあるのでないわけじゃないんですが、それでもほかの教えと比べると死後についての言及はやはり仏教と比べ大きく劣ると感じます。

 こんな具合に、土着宗教こと神話ではこの世や人類の誕生を詳しく語るのに対し、後発の宗教は死後や世界消滅後についてやたら語る傾向がある気がします。特に後者は末法思想というか終末観を確実に持っており、なんていうか滅びの概念こそその教えの中心に据えているとすら感じます。
 なおこうした変化というか傾向は文明の発達に伴っている節があり、新興宗教ほど先の終末思想がそれ以前の宗教よりだんだん強まる傾向もあるのではないかと穿っています。

 では何故このようになるのかといえば勝手な意見としてそのまま述べると、原始的な世界において人間はまず「俺たちはどこから来たんだ?」という疑問が一番悩むトピックだったんじゃないかと思います。現代においても自分のルーツは何だろうかと疑問を持つことは珍しくなく、普遍的な悩みといえるトピックですが、特に自然科学の発達していない時代においては一番不思議に感じる点となり、その答えとして作られた神話では当然ながら誕生というかルーツが詳しく語られることとなるわけです。
 一方、ある程度文明が発達し、寿命以外の死亡率が下がってくると今度は「俺たちは死んだらどこへ行くのだろう?」が、一番悩むトピックになってきたんじゃないかと思うわけです。未発達の時代と比べると簡単には死ななくなり、前は生まれてくるのが不思議だったけど、今度は死んだ先がどうなるのかが不思議となっていき、こうした悩みに答えというか仮説を出していく過程で宗教というものが固まっていった、というのが自分の見方です。

 言うまでもなく、神話、宗教はともに人間というか集団を統合するために作られた思想的ツールという側面があります。価値観的に従わせる上で、多くの物が持つ悩みを快刀乱麻にアンサーを出すことは信じさせる早道であり、だからこそそれぞれが重きを置く点が時代の差から神話は誕生、宗教は死後になったのではないかというのが自分の仮説です。

 以上の考えに至ったのは本当に今日の正午に上記の狩野氏の発言が全部きっかけでした。実際、狩野氏の言葉は取りようによっては非常に深い含蓄を備えたものに思え、天然ボケが多い人だけどやっぱこうした思想に対する造詣は深いと思えました。
 それと同時に、神話と宗教の明確な差がまさに時間的な前後というか誕生と死にあるというのはかなり普遍的な傾向であるように思え、掘り下げたらもっと何か出てくるかもしれません。個人的にはかなり面白い発見をした気がして、今日はいい気分で寝られそうです。

2025年7月10日木曜日

消費税は今確かに下げるべきじゃないかもしれない

 前略、先日の「消費税を守る」という森山幹事長の発言を聞いたとき、消費税は一度下げたら再び上げ辛いってこともあるし言いたいことはわからないでもないものの、なんだよこのセリフと正直思いました。でもって代わりに2万円を配る件についても完全なバラマキ政策であり、だったら国民全員にお米券でも配れよという気がしました。そもそも中国にいて自分は2万円もらえないし(´;ω;`)ウッ…

 ただ昨日咄嗟に思い付いたというか、確かに今は何があっても消費税を下げるべきじゃないかもという気がしてきました。何故かというと米国のトランプ政権との関税交渉に影響する可能性があるからです。


 上の記事には4月に書いたものですが、あくまで可能性の話として述べると、トランプ政権が真に日本を含む諸外国に求めているのはこの消費税の撤廃である可能性があります。

 なんで他国の税制を要求してくるんだと誰もが思うでしょうが、上の記事でも書いたように米国には消費税という制度がそもそもなく、代わりに売上税というものが存在します。日本や中国を含め消費税制度がある国では他国へ輸出する製品に対し、国内でのその製品を完成させるまでの仕入やサービス購入で企業が支払った消費税を還元させるため、輸出時に消費税還付金が還付されます。細かい解説はほかのサイトを見てもらいたいのですが、この消費税還付の金額は輸出がメインの企業だと非常に大きく、トヨタグループなんかは払っている税金よりも還付される税金の方が多いとまで言われています。

 税制的に見れば決してこの制度、輸出製品に対し国内で価格に上乗せされた税金分のみを控除する制度であり、国際競争上で決して不公平なものではないのですが(輸出産業には有利だが)、どうも米国というかトランプはこの制度の仕組みを知らず、消費税還付のところにだけ着目し、他国は製品を輸出する企業に対し多大な補助金を出していると勘違いしている声が出ており、私もなんかそうなんじゃないかと疑っています。突き詰めればこの消費税還付という制度を潰すことがトランプ政権の目的なのではと思う節すらあり、皮肉な言い方ですが消費税制度というものが米国のヘイトを高めている可能性があるというわけです。

 さてそんな状況で日本が消費税率を弄ったらどうなるか。あくまで可能性論として、トランプ政権が「日本はトヨタへの補助金を減らした」などと勝手に行ってくるかもしれません。でもってこの日本の政策変更を自分の手柄だと主張し、日本は妥協し始めているがまだ足りない、公平にするため制度そのものをなくせなどとさらにまくし立ててくるのではと、昨日急に思いついたわけです。

 どちらにせよ、今この段階で消費税率を下げたら米国に間違ったメッセージを発信するかもしれないだけに、思い過ごしかもしれませんがあまり弄らない方が吉じゃないかと思ったわけです。そもそも私自身が財政規律派で増税にも容認する立場(中国にいてほとんど日本の税金払ってないが)でもあるためこのような意見にもなってきますが、消費税制度を国内だけの問題とは今は考えない方がいいとはっきり思います。
 もっとも、石破政権がここまで考えて消費税を守ると言っているわけでもないと思いますが。

2025年7月8日火曜日

石破政権の対米交渉の所見

 日本も猛暑が続いていて気温よりも湿度が高いのが辛いとネットに書いている人が多いですが、上海もこの前行きましたが最高気温が40度にもなると、湿気がなかろうが半端なくキツく、また冷房かけても全然温度下がんないため湿気どうこうはあんま関係なく、単純に気温の高さの方が問題だと思います。
 湿気があろうと気温が35度以下なら、エアコンで除湿かければめちゃ快適です。35度超えてくるとエアコン使っても辛く感じる。

 話は本題ですが本日米国のトランプ政権は日本に対しても追加関税を来月以降にかけると発表しました。この結果を受けて石破政権の対米交渉が議論されていますが、結論から述べると私自身はよくやっていると思え、少なくとも批判されるような点はないとすら考えています。

 まず今回の関税引き上げについて先週の段階で一部メディアが「日本は除外されるだろう」という報道をしていましたが、「私にはわかっていました」的に後出し孔明っぽくなるものの、上記のような観測をしたメディアは何を根拠にと若干疑問に感じていました。取り立てて交渉が進展していたわけでもなく、ベトナムや英国のように交渉に妥結したものの屈辱的な米国優遇条件を受け入れたわけでもないのに、何故日本だけが除外されるのか、まったく意味が分からない主張でした。
 そしたら案の定というか日本も引き上げらる方針が通知され、目の敵にされている中国とそんな大差ない関税率が現在予定されています。もっともTACOという言葉がはやっているようにまた直前で先送りされる可能性もあるだけに、実際に施行されるまではあんまどうこう言うべきじゃないでしょう。そもそも今回の発表でまた円安が進んでおり、企業が基準レートを1ドル120円くらいに設定しているのであれば、関税が25%上乗せされたとしても為替差益でほぼ相殺されるような状態なので、輸出企業もそこまでダメージは大きくない気もします。

 さてこんな事態を招いた石破政権と対米交渉を担当する赤澤大臣に対して批判も多く出ていますが、仮に別の政権や交渉担当者であっても、この結果は変わらなかったと思います。前述の通り交渉に妥結したのはベトナムと英国くらいで、見方によっては関税上乗せされるより厳しい条件をベトナムなんかは飲んでいます。日本が追加関税から免れるためにそのような条件を飲んでは元も子もないし、また存在すらしないアメ車に対する輸出規制が議論になる時点で日本側の主張の方が明らかに正しいだけに、交渉でどうにかなるようなもんじゃないでしょう。
 そのような話の分からない相手に対し、赤澤大臣は少なくともUSスチールに対する日鉄の買収協議を取りまとめ、大統領の承認を取り付けただけでも自分は大したものだと感じています。この点一つとってもむしろ誉められるべき功績だと思え、はっきり言ってしまうと対米交渉で石破政権を批判する人は目もなければセンスもないとすら思え、そのような人たちからは今後意見を聞く必要はないだろうとすら思います。

 その上で今後の対米交渉について自分の意見を述べると、前回にも書いたようにこのまま米国に阿りつつ様子見を続けるのが吉であり、凶にはまずならないと考えています。こう考える根拠としては、カナダやメキシコを筆頭に、最近だとブラジルも加わるなど米国に対する世界中のヘイトが高まっているのと、トランプが一番目の敵にしている中国があまり貿易でダメージを受けていない点を見逃すことはできません。
 若干統計について議論はあるものの、直近の統計でも中国の輸出は今のところ前年比プラスを維持しています。突然の対米関税引き上げが行われてからすでに数ヶ月経つものの、中国で暮らしていて自分もそこまで関税引き上げの影響を感じることはなく、街中でもこの点について話題になるというか気にする人すらほとんどいません。

 無論、自分がただ気づいていない可能性もあると思うものの、中国批判が大好きで普段から粗探ししていて、むしろお前中国好きなんじゃないのと言いたくなるような日系メディアすら直近の中国の貿易についてどこも触れていないあたり、少なくとも現状で目立った影響は出ていないのではと推測しています。何が言いたいのかというと、無理に米国と妥協する必要もなければ、関税引き上げられても意外と何とかなるんじゃないかってことです。
 特に日本は前述の通り、関税が引き上げられれば円安に振れてその影響をある程度相殺してくれるところがあるだけに、トランプの脅しに屈さず、無意味に日本政府を批判せずどっしり構えていりゃいいというのが私の見解です。

2025年7月6日日曜日

映画「ジュラシックワールド」と「F1」の感想

 最近友人と公開された映画の批評合戦を繰り返しているので、この土日も計二本の映画を見ることとなりました。1本目は最新の「ジュラシックワールド」ですが、一言で言えば終盤はスリリングな展開が良かったものの、全体としてはややチープ感溢れるB級ホラー映画っぽいノリで、これがあのジュラシックパークから続くシリーズ作品なのかと若干疑いました。

 細かく話してくと、主演のスカーレット・ヨハンソンは相変わらずいい動きしていて画面内でも存在感があるのですが、それ以外の俳優は若干棒気味で、恐竜の姿にややオーバーなリアクションで驚いたりするのが少し滑稽に見えました。むしろ、子役の女の子の方が演技良かった気すらする。
 また先ほどのB級っ歩差ですが、その大半は脚本に由来します。紙屑一つで全システムがダウンする研究所といい、話の展開的にどう考えても無理があるだろうと感じる場面が多く、もっとましな脚本なかったのかよと言いたくなります。ただあるおっさんキャラが序盤から終盤にかけて、死亡フラグを延々と埋めまくる展開は見ていて逆に笑えました。まるで死亡フラグを踏むためだけに生み出されたキャラに見えます。

 あと最後に気になったのは、主演のスカヨハは「コミュニケーションの一環」と称して共演女優の胸を毎回揉むセクハラおばさん的な人なのですが、映画見ていて「この女優も揉まれたのだろうか?」という点が気になってました。

 次に、今日朝からみてきたのはブラッド・ピット主演の「F1」です。こちらは対照的にというか非常に申し分のない出来で、あからさまに金のかかった映像と感じるものの、その金のかけ方が非常にいいというか臨場感のあるレース映像と音を作り出しており、個人的にかなり満足感のある作品でした。
 俳優の演技もブラピを筆頭にどれも良く、準主役の若手レーサー役のダムソン・イドリスもその役柄を見事に演じ切っていました。もっとも自分としてはオーナー役のバビエル・ダニエルの演技が一番うまいと感じましたが。

 映像に関しては前述の通り申し分なく、撮影が困難と思える映像も見事撮りきっており、レース中のキャラの表情から車の挙動など画面切り替えも素晴らしくよくぞ作ったものだと感じ入るほどでした。また音もレースさながらの重低音が響き渡り、たまたまかもしれませんが自分が入った映画館では重低音でシートが揺れました。

 脚本に関しては弱小F1チームでオールドレーサーが若手レーサーを指導していくというよくある展開ですが、戦車マニア垂涎の「フューリー」でも似たような立場を演じてましたが、ブラピはこうしたコーチ役が本当にうまくなっているというか板についています。彼自身もキャリア当初はイケメンアイドル的な役が多く、出世作の「セブン」ではモーガン・フリーマンに指導される若手刑事役を演じてましたが、今や若手を後押しする大御所としての役割が彼には求められている気がします。

 そんな具合ですごくお勧めな映画なのですが敢えて一つダメ出しをすると、この作品はヒロインもバツイチのオールドミスであるなど、出演者の年齢層が全体として高いところが気になりました。ブラピ自身も60代だし、そのほかのキャラもオーナーやオールドミス、スポンサー、若手レーサーの母ちゃんなど年齢設定の高いキャラばかりなため、準主役の若手レーサーがその若さと未熟さという点でやや悪目立ちしているように見えます。素人目戦ながら、F1チーム内スタッフのモブでもいいから一目で若いと感じるキャラを配置しておけばもっと違ったのではと思います。
 なおそのヒロインは調べてみたらマーブル映画のAIの声の人でした。こんな人だったとは(;´・ω・)




 そんな風に映画見終わった後は家でインプのワゴン作ってました。ハセガワのキットですがともかく寸法が合わないわマニュアルが間違っているわと作っててストレスがよくたまり、あんま楽しいキットじゃありませんでした。やっぱタミヤのが上だなぁ。

2025年7月5日土曜日

BGMのかけ方が秀逸なアニメ

 先週、夕食に日本食屋へ寄った際、たまたまそこで流れていたのがm.o.v.eの「Rage your dream」という曲でした。この曲ですが以前にあるネット掲示板で、「車で事故った時に頭に流れる曲は?」という問いに対し、満場一致でこの曲が挙げられていた曰くつきの曲です。


 一体なんでそんな物騒な曲扱いされていると、上の動画シーンのせいでしょう。この曲は元々レースアニメの「頭文字D」の主題歌で、劇中でレース中に事故るシーンでこんな風に使われています。何気にこのシーンですが頭文字Dの中でも自分が特に好きなシーンで、このシーンを初めて見たときは繰り返し再生して見返すほどはまり、また若干惰性で見ていたこの作品を「ほんまおもろいやんけ」と一気にのめりこむきっかけにもなったシーンでした。
 上記の通り「事故った時に頭の中で流れる」という人がほかにも多いことから、ほかの人にとっても印象深いシーンなのでしょう。

 そもそもというかこの頭文字D、全編を通してBGMのかけ方が特に秀逸なアニメ作品だと思え、少なくとも自分はこの作品以上にBGMのかけ方がうまい作品を見たことがありません。


 上の動画も同じくシーズン1のレースシーンですが、BGMがあるのとないのとでは全然見方が変わってくると思えるほどBGMが動画にマッチしていて、視聴者を大きく盛り上げている気がします。このシーンですがよくよく観察してみると、キャラクターが会話するシーンではBGMの音量が一段落ちていて、会話が途切れる箇所付近で曲が一番盛り上がるサビ部分に入るなど、非常に計算された構成となっています。またBGMが大きくなるシーンは必然的に車の挙動が主役となり、スキール音なども大きく入るなどして視聴者をより音に集中させるようにも意図的になされていると感じます。誰が考えたか知りませんが、よくこんな風に作ったもんだ。

 以上の2シーンに限らず、頭文字DはレースシーンのBGMのかけ方が非常に優れており、この作品の魅力の半分近くをBGMで稼いでいるとすら思います。実際、頭文字Dのヒットをきっかけに日本でユーロビート系の曲が一時復権したとも聞きます。原作ももちろんすごい作品ですが、その人気をより高めたのはやはりアニメスタッフの努力もあってだと感じます。

 逆を言えば、BGMのかけ方は作品の良し悪しを大きく左右する要素にもなると思います。たまたまですがこの前見たゲーム解説動画で、「弟切草」でサウンドノベルというジャンルを開拓したチュンソフトの解説があったのですが、開発者はプレイヤーに臨場感を持たせる上で音が非常に重要だと考え、この作品を作ったそうです。
 実際、この「弟切草」にしろ次作の「かまいたちの夜」にしても、SEとBGMがともに非常に優れており、またかけるシーンやかけ方も当時の他のゲーム作品と比べてひときわ優れていました。「かまいたちの夜」の曲なんかは当時のニュース番組でよく使われており、評判良かったです。

 なお自分が一番好きなのはこちらの「Introduction」で、一部のエンディングで流れた際も使い方が非常に効果的だったと感じます。

 個人的意見で述べると、アニメ以上にゲームの方がBGMの影響が強いという気がします。かけ方ひとつで臨場感が全然違うし、SEとかもしょぼいともろに影響します。最近の作品はどうなのかわかりませんが、もう一つ上げるとしたら曲自体の良さもあって「ロマンシングサガ ミンストレルソング」も音の使い方が非常にいい作品だったと記憶します。最初に「熱情の律動」聞いたときはすごいショック受けたくらいだし。

2025年7月3日木曜日

コロナ禍以降に陰謀論者が増えた背景

 昨日の記事で大学を卒業したか除籍されたかを区別できない人はいないみたいに書きましたが、記事書き終えた後で出身学部を聞かれて「立教野球部!」と答えた故長嶋茂雄ならもしやと思うところがありました。


