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2010年2月6日土曜日

京都にある大学について

 今日何気なく「Gogle analytics」でこのブログの検索ワードを調べてみた所、

「花園祐 京都大学」

 というワードが入っていて、やや苦笑しました。

 多分私が京都の大学に通っていたということをこのブログの中で散々言っていたからこういう検索をした方がおられたのかと思いますけど、結論から言えば私は京都大学出身ではなく、別に隠す必要はないのですが京都のとある私大出身です。
 ただ私がその大学に在学中、初対面の相手に、「京都の大学に通っている」と自己紹介すると決まって、「京都大学?」と聞き返されるのには辟易してました。近畿圏の人間なら京都にはたくさん大学があるということをわかってくれていますが、どうもそれ以外の地域となると京都の大学となると京大がすぐ出てきてしまうようで、恐らく私に限らず京都の学生は皆似たような経験があるかと思います。

 ではそんな京都には一体どれだけ大学があるのか、そこそこ名の通った大学であれば数え上げれば切りがなく、各大学ごとにそれぞれ特徴があります。ただいかんせん私がそれほど他の京都の大学生と頻繁に交流があったわけでないので知ったかぶりしてその特徴を個別に解説することは避けますが、京都はそれだけ大学が多いということもあって学生には住み易く、かつ学生生活に必要な施設も豊富なので個人的には東京の大学に行くよりも就職機会を除けば得られるものは多いと思います。
 というのも私は元々今も住んでいる千葉県の出身で、高校時代に私の周囲にいた人間はみんな東京の大学に進学していて彼らからいろいろ事情を聞いており、そうした伝聞の情報と自分の体験を比較すると、個人の体験や経験はともかくとして学生生活全体で見れば京都の学生のが恵まれている気がします。

 具体的に何がいいかというとまず圧倒的な利点は家賃の安さです。私なんかは特別で月三万円のアパートに住んでいましたが、敷金礼金が高いものの月五万円も払えばそこそこいい部屋も借りられて通学も京都市内であれば自転車でどこでもいけます。京都精華大学とか京都産業大学は北っ端にあるのでさすがにきついかもしれませんが。
 そうした居住条件に加え学術施設の豊富さも見逃せず、ちょっとした博物館から考古学の発掘現場など、興味があればいろいろと見識を深めるきっかけとなる施設が多く、しかも寺社仏閣に行けば重要文化財があって当たり前ですから至れり尽くせりです。

 ただこうした利点よりも、何が一番よかったかと言えばやはり山に囲まれていたという条件が私の周りで一番人気がありました。京都は盆地で南を除くと三方が山に囲まれており、ちょっと時間があれば簡単なハイキングがいつでも出来ます。やはり日本人は農耕民族ゆえにDNAに山のある風景が染み付いているというべきか、山に囲まれた生活を経験していない関東出身の私や同じく山のない上海出身の知り合いの中国人もあの京都の風景を折に触れて懐かしがっています。

 ただ残念なことに、私の周りではそのような近くの山へ実際に行楽に行く学生はそれほど多くありませんでした。私なんてアホなもんだから、「極寒、信楽サイクリングツアー」で書いたように山越えて滋賀県行ったり伏見稲荷に何度も行ったり、叡山電鉄に乗って比叡山にも行くなどしてましたが、こういうのはごく少数で大抵の学生は盆地の中で止まり続けていました。折角なのだから、見ているだけじゃなく足を運んだ方がいいのに……。

  おまけ
 京都の北西部に「保津峡」といってトロッコ列車が走り、川下りで有名な景勝地がありますが、ここの近くまで自転車で行ったことがありますが、保津峡と言うだけあってすごい坂道だったので自転車を降りて進んでいき、途中まで行って帰ろうと自転車に乗って坂道を下ろうとしたら物凄い加速がついてちょっとビビりました。どれくらいの加速かというと、全力でブレーキ握っているのに自転車がピタッて止まらず、まるで自動車みたいに緩々とスピードが落ちていく感じで、未だかつてあのような感覚は保津峡以来感じておりません。