 今日たまたま上の記事を読んだのですが、これを見てちょっと思うというかある仮説が浮かんできました。

 記事の内容自体は選挙期間中、世論を誘導しようしないように報道を控える傾向にあった新聞やテレビなどのオールドメディアに対し、SNSでは選挙や候補についてあることないこと報じまくり、それらに対してオールドメディアが黙っていることから陰謀論を信じる人が増えたといったことが書かれてあります。この点について筆者は、選挙期間中でももっとメディアは発信すべきだし、記者も主観的意見をもっと述べたほうがいいと書いてあり、この点について私も同意します。
 というか読者の側としては情報の最前線にいる人がどう思っているのかを聞きたいわけで、変に遠慮して差しさわりのない事実だけ報じられても困るといった感情を持つものだと私は思います。無論、ジャーナリストが自分の意見を流行らせようなどと言う野心をあまり持つべきではないものの、どう見てもおかしい、矛盾があるような発言に対しては「こりゃおかしいだろこいつ」的に、個人的見解と踏まえた上で発信することも必要だと思います。

 この辺、JBpressでは記者というよりコメンテーターというポジションを選び、自分の主観的意見も良く載せていました。自分の実感としては、やはりそういった主観的意見を読者も評価してくれたのではないかと思っています。

 話を戻しますがそんな一時期はやたら批判していたプレジデントの記事(実際、6年くらい前はヤバい記事が多かった)を読んで、陰謀論がコロナ渦以降に増えた背景というのは明確な根拠があるのではということに気が付きました。
 これも主観的意見と取られるかもしれませんが2020年のコロナの流行以降、明らかに日本国内で陰謀論が力を増したと私は考えています。具体的には反ワクチン運動や上の記事にもあるようなディープステートとかで、これらと比べるとHAARPなんて全然かわいいもんだったと思えて仕方ありません。っていうかこの単語、まだ覚えてこういう風に使っているのも自分くらいでしょう。

 このコロナ以降の陰謀論に関しては、コロナによる外出制限や他人との接触不足などコミュニケーション不足を原因とする指摘をよく見ます。これらも確かに影響してはいると思うのですが、だったらかねてから引きこもり層に陰謀論者が多くなるはずで、今問題となっているように家族のある人たちが陰謀論にはまって家庭を崩壊させるなどの状況を踏まえると、ちょっと違うような違和感を前から思っていました。
 じゃあ何が原因なのかというと端的に言えば、これまでネットにあまり接触してこなかった人が接触するようになったことが、最大の要因じゃないかと思います。

 この思い付きのきっかけは、以前にある信仰を持つ高齢の方から聞いた話です。なんでも、その仏教系の団体ではコロナ流行期に読経会も制限されるようになり、代わりにオンラインでの読経会が開かれるようになったそうです。するとそれまでスマホすら触ったことのなかった高齢者をはじめとする人たちも、このオンライン読経会に参加するために必死で操作を覚えるようになり、今ではオンライン会議の招集から設定、さらにはSNSまで自在に駆使するようになったそうです。

 ここまで極端な例でなくても、コロナ以降に対面回避のため様々なオンラインツールが社会に普及するようになり、それまでネットと縁のなかった、または使っていてもごく限られた機能しか使わなかった人たちが一気にネットの使い方を覚え、習熟したという事実は間違いないと断言できます。しかし、コロナ以前からネット利用に慣れた人と比べると、こうした層はネットリテラシーに疎いままネット上の情報に触れるようになったのでは、というのが今回の思い付きというわけです。
 つまり、ネット上の情報をデマかどうかを判断できるほどネットリテラシーがなかった人たちは、以前はネットそのものをあまり使ってなかったため影響を受けなかったものの、コロナをきっかけに使うようになってデマ情報に触れるものだからそれを鵜呑みにしてしまい、結果的に陰謀論を信じる人が増えたのではというのが、私の見方です。

 このように考えるのもネットがサービスを開始し、2ちゃんねるが影響力を持ち始めてた2000年前後も、結構似たような状況が起きていたということを思い出したのもあります。あの当時は今以上にアングラな雰囲気があり、表に出ない情報が2ちゃんねるとかでは書かれていると信じ、陰謀論者になる、身内受けしかしない情報に染まる人間が結構多くいたように思います。なんでそうなったのかといえば単純にネットリテラシーが低かったとしか言いようがなく、情報の検証や判断が全くできず、過激な意見ほど耳を傾けてしまう人が多かっただけです。
 多かれ少なかれ、どの人も最初にネットを使い始めたころには似たような体験がいくらかあるのではと思います。

 その上で話を戻すと、コロナ以降に陰謀論者が増えたというよりかは、陰謀論に抵抗力のない人もネットを使うようになったというのがより現状に則した見方じゃないかと思うわけです。最初のプレジデントの記事を見て、そこに出てくる陰謀論を信じる人も単一の情報ソースに依存しているように見え、複数の情報ソースを比較、検証はおろか、そもそも検索すらおぼつかないように見えますし。
 さらに言えば、コロナ以降に陰謀論に染まった人というのはやや年齢層が高い人が多いように思え、この点もそれまでネットに触れることが少なっかた層じゃないかと思う要素です。楽観的な意見を述べれば、今後もネット利用を増やしていけば自然とリテラシーも高まり、「あの頃は若かった」的に思い直してくれる可能性もあるため、ある意味で今くらいが陰謀論のピークで、もうしばらくしたら徐々にこの手の人は減ってくんじゃないかと思います。戻ってこれない人は何人かいるでしょうが。

 にしてもこの点を考えると、今後は中学生くらいのネットを使い始める子供がこうした陰謀論に一時的とはいえ染まることが増えてくんだろうなとも思います。中二病的に早いうちにイタイ体験してもらってリテラシー積んでもらうのもベターですが、こうしたリテラシー教育も今後学校とかでしてかなければならないと考えると、なんか教育が難しくなった時代に入ったとも思えてきます。

2025年7月2日水曜日

キャッ党忍伝てやんでえ

『キャッ党忍伝てやんでえ』新作ゲーム制作決定!山口勝平ら声優陣のコメントも到着!(タツノコプロ)

 もはやタイトルを知ってる人も少ないと思いますが、テレビ放送から30年以上経過しながら今度ゲーム化するという「キャッ党忍伝てやんでえ」を、自分は子供の頃めちゃ好きでした。

 この作品は30年以上前にタツノコプロが製作し放送されたアニメシリーズなのですが、ちょうどあの頃のテンポの良さ(=細かくセル画を製作する能力がなかった)がよく出た作品で、とにもかくにも展開が早く子供にも受け入れられやすい作品でした。また当時もファミコンでゲーム作品が出てますが、意外にこれが面白く、ステージごとに使える助っ人も非常に的確で原作ファンも納得なゲームでした。

 ただこの作品、どうも動画テープの行方とか海外配信とかでトラブったとかいろいろ噂ありますが、人気はあったと思うものの放映終了後は一切触れられることがありませんでした。当時であれば再放送とかあっても良かったと思うもののそういうものは一切なく、それ故に自分みたいに印象としては強く残っているものの、こうして話題に出す人はほとんどいなくなった気がします。

 なお自分大学生の頃、講義開始前のゼミの教室で何故かこの作品の名前が出てきて、その場にいた女子学生一人だけが「覚えてる!」と反応してきました。ほかの学生からどんな作品だったのかと聞かれ、

「えっと、主人公が猫で、メカで、忍者で……」
「一体どれなんだよ?」

 という、シュールな会話をしたのをよく覚えてます。

伊東市長の学歴詐称について

学歴詐称疑惑の市長が会見「大学に確認したら除籍になっていた。戸惑っている。選挙中に卒業したと言ってないので公職選挙法違反ではない」(ガハろぐ)

 詳細についてはいちいち説明しませんが、学歴作業疑惑の出ていた伊東市の田久保市長がようやく認めました。もっともこの期に及んでも除籍されたのを卒業と思い込んでいたとすぐわかる嘘をついているあたり、この人がカスであることは明白です。「うそつきはプーチンの始まり」とも言いますが、こんなしょうもない嘘をつくあたり絶対に権力もたせちゃダメな人間なのですが、こういう人間が選挙で受かってしまう現状自体が一番問題である気がします。

 ちなみに学歴詐称という自分が真っ先に浮かんだのはサッチーこと野村沙知代で、この人の時は逮捕収監まですぐ行ったのですが、今回の田久保市長についても反省がない当たりさっさと捕まえて下ろした方がいいんじゃないかと個人的には思います。ってかそれ以上に気になるのは除籍理由で、学費未納とかならまだしも何かしらの事件を起こしての除籍であれば話はこんなもんじゃすまないでしょう。

 それだけに、恐らく絶対しないであろうけどこの人に反省の意思があるなら除籍理由を話すべきであり、話さないのであればメディアは除籍理由を必死で追うべきでしょう。ぶっちゃけ、話そうとしないなら適当な憶測でも記事流していいと思うし、それを否定しようとしてもこの人の場合は既に現在進行で嘘ついているから、誤報流したって許される気すらします。どちらにしろ、繰り返しになりますが権力もたせちゃいけない人です。

2025年6月30日月曜日

STOP!時間泥棒('Д')

 去年の夏にあまりの暑さから家にいたくないため週末に映画館に通う出して以降、映画館に足を運ぶ機会というか頻度がめちゃ高まりました。おかげで店員のおばちゃんに顔見ただけに「あいよ、コーラね(^_-)-☆」と言われるほどにもなってます。
 ちなみによく行くカレー屋でも自分が店に入るやおばちゃんが別の店員に、「こいつは野菜カレーだ」とつぶやいてきます。で、案の定野菜カレーをいつも注文します。

 話を映画館に戻すと、自分が言っている映画館では上映時間になるとまず映画館がある商業施設に併設されたマンションの宣伝動画を見させられます。この1年くらいずっと流しているあたり、ずっと完売してないんだろうなってことがわかります。
 そのマンションCMが終わると今度は、戦闘機や戦車、火砲の映像の映像とともに、「強い軍がわが国にはある!」という、中国の国威発揚動画を見させられます。毎回同じパターンの映像を見させられて正直飽き飽きしているので、もっと別バージョンも作れよと中国には言いたいです。

 以上、二つの動画を見終わってからようやく映画本編が上映されるのですが、この二つの動画が流れる時間は大体1分半程度なので、そんなストレスなくいられるというかすっと目当ての映画に移ってくれるという印象があります。というのも日本の映画館だと説明するまでもないですが、別の映画作品のCMを数本見させられた挙句、「auなら割引クーポンが……」と、正直かわいくもないしストーリー仕立ても悪いと思う携帯クーポンの宣伝、そして「STOP!映画泥棒」の海賊版に対する注意喚起パントマイム動画を立て続けに長々と見させられます。
 きっかり時間測ったてるわけじゃないけど、なんかいつも10分くらい見させられているような感じでげんなりさせられます。

 多少広告が入るのは仕方ないとは思うものの、それにしても日本の場合はちょっと長すぎるというか、早く映画を見たいというのにそれをあざ笑うかのようにくそどうでもいい動画を見させられるのはいい気分しません。っていうかこうした動画なくせば上映時間をかなり短縮できるように思え、回転効率も高められるし、また来館者も短くなった時間を別に有効活用できるということを考えると、あの手の上映前クソ広告動画は時間泥棒じゃないかと言いたくなってきます。
 第一、海賊版の撲滅を訴えるならあんな見飽きたパントマイムなんかせずとも文字表示などで5秒くらいで済むだろうと思えてなりません。余計なクリエイター心なんて発揮せず、もっと社会の時間を有効に活用しようという意思を日本の映画館、映画会社は見せてもらいたいです。

2025年6月29日日曜日

日本のアイスはヤバい(;´・ω・)


 仕事で忙しくて時間取れないので、すぐ作れるたまごひこーき版F-35を作って遊んでました。時間ないなら遊ぶなと言いたいですが。にしてもこのF-35、リアル頭身だとずんぐりむっくりでカッコ悪く感じますが、かえってこの二頭身形態で、且つ塗装も派手だと結構いいデザインしている気がします。

 話は本題ですが、夏本番ですが実はこの10年くらい、夏にあまりアイスを食べるという習慣もなければ記憶もありません。何故かというと中国で売ってるアイスは、今だともう少し良くなってるかもしれませんがあまりおいしくなく、少なくとも自分の舌には合わないため避け続けてきました。そのせいでアイス食べる習慣も完全に失われ、無駄にアイス断ちする夏を毎年過ごしてきました。

 ただちょうど今から10年前のこの時期、どうしても急にアイス食べたくなって高いけど品質が確実に保証されているハーゲンダッツを近くのコンビニに買いに行ったら、「お前こんな高いアイス食うのかよ?(;´・ω・)」と、レジの時に店員に言われました。
 中国の普通のアイスは5元くらいに対してハーゲンダッツは30元するので確かに高いのですが、「そもそも仕入れて店においてるのはお前だろ(;゚Д゚)」と言い返したい気持ちを抑えつつ、「俺だっていつも食うわけじゃない、今日は特別なんだ( ゚Д゚)」と言って、買って帰りました。

 そんな昔話はさておき、今年もアイスを一切食わない夏が来ると感じていた先々週、いつもの日系スーパーに週末の買い物に行ったところ、「2本で20元(約400円)」という値札とともに、モナ王がそこにおいてありました。
 かねてよりモナ王こそ、この世を統べるに真にふさわしい王であると固く信じるほど信奉してきた私なだけに、この突然のモナ王の登場には面喰いました。価格はさすがに割高とはいえ中国でこうして大っぴらに売られている事実に驚愕するとともに、気が付いたらかごの中に2本入れて買って帰ってました。先週も同じく2本20元で売られていたためまた買って、土日使って食べてました。

 こんな具合に夏にアイスを食べる快感を久々に思い出していた昨日土曜日、また今日もモナ王買って帰ろうかと店内を巡っていたところ、スーパーカップが12元(約240円)で売られていました

 モナ王も昔から好きでしたが、スーパーカップはもっと好きというかしょっちゅう食べていました、あの値段であの味とボリュームは自分的にあり得ず、普通に上海で移し替えて出すだけでも十分お店として通用するとマジで信じています。しかも今回スーパーに置いてあったのはバニラ、抹茶、トロピカル味の3種類で、気が付いたらモナ王より高いのにトロピカル2箱かごに入れて買って帰ってました。
 ただ真夏の激熱時に自転車で20分くらいかけて帰ったため、家に帰るころには少し中身が溶けているのを感じました。ぶっちゃけ早く食べたかったですが必死で我慢して、再冷凍が終わる夜まで待ってから食べましたが、マジで麻薬中毒かのように待ってる間はスーパーカップのことしか考えられませんでした。

 そして明けた今日、まだ冷凍庫にはもう1個のスーパーカップが残っており、今日の晩にでも食べようかと思って朝起きて自宅PCで遊んでいたところ、気が付いたら開けて食べてました。早朝からスーパーカップを食べてしまうという自分の行動の突飛さに驚くとともに、「日本のアイスはヤバい」という印象を久々に思い出しました。
 さっきも似たようなこと書きましたが、モナ王、スーパーカップクラスのアイスを中国で食べようものならマジで専門店行って500円くらい払わないと食べられない気がします。なんでそんなヤバいレベルのアイスをあんな低価格で市販してんだよと思うくらい日本のアイス業界は狂っていると思っており、今日その片鱗を久々に感じました。

中国で衰える習近平の支持と影響力

 コメント欄にも少し書きましたが、この1~2年で中国にける習近平の支持と影響力が劇的なまでに落ちていると断言できます。細かい例を挙げたら切りがないのですが、敢えて身近な例で挙げると習近平思想の本が配られなくなりました。

 一体これは何かというと、コロナ前なんかは大体年一くらいで社内で共産党員である社員が自分を含む全社員に習近平思想を書いた冊子を配って回ってました。正直、もらったとしてもうれしくないし、そもそも自分は読めるっちゃ読めるけど外国人に中国語のこんな本配ってどうすんだよと言いたくて仕方ない行為でした。そもそも中身に興味なかったため、もらうそばから私は捨ててました。
 そんなあまり地球にエコでないこの行為ですが、コロナが始まって以降は一切配られることがなくなってしまいました。ほかの会社とかはどうなのかはわかりませんが、少なくともうちの会社はなくなり、なくなってみると少し寂しいなとか逆に思えてきます(´・ω・)

 もう一つが、二年前に大きく騒がれたコスプレ禁止令です。


 2年ほど前に上記リンク先にあるように、「中華民族の感情を損なう」服装を禁止するという文言を含めた治安管理処罰法の改正案が施行されました。施行直後、一部の中国地方都市でコスプレをした若者がこの法に準拠して取り締まられることがあり、着る服すら自由にならないのかなどと中国国内でも強い批判が巻き起こりました。


 そんな声もあってか、上の日系の記事は昨日出たものですが、この治安管理処罰法の内容がまた改正されたそうです。もっとも、改正以前から実質的に上記の服装に関する禁止規定はほぼ有名無実化していました。上海市内でもコスプレイベントが度々開催されているし、コスプレした姿で街中を練り歩く動画をアップする人も絶えず、完全なガン無視状態でした。

 もちろんこの規定に限らず有名無実化している規定は中国でもほかにもありますが、発令し、かつては実際に取り締まる例もありながら、ここまで早く無視される規定はそんなにないなという気がします。何となく、現場の執行者レベルでも「こりゃもうだめだ」と見切られ、適用しての取り締まりを完全にあきらめていた節も感じられます。

 もっともこのコスプレ禁止令以上に「なかったこと」にされている法令の代表格はやなり、実質的に中国の不動産バブルを崩壊へと導いた「三道紅線(三本のレッドライン)」でしょう。
 これは2020年に出された規定で、

・前受金を除いた資産負債率が70%以下
・純負債率が100%以下
・手許現金の短期負債比率が1倍以下

 この三つの条件を不動産企業に課し、基準を上回った条件数に応じてランク分けして公開し、債務圧縮を指導していくというものでした。この三本のレッドライン基準が出されてから不動産会社は追加の開発や資金調達が行い辛くなり、劇的に業績を悪化して今の中国の不動産不況へ至るようになったのですが、発令された当時よりもこの条件を満たさない不動産会社が明らかに増えていると思うものの、誰もこの三本のレッドラインについて言及しなくなっています
 はっきり言ってしまえば言論統制されているようで、ネットでニュース検索しても2023年以前の記事しか表示されなくなっています。この規定自体が廃止になったとは聞いていないのですが、適用されることもなければ言及されることすらなくなってるというか、触れられたくないという中国政府の気持ちがひしひしと伝わる検索結果となっています。

 以上のように、習近平の肝煎りで導入されたとも思われる政策がこの頃悉く意図的な無視というかサボタージュされるようになっており、そうした世間での不評も察してか、習近平自身もメディアの露出が依然と比べかなり少なくなってきているように感じます。それ以前に、街中でも彼を指示する声はコロナ以降はずっと右肩下がりで、最近は中国メディアも以前のような礼賛記事をあまり出さなくなってきた節すらあります。

 勝手な偏見で述べると、本人もなんか政治に飽きてきているように思え、わざわざ憲法変えてまで3期目入ったのにもうなんか投げたしたいような素振りにすら思います。こんな感じだから4期目はもうないとは思うものの、日本としては彼がトップにいればいるほど中国が弱くなっていくことは確実なだけに、いろんな外交手段を駆使してでも彼にやる気をまた持たせて4期目につなぐよう工作すべきだと密かに思います。

2025年6月27日金曜日

次の総選挙の観測

 すでに公示予定も出されている次の総選挙ですが、結論から書けば自民党有利な野儀間の状態だと思います。根拠としては野党の自滅がすでに始まっており、今後も続くと思うからです。


 国民民主はもう敗北が決定していると言え、今より確実に議席数も減るでしょう。それもこれもすべて山尾氏の公認問題によるもので、これでたまきちもなんか逆に焦って、選挙中とかにさらに失言を増やしそうな気がします。
 立憲民主に関しても「もう一つの爆弾」こと蓮舫氏をすでに公認内定しており、多分この人もヤラカス気がします。というか今から探しても、何かしらスキャンダルを見つけられるんじゃないだろうか。
 維新も、せっかく大阪万博が前評判よりは好評にもかかわらず、あまり党勢が盛り上がっていません。なんか行動も統一されていないように見え、もしかしたら内部で何か権力抗争が起きているのではないかとも疑っています。

 一方、与党自民党も決して泣きどころがないわけじゃないですが、最大の懸案だった米問題は改善というか価格下落が今のところ続いており、国民も評価しているだけに、有利となる材料が明確にあります。むしろ小泉農相の政策に批判的だった勢力が逆批判を浴び得て今なにも声を上げなくなり、またJAの問題性を感じる人も増えているように見え、農政を中心にしっかり政策を訴えればまず負けないとすら思います。
 そんな自民党の最大の弱点は言うまでもなく石破総理で、この人も変にしゃしゃり出ると失敗する癖があるだけに、どれだけ彼をおとなしくさせるかに勝負がかかってくる気がします。あとさすがにもういないと思うけど、総理暗殺を謀る人間も出てくる可能性もあるだけに、あんま派手に遊説せず、既存の支持者をつなぎとめる活動だけしてればいいかとすら思います。

 もっとも自民党内では敢えて次の選挙で敗北したことにして、石破総理を下ろしたいと思っている勢力も存在、っていうか明らかにそういう人らの方が多数派でしょう。なので石破総理としては選挙後に大臣を一新するなど人事刷新をあらかじめ訴え、党内を引き締めることがまず第一でしょう。といっても、もはや大臣に指名されたくない人のが多いかもしれませんが。

2025年6月25日水曜日

イランとイスラエルの紛争はこのまま落ち着くのか?

 本題と関係ないけどジークアクスの曲の中では「コロニーの彼女」が一番好きです。90年代後半のテクノ系っぽく、徐々に音量が上がっていくのが刺さります。昨日が仕事の山場で、まるでミッドウェー海戦みたく今日になって完全に攻守が逆転したような感じとなってめちゃ気分よくこの曲Youtubeとかで聞いてます。自分自身の調子も良かったせいか、2時間で5000字くらいの中国語翻訳してました。

 話は本題ですが、昨日のイランとイスラエルの間で起こった紛争をめぐるニュースは非常に錯綜しており、どれが真実なのかと判断に迷うものも多くありました。昨日総長の時点で米国のトランプ大統領は双方が停戦に合意したと発表したものの、その直後にイスラエルが再びミサイル攻撃を行ったという報道が出て、早くも合意が破られたのではという声が聞かれました。
 しかし1日明けた今日、双方は矛を納めた状態を維持するとともに互いに自らの軍事行動の勝利宣言を発表するなどして停戦に向けた行動を確かに始めています。無論、明日以降にまた戦線が開かれる可能性も十分あるものの、私個人の見解として述べればこのままイランとイスラエル間の紛争は一旦は落ち着く可能性が高いと思っています。

 このように考える根拠を述べると、トランプが停戦に対し非常に前のめりだからです。TACOという言葉に代表されるようにこれまで関税をはじめいろいろ騒動を引き起こしながら何も成果を得ていなかっただけに、今回の停戦仲介はトランプにとっても待望の成果と言ってもいいでしょう。それだけに本人もかなり力を入れており、昨日にイスラエルがミサイルを撃つや激しく批判しながら改めて停戦を呼び掛けており、恐らく今後もこの成果を維持するために停戦に強くコミットし続けると私は思います。
 またイスラエル側はまだ戦闘を続けたがっているようにも見えますが、イラン側は逆にこれ以上は続けたくない意思が明確にあるように見え、トランプの方針に非常に強力的です。トランプ本人も言ってましたが、米軍基地への攻撃は事前予告をした八百長だったことはほぼ確実であり、いつもの反米的な市長はどこ吹く風かと言わんばかりの態度です。

 一時はそれこそウクライナとロシアの戦闘のように長期化も懸念されたこの紛争ですが、短期で停戦に入ったことは素直に喜ばしいと思えます。石油価格もまた一気に下落しており、恐らくこのまま落ち着きを取り戻すでしょう。また今回の停戦を機に、気を良くしたトランプがパレスチナの停戦にも強くコミットすれば言うことありません。

 また密かに期待していることとして、今回の紛争をきっかけにイランがロシアと距離を置いてくれればなという希望があります。開戦当初にイランはロシアに支援を求めたものの、「イスラエルの方が大切だから」とプーチンはこれをあっさり拒否しました。まぁいつものロシアなので驚くことありませんが、これをきっかけにイランもロシアと距離を置いてくれればウクライナには大きな追い風になるだけに、このまま手を切ってほしいのが本音です。
 またそのロシアに同じく肩入れする中国ですが、日本みたく静観しとけばいいってのに米軍機がバンカーバスター使ったときにわざわざ「国連憲章違反だ!」と非難して、無駄に米国のヘイトを高めただけで終わったような気がします。トランプのことだから、多分この発言を根に持つ気がします。まぁ確かに言っていることは間違いでないものの、それをロシアには言わずに米国に言うあたり、底の浅さが見て取れます。ぶっちゃけ外交方針が明らかに定まっていないのが見えるあたり、見ていて逆に安心できますが。

 それにしても改めて思うこととして、普通の国同士の戦闘は現代においては、先の印パ紛争といい今回のように比較的短期間に停戦へ入るのが常であるのに、よくもロシアはこんなにも長くウクライナへの侵攻を続けるものだという気がします。裏返してみればそれだけ無理をしているとも言え、如何にロシアが異常な国かという証左でもあるでしょう。
 ずっとこのブログではロシアについては戦車を除いて悪口ばかり書いてる私ですが、やはり過去の歴史を見る限り中国以上に絶対に信用してはならない相手だと思えてならず、可能ならばこの世から国ごと抹消されてほしいとすら願っています。それだけに今回のイランとイスラエルの停戦をきっかけに、如何にロシアが異常であるかをトランプが再認識してくれればと願わずにはいられません。

2025年6月24日火曜日

悪魔と奈良ドリームランド


 二日続けての動画引用ですが、この動画は世紀末(1999年)に解散を控えたロックバンドの聖飢魔Ⅱが、解散前に何かデカいことやろうと言ってギャラなしで全国各地のCMに出演しまくった時のCM動画を集めたものです。この企画自体は私は2003年くらいにデーモン閣下が出演したテレビ番組の「ごきげんよう」で知っていたのですが、こうして実際に映像で見るのは初めてで、ギャラないのにメンバー全員やたらノリノリで出演しているのに軽く感動しました。
 っていうか何故深夜にデーモン閣下の動画見ようと思って検索したのか意味が分かりません。

 そんなこの動画ですが何気なく見ていたら、なんとこのブログでも何度も取り上げている既に閉園した奈良ドリームランドのCMが入っていました。ほかのCM同様に聖飢魔Ⅱが出演するもので、まさかこの企画に奈良ドリームランドが入っていたとは知らなかっただけに、軽い不意打ちを受けました。

 ただこの奈良ドリームランドも閉園から久しく、2010年くらいまでは関西出身者に話を振れば「え、なんで知ってるの?」みたいな感じで気を引くことができたものの、今だとその存在を覚えている人の方が少ないかもしれません。
 なおケチで奈良市内のコインパーキングの料金をガチで全部暗記している親戚のおじさんとは、会うたびに奈良ドリームランドの話題に触れて盛り上がります。このおじさんには奈良に対する若干狂信めいたものを感じます。

2025年6月23日月曜日

ダビスタ全盛期の記憶


 先日、Youtubeで上の競馬ゲームのダビスタシリーズを紹介する動画があったのでつい見てしましました。私自身は後述しますがこのシリーズを一度も遊んだことはないものの、流行に流行った全盛期は見ており、一体なぜその後消え去ったのかが言われてみると気になったのが視聴理由です。

 この動画でも開設されているように、時期的には90年代中盤のスーパーファミコン時代、ダービースタリオンの2と3がめちゃ流行っていました。当時私は小学生でしたが、私の周りでもこのゲームにはまっている級友は多く、データゲーであるゆえ攻略に詳しい者などは周りからも一目置かれるほどでした。

 私自身は前述の通りこのゲームを一度も遊んだことはなく、興味も持たなかったのでついぞ縁がありませんでしたが、この当時は競馬界も盛り上がっていたのとダビスタが売れていたこともあって競馬ゲームがよく出ていました。そのためか賭け事とかほとんどやらないうちのソ連人民の親父が何故かある日「クラッシッククロード」を買ってきたのでこれは遊んでは見ましたが、子供にこの手の馬主シミュレーションは難しく、結局ムキムキッチと名付けた馬を買った後はその後何もできませんでした。
 親父もあまり面白くないとわかってか、3000円くらいで買った中古ソフトなのに会社の同僚に5000円で売りつけるという阿漕な真似をして処分してました。我ながらよく金額を覚えているもんだ。

 話を戻すと上の動画によると、スーファミ時代に黄金期を築き、続くプレステで発売したバージョンも売れに売れたそうですが、プレステ後期に出したシリーズが先行先逃げ型が異様に優位となるなどバランス調整が崩れ、旧来のファン層が離れるきっかけとなってしまったそうです。その後、別ハードで続編を方々に出すもどれもゲームとして欠陥があったというかあまり面白くなかったそうで人気はどんどん落ちていき、現行のニンテンドースイッチにもシリーズ作品は出ているそうですが評価はあんまよくないそうです。

 この間、ダビスタのファンを吸収したのは間違いなくコーエーから出ているウイニングポストでしょう。あいにくこちらのシリーズにも詳しくないのですが競馬ゲームと言ったら今やこのシリーズで、かつてのダビスタのお株をそっくり奪ってしまっています。

 改めて述べますが、90年代中盤におけるダビスタの社会における存在感というのは半端なく大きく、ドラクエやファイナルファンタジーには劣るものの、それに次ぐくらいの規模だった気がします。それだけ大人気を得たシリーズながらクソゲーを出してしまうや一気に失墜した当たり、ゲームシリーズを継続させる難しさというものを感じます。まぁ単純に、いい加減に作ってリリースしてしまったメーカー(アスキー)に問題があるだけなのですが。

 最後に、私は競馬自体は一切やったことがないものの、伝え聞く範囲で考えると競走馬というのは割とリターンの速い投資商品だという印象を覚えます。生まれて数年ですぐレースに出走できて、5歳くらいには引退するという慣行に乗っ取ると、レースに勝つことができるなら数年で投資リターンを得るという計算になります。この間、維持費は食うものの下手な先物とかよりも短期で大勝ちを狙える可能性のある投資であるように思え、競馬関係者が熱狂するのもわからないでもありません。

2025年6月21日土曜日

「南米の春」に関する思考

 すでに報じられている通り、イランとイスラエルの本格的な衝突が起き、事態は今も沈静化せず過熱し続けています。これにより主にドローンなどの供給を受けていたロシアはその供給が途絶えるため日本にとってはプラスですが、イランの人々のことを考えると素直に喜べない気持ちもします。さすがに、先のパレスチナへの攻撃といい、近年のイスラエルの行動には疑問を覚えます。

 そもそも何故イスラエルがこれほど好き勝手やるようになったのかというと、トランプ政権の発足もあるでしょうがそれ以上に、米国がイスラエルを抑えられなくなっているというのが最大の原因でしょう。その米国にとって最大の黄金期はいつかと言ったら、それは間違いなく冷戦終了後から9.11までの90年代におけるクリントン政権時だと思います。恐らくこの時期ならイスラエルどころかロシアも抑え、紛争を和解に導くことができたでしょう。

 逆を言えば90年代、というより9.11以降、米国の権威は年々落ちてきています。独占していた半導体も今や台湾のTSMCなしには生産すらできない有様で、トランプは製造業の復活を掲げていますがいまや米国なしでは成り立たない産業なんてないどころか、米国が他国に依存しなければならない産業が年々増える有様です。そこへきてトランプの関税政策によってドル体制も揺らいでおり、ただでさえ米国は毎年巨額の赤字を積み増しているだけに、何かの拍子に一気にドル体制が崩壊する可能性も出てきたんじゃないかと懸念しています。
 っていうかシニョリッジを自ら投げ出すというのはなかなかできるもんじゃない。

 恐らく今後も、米国の権威は下がることはあっても上がることはもはやないんじゃないかと思います。言わば帝国の崩壊の途中にあるようなもので、今後象徴的な事件が起きるたびに米国はパワーを落とし、世界各国で紛争が起きても止められず、しまいにゃ米国自身も紛争に巻き込まれる気がします。
 でもって、この手の帝国の崩壊は意外と足元から起きることが多く、そうした観点に立つなら米港の裏庭こと南米あたりで今後何か動きが起こるのではないかという気がしてきました。

 実際既に、中米ですがメキシコでは一部地域がマフィアの跋扈によって無法地帯化しており、選挙すら行えない、っていうか選挙すると候補がどんどん殺されるような状況ながら、誰もその状況を変えられなくなっています。そのほかの国でも治安が崩壊している地域がいくつか出ていると聞き、こうした無法地帯から軍閥なり政権が出てきて米国を今後脅かしてくることも今後あるかもしれません。

 実際には意味は逆ですが、そうした「南米の春」があながち絵空事じゃなくなっているような気がするのですが当の米国はむしろ関心を弱めているようにも見えます。キーマンとなるのはやはりメキシコと南米の雄ことブラジルで、この二ヶ国が地理的条件から影響力を今後増してくるような気がします。幸いというか日本とは距離が離れすぎているので、この辺の影響はまず及ばないということですが。

 最後に極論を言うと、恐らく日本人としては米中の紛争に巻き込まれないで済むなら必ずしも米国追従じゃなくてもいいと考えている人が大半だと思います。それならガンダムのサイド6みたく、米中の周辺海域通行を一切とがめないけど領域内での戦闘は完全に禁止するような中立外交も今後選択肢に入ってくるかもしれません。

2025年6月18日水曜日

米から小麦が今の外食のキーワード?