2010年2月5日金曜日

こんなに上がった漫画の価格

 先日店頭に並んでいたのでのコミックフラッパーで連載している「殿といっしょ」(大羽快氏作)という漫画の1巻を買ったのですが、内容は戦国大名に題材をとったギャグ四コマ漫画でなかなかディープな歴史ネタが盛り込まれており、女性キャラの書き分けができていなくて見分けがつかない点を除くとそこそこ読める内容だったわけなのですが、そういった内容以上にこの漫画で一番気になったのはそのあまりのページ数の薄さでした。基本的に四コマ漫画はどの雑誌でもページ数が少ない中で連載されるため単行本は薄く、かつ発行ペースも間隔が大きく空きがちなのですが、この「殿といっしょ」の1巻に至ってはなんと127ページしかなく、それでいて値段は他の通常の漫画と変わらず540円(税込み)だと言うのですから、なんというか値段に見合わない気がして読後感は正直言ってとても悪かったです。

 この「殿といっしょ」はメディアファクトリー社出版ですが、ここに限らずこのところ漫画の値段の高騰振りが目に付きます。大分前にデフレについて記事を書いた際に日本の物価は消費税5%導入後は総じて低下しているものの何故か書籍だけは上昇を続けていると書きましたが、このところ各漫画出版社が古本屋やインターネットでの不正アップロードによって漫画が売れなくなったと自らの窮状を訴えるのを見るにつけ、そもそも値段を上げ過ぎなのが販売、業績低下の原因ではないかと苛立ちとともに感じていました。
 そこで今日は週末で力も入れられるということもあり、ちょっと頑張って如何に漫画の値段が上がってきているのか自宅内で検証してみようかと思います。

 まず漫画の値段ときたら、避けては通れないのが漫画雑誌の値段です。ちょうどよくウィキペディアに少年ジャンプの値段の変遷がまとめられているので、早速下記にて引用します。

・週間少年ジャンプの値段の変遷
創刊時 - 1970年6月 90円(100円?)
1970年7月 - 1970年11月 80円(不明)
1970年12月 - 1973年3月 90円(100円)
1973年4月 - 1973年11月 100円(不明)
(1973年11月16日 第一次オイルショックに伴う「石油緊急対策要綱」を閣議決定)
1973年12月 - 1976年6月 130円(150円)
1976年7月 - 1980年6月 150円(170円)
1980年7月 - 1989年3月 170円(180円、または190円)
1989年4月 - 1990年8月 180円(190円、または200円)
(1989年4月1日に消費税3%が導入された)
1990年9月 - 1996年1月 190円(200円、または210円)
1996年2月 - 1997年8月 200円(210円、または220円)
1997年9月 - 1998年4月 210円(220円、または230円)
(1997年4月1日に消費税税率が5%に変更)
1998年5月 - 2004年4月 220円(230円)
2004年5月 - 2008年8月 230円(240円、または250円)
2008年9月 - 240円(250円)
※括弧内は特別定価



 自分が記憶している限りでジャンプが最も低い価格だったのは180円で、その頃と比べると消費税が導入されたとはいえ60円も高い240円、率にして13%も上がっているとは、こうしてみると改めて驚きです。とても今の世の中がデフレだとは思えない上がり方です。
 ただこの値段の上昇の仕方についてはいくつか意見があり、確かに値段は上がったもののページ数も同時に増えていて1ページあたりの単価はそれほど上がっていないと下記のサイトでは主張されております。

週刊少年漫画雑誌はここ30年くらい値上がりしていない(情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明)

 上記サイトでは時代ごとにページ単価を比較しているのですが、何故かはわかりませんがジャンプやマガジン、サンデーなど複数の雑誌を一緒くたにしているうえに発行年もかなりバラバラなまま比較しているのでちょっとどうかと思うデータではありますが、結論としてはオイルショック後はそれほど変わっていないとまとめております。
 しかしこのサイトで紹介されているデータで少年ジャンプのデータだけに注目すると、以下のような変遷が確認できます。