 サイゼリヤの前社長の堀埜一成氏の本(サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術)をこのほど読み終えましたが、この本はこの人の2冊目の本です。1冊目(サイゼリヤ元社長がおすすめする図々しさ リミティングビリーフ 自分の限界を破壊する)はサイゼリヤに入るまでの前半生も描かれているのですが、若干自分語りが強く読んでてブラジルでの話以外は面白くなかったのが本音です。恐らくほかにもそういう反響があったのか、2冊目は徹底してサイゼリヤでのオペレーションや社内改革について書かれており、こちらは1冊目の後半と同じくほかの人にも勧められるくらい面白い内容でした。

 そのサイゼリヤについて先日友人とチャットで会話してたのですが、この本によるとサイゼリヤでは仕事の適性などより、黙々と働くタイプが出世しやすかった述べられているという点が印象に残ったことに触れました。というのその前にその友人と、一部の日系企業では仕事ができるかや適性とかよりも声や態度がデカい目立つ人間を出世させる企業が多く、こうした点が結構な範囲で日本経済を引っ張ってる(足を)という話をしてたからです。ほかの外食チェーンとかはどうなんだろう。

 話を戻すと、サイゼリヤはほぼイタリアン一本で外食大手にしては珍しくほかの業態にはあまり広げません。過去にファーストフードの失敗に懲りたのか、あまり流行っているように見えないけど「伊麺処」を除くとブランドもサイゼリヤだけで、にもかかわらず成長を続けているの大したものだと友人と評価で一致しました。
 一方、すき家率いるゼンショーなんかはこのところあれこれ業態を広げていますが、ブランドを買収しながらもその後手放したりとあまり経営が定まっていないように見えます。元々体育会系な会社と聞き、今の若者から敬遠されそうな社風もあり、企業哲学というか理念がしっかりしていないとこれからちょっと怪しいんじゃないのと思う節があります。

 そんなことを友人と話してたら、「今のキーワードは米から小麦だ」と言われました。これはどういうことかというと、サイゼリヤを除くほかの大手飲食チェーンはどこもうどんやラーメンチェーンの拡大を図っているとのことでした。
 実際、自分もこの前日本帰った時にかたくなにT-34のプラモを作ろうとしないソ連人民の敵であるうちの親父が、新しい飲食店はいまラーメン屋しかないと聞いていました。そのラーメンも今年に入ってから出店がやや減ったという報道を見たのですが、代わりに増えているのがうどんらしく、資さんうどんをはじめ今度はうどん屋が街中にあふれ出しているという話を聞きます。

 こうした流れは単純なラーメン、うどんブームもあるでしょうが、このところの米価高騰も背景にあるように思えます。さらに深堀するなら、家族人数が減り単身世帯が増えている中、ファミレスなどよりこうした一人でも入りやすい麺系チェーンの方が客入りもいいのかもしれません。
 この点、中国の方が実は激しく、中華料理屋は基本大量の料理が出てくるため一人ではまず行けず、そのためラーメン屋とか一人向けメニューの多い和食屋を自分もよく使います。中国人も、特に女性一人なんかはよくラーメン屋に通っていると聞きます。

 私の予想では恐らくこうした小麦転換はまだしばらく続くんじゃないかと思います。となるとコメの消費量はますます減るだけに、今後の農業政策も絡んできますが外食業界とももっと議論重ねて、小麦から米への回帰も関係者はもっと真剣に議論すべきじゃないかと思います。

 最後に上海の外食チェーンの話をすると、今自分の中で熱いのは「オリーブの丘」という洋食チェーンです。この前上海にできて、メニューや価格からみて明らかにサイゼリヤをベンチマークにしているのですが、サイゼリヤはいつ行っても混んでて入りづらいため、まだあまり知名度がなく入りやすさから利用するようになっています。中国って、和食屋は結構あるけど意外と洋食食べれる店が少ないから、たまに無性にハンバーグとか食べたくなります(´・ω・)

2025年6月15日日曜日

好きでも無いものを好きだと思い込む不幸

馬鹿「寝る時アイマスクつけたら人生変わるぞ」昔ワイ「しょーもな」 →(暇人速報)

 たまたまですが先月までどんな時間に寝ても何故か午前五時半にきっかり目が覚めてしまって不眠状態が続いていたため、様々な安眠グッズを試してみたところ上の記事でも言及されているアイマスクが一番効果ありました。アイマスクとプラスチックの持ち手の付いた耳栓を使い始めてからはモリモリ眠れるようになり、仕事の疲れもあるでしょうが昨日今日も3時間昼寝してなお夜もぐっすり寝られています。
 なおアイマスクは種類によって相性があるため、色々試すのがおすすめです。自分としては内側に顔当てのあるものだと結構寝汗がアイマスク内にたまるのが嫌で、顔当てがなくリバーシブルで使えるメッシュ素材のアイマスクが合っています。

 さて話は本題ですが数年前より戦車のプラモを作るようになって色々作るようになりましたが、作ってみて初めて自分はドイツの角ばった戦車よりもロシア製の丸っこい戦車の方が好きだという事実に気が付きました。こんな戦車の好みなんて自覚したところで実生活で役に立つことなんて一切ないですが、この時のことを思うにつけ漫画「ナポレオン」で使われた「自分の本当の気持ちなんてなかなかわからないものだ」というセリフをよく思い出します。このセリフのように、自分が本当は何を好んでいるのかという嗜好については自分で理解するのは存外難しいと日々感じます。

 ほかにも具体例を出すと、例えば漫画やアニメの女性キャラだと自分はたれ目系よりツリ目系の方が好きだということにも最近気が付きました。また昔は「なんやこれ?」と思って批判していた2代目ことGB型インプレッサも今だとめちゃ好きで室内に常にディスプレイしています。後者の例だと単純に好みが年齢とともに切り替わっただけかもしれませんが、もし本当の自分の好きだという気持ちが何らかの形で気づけなかったとしたらかなり損していた気がします。

 そもそも自分の好きなものを間違えるなんてことがあるのかと思う方もいるかもしれませんが、私は実際には多々あると考えます。というのも人間は周辺の環境によって思考が影響されることが多く、一例を出すと推しのアイドルとかがいいと言うから自分もいいと思ってしまったり、親や友人が熱狂しているから自分も好きだと考えてしまう傾向はどこでも確実にあります。
 もちろん実際に手に取っているうちにそのまま好きになっていくことも十分あるでしょうが、もし本当は好きでもないのに付き合いとかでやってて、好きだと勘違いしてしまったら、それは本人にとってあまりいい結果とは言えないでしょう。

 ただあくまで趣味嗜好の範囲で嗜好を誤解するのだったらそんな大したことないですが、これがそこそこ人生に影響する分野だったら大きく違います。具体的には学問の選考や職業で、何となくブームだから心理学とかに進んでみたものの本質的にはあっておらず、嫌いな学問を4年間するとかいいもんじゃありません。同じく仕事でも服を着るのが好きだからアパレル業界に進んでみたところ、着るのは好きでも売るのは好きじゃなかったらマジ大損です。

 こんな具合に、自分の本当の嗜好を人生を左右する分野で見誤るとかなり不幸な結果になります。でもって先ほどにも書いたように、当時の流行や周囲の人の雑音によってこの辺はかなり見誤りやすい分野でもあり、だからこそ職業選択というのが常に議論されるというか回答のないトピックなのだと思います。
 敢えて見誤らないための対策を挙げるとしたら、なぜ自分がそれを好きなのか論理的に問い詰めることです。ここで「周りの人がいいと言うから」などが入ってきたらその時点で疑うべきです。また考えているうちに「なんで好きなんだろう?」という感じで、疑問が深まっていった場合も要注意でしょう。

 逆に、考え始めてすぐに「あの丸っこい目玉ライトがほかにない圧倒的特徴」、「フロントマスクだけならぶ格好だが全体プロポーションで見るとスマートでマッシブ」などと、ポンポンと好きである理由が挙がってくる場合は合格と言えるでしょう。また論理的な答えがないまま、「なんで好きなんだろうかわからないがそれでも何故か好き」という結論に至っても、意外とその対象は本質的な嗜好に根差していると考えていい気がします。言い換えるなら、好きなことを理由付けしなくてはならない対象は大体本当は好きじゃないことが多いように思います。

 とはいえ高三の段階で学問や職業分野の本当の嗜好を把握しているのはかなり困難であり、前述の通り周囲の雑音も大きいことも事実です。その上で敢えて自分からアドバイスするなら、もし本当に自分がやりたいものや嗜好が既にはっきり定まっているのなら迷わずそちらの方向に進むべきで、逆にそうでないのなら、単純にお金の稼げる学問分野をひとまず選ぶことがベターです。具体的には文系なら会計法務、理系ならITや電気などに進んでおけばくいっぱぐれはほぼなくなります。お金さえあれば人生の大半はハッピーで過ごせます。
 その上で、一定の就職につながるスキルを身に着けた上で本来の嗜好に目覚めたのなら、そこからその嗜好に沿った人生をまた目指せばいいと思います。少なくとも、間違った嗜好認識で金にならない学問分野ヘ進んだ場合よりこっちの方がずっと状況はマシです。

 なお自分は高三時にどう選択したのかというと、当時の時点で記者志望でしたが新聞学やメディア学に進んだとしてもそこで学ぶ知識は記者になった後でも十分得られると思え、こうした専門過ぎる学部に進むとむしろ記者としては幅が狭くなるのではと感じました。その上で当時ははっきりとは認知していなかったものの、自分は器用で分野や対象が広ければ広いほど真価を発揮できるタイプだと考えており、学問分野が広いというかはっきりしない社会学を選んで実際に進学しました。ここまで深く考慮してはいなかったものの、自分の相性のいい学問は確かに選べたと思っており、自分の嗜好についてちゃんと方向づけられていた気がします。

 最後につい最近に気が付いたこととして、「俺って、ホーネットが好きだったんだな(´・ω・)」ということに気が付きました。これまではどっちかっていうとミグ29推しでしたが、もちろんミグ29も大好きであるものの、ホーネットもなんかめっちゃ好きだったんだということがわかってきて周りにも「松戸のホーネット」などと名乗り始めています。両機に共通するポイントとしては、

・比較的コンパクト
・マルチロール
・双発
・非主役
・咬ませ犬

 っていうのが自分のツボにはまるんだと思います。トップガンでも、主役期と思いきや最後あれだったしなぁ……。

2025年6月14日土曜日

高校無償化と給食費についての懸念と疑問

「器が大きく、相対的に小さく見えてしまった」 給食の主菜が唐揚げ一つだけだった件で市教委が釈明(ガハろぐ)

 上のまとめ記事はどちらも直近の日本の小学校における給食事情を取り上げたもので、特に前者はおかずがから揚げ1個と、学生時代の私より貧しいメニューにしょうもない言い訳を福岡市がしてきたという話です。この言い訳からわかることは、福岡市の人間は無駄にプライドが高く論理性がないということくらいです。

 話は戻しますがこうした小学校の給食の貧しさについては昨日今日の話ではなく、何年も前から「最近少なすぎる」という話を聞いています。よく刑務所の食事と比較して「受刑者の方がいいもの食ってる」などと書かれていましたが、その比較が行われた数年前よりも上のから揚げ1個の方が少なく、なんか前より状況が悪化しているような気がします。

 またこれに関連してか、なんかここ数年で給食配食事業者の経営難ニュースも見ることが増えました。確か2年くらい前は高校の寮などに配食していた会社が突然倒産して、配食先の学校で急に食事を提供できなくなったというニュースがあったと思います。この突然の倒産に経営者は、キャッシュ・フローの厳しい状態のままで無理くり経営し続けていたが限界を迎えたためなどと話していました。
 この時の配食事業者の破綻について、学校などの契約料金に問題があったのでは、事業者を安く買いたたき過ぎではという同情する意見も当時見られました。これについて私は逆にそういった同情はせず、経営が成り立たないなら料金引き上げをもっと交渉すべきだったし、そうした交渉ができなかったのは契約を打ち切られる可能性があって言い出せなかったと話してはいましたが、突然配食をストップして多方面に影響を及ぼすよりはずっとマシだったろうと感じ、厳しい言い方ですがこの経営者も問題があったと感じました。

 上記の、「契約料金が安すぎて経営が苦しい」という配食事業者の主張に対する見解は今でも変わりはなく、公立校なども競争入札で業者を選定する必要があるため、苦しいのなら経営改善をするか事業撤退、譲渡も検討すべきという立場を維持しています。ただそんな上から目線なこと言う私ですら最近の米価高騰は警戒しており、その上がり方も急だったことから配食事業者は今どこも大変なのでは、何かしら支援が必要なのではないかと心配しています。
 それこそ徐々に上がるのならともかく、1年ちょっとでこんな風に上がったら企業も対策なんて取れるはずもないでしょう。以前ならともかく今の状況なら「経営が苦しくてやばい」という主張も至極納得でき、また経営者の努力ではどうにもならないと感じます。

 あくまで憶測ですが、最初のから揚げ1個の給食もこうした最近の米価を含む食材の急騰を受けての予算不足が原因ではないかと疑っています。仮にそうであれば緊急的に給食費の引き上げや予算の拡大をしてでも給食の充実化を図るべきで、こういったところにこそお金を優先的に使うべきじゃないかと思います。
 然るに最近は高校無償化が新たに始められ、そこへ予算が投入されます。また選挙前の愚民政策よろしく一時金支給も発表されましたが、私はこの一時金を今からでも遅くないから全部小中学校の給食費補填に使い、給食の充実化、配食事業者支援にこそ活用すべきじゃないかと思います。結果的にこれで地方財政も救われる点があるだろうし、公平性の点でも決して不公平じゃないと考えます。何が言いたいかというと、高校無償化と言って教育費を拡大したと言いながら、別のところで空洞ができてたら意味がなく、きちんと固めるべきは足場なんじゃないかっていうことです。

 蛇足ですが、何故米や農家に対してこれほど政策を投入するのかと某元経営者とか批判してましたが、やはり食糧というのは安定を必ず維持しなければならない分野であり、工業などよりも補助金使ってでも対策打つのは当然だと私は思います。さらに言えば日本人にとって米と醤油は存在意義にも係わる重要要素であり、江戸時代でも同様でしたが米価を制する者こそ政治を制すものです。

2025年6月11日水曜日

山尾志桜里氏の公認取り消しをみて(*^▽^*)

国民民主「やっぱり山尾志桜里の公認取り消しまーす」(ガハろぐ)

 ここ数ヶ月で一番爆笑したかもしれません。かねてから批判が多かった国民民主党の山尾氏の公認ですが、なんと出馬会見の翌日になって公認が取り消されるという近年まれにみる盛大な梯子外しぶりで、いろんな方面から注目を集めています。

 そもそもなんで政策力に乏しい上にこんな嫌われている人を擁立しようとしたのかという時点で意味不明ですが、晒上げに近い記者会見をした直後にこうして梯子を外すっていうのも、なんかわざと辱めるために最初から仕組んでやったんじゃないかと疑いたくなるような顛末です。私自身もこの人そんな好きじゃないし不倫相手の奥さんも自殺したという聞いてるだけに、変に表舞台に出ず菩提を弔ってりゃいいのに変に欲をかいて余計にドツボにはまったため、マジで笑いが止まりません。

 それにしてもやっぱり野党は野党かというべきか、基礎控除の議論では評価してましたが先日の玉木代表の家畜の餌発言といい、自民党に対する者よりも自分の党に対するネガキャンの激しさはやはり伝統的でした。ぶっちゃけこの一連の騒動で自民党も次の選挙でかなり勝ち目が見えてきたというか、懸案だった米問題もJA側が言い訳のつもりなのかこちらもセルフネガキャンを繰り返しており、自民にかなり追い風吹いてきてます。勝ちはしないまでも、このままうまくいけば大敗はまず避けられるところまでは来ているでしょう。

 にしても山尾氏はこの後どうすんだろ。無党派層で無理やり出馬したらもっと笑えるからぜひやってほしいのですが。

2025年6月10日火曜日

ダウンロードコンテンツ商法の全盛期で且つゲームがつまらなかったPS3時代

 以前コメントでPS3時代、具体的には2010年前後の頃のゲームは後年に名作と語り継がれるゲームがほかの時代に比べ少ないという指摘があったのですが、これには深く納得というかいい歳こいて延々とゲームをしている私ですらも、この時代はマジでゲームが楽しめずゲームを卒業しかけていました。時代を経てPS4時代こと2015年くらいに入ってくるとまたゲームが楽しくなって今に至るのですが、今思い起こしても確かにPS3時代はやたらゲームが面白くなく、単純につまらないゲームが多すぎた時代だったという気がしてなりません。

 以前の記事でも書きましたが、この頃はグラフィックに傾注した欧米系のゲームタイトルに日系は押され気味で、「日本向けのゲームは海外市場には売れないだろう」という見込みの元、日系メーカーでは海外向けタイトルと日本国内向けタイトルを明確に分けて、日本のゲームがガラパゴス化しかけていました。そうやって日本国内向けに作ったタイトルも残念ながら日本人に受けるほど面白くないというかつまらない作品が多かったので、単純にこの頃海外で売れなかったのは当時作られたゲームが駄作ばかりだったのが理由だと考えています。

 では何故この頃に駄作が氾濫したのか。細かい点を挙げると切りがないですが、地味に大きなマイナス点だったのはこの頃がまさに全盛期だったダウンロードコンテンツ商法が原因じゃないかと睨んでいます。

 ダウンロードコンテンツとは説明するまでもないですが、ゲーム本体とは別にゲーム内で使えるアイテムや追加要素を別売りし、購入者はダウンロードしてそれをゲームに反映させるおまけ要素みたいなものです。ソシャゲなどでのくじ引き券的要素のアイテムもダウンロードコンテンツの一種で、現在のゲーム業界においては収益を稼ぐ重要、っていうか最重要手段となっています。
 そのダウンロードコンテンツ、歴史を紐解くと日本では「アイドルマスター」の特別衣装販売が最初のヒットだったとされており、これが思わぬ収益を叩き出したことからバンダイナムコが特にこのダウンロードコンテンツ商法に執心していくこととなります。どれくらい執心していたかというと、ガンダムのゲームなのにダウンロードコンテンツを買わないとガンダムが使えない作品(PS3の「ガンダム戦記」)すら出していたほどです。

 バンナムに限らず、PS3時代はどのメーカーも増収手段としてこのダウンロードコンテンツに異常なほど力を入れており、まじめにこの頃はゲーム本体よりも一定量のダウンロードコンテンツの方が金額が高くなるというタイトルも珍しくありませんでした。またダウンロードコンテンツと言いながら、データ自体は初めからゲーム本体に内蔵されており、オンラインでお金を払うことで使えるようになるアンロック方式も、この頃は非常によく採用されていました。まぁこれ今でも珍しくないけど。

 そのダウンロードコンテンツですが、特別衣装とかエクストラステージとかならまだわかるものの、中にはセーブ個所の数とかあると非常に便利なコマンドやワープ手段、オンライン対戦機能なと、ゲームの進行に必要だったりユーザビリティに大きく影響するシステム要素すら切り売りされる事例まで当たり前にありました。また「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」のように、お金を払わないとゲーム内コンテンツを満足に遊べないという、フルプライスのゲームなのにさらに金をむしり取ろうとするような、商業倫理的にもかなりイカれた作品まで出るほど世紀末でした。

 当然ながらユーザーの反発も当時は凄まじく、この時代のクソゲーと呼ばれた作品は多かれ少なかれこの手のダウンロードコンテンツ商法による反発やヘイトを受けて評価を落としていると思います。当初はそんなユーザーの声を気にせずこうしたあこぎな商法を続けていたメーカーですが、徐々に逆効果だと気づいてきたのか、現代においてもダウンロードコンテンツの販売は珍しくはないものの、かつてほどメインコンテンツに差し障るような露骨な売り方は鳴りを潜め、「買いたいと思う人が買えばいい」ようなおまけ要素にとどまるようになってきています。
 また金額もPS3時代と比べてかなり抑えられており、かつては千円以上がざらでしたが最近は数百円程度で「それなら払ったろやないかい」と思えるくらいの値段が多くなってる気がします。

 それで話を戻すと、なんか当時のゲームは全体的にダウンロードコンテンツを売りつけるため、敢えてゲームを不完全な状態でリリースする例が多かった気がします。あとでダウンロードコンテンツとして出すためゲーム内で、「まだこの施設は利用できないようだ」、「しかるべき時期が来たら、私もともに戦おう」などと表示してプレイを制限するなどプレイヤーをわざと苛つかせる所業を繰り返し、結果的にユーザーの満足度を極限まで下げていたゲームが本当に多かったです。
 またそのように敢えて不完全な状態で発売することを前提に開発するもんだからか、なんか全体としてゲームの完成度もこの頃は極端に低かった気がします。非の打ちどころのないゲームを作るより、後で課金させるために非の打ちどころ(=不便さ)が満載なゲームを敢えて作ろうという姿勢で、いいゲームなんて作れるわけないというか自明です。こうした開発方針のため、ゲームとしての面白さがどんどんスポイルされ、駄作が量産されていったのではないかとみています。

 そりゃ「いいゲームを作ろう!」と考えて作ってる人たちに比べりゃ、金稼ぎのためつぎはぎみたいなゲームを作ろうとするやつがいいものを作れるわけないでしょうに。

 言いたいことをまとめると、ダウンロードコンテンツ商法を念頭にゲームを開発していたことで、面白さがスポイルされたつまらないゲームを量産していたのがPS3時代であり、あの時代に駄作が多かったのはダウンロードコンテンツ商法が大きく影響しているというのが私の見方です。
 あのころに比べたら最近のゲームは本当に面白いものが増えたし、ダウンロードコンテンツも「買わされる」というより「こっちから買いたい」と思うものが本当に増え、実際買うことも増えて私個人の満足度も高いです。当時、日本のゲーム開発者は欧米のゲームに負けていたことを技術や予算の差と言い訳してましたが、ゲーム開発者の儲けに対する不埒な姿勢こそが日本のゲームが当時凋落していた本当の原因だったと私には思えます。

2025年6月8日日曜日

無線会話による卓越したストーリーテーリング

 昨年下半期に必死で遊んだゲームを挙げると「エースコンバット7」と「地球防衛軍5」が挙がってきます。ジャンルは片方はフライトシミュレーター、もう片方は大量のアリを撃ち殺すTPSと全く異なるものですが、どちらもストーリーテーリングは一貫して無線で行うところが共通しています。

 どちらのゲームも主人公はドラクエタイプの無口なキャラで、ゲーム中では掛け声(E・D・F!)とかを除けば一切しゃべりません。エースコンバットに至っては、主人公の性別すらはっきりしないところがあります。個人的な意見として述べると、なんか女性っぽいなと感じる演出でしたが。
 主人公は一切しゃべらないもののちゃんとストーリーというかバックグラウンドは練られており、それらは無線を通した本部や仲間からのセリフでプレイヤーは把握できるようになっています。エースコンバットだと「こいつは並の腕じゃない!」と敵機に向かって言うセリフを通して、その機体がやや手ごわいというかそのステージのボスキャラであることがわかります。また地球防衛軍では、「足を狙え!」などと言うセリフから、手ごわい敵の攻略法がわかるようになります。

 そうした攻略に役立つ情報のほか世界観なども無線を通して説明されており、またプレイヤーに臨場感を持たせるため、戦場における悲壮感を際立たせるセリフや、逆境の中でもへこたれず、k部する声などもかなり燃えます。特に「エースコンバット」では、最初主人公は周りから新人パイロットとして扱われ、「しっかりついて来いよ」などという気をかけるセリフばかりかけられるのが、後半に入ると徐々に頼られるエースとして扱われ、敵エースと対峙した際も「お前にならできる、お前にしかできないんだよ!」という言葉をかけられ、嫌が応にも自分がエースであるということを意識させられます。
 っていうか、仲間は一切敵エースを落としてくれないことの暗喩でもありますが。

 「地球防衛軍5」に至っても同じようなものですが、こっちは刻々と戦況が悪化していく様が無線で語られ、既に人類が何割減ったとか、拠点がいくつ潰されたとか、終盤の暗さは語り草となるほどのものです。その中でも孤軍奮闘し続ける主人公に対し、オペレーターが涙声で「ありがとう……ありがとう……」と言う場面は自分もかなり胸に来ました。
 もっともこのオペレーター、深夜の作戦に寝坊して遅れて来たりもしますが。

 以前にも書きましたが、前に遊んだ中華製のゲームは操作感やグラフィックは大したレベルであったものの、ストーリーについては支離滅裂で全く頭に入ってこないし、解説読んでもなんやねんというレベルのものでした。これについて中国人の業界関係者である友人は、「中国人からしてゲームのストーリーはおまけみたいなもん」とのことで、ストーリーに力を入れるメーカーも多くないそうです。
 逆に日本はドラクエ以降、ゲームにおいてストーリーをかなり重視して実際これがゲームの価値を左右する大きなファクターとなっています。それだけに見せ方や演出もかなり優れており、上記の二つのゲームのように無線の会話だけでも臨場感を持たせる演出の上手さは改めて考えるとすごいレベルにある気がします。

 というかそもそも、主人公が一切しゃべらない無口主人公という概念自体がかなり特殊なものであるような気がします。自分としても無口主人公だと没入感が高まるし、主人公がしゃべらないことで周りのキャラも際立つようになるので、優れた舞台装置である気がします。
 なお、ガンダムのブルーディスティニーのユウ・カジマもそんな無口系主人公ですが、それを逆手に取り「ギレンの野望」などの別ゲームにこの主人公が登場しても一切しゃべらないという点で、めっちゃ目立つキャラ特徴になっています。それが過去のGジェネだと声優ついてしゃべりだしたことがあり、「こんなのユウ・カジマじゃない!」と、めっちゃ残念に思えさせられたのを今でもはっきり覚えています。つば九郎と一緒で彼はしゃべっちゃだめだろう。

2025年6月7日土曜日

日本に鉄砲を伝来させた倭寇

 今日本で世界に誇れる技術としては、私の中で米軍すらあきらめたのに海上試射にまでこぎつけたレールガンを挙げます。アニメになぞらえ「とある海自の超電磁砲」などとも呼ばれていますが、正式配備には「美琴砲」とか「ビリビリ砲」などと言うのかと思いつつ、原点に立ち返って「TANEGASHIMA CANNON」などと言っても格好いい気がします。
 その種子島は言うまでもなく日本における火縄銃の伝来地でその代名詞ですが、この伝来には実は倭寇の頭目が関わっていました。

王直(Wikipedia)

 今年初めから倭寇のコラムを連載しようと着々と準備しているのですが、そもそも倭寇ってどういう人たちで、どんな活動をしていたのかということをまず読者にイメージさせる必要があると常々感じてました。こうしたイメージはモデルとなる代表的人物の人生を紹介したりすることが手っ取り早いのですが、そうした典型的倭寇モデルを探していたところ一番最適だと思ったのが、この王直でした。

 王直という名前を聞いて多くの人は漫画のワンピースに出てくる海賊をまず想像するかと思いますが、恐らくそのキャラのモデルもこの倭寇の王直でしょう。彼の経歴を簡単に説明すると、元々は別の倭寇の頭目の手下で浙江省沖にある双嶼という離島でポルトガル人と密貿易をしていたそうです。この辺りは漫画の「ブラックラグーン」に出てくるラグーン市に近いです。
 ただその双嶼も明の摘発を受けて崩壊し、それから王直は独立して手下を従える倭寇となり、ポルトガル人だけでなく日本とも密貿易を行うようになって勢力を拡大していったそうです。

 この密貿易で交易された品々は、ポルトガルからは火縄銃や大砲、天文機器などの当時としては科学技術の詰まった品々を買って、中国市場に流していたそうです。一方、日本に対しては中国から衣類などを主に持ち込み、逆に日本からは火薬の原料となる硫黄などの鉱物を主に仕入れて中国市場で販売していたそうです。いわば中国が製品を作り、日本は原料を提供するような貿易関係で、中国で二束三文の衣類が日本だと金、銀換算で数倍の金額で交換できたとされ、かなりうまみのある取引だったそうです。

 先に結末を話してしまうと、この王直は勢力も大きかったことから明の役人の中には過去の罪を水に流す代わりに投降を促す人もいました。明政府も倭寇を取り締まろうにも予算も軍隊もなく、また倭寇の側も重税にあえいで密貿易でもしなければ生活していくことはできず、現場の役人の中には幕末よろしく明政府に海禁政策を止めて開国するよう進言する人もいました。
 王直としても合法的に貿易ができるなら何も言うことないと先の投降の呼びかけに応じたのですが、新しく来た役人は彼の投降を認めず、ホイホイと出頭してきた王直を捕えて処刑してしまいました。この辺りの流れはまんま水滸伝です。

 そんな王直ですが、日本では主に今の長崎県にあたる平戸に拠点を設け、ここで日常的に居住するなどかなり日本に根付いていたそうです。現地の領主である松浦氏も貿易のうまみを得るため彼を保護し、本国である中国では追われ者という立場もあって、日本を海外逃亡の拠点として使っていました。
 ところがある日にポルトガル人とともに航海中に船が難破し、流れ着いたのがあの種子島でした。ここで現地領主の種子島時尭らに対し王直は筆談での通訳を務め、その鉄砲の供与の場面に居合わせていたそうです。

 まじめにこの辺のくだりは日本史の教科書に王直の名前とともに自分は載せてもいいと思っています。何故かというと戦国時代においても倭寇が活発に、九州周辺で活動していたことを伝えられるとともに、当時の大航海時代を取り巻く状況の一端を教えられることができるからです。
 先にも述べた通り王直ら中国人が頭目を務める後期倭寇は当初、ポルトガルと中国間の密貿易を主に行っていました。ところが摘発や競争が強まるや日本との密貿易を行うようになるものの、先の鉄砲伝来のあたりから日本は中国を介さずポルトガルなど南蛮人との直接貿易を活発化させていきます。無論、それ以降も中国との密貿易は続いていたと思いますが、日本側としては以前よりそれが密貿易であるという自覚はほぼなかったでしょう。

 こうした東シナ海を中心とする日中西洋の貿易構造というか物流は世界史を見るうえでも、また九州や堺の商人や大名の力関係を比較する上でも重要なポイントだと思え、単純にロマンを感じます。この辺を中国側の資料を中心にコラムで書いていくつもりで、自分にしてはなかなか面白いトピックに手を付けた気がします。

2025年6月5日木曜日

説明がまるで具体性を欠くJA

 だんだんと暑さに慣れてきたとはいえ、今夜はなんか蒸し暑くてげっそりします。これでも今日の最高気温は30度ちょいで、夏本番には上海は40度くらいまで行くからもう少し我慢しないといけないけど、来週あたりは扇風機を使うことになりそうです。


 さて備蓄米の放出で少しずつ改善の兆しがみられてきた令和の米騒動ですが、この問題の発生原因についてJAがかたくなに口を閉ざす中、小泉農相からかなり具体的な話が出てきました。ぶっちゃけこの内容が真実だったら、米価高騰の原因は明らかに流通というか途中の悪徳卸売業者にあると判断していいでしょう。っていうかこの手の業者は打ちこわししてもいいと思う(´・ω・`)

 しかし残念なのは、こうした具体性ある説明をJAがこれまで一切してこなかったことです。さすがに「いくらで売っているのか?」と各卸売業者に聞くのは独禁法に引っかかる恐れがありやるべきではないと思うものの、米の仕入量、売量くらいは聞いても問題ないかと私は思います。前年比で倍以上高騰するという異常状態でもあり米離れを防ぐためにもこうした調査を行い、仕入量に対し販売量が極端に少ない、米をスタックして価格を吊り上げようとしている業者くらいは独自に調べ、排出しない限りそこには今後米を回さないなどの対策をJAなら取れたと、これまた私は思います。

 また小泉農相が動くとともに事態が動き出すや、失言した元農相をはじめ急にJAの肩を持つ発言する人が増えましたが、どの人の話を聞いてもJAに問題がないと判断する論拠は見当たりません。それどころか、備蓄米をなかなか出荷しなかったことについて精米や梱包に時間がかかるといった言い訳が各大手小売業者の迅速な対応ぶりからも嘘だったことが明るみとなった時点で、今回の米騒動の真犯人はやはりJAだったかと信じる論拠になってくるような気がします。

 ぶっちゃけJAの人の発言に関する報道を見ていると、旧左翼連中の話し方にすごい似ているなと前から感じていました。具体的には、

・数字根拠を絶対に出さない
・素人にはわからない苦労や問題があると主張するが、その問題の中身には触れない
・核心を突く質問が来たらすぐ話題を変える(その指摘はともかくとして、問題点は別にあってetc)
・最後の方になると「何が問題なんだ!」と逆ギレし始める

 昔ならこれで通用したかもしれませんがさすがに現代ではもはや通用するわけでもなく、私自身も農政に詳しくないからこれまで表立って激しく批判するのは控えていたものの、一連の動きと彼らの主張や説明の矛盾からもはや躊躇する必要はないと思うに至りました。過去の記事でも述べていますが日本の農政を追い込んでいるのはやはりJAであり、その解体も視野に入れた改革をすることこそが日本の農業を救うことになるという確信が持てるようになりました。
 少なくとも、JAの金融部門は完全に切りはなさなければならないとは思え、この点を含め今回の米騒動を契機に一気に物事が進むことを陰ながら祈っています。

2025年6月4日水曜日

長嶋茂雄の逝去と昭和の終わり

 すでに各所で報じられている通り、ミスタープロ野球こと長嶋茂雄が逝去されたとのことです。この報道を見て私が感じたこととしては、これで完全に昭和という時代が終わり、現代ではなく過去となったという感傷でした。

 かつてコラムニストの佐野真一がその著書や講演にて「昭和とは美空ひばりがいた時代」と評していました。この表現にも私は異論はなく、美空ひばりは確かに日本の昭和時代を代表する人間であり、平成の訪れとともにこの世を去った点から言っても象徴的存在であったと思います。ただそれを考慮しても昭和という時代をもっとも代表する人物はやはり昭和天皇と長嶋茂雄だったと思え、平成期にも監督として活躍してはいるものの、やはりその人物性は昭和という時代の中で語られるべきだと思います。

 私自身は昭和末期の生まれのため選手時代の長嶋茂雄を見ていませんが、友人の大学での指導教授が「昭和とは?」と聞かれて「長嶋茂雄」と答えたという話が今でも印象深く残っています。友人がその意とはとさらに尋ねたところ、「うまく言えないが、昭和という時代は長嶋茂雄とともに常にあった」と話したそうで、同時代を生きた人間からすればその昭和における存在感が圧倒的だったということを垣間見るエピソードとしてたまに引用します。

 もちろんほかにも世界のホームラン王こと王貞治氏や、八甲田山の映画などで活躍したい北大路欣也氏、そして我らが足立区のたけしも存命中で活躍を続けられているものの、長嶋茂雄を超えるほど昭和を代表する人物はもはやいないと断言でき、一つの時代が完全に終わったと私の中では感じられます。それにしてもナベツネも死んで間もないのに長嶋茂雄も亡くなるとは、なかなか時期が重なるものだと思います。

 私個人の意見として、平成というのは昭和の延長でありあまり独自の時代という印象はないのですが、逆に令和はその前の時代と明確に区別されているというか切り離されており、周りに聞いても令和で価値観などが一新されてきたと話す人が多いです。その点を踏まえても、これで日本も昭和の呪縛めいたものから少し解放され、また新たな文化や価値観が令和において芽生えてくる端緒となってくるかもしれません。
 もっとも、令和の次の時代でも山本昌氏は元気に活動し続けてそうだけど。

2025年6月1日日曜日

次回参院選の行方は?






 中国は明日は端午の節句でお休みで、今日は朝から1日中雨なプラモ日和だったのでシャーマンことM4A3E2、通商ジャンボのプラモを作って遊んでました。シャーマンはバリエーション多くて、同じ型でいろんな商品作れる当たり、プラモ屋を潤すために生まれてきたと思うところのある戦車です。

 話は本題ですがこのところよく取り上げる日本の米価高騰について、江藤前農水大臣の米を買ったことない発言で次の参院選は自民大敗で決まりと踏んだのですが、後退して小泉農水大臣に代わるや迅速な判断で備蓄米が流通し、党として先の失言を埋め合わす活躍がこのところ見られます。無論、安価な備蓄米が尽きた後にまた価格が戻る可能性もあるし、この後更なる失言が続く可能性もありますが、現時点で見れば農水族の嫌味に負けず小泉大臣はしっかり働いていると私も思います。
 っていうか彼は前の環境大臣が全く合ってなかったんでしょうね。

 そんなこともあり、今年夏に予定されている次回参院選についてその勝敗が現状、全く読めません。前述の通り小泉大臣は今評価されていますがこの後でいくらでもひっくり返る可能性もあります。ただ自民党全体で失言に気を付けてさえいれば、国民民主の玉木代表の「家畜の餌」発言をはじめ、野党の方が調子に乗って勝手に失言増やして自滅していく可能性の方が高いと思うだけに、如何に出血を抑えるかがポイントになるかと思います。
 失言のほかにも立憲民主を含む野党では、蓮舫氏や山尾氏など、立候補そのものに批判が起こる議員を批判を恐れずに擁立しており、攻め所が結構多いです。ぶっちゃけ私もこの二人の擁立は疑問しかなく、特に蓮舫氏に至ってはもはや完全に政治家として終わった人物だと捉えており、また本人の判断力というか言動もかなり怪しくなっているように見え、選挙戦中に何かやらかす(立候補批判者に対する逆批判など)可能性が高いとすら考えています。

 仮に自民党が選挙まで米価高騰対策にこのまま成功を維持し続け失言を防げれば、勝利と行かずとも負けもせず、政権を維持できるだけの結果を得られるのではないかと思います。逆に野党が議席を伸ばして敗北ととらえられれば石破政権はもう持たず交代となり、自民党内にもむしろそのような結果をすでに予想していたり、望んでいる議員も多いんじゃないかと思います。なのでトピックとしては、大敗しなかった場合に石破総理が下りるか下りないか、下りる場合には次に誰が来るかというのが目下の論点でしょう。

 その次の総理に関しては、やはり現状で見ると小泉大臣の確率がかなり跳ね上がってきたという風にも見えます。目に見える政策で存在感を出すことに今回成功しており、世間の評判も悪くないだけに、選挙戦でのパフォーマンスによっては一気に総理になる可能性もあるように見えます。逆に、次の総裁選を狙ってか表立った発言をせず選考を続けてきた高市氏は、露出が少なすぎて若干フェードアウト気味であるように見えます。なお先に言っておくと、私はあまり彼女の方針や価値観にあまり賛同できないため、やや批判的な立場を採ることが多いです。

 また総理の席のほか、連立再編について岸田前総理がこの前口にしており、何かしら水面下で動きがあるのかもしれません。一時は国民民主がかなり接近していましたがこの選挙直前になって再び自民と距離が開き、先の玉木代表の発言などもあって関係も冷え込んでいます。その一方で立憲民主とは年金関連法案でやや動きがあり、野田代表の価値観も自分の党より自民党のがかねてより近いところもあるだけに、裏で何かあるのかもと少し疑っています。

 以上のように何もはっきりしたこと書かずあいまいなことばかり口にしましたが、先月と現在で参院選の予想は一気に霧が濃くなったというのが言いたいことです。もう期限も近いだけに今後は一つ一つの発言が大きく影響すると思われ、予断が許せなくなるとともに予想の上ではどんな動きも見逃せないかなと思います。

 最後に、もう一つの大きな懸案だった米国の関税問題については、「トランプに何言っても無駄┐(´д`)┌ヤレヤレ」ということを日本国民の多くが理解しているように見え、交渉で日本が何も得られなくても政権ダメージにはつながらないかと思います。この点は石破政権にとってラッキーというか追い風で、先のUSスチール買収問題に片を付けただけでも十分だと思います。
 なお次の総理に関してはかねてから贔屓にしているリンに今度こそ来てほしいと密かに願ってます(´・ω・)

2025年5月31日土曜日

米価高騰はJAのせいなのか?