1992年:190円 422ページ 1Pあたり単価:0.450円
2007年:240円 474ページ 1Pあたり単価:0.506円


 大まかに言って0.45円から0.50円の、率にして約11%の値上がりが92年から07年の間に行われたということになり、先程のジャンプの価格の変遷で私が挙げた89年から07年の間の13%の値上がりと比較しても遜色がない気がします。
 第一、ページ数が数パーセント増えたところで印刷にかかるコストなんてそれほど変動するとは思えませんし、いくらページ数が増えたからと言ってそれが販売価格の値上げに直結するというのは出版社の低の言い訳にしか私には聞こえません。

 こうした漫画雑誌の価格に対し、今回私がむかっ腹を立てた漫画単行本の価格はどのような変遷を辿っているのでしょうか。まずは今回槍玉に挙げた「殿といっしょ」と同じ四コマ漫画で価格を比べてみると、今手持ちの漫画だとこの様になります。

  四コマ漫画価格比較
・殿といっしょ 大羽快 2007年出版 メディアファクトリー 540円 127P(4.25円)
・うめぼしのなぞ 三笠山出月 1996年出版 エニックス 500円 110P(4.54円)
・あずまんが大王 あずまきよひこ 2000年出版 メディアワークス 680円 160P(4.25円)
・ほんとにあった!霊媒先生 松本ひで吉 2009年出版 講談社 560円 157P(3.56円)
※すべて単行本は1巻のデータ 括弧内はページ当たり単価


 我ながらディープな組み合わせとなりましたが、結果をまとめると「殿といっしょ」は極端に高くなく、逆に講談社は非常に良心的であるということだけがわかりました。ただ少し言い訳をすると、「殿といっしょ」と「ほんとにあった!霊媒先生」はB6サイズ(128×182mm)の本に対して、「うめぼしのなぞ」と「あずまんが大王」はA5サイズ(148×210mm)の本です。

 というわけで初っ端からしょっぱい出だしですが、今度はまだ比較しやすい同じ出版社から出ている単行本の価格を比較しようと思います。まずはジャンプコミックスからで、折角なので敢えて同じ作者で少年誌系コミックスと青年誌系コミックスを比較してみました。

  少年誌、青年誌系ジャンプコミックス価格比較
・エンジェル伝説 八木教広 1993年出版 集英社 390円 215P(1.81円)
・クレイモア 八木教広 1993年出版 集英社 420円 191P(2.19円)

・エルフェンリート 岡本倫 2002年出版 集英社 530円 203P(2.61円)
・ノノノノ 岡本倫 2008年出版 集英社 530円 211P(2.51円)
※単行本はすべて1巻のデータ 括弧内はページ当たり単価


 岡本倫氏の単行本については私も以前に書いたように作者自身が値段を抑えようとあの手この手と手段を講じているだけあってさすがのページ単価ダウンですが、八木教広氏が悪いわけではないですが、少年誌系のジャンプコミックスの値段の上がり方はさすがに目に余ります。何度も言いますが、この間日本はずっとデフレで他の物価は下がり続けております。

 しかし、こうしたジャンプコミックス以上に私が問題視しているのは何を書くそうアフタヌーンのコミックスで、前にも岩明均氏の「ヒストリエ」が値段が変わっていないのに巻を重ねるごとに薄くなるのは何事かと書きましたが、それ以上に問題なのは藤島康介氏の「ああっ女神さまっ」です。百聞は一見に如かずということで、早速比較を行いましょう。

  「ああっ女神さまっ」(講談社)単行本価格比較
1巻 1989年出版 430円 180P(2.38円)
10巻 1994年出版 450円 172P(2.61円)
20巻 1999年出版 530円 241P(2.19円)
30巻 2004年出版 490円 148P(3.31円)


 まだ20巻までの変遷は理解できるにしろ、20巻から30巻への高飛び振りはこうしてみるとえらい数字になって調べた本人ですら驚いております。ページ単価でみると2.19円から3.31円への1.12円上昇で、率にして約51%の上昇です。
 私個人の意見ですが、いくら人気作家でこの値段でも売れるとしても、作家や出版社はこんな売り方をしていて恥ずかしくないのかと一度聞いてみたいものです。