 昨年から日本のトップニュースをひた走り続ける米価高騰ですが、本日より一部小売チェーンにて備蓄米の販売が開始され、朝も早くから大勢の人が並んで購入するなど事態が刻々と動いています。
 一方、最初の入札でJAが購入した備蓄米は入札からしばらく経っても市場に全然流通していないと報じられていましたが、現時点の流通状況はどうなのかについて続報はありません。
 この一連の米価高騰について、JAを批判する声は少なくありません。先の流通しない備蓄米いい、全国の多くの農家を束ねる中心的存在であることもあって、価格高騰を引き起こした主犯だとか、対応に問題があるなどといろいろ言われています。しかしJAの側もいろいろ弁解を行っており、今回の米価高騰は意図したものではなく突発的なもので、また根が深い問題ゆえに対応が難しいなどと主張しています。

 そのため、今回の米価高騰はJAのせいかというトピックで今あちこちで議論が見られます。結論から述べると、私自身はJAの責任はめちゃ重く、実質的にこの高騰はJAのせいだという風に思います。
 初めに述べておくと、私自身農業についてあまり詳しくなく今回のトピックは各種報道を見た上での判断に過ぎません。ただ農業には詳しくなくてもロジックには詳しい自信があり、報道で見受けた指摘やJA自身の発信の論理から上記結論に至っています。

・根拠その1、発言がコロコロ変わっている
 当初、具体的には去年年末に高騰し始めた段階ではJAはまだ、政府要請を受けて米価高騰に対し対策に取り組むなどと主張してきました。しかし高騰がその後も続くと、「農家の手取り問題がある」、「JAだけの責任じゃない」などと責任転嫁をする発言へと変わり、現在に至っては今の高価な状態を「かえって今くらいが適正価格だ」などと主張するに至っています。
 もちろん上記のJAの発信がJAの総意ではなく一部の人間の発言である可能性もありますが、少なくともこれら発言をJAが否定するような報道は見ていません。ただでさえ高騰が激化していてちょっとした発表によって消費者も影響されやすい状況であることを考えると、その迂闊な発信姿勢についてはかねてより疑問を思えていました。

 そもそも上記の適正価格発言に関しては、理解の使用がありません。江戸時代みたく飢饉が起きているわけでもないのに、前年同期比で単価が倍にも高騰している状態を適正価格というのは何をかいわんやです。仮に末端農家の収入を考慮しての発言だとしたら、何故これまでに価格引き上げに努めてこなかったのかを問い詰めたくなります。
 少なくとも1年でこれだけ価格が倍にもなったら米離れも十分起こり得て、それによって全体市場規模が縮小するリスクの方が高いと言わざるを得ず、今の価格が適正価格だというのら最低でも数年かけて今の水準に持ってくるべきで、1年で倍となったこの状況を是とする姿勢はどう考えても理解できません。

・根拠その2、価格安定に対する取組内容を一切口にしていない
 今現在、コメの流通はほぼ自由化しておりJAが必ずしも全量を取り扱っているわけではないものの、それでも絶対数では圧倒的首位にあり、価格に対して政府よりも強いイニシアチブを持つ組織であると言わざるを得ません。もちろんそれでも価格は市場が決めることなのでJAの思うがままではないということは理解できます。
 しかし、そのJAがこれまで米価安定について具体的に行った取り組みというのを私は一度も見たことがありません。見たことと言えば「出荷量はこれまで通り、または少し増やしているなのに流通しない」と言い訳くらいで、だったら何故流通経路というかサプライチェーンを確認しないのかと殴りたくなる言い訳でした。

 少なくともある程度サプライチェーンを把握している立場であることから、コメの流通経路を追うなりしてどこか流通を止めていないか、または価格高騰を促していないかの調査くらいはやれよと思うものの、今のところそうした動きは見られません。そのため高騰の原因についても諸説乱れて無駄にヘイトを高め合っている状態にあります。
 前述の通り日本は今飢饉にあるわけでもないし去年の収穫も劇的に落ちているわけでもありません。訪日外国人客の増加によって消費量がやや増えているという事実はその通りだと思うものの、単価が倍になるほどの消費量増加とは言えないでしょう。燃料費などの高騰を価格上昇の原因に挙げる人もいますが、何も原油価格や人件費が倍になったわけでもなく、やはり以上を踏まえるとすでに転売ヤーも出ているだけに流通が価格高騰の主犯だと考えざるを得ません。

 その流通に対してJAは何をやっているのか。もちろん販売価格を指定することはいけませんが大量の米をスタックしている業者を調べるくらいの行動を取らないのかがかねてより疑問で、それ以外の価格安定化も消極的というか日本人得意の「やってますアピール」で何もしているように見えず、この点で批判を受けるのは当然だと思います。

・根拠その3、備蓄米が流通しないことの言い訳
 農水大臣が小泉氏に代わるまで、JAは入札した備蓄米が流通しないことの言い訳として「精米に時間が価格」とも主張してました。しかし冒頭でも書いたように先の入札で備蓄米を得た大手栗チェーンは精米したうえでの販売を今日から開始しています。精米に関しては最もノウハウと供給能力を持っているのはJAと思うだけに、備蓄米流通の遅れに関してもその責は免れないかと思います。
 ただこの最初に放出された備蓄米に関しては、入札で市場価格よりも高い金額での落札であった点から、JAでも赤字販売でなければすぐ流通させられない主張は至極もっともだと思います。私個人の意見としては、第1次報酬の備蓄米は余ってる分だけでも落札価格で政府が買い取り直し、前回入札の通り再び小売業者に配るべきなのではとも考えています。

 全部書き切れたわけではありませんが、大まかな判断理由としては以上の通りです。特に2番目のサプライチェーンの問題については、ドン・キホーテが5次問屋まであるのが原因と小泉農相に意見書を出すなど根深い問題だと思え、これを機に大幅な改革を行うべきじゃないかと思います。
 具体的には農家から小売業者までのサプライチェーンを効率、短縮化するように図り、両社のマッチングを支援するとかがありますが、政府主導でやるとなると農水族が抵抗するのは目に見えています。個人的にこうあってほしい案としては、今回入札に参加した小売業者らが共同で一次問屋業者を設立し、農家との調達取引交渉や分配まで行ってはどうかと考えています。

 私自身はかねてからJAという組織を疑問視しており潰すべきだという立場を持っていましたが、色々報道を見るに農家の方からすればワンストップで農業業務取引を行える相手で必要だという意見が見られました。とはいえ業界改革は必要で、以前にも主張したようにJAが業界単独で存在することが一番の問題だと思え、対抗馬となる別組織を設立することが、JA自身にも改革を促す上で市場いいように思え、上記の通り小売業者らによる共同大規模代理店の設立が落としどころじゃないかと思うわけです。

2025年5月28日水曜日

ホンダジェット模型を巡る中国の闇(´◉◞౪◟◉)

 先日、たまたまYouTubeでホンダジェットの解説動画を見る機会がありました。かねてからその羽の上にエンジンを載せる特異な設計に関しては聞いてはいましたが、改めてそこへ至った経緯などを解説されて俄然興味が湧き、実際に手に取ってその形状を確かめたいという欲が湧いてきました。言いてしまえば、またプラモかなんかでホンダジェットの模型を触ってみたいというわけです。


 そんなわけでいい模型ないかなと早速検索かけてみたところ、組み立てプラモのほか完成品ダイキャストモデルとして上記リンク先のページに行き当たりました。ただやけに値段が高いのと、なんか販売説明がおかしいように思えてコメント欄を見ていったところ、

「数年前に楽○でも予約注文していたのですが、いつまで経っても商品到着せず、予約した販売店に問い合わせると、実はエブロが委託していた中国の生産工場で部品と金型などの盗難事件が発生。そのまま部品を盗んだグループが中国だけで勝手に模倣品の生産を続けて販売しようとした事がホンダに発覚し、怒ったホンダ側はエブロへの生産・販売権を停止。日本で本物の1/144サイズのエブロ製ホンダジェットは生産も販売もできなくなった…という事です。楽○にテナント加入していた某模型店ですら確認するまで連絡もなく返金を渋られたロクな思い出がありませんが…」

 という、衝撃的な事実が書かれていました。さらに調べてみたところ、この商品を販売していたEbbroブランドを保有する有限会社エムエムピーが昨年3月に倒産していたことまでわかりました。つまり、メーカー自体がもうなく、正規品が新たに流通することはないということです。

 組立プラモもこのEbbro製しかなく、上記内容が事実なら新たに購入することは難しいこととなります。となるとほかのメーカーが新たにホンダジェットの模型を発売しない限りはもう手に入らないのかなと、自分もあきらめの気持ちが芽生えてきました。


































売っとるやん!


 ふと、中国で金型が盗まれた云々が気になったのでタオパオで検索をかけてみたところ、すでに倒産していて存在しないはずのEbbroのブランド名を引っ提げてホンダジェットの模型がいまだに売られていました。お値段も135元(2700円)とお得で、自分がこの前かった飛行機のプラモより安いです。
 っていうかこのブランド名からしてこれ本当に売っていい商品なのかよ、それどころかホンダもきっと流通や販売許諾してないだろと、ツッコミどころが多くて仕方ない状況です。そうした諸々が気になるところから、興味はあるけど買っていいか迷うだけに今のところはまだ注文を出してはいません。なんかAmazonのレビューも部品取れやすいとかいろいろ書かれているし。

 なおタオパオに関しては先月、ストレスたまっていたのかほぼ毎日何か注文しては届くたびに「なんで買うたんやろ」と言いながら使わず処分することが多かったのですが、ここにきてようやくその妙な買い物依存症が終わりを見せて注文しなくなりました。この間不眠がひどかったので耳栓も2個買ったり、眠りがよく案る香りスプレーとかも買いましたが、一番効果あったのは通気性良くて蒸れないアイマスクでした。耳栓も後に買った方は活躍中です。
 プラモも今電子戦機のグラウダーとM4シャーマンのジャンボって呼ばれた型式のを組み立て前でキープしてます。こんな状態だから買い物欲も落ち着いてきたんでしょう。マジで先月は狂ったように注文してマグカップとかも増やしましたが、間違って送られてきたあのカップはなんか心理的ダメージデカかったです。

2025年5月25日日曜日

維新は「倒幕」ではなく「武家社会の打破」が目的?

 先日の記事で私は大政奉還の公式最速記録にあたる大久保忠寛のエピソードについて触れました。このエピソードで記事を書くにあたって構想を練っていた際、改めて「そもそもなんで徳川慶喜の大政奉還に対して薩長は納得しなかったんだ」という疑問点を思い出しました。
 あの正式な大政奉還の時点で、少なくとも島津斉彬らが構想していた天皇を中心とした新たな政体の成立は約束されており、徳川家がその後も存続するとはいえ、危ない橋を渡ってでも戊辰戦争を起こすまでの必要性があるのだろうかと、実はかねてから疑問に思っていました。実際、土佐藩など大政奉還を主導した手前もあり「もう許したれや」的に薩長を牽制していましtが、薩長は徳川家に対し所領の全放棄ともいうべき要求を出して無理やり戦争に持ち込み、幕府の完全討伐を図っています。

 この辺りの事情というか何故大政奉還ではいけなかったのか、どうしてそこまでして徳川家を潰そうとしていたのかがかなり前から不思議でした。よく言われる説としては「薩長が徳川家に成り代わって圧倒的権力を掴みたかった」というのがありますが、その後の明治時代を見るとこの討幕を積極的に進めた維新の元勲たちはかつての主君である藩主らを裏切り、廃藩置県などを続々と実施してむしろその権力を削いでいきます。途中で変節したと言い訳することもできますが、この説はなんか違うような気がしてなりません。

 もう一つの説としては、いくら大政奉還したとしても徳川家の所領や影響力は他の大名家を大きく突き放しており、徳川家がいる限り大胆な改革は行えず、何が何でも今ここで潰しておくべきという意見です。恐らくこの説が最も有力だと思え私も納得する部分がないわけではないですが、仮にそうだとしても、あの時点ですぐ戦争吹っ掛けるほどまで切迫していたのかという点で疑問が残ります。
 それこそ新しい政体が発足した後にあの手この手で難癖付けて弱らせていく方が、時間はかかるとはいえ確実であるような気がします。また新規政体に幕府側からはかねてより改革に熱心で薩長の志士たちとも仲の良い松平春嶽なども参加することがほぼ確実視されており、あそこまで焦る必要があったのかとやっぱり疑問です。

 以上のような疑問について今回、改めて大政奉還の意義と戊辰戦争勃発の原因というか背景を考えてみた際、そもそも薩長側は倒幕が目的ではなく手段であり、その本当の目的は武家社会の破壊、つまり武士そのものをこの日本から完全に消し去ることが目的だったんじゃないかという気がしてきました。

 この考えのもとになっているのはかねてから引用している保坂正康氏の「明治維新は二重の革命だった」説です。これは明治維新は薩長による徳川幕府に対する革命のほか、下級武士による上級武士に対する革命だったとする説で、西郷隆盛や山形有朋といった明治の元勲には武士と呼ぶのも墓場られるくらい低い身分の者のほか、伊藤博文など農民出身者もおり、彼らは武士社会から恩恵を受けるどころか迫害を受ける立場であり、だからこそ武士であることに執着なく、冷酷に士族を切ることができたという解釈です。
 基本的に上記主張に私からも何の異論はなく実際その通りだったんだろうと思っているのですが、この下級武士による上級武士への革命は結果的に起こったものであり、意図したものではなく、たまたまあの時代に能力を持って革命で成り上がった層が下級武士たちが主だったからだと考えていました。しかし今回、この革命も幕末において意図されたもの、つまり武士をこの世から抹殺することを考えていた者がいたからこそ、性急に徳川家を潰そうと戊辰戦争が起きたのではと思うようになりました。

 そもそも一体何故武士を潰そうとしたのか。背景理由としては上記の通り、当時大きな決定権を持った維新の元勲らが武士という身分そのものに執着がなかったことがあるでしょうが、やはり新たな時代を迎えるにあたり武士という身分そのものが邪魔というか障害になると考えていたのではないかと思います。
 仮に大政奉還の後に新規政権が発足したとしても、恐らくその参加者は薩長や徳川家の有力者、それも武士だけに限られていた可能性が高かったでしょう。それどころかあまり働かず、社会にほとんど貢献しない武士の身分や特権がそのまま残り、廃藩置県や秩禄処分も実際に歴史通りにスムーズにはいかなかったでしょう。それ以上に、優秀な能力を持った武士以外の層の人間を登用が難しく、四民平等ともならなかったでしょう。

 この武士という身分の打破にあたって、やはりキーとなるのは徳川家の存在です。部門の棟梁を長年続けてきた徳川家がいるかいないかで武士という身分の社会保証や概念は大きく変わるように思え、本気で武士身分を完全抹殺するには、やはりあの時点で徳川家を叩き潰しておかないと無理だったのではないかと思います。実際、会津藩を代表する東北諸藩など徳川家を支持する勢力もまだ多数残っており、徳川家が残るということはそのまま武士が残るということにつながりかねません。
 だからこそ、政権を放棄したとしても新たな時代を迎えるために徳川家には完全降伏してもらうか、薩長という新勢力が叩き潰さねばならなかった、こんな風に武家社会の打破のために倒幕という手段が固執されたのではないかと思うに至ったわけです。

 では仮にその通りだとして、一体誰がこんな構想を持っていたのか。可能性があるというかマジで実際こういう風に考えて行動していたと思う節があるのは小憎らしいあいつしかないでしょう。もったいぶらずに言うと、岩倉具視です。
 武士がそのまま残ったら公家出身の彼は政治に参画できずそのままフェードアウトする可能性もあったでしょう。公家としての勢力を維持するのと、彼自身の徳川幕府、というより武士に対する異常なほどの反感から、倒幕以上に武士の撃滅を考えていたとしても不思議じゃないと思います。

 その上でもう一人、坂本龍馬が提案した大政奉還に大反対し、実際実施後も倒幕を強固に主張し続けたのは薩摩藩だったといわれます。その薩摩藩を動かしていたのはこれまた言うまでもなく西郷隆盛と大久保利通で、本来の最高権力者である島津久光なんかは後年に「倒幕なんて考えたことなかった。下の連中が勝手にやり始めただけだ」と述べています。
 となると、西郷と大久保の両方またはどちらかが武士の撃滅を考えていた可能性もあるような気がします。実際そうだと思うところがあるというか、明治以後の廃藩置県に至るまでのあまりのハイペースぶりからみても、倒幕前の時点で武家社会を崩壊させることが構想に入っていたのではないかと思えます。もしそうだとしたら、彼らの敵は外国列強でもなく徳川幕府でもなく、日本国内にいたすべての武士だったということでしょう。

 そもそも明治維新自体、本音と建前が完全に別々で世の中動いていました。末端の兵士らは「攘夷のために幕府を倒すと思い込んでいた」と言ってましたが、あの時点で群を動かしていた薩長首脳らは攘夷は不可能とはっきりわかっていましたがそれは口に出さずあくまで「攘夷のため」に倒幕するんだと実際に言ってました。でもって明治になると「攘夷?何のこと?(。´・ω・)」としらばっくれるわけです。
 この攘夷についての方便だけでなく、実際には「武士をこの世から消すために倒幕する」という目的も隠されていたのでは、というのが今回の自分の考えです。なにかしらそう伺わせる史料とか出てこないかな。

2025年5月23日金曜日

大政奉還の公式最速記録

 「えん、すん、さん」と聞いて、どんな意味を持つ言葉かすぐわかる人はまずいないでしょう。いたら確実にエスパーです。この言葉が出てきたのは1862年のことで、島津久光が上京して幕府に政治改革を迫り、その運動の甲斐あって徳川慶喜と松平春嶽が内閣入りというか政治に参画した頃でした。
 この際、松平春嶽は攘夷に向けた海岸警備を各藩に命じ、軍備費負担をかける代わりに金のかかる参勤交代を廃止しようと動いていました。この改革案に対しある幕閣は反対して抵抗するも埒が明かなかったことから、松平春嶽のブレーンであった横井小楠を説き伏せたほうが早いと考え横井と会見しました。

 その幕閣は軍備費用捻出のため参勤交代を廃止することは確かに合理的であるものの、徳川幕府の祖法である参勤交代を廃止すれば権威に傷がつき、政権に影響を及ぼすとして横井に再考を促しました。これに対し横井はその意見は実よりも建前を優先する意見のように見えるが、参勤交代の廃止こそ建前を重視した政策だと言い返してきました。その意は如何にとさらに問われると横井は、

「仮に薩摩や長州などの雄藩が今この時代に参勤交代を勝手に放棄した場合、幕府は彼らに強制することはできるのか?討伐することはできるのか?言うまでもなく今の幕府にはもはやそんな力はなく、もしそんな事態が起きたらそれこそ幕府の権威は完全になくなる。そんな事態が起きないよう、今の段階で幕府の側から参勤交代なんてしなくていいよと命じる方が、権威を保つ上でも有用である」

 という風に説得し、この説明を受けてその幕閣も深く納得し、参勤交代廃止派へと回ったそうです。その後は完全には廃止とはならず、年一のペースを年三に伸ばしただけでしたが、この後から明治新野動乱期に入ったため実際にはほとんどの藩がやらなくなったそうです。

 以上の顛末ですがこの時の幕閣、参勤交代議論で考えを改めたどころか、横井の影響を受けてなのかとんでもない意見を他の幕閣に言うようになりました。それが冒頭の「えん、すん、さん」で、それぞれ現在の静岡県と愛知県岡崎市にまたがる遠江、駿府、三河の地域名を表す言葉なのですが、この三つの地域を挙げてこの幕閣は、

「元々、徳川家が江戸に来るまでの領地はこの三地域(約70万石)であった。この際徳川家は、その領地をこの三地域に限定し、他の領地(=数百万石)はすべて放棄して、一大名に身を落とした方がお家安泰のためにはいい

 という、のちの大政奉還と呼ばれる方針を1862年の時点で、自らが幕閣(旗本)という身分ながら主張していたそうです。もちろん言うまでもなくこんな意見を言えば周りから顰蹙を買うのは当たり前で、そのあとすぐに左遷され、左遷先でもこの主張を繰り返したことからさらに左遷されることとなりました。
 ただこの方針はその後、大政奉還どころかその先の江戸城無血開城で徳川家が飲んだ和睦案そのものと言ってよく、結果的にはそのまま実現することとなります。まぁそれもそのはずというか、この幕閣こそが大久保忠寛こと大久保一爺で、勝海舟の才能に目をつけてその地位を引き上げるとともに、幕末においては勝とともに江戸城無血開城を推し進めた張本人だったりします。

 自分は上記事実をついこの間、例によって漫画の「風雲児たち」を読んで知ったのですが、坂本龍馬の大政奉還の案は彼オリジナルのものではなく、当時多くの人間がすでに構想、言及していたものという事実自体は前から知っていました。しかし数年差とは言え1862年という早い時期において、しかも旗本という身分でありながら空気を読まずというか周りを気にせず大政奉還案を大久保は口にしていたというこの事実にはかなり衝撃を受けました。実際、公式記録に残っている中で、大政奉還を最も早く口に出したのはこの大久保だそうです。

 逆を言えば、この事実から言っても龍馬が大政奉還を最初に企画したというのは明らかな間違いであり、徳川慶喜の大政奉還実施時にはもっとたくさんの人が口にしていたことでしょう。実際にこの手の「最初に提唱した」系の多くは否定されることが多く、戦前の石原莞爾の世界最終戦争論も当時の日本はおろかほかの国でもやたらと口にされた構想で、特に珍しくとも何ともなく、石原が天才であったわけでもなく、独創性に優れていたというわけでもありません。独走性は優れていたけど。

 なお超大国同士の世界最終戦争が終わった後、きのこたけのこ戦争がようやく始まると私は考えています。

 こんな具合で当時の幕閣の中にもすさまじく予見性を持った人材がいたのだと驚くとともに、改めて「倒幕」という言葉の意味というか、何故薩長は徳川家が大政奉還しても許さず、徹底的につぶそうとしたのかという点が少し気になるようになりました。この辺についてはまた次回に書きます。

2025年5月21日水曜日

日本はいっそアメ車に関税をかけてはどうか?

 本題と関係ないですが現在日本を旅行中の中国人の友人から、「梅田駅周辺って本当にきれいだね」と写真が送られてきました。以前にも書きましたがまじめに梅田周辺の再開発は目を見張るものがあり、再開発指揮した人はもっと表彰されてもいい気がします。
 言うまでもないですがこの友人に私は何も入れ知恵はしておらず、向こうからこうして話題に出してきたことに驚くとともに、外人の目から見てもそう見えるのかと感じました。

 話は本題ですが結論から言えば、米国が日本に輸出してくる自動車に対し日本は関税かけてみるのも手じゃないかと思うようになってきました。失うものは何もないのに、トランプ政権との交渉材料が増えるという夢のような手段となりうるからです。

 初めに前提として、日本は現在自動車に対して一切何も関税がなく、完全フリートレードを長年実施してきています。にもかかわらず米国のトランプ政権はただアメ車が性能的にも価格的にもカスなので売れないだけなのに、日本は様々な輸入規制を設けてアメ車を弾いているなどと言いがかりをつけて、すでに実施されている自動車関税を含めありとあらゆる貿易面での嫌がらせを続けています。

 今のところ日本は「そんなこと言わずに許してくださいよ(*^_^*)」とへりくだった態度で貿易交渉を行っていますが、先日の中国との関税競争で何も交渉材料がないにもかかわらずあっさり関税引き下げに応じたあたり、米国側も対抗関税に対して何も対抗手段がないということが見て取れました。であればこちらも対抗関税を設けて「そっちが引くなら俺も引く」的な強気な態度をとった方がいいのではと思うに至り、敢えてこれまで存在しなかった自動車関税を、アメ車限定にかけてみるのも手かと思うようになりました。

 そもそも前述の通りトランプ政権は日本には自動車輸入規制なんてほぼ何もないにもかかわらず、様々な規制を設けて妨害していると主張しています。この言を逆手に取り、日本がこれから新たにアメ車に関税をかけたとしても、「日本はアメ車に対する規制を強めた」と指摘すること論理的に不可能です。なんせ規制をかけていると言っていたのは、彼ら本人なのですし。
 仮に論理を無視してそのように主張してきたとしても、それ以前のフリートレードであった条件を比較して見せればいいだけでしょう。

 その上で現在すでに米国は自動車関税を日本を含むほぼすべての国に実施しており、これに対し対抗関税を日本がかけることはなんら問題はなく、正当な大義名分があります。なんならトランプ大統領が言っているように、ボンネットにボーリング球を落とす試験をアメ車限定で設けてもいいかもしれません。
 しかもこのアメ車に対する関税を設けたとしても、日本としては何も困ることがありません。唯一困るのはアメ車マニアな日本人だけで、日本の経済や産業にダメージを与えることは一切なく、米国に譲歩を促す交渉材料が増えるだけなのでいいこと尽くしです。

 もっとも、トランプ政権側の機嫌を損ねることは間違いなく、関税を設けたら色々嫌がらせをしてくる可能性は十分あり得ます。一番可能性があるのは在日米軍の撤退を示唆することですが、私の見立てでは示唆するだけで実行にはほぼ確実に移せないと思います。何故なら中国との交渉であっさり弱腰になったあたり、相手国が対抗してくる事態をトランプ政権は一切想定しておらず、殴りかかってくるくせに打たれ弱いという弱点をすでにさらしているからです。
 それこそ日本のもう一つの交渉材料である米国債売却を、日本もそれとなくちらつかせさえすれば、トランプ政権もそれほど強く脅しをかけることができなくなるという確信が自分にはあります。もっともそのようなことをしなくても、すでにトランプ政権への支持率は米国内でも激減しており、軍事方面で大きな決断をしようものなら猛反対を受ける可能性もあるだけに、在日米軍引き上げや思いやり予算の増額などもあまり強くは言えないでしょう。もし行ってきたとしても、中国との軍事同盟の可能性をメディアなりを通して示唆すれば途端に黙ると思います。

 端的に言えばトランプ政権は存外打たれ弱い、その上ですでにレームダックに陥りつつあるとみています。このまま従順な態度で交渉し続けることも決して悪くはないですが、一発冷や水を浴びせるようにアメ車に関税かけるのはありなんじゃないかと思います。特に今中国が交渉で圧倒的優位に立っており、第一次トランプ政権で通用した半導体規制ももはや中国は克服しつつあり、この中国の攻勢に乗る形で日本も強気な交渉をすることはタイミング的にいい気がします。
 おまけに今、トランプ政権はハーバード大学にもケンカ売っており、ここで日本がトランプ政権を攻撃することで米国知識人の間でも「あの従順な日本ですら?」という印象を覚えるのではないかと思います。何気にこの数ヶ月で一番トランプ政権の失策だと思ったのがこのハーバード大攻撃で、だからこそ今日本が反撃のチャンスだとも感じました。

2025年5月19日月曜日

江藤農水大臣の米買ったことない発言を見て

 わざわざリンクをつけたりしませんが、ただでさえ米価高騰に歯止めがかからない点を批判されているにもかかわらず、地元講演会で支援者からもらっているので米なんて買ったことないと、地元支援者のみならず日本の全国民を敵に回す発言が江藤農水大臣から出てきました。石破総理を含む官邸はまだ彼を続投させようという姿勢を見せていますが、私の見方では長くはもたないし、この弁明している最中にも不用意な失言を重ね、顰蹙を買いつづけるだけでしょう。
 この点、安倍晋三だったらすぐに切っていたであろうと思います。私は彼のことをあまり評価していませんが、切るべき時の決断は比較的早く、その点のリスク管理は優れていたと覚えます。

 そもそも去年の時点で米価は高騰し始めていましたが、政府は新米が流通すれば価格は自然と落ち着くと言って一切対策をしませんでした。その後は語るまでもないですが米価はぐんぐんと高騰し続け、慌てて今年に入り備蓄米を流通したもののJAの活躍もあって全く流通せず、日本の米価はJAによって支えられているということを証明したに過ぎませんでした。
 っていうか単純に外食企業を含む発注量と価格を投げ入れる競争入札にしてすぐにドバっと配れば、全然状況は違ったでしょう。色々法規制を言い訳にしていますが、多分現行法でもこの競争入札は行えただろうし、法律がなくても会期中に緊急対策案として通すことはできたはずです。備蓄米が単純に流通しないのは江藤農相を含む現政権の失政によるものとしか思えません。

 っていうか支援者からもらった米が家に余っているというのなら、この江藤農相の家とJAをみんな江戸時代みたく打ちこわししてもいいと私は思います。それだけの事態でもあるしそんな事件が起きてもしょうがないくらいの失言です。そもそも日本人の米に対するこだわりは、同じ米文化の中国人と比べても桁外れに強く、天皇とお米を馬鹿にする発言は日本における最大のタブーも同然です。そのタブーを江藤農相は破ったも同然なのだから、攻撃されない方がおかしいとすら思えるレベルです。
 放火はさすがにだめだけど、この人の家の中にあるお米を全部ぶちまけるくらいはみんなやってもいいでしょう。それくらいの発言を、彼はしました。

 ただそもそも論を話すと、すべての日本国民を敵に回す発言をいけしゃあしゃあとやってのけるほどの無能が何故農水大臣をやっているのかって話です。それを言ったらこの人以前にもとんでもない失言をする人も多く、現役で自殺した人もいましたが、農水大臣にはなんかその手のヤバめな人が異常に多いです。それもそのはずというか基本的にこの役職は日本においてお飾りポストであり、農水行政に詳しいとか手腕に長けるからではなく、基本的に論功行賞、それも議員歴が長くそろそろ役職に就けないといけないけど無能だから就けるポストがない人にあげるポストであることが大きな原因だとはっきり言えます。

 ところがそんなお飾りポストながら、文字通りな大量の票田を左右するポストであるためその権力は意外に強大だったりします。元々農水省も広報は優秀だと思うけど行政能力的にはヤバめな組織で前からしょっちゅう不祥事や事件を繰り返しているだけに、力があるのに司令塔が無能というかなりおかしな構造が今の日本の農政です。
 今回の江藤農相の発言を受けて改めて思いましたが、上記のようにお飾りポストでトップに無能しか来ないから、日本の農政の混乱や失敗が延々と続いているのではないかという気がしてきました。仮にしかるべき知見と手腕を持つしっかりした人が農水大臣について、総理大臣らがしっかりとその権力を支えJAを解体すれば、改善箇所が多すぎる分、日本の農政は一気によくなるんじゃないかという妙な期待感すら持ち始めてきています。観光立国だってマイナス点が多かった分、力を入れたら一気に良くなったんだし。

 少なくともJAの解体というか対策は今回の備蓄米の混乱を見ていても喫緊だと思えます。そもそもJAが何でこんなおかしな組織なのかというとやはり独占組織であることが最大の原因のように思え、同じ機能を持つ農業団体をもう一つ作ることが手っ取り早い対策だと考えています。
 その名称ですがJAが全農というのだったら、プロレスみたく新農という組織が見ている人にもいいんじゃないかという腹案を持っています。志ある人に立ち上げてもらい、政府がお墨付き作ればすぐに良くなる気がするんですが。

2025年5月18日日曜日

J-10C型のプラモ


 例によって中国の軍事力を研究するため、もとい中国生活の暇つぶしのため、先日の印パ紛争であのフランスのラファールを撃ち落としたといわれる中国の殲10ことJ-10のC型のプラモを入手し、その構造を分析するため今日組み立てました。
 このJ-10については以前に前バージョンのB型も作ってはいるのですが、面倒なキットでいまいちうまく作り切れなかった敗北感があり、前からJ-10はもう一回作ってみたいと思っていました。そこへ先日の戦果報告があり興味を持っている最中に作るべきだと思って今回購入しましたが、話題となっていたことからいつも買うプラモ屋でも注文が集中したのか、いつもは翌日に配送されるところを今回は三日くらいかかりました。それでも早い。

 今回のキットは中国メーカーのトランぺッター製のキットですが、正直ここのキットはあまり買っていません。何故かというと結構凝った作りしてるのと、他社と比べてバリが多くてライナーから切り離した後も何度もバリを取り除かなければならないからです。自分としてはそこまで組み立てにこだわる方じゃなく、簡単に組上がればいいと思うのでタミヤと韓国のアカデミーのキットを好むのですが、トランぺッターに関してはほかでは出されていない中国機を作るときしか購入しません。

胴体の内部構造

貼り合わせるとこんな感じ

 ただこのトランぺッターも悪いところばかりじゃなく、上の写真のように胴体内部のエアインテーク構造はほかのキットでもきちんと再現されています。エアインテークからどのようにエンジンにつながるのかは非常にわかりやすいし立体感を感じられ、このJ-10のキットでもその点は非常によくできてます。左右の胴体の貼り合わせ精度も良好だったし。

エアインテーク入口にある空気流入速度を調整する丸いでっぱりも再現


 そんな誉田でおこうして出来上がり、ミサイルなどは付けんのが面倒だったのと機体本体のプロポーションを堪能したかったため付けませんでしたが、上の写真の胴体下部にあるレーダー妨害装置はすぐ付けられるのと、今流行りの兵装のため敢えて付けました。


 前にも少し話しましたが、このJ-10は元々はイスラエルで開発が進められていた機体ですが、イスラエルがF-16を採用することとなって計画が放棄されたところ、中国が研修者ごと引き取って完成、運用することとなった機体です。
 経緯が経緯ですがこうして世に出ることとなったのは紛れもなく中国の努力の結果で、中国オリジナルの機体と言っても差し支えはないと思います。もっとも、中国政府は公式には上の経緯には触れず、自分たちが一から開発したんだと中国人すら真に受けない主張を展開していますが。

 なおこのほかに現在中国が運用している機体はロシアから輸入したフランカーシリーズのJ-11やJ-15、J-16、米国のF-22をパクったJ-20、F-35をパクったJ-35が主です。これらと比較するならJ-10の独自性は強く、またF-16を意識したオープンデルタ(前尾翼)な形状とあって私自身はこの機体が中国機の中では一番好きだったりします。


 以前に機体前方にある空中給油用プロープを美少女キャラの「アホ毛」に例える人がいましたが、非常に言い得て妙だと思います。その例ではラファールに使われており、落ち着いた佇まいの姉(ミラージュ2000)に対し活発なアホ毛妹キャラとして紹介されてました。
 このJ-10も上の写真のようにアホ毛が付いていますが、もし擬人化するならイスラエルでの経緯を踏まえ、元々は王位継承者として生まれるはずだったのが簒奪を受けて中国に亡命し、デカ女(フランカー)にいびられながらマーボー豆腐屋でこき使われる薄幸少女みたいなキャラになる気がします。ひっさつわざはマーボーファイヤー。


 前回のB型で一番失敗したのが主脚で、なんか変にはめ込みづらい上に固定の弱い形状してて、片方の足をきちんとまっすぐ立たせることができませんでした。伝統的にトランぺッターのキットはこの主脚が脆いのですが今回のC型も、っていうか恐らくB型の金型を少し整備しただけで基本的に同じキットなためか今回も主脚が弱く苦労しました。
 ただ頑張った甲斐あって今回は完璧に組み立てることができ、足回りは完璧に仕上げられました。

手前がB型、奥がC型

今度は手前がC型、奥がB型

 改めて昔作ったB型も引っ張り出して並べてみましたが、基本的にやはり同じ形状というかほぼ違いがありませんでした。強いて言えば、現物はそうでないのかもしれませんが胴体尾部の尾翼の付け根付近の胴体が、B型に比べC型の方がやや細くなっているような気がしました。それ以外はキットにおいてはほぼ同じで、エアインテークの形状もほとんど同一でした。
 実際、C型のバージョンアップは電子性能付近だと聞きます。今回の印パ紛争でもレーダー能力とミサイル性能が勝敗を分けたといわれ、ウクライナでの戦闘でも基本視界外(BVR)戦闘が繰り広げられていることから、もはや戦闘機に旋回能力や最高速度性能は求められず、優秀な兵装を使えるソフトウェアと、レーダーの捕捉、妨害能力の方がますます重要になってくるかもしれません。

 最後に今回昔作ったB型を引っ張り出して比較したところ、接合部とかが今と比べて荒く、今の自分がどれだけ組み立てるのがうまくなったのかを強く感じさせられる出来栄えでした。やっぱこういうのはドラテクと同じで、使ったガソリン代(プラモ代)の分だけテクニックが上がるものだと感じます。

2025年5月17日土曜日

現在連載中で自分が読んでる漫画


 本来は茶道具を入れる棚なんだけど、プラモ置くのにめっちゃよさそうと思って買っちゃいました。案の定( ・∀・)イイ!!

・竜送りのイサギ
 話は本題ですが現在連載中で自分が読んでる漫画を挙げていくと、以前にもブログに挙げた「竜送りのイサギ」というのがあります。これ、最初はめっちゃ面白くて自分も期待していたのですが、単行本が4巻に入るあたりからストーリーのテンポが急激に落ち、話数を重ねても全然進展しなくなってちょっとどうしようかと焦るくらい面白さがなくなってきています。
 この作者は前の連載でも全く同じことをやってて、序盤はサクサク話進んで内容も面白かったのに、中盤に入ったと思うあたりから急に鈍足で世界観説明ばかりの話が展開されるようになり、一気にトーンダウンしてました。なんか「竜送りのイサギ」でも同じ轍を踏むんじゃないかと心配してます。

・タワーダンジョン
 一方、世界観説明を極度に排しながらガンガン話を進めてくるのは、「シドニアの騎士」の作者が連載している「タワーダンジョン」だと思います。
 元々この作者の弐瓶勉氏について自分は信者と言っていいくらい「ブラム」の頃から贔屓にしてますが、前作の「人形の国」の投げっぱなしエンドはさすがに自分ですら許容できる終わり方ではなく、「タワーダンジョン」も最初は購入を躊躇していました。

 ただ改めて購入してみたところ、かつての弐瓶氏のようにベタでほぼ真っ黒に塗りたくられたページに予想もつかない展開ぶりから一気にはまり、残りの巻も一気買いして読むほどはまりました。特にヒロインのリリセンというキャラは不機嫌という感情をそのまま絵にしたようなエキセントリックなキャラで気に入っています。
 勝手な憶測ですが、「人形の国」で二瓶氏は極力ベタを避けてページをほとんど白色のまま表現をすることに挑戦していたのではないかと思います。しかし「ブラム」の頃から二瓶氏と言えばベタ、墨黒であり、黒い絵でこそ本領を発揮するような作家だと思え、そうした二瓶ブラックがこの「タワーダンジョン」では戻ってきてうれしく思ったりします。

・J⇔M ジェイエム
 今一番面白い漫画と聞かれたこの作品を挙げます。かつて散々はまった「ヒナまつり」の作者の新作ですが、実力は確かだけどハードボイルドに憧れる中年のおっさんと、教育虐待を受けながらも知能が異常に高い小学生女児が頭を打ち付けて、人格が入れ替わるというよくある単純な話です。なのに面白い。
 「ヒナまつり」同様、状況に状況がどんどん重なっていって面白くなっていく展開となっており、そもそもギャグセンスが明らかに高く、「百点以外はゴブリン」というセリフだけでなく、要所要所のツッコミのセリフ一つでもやたら笑わせられます。また殺し屋のおっさんが今度はお色気を武器にする女殺し屋とも人格が入れ替わってからはその無軌道な行動がさらに拍車がかかり、やたら冷徹な表情を女殺し屋の体で浮かべるようになって絵でも魅力が高いです。

 っていうかほかの人も書いてましたが、ギャグマンガ家だったからと言っては失礼ですが、意外にもアクションシーンの表現も優れているのには驚き、「このひとこんな絵も描けたんだ(;´・ω・)」と私も思いました。まぁ元々格闘漫画の「タフ」の作者のアシスタントだったんだし、出身的にそういう素養を持っていて当たり前なのですが、本当に意外でした。

2025年5月15日木曜日

札幌市暴行企業の優良企業認証取り消しのおかしな点

 先日に印パ衝突で活躍したというので中国製戦闘機のJ-10C型のプラモを頼んだけど、いつもなら翌日に到着するのに数日経ってもまだ来ないし、同時発注したEA-18Gはもう届いているあたり、かなり注文が来ているのだと思います。実際タオパオ上でも注文数かなり行ってたしなぁ(;´・ω・)
 前からも言っていますが、プラモ屋は戦争が起こると本当に儲かる商売だと思います。


 さてちょっと日が経ったニュースですが、北海道札幌市で社長が社員をボコボコに殴る動画が流出しました。こんな光景、尼崎辺りでは日常でニュースにもなることないのでしょうが、場所が札幌市だったことと、その会社が札幌市からSDGsなどの優良企業として複数の認証を受けていたことから大きな話題になりました。
 上記リンク先の記事にも書かれていますが報道を受けて当の建設会社は暴行の事実について妙な言い訳しつつも、札幌市に認証を辞退したとのことです。ただこんな会社を札幌市は何故優良企業として認定したのかという点で、色々批判が起きています。

 などというありきたりな内容だけならこんな風に自分も記事にしないのですが、先日書いた川崎ストーカー殺人事件のように、何故誰もこの点を突っ込まないのかと疑問に感じる箇所があります。もったいぶらずに言うと、札幌市は何故この会社が認証されていた優良企業認証を全て廃止しないのかという点です。

 表向きは誠実そうに見えても、裏では汚いことやってる人や会社なんて世の中いくらでもあります。そのためどれだけ時間と労力をかけてもその本質を見抜くことは難しく、優良企業と認証しながらも後になって実はとんでもない会社だとわかることは珍しくないし、そんな会社にお墨付きを与えてしまったとしてもそこまで恥じることでもないと思います。
 しかし、今回のケースというかこの会社に関しては叩けば埃がいくらでも出るというか、どっからどう見たってヤバい会社だとすぐわかる例です。ほかの報道によると、従業員に日本刀を突きつけて指か腕を切断するよう迫ったり、残業時間をごまかしたりなどと典型的なブラック企業ムーブを大量にかましています。正直、ちょっと調べればこの会社が問題ある会社だとすぐわかるレベルのようにしか見えません。

 にもかかわらず前述の通りに札幌市はよりによってこんな会社を複数の認証で優良企業としてお墨付きを与えていたということから、認証を担当した札幌市の公務員は見る目がないというか無能の極みな人物であるとしかこれまた言いようがありません。恐らく書類しか見なかったのだと思いますが、その書類審査も杜撰だったのではないかと思えてなりません。
 であれば、札幌市の認証には全く信用や保証がないと言わざるを得ず、この会社以外にもやばい会社が優良企業として認証されている可能性も高いと私は思います。少なくともこんな会社を認証しているという時点で札幌市の認証には価値がなく、最低限の恥を知っているのであれば、認証制度そのものを一旦廃止するのが普通の人の判断であると私は思います。

 ところが、札幌市への批判をする人はそこそこいますが、認証そのものの廃止についてまで言及する人は私が見る限り誰もいませんでした。自分の感覚がおかしいのかと最近ちょっと思えてきてもいるのですが、なんで廃止について誰も言及しないのかとその点が逆に不思議に思えてなりません。まぁ札幌ドームのくだりから言って、札幌市の職員は無能が多いというのは前から知ってますが。

 その上で、札幌市が今すぐやるべきだと思うことは、この会社を反社組織として認定することだと私は思います。正直、優良企業のリストなんて今回の例のようにその信用度を含め全く役に立たないですが、「この会社はヤバい」、「取引はやめた方がいい!」的に警告してくれる反社組織認定リストなんかは消費者保護的にもずっと役に立つ気がします。
 公共事業への入札禁止措置などは割とよく行われているし、国の一部省庁がやっている一部の法令違反を繰り返す企業の名称公開とかもあるっちゃありますが、もっと汎用的に、全国規模ですぐ閲覧できる反社認定企業リストをもっとみんなで作るべきだと思います。

 というより、反社をヤクザ団体だけに適用するのはもったいないというか、旧ビッグモーターのように社会に対し著しく不正行為を繰り返したり大きな損害を与えた企業は、当事者企業に改善を促す意味でも反社認定をどんどんやった方がいいと前から思います。認定から1年後くらいに申請があれば解除審査をやるとか、認定中は公共調達入札への参加は一切禁止にし、他の企業も下請けとして採用するのも禁止するなど、もっと規制をかけていいはずです。出ないとこういうブラック企業はのさばるだけだし。

 最後にこれ書いてて思ったけど、よく優良企業認証もらった会社は認証マークをホームページに貼り付けますが、反社認定企業も販社認定マークを必ずホームページの目立つ個所に掲載するよう義務付けたらめっちゃ楽しいと思う。っていうか中国なんかこの辺の企業の信用度をかなり細かく公的サイトが公開していますが、もっと日本の積極的に反社認定してった方がいいでしょう。

龍馬は何故脱藩したのか?

 昨日ようやく漫画の「風雲児たち」を幕末編を含めて読了しました。連載期間が40年超に及んだことから分量も膨大だったため時間がかかりましたが、作者のみなもと太郎が亡くなったことで高杉晋作が品川焼き討ちを仕掛ける微妙なタイミングでの幕切れとなっています。

 それでこの漫画を読んで自分もこれまで知らなかった事実を大いに学び、高野長英とかにも興味持ったりするなどかなり影響を受けているのですが、改めてこの本読んで気になったというか腑に落ちなくなったのが見出しに掲げている坂本龍馬の脱藩理由です。
 なお「風雲児たち」の中では恐らく作者のお気に入りなためか龍馬に関するページ数は多くなっています。ただお気に入りが過ぎているというか龍馬が出てくる下りはほかのページと比べ扱いが必要以上に大きく、且つ脚色も強くなされていて読んでて「なんじゃこりゃ?」というような違和感を強く覚える構成になっています。特に龍馬の評価がダダ下がりしている現在からすると、かえって史実から遠ざかる描き方のようにも見えました。

 話は戻しますが、坂本龍馬は桜田門外の変から2年後の1862年に土佐藩を脱藩して浪士となっているのですが、一体どんな理由で脱藩したのか、これまであまりその点について追及する解説をついぞ見たことがないということに気が付きました。これは「風雲児たち」でも同じで、龍馬に関するページ数は多いのに脱藩シーンについてはほとんど何も書かれておらず、この点に違和感を持ったことが自分が気になったきっかけでした。

 それで改めてこの点についてほかの人の主張なり解説を見てみようとネットで色々検索してみたのですが、元々フィクションというか脚色濃く語られることの多い人物なだけに、脱藩理由についても複数の説が展開されています。言い方を変えると、これという定説が定まっていないという印象を受けました。
 そんな展開されている説をいくつか挙げると以下の通りです。

1、藩を超えて日本という国単位での憂国意識に目覚めたから
 結論から言えばこれはあり得ない説だと思います。後の大政奉還の提唱などから龍馬は日本という国単位で物を考えていたと思われがちで、その延長からかこの脱藩も土佐藩という枠を超えて行動するため動きやすくなることを目的としたものだったとする説です。
 しかし、そもそも龍馬の脱藩は単独犯ではなくほかに同じ土佐藩士数人と一緒に行われており、またこの時点でそう言ったビジョンを彼が持っていたかとなると正直疑問です。これはほかの説にも言えることですが、自分が把握する限り龍馬自身が脱藩理由について自ら説明する文書などは残されておらず、仮に憂国意識からの脱藩であれば何かしらその考えを書き残したり、ほかの人に伝えていたのではと思うとやや不自然に感じます。

2、武市半平太とそりが合わなかった
 これは有力な説として語られることの多い説ですが、当時の土佐藩では重役は公武合体を指示していたのに対し、下位の若手藩士の間では公武合体などもってのほか、尊王攘夷(+倒幕)を徹底すべきという思想が強く、特に若手藩士の首魁で土佐勤皇党のトップであった武市半平太はかなり過激な思想を持って尊王攘夷を訴えていたそうです。
 この武市が龍馬の脱藩直前に企んでいたのが、土佐藩の重鎮である吉田東洋の暗殺でした。これ以降も武市は手下の岡田以蔵を使って関西地方で暗殺を繰り返すテロ活動に従事していますが、自分が所属する藩においてもこうした暗殺を平気で手段としていた当たりその過激さが際立っています。こうした武市の強硬路線に土佐勤皇党に入っていたとはいえ拒否感を示し、袂を分かつために脱藩したというのがこの説です。
 またこの説にはほかにも龍馬自身が吉田東洋の暗殺を指示された、または巻き込まれそうだったから逃げたという説も見られます。時期的には龍馬が脱藩したのが3月、吉田東洋の暗殺が4月と近くあり得ない説ではないと思うものの、これという根拠もなく、あんま声高に主張する説ではないなという気がします。

3、土佐藩の指示で隠密活動を行うため脱藩を装った
 これもその後の龍馬の行動的にこれはあり得ないのでいちいち解説しません。小説のネタとして使おうにも無理があるでしょう。

4、寺田屋事件のきっかけとなった京都蜂起(伏見義挙)に参加するため
 1862年のこの年、薩摩の島津久光が兵を挙げて京都に来ていました。これは武力を示しつつ天皇から勅をもらって、その勅を幕府に報じる形で薩摩藩が政治に参画し、幕府に改革を促すことが目的でした。この改革方針は基本的に公武合体路線で、久光に倒幕の意思はありませんでした。
 しかしこの久光の出兵について過激派浪士らは意図的に、「薩摩藩は朝廷から倒幕の勅を得て、そのまま倒幕するつもりだ」と吹聴し、久光の意思を無視してそのまま強引に蜂起して倒幕戦争を始めようとしていました。この首謀者はのちに新選組のもととなった浪士組を作る清河八郎だとされてますが、浪士組結成時も嘘八百並び立てて行っているあたり、やりかねない人間だなと私も感じます。

 ただこの清河らのデマはかなり効いて、当時京都には真に受けた過激派浪士が大量に集まり、久光の到着と号令とともに京都所司代を襲う計画を立てるなど、一斉蜂起する気満々でした。結果的にはこうした過激派の動きを問題視して未然に暴発を防ぐため、薩摩藩自らが蜂起首謀者らを粛清(寺田屋事件)したことで事なきを得るのですが、龍馬が脱藩したのはこの京都蜂起に参加するためだったのではという説を唱える人が多いです。
 というのも龍馬の前に脱藩した吉村虎太郎が脱藩の直前、使いで長州の久坂玄瑞に会った際にこの京都蜂起の計画を聞き、ほかの土佐勤皇党メンバーにも伝えていたそうです。吉村はまさにこの京都蜂起に参加するために脱藩しており、彼に続く形で土佐勤皇党からはその後も脱藩者が相次ぎ、これに続く形で龍馬も脱藩しているのですが、時期的にも状況的にも確かに龍馬も京都蜂起に参加するために脱藩したように私も思えます。

 もっとも、龍馬が京都に辿り着く前に寺田屋事件が起こって京都蜂起はおじゃんとなったわけですが、恐らく龍馬本人もこの時肩透かしを食らったような状態だったと思います。必死の決意で脱藩までしたのに蜂起そのものがなくなってしまい、土佐に戻ろうにも脱藩したので戻れないし、何か活動しようにも支援者もおらず、この時からしばらく彼の動静は見えなくなっています。最終的に行く宛てもなかったのか8月になって江戸に入り、かつて通った千葉道場に居候するようになるのですが、この点一つ取っても彼の脱藩には何かしら明確な目的がないように見え、それは京都蜂起が流れてしまったためというのなら得心が行きます。
 また同時に、彼が後に文書などで脱藩理由について一切触れなかったこともこれなら納得がいきます。まさか蜂起に参加しようと脱藩したら蜂起自体なくなってしまって放浪状態となったなんて、格好悪くて書き残すことなんてできないでしょう。仮に以上の通りなら、結構冴えない理由で龍馬は浪人になってしまったのだと思います。