 ここまで手持ちの漫画単行本に対してあれこれ価格を比較してきましたが私の中の結論として、やはり漫画業界はデフレ下の日本においてこの十数年間、一貫として価格の値上げを行ってきたのは確かだと言える気がします。売上げが落ちたから値上げをしたのか、値上げをしたから売上げが落ちたのか、どっちが先かまではわかりませんがその値上げに至るまでに企業内でどれだけコスト削減に取り組んだのかなどが私には見えてこず、こうした一方的で一貫とした価格設定の仕方だけを見ていると古本屋に客を取られるのも自業自得なのではないかと人事ながら感じます。

 最後に個人的な意見ですが、確かに読者となる子供の数が減って出版社として本当に苦しい状況かもしれませんが、少年誌系コミックスについてはただでさえお小遣いの少ない小学生がメインの購読者層であることを考え、もう少し価格努力を行って欲しいと願います。

2010年2月4日木曜日

小沢一郎の不起訴について

石川議員ら3人を政治資金規正法違反で起訴(産経新聞)

 本日東京地検は、かねてより政治資金規正法の違反容疑で取調べを行ってきた小沢一郎民主党幹事長の起訴を見送るとの発表を行いました。その一方、この関連の容疑で逮捕された小沢氏の元秘書であった石川知裕議員ら三人は起訴するとのことで、結論から言えば私にとってこれはいろんな意味で残念な結末でした。

 私は過去の四億円の土地購入にまつわる小沢氏の周辺に及んだこの一連の捜査が始まった際、検察の狙いは報道されていた鹿島建設などからの裏金の授受ではなく、「小沢一郎、政党助成金私的流用疑惑について」の記事で書いた自由党解散時の政党助成金流用疑惑だろうと踏んでいたのですが、今回のこの一連の捜査ではこの流用疑惑については一切触れられてきませんでした。
 まぁこの政党助成金の流用については後で自分も調べてみた所、どうも自民党も武部勤氏や中川秀直氏が幹事長時代に彼らの政治団体に振り込んでいたそうなので、政界では暗黙の了解となっていたということがわかったのですが……。

 ただこの流用疑惑が取りざたされないにしても、この結末はいくらなんでも問題なのではないかと思います。私は当初、この事件が建設企業からの裏金が渡されたかどうかなどについてはあまり興味を持っていなかったのですが、事件が進むにつれて四億円の土地購入資金の原資についての小沢氏の発言が次々と変わっていったのを見て不自然さを感じ、もしかしたら本当に全額裏金で買ったんじゃないかと疑うようになりました。以下に軽くその変遷をまとめると、

1、銀行から担保を出して四億円を借りて出した→融資を受けたのは支払い後だとばれる
2、これまでこつこつと自宅の金庫に貯めていた金で出した
3、金庫のお金は貯めていった金ではなく小沢氏の父親の遺産だった→本人が昔、遺産はからっきしなかったと述べていた

 何故こうも原資に関する内容がコロコロ変わるのか、素人目に見たってやはり怪しく思えます。虚偽記載にしたって、最初の銀行から融資を受けたって言っている時点で小沢氏も今回の件を了承していたと見るのに十分じゃないかと思います。
 とはいっても、証拠不十分で安易に逮捕されるというのもまた問題で、どうせだったら石川議員らも不起訴でこの事件は終えるべきだったんじゃないかと私は思います。たださっき書いた朝青龍の引退に追い込んだ事件をスクープしたのは週刊誌だったので、ひょっとしたら時間が経てばこの事件は急激に何か動くこともあるかもしれません。

朝青龍の引退について

 ちょっと前の記事で朝青龍のことばかり書いてちゃいけないと言っておきながら、やっぱり書かずにはおれません。
 本日、場所中に知人に対して暴行を行ったことからかねてより去就が注目されていた横綱朝青龍が相撲協会に自ら引退を申し出ました。この朝青龍の引退について私は、自らその進退を決めたことを評価する一方、相撲協会ともども遅きに失した判断だったと考えております。

 これはあくまで私の経験則ですが、世の中にはいくら反省を促しても同じ過ちをくりかえす繰り返す人間というものは絶対に存在していると思います。朝青龍もご多分に漏れずその例に当てはまる人間で、これまで何度も即刻引退物の不祥事を引き起こしてはもう酒は飲まないとか、真摯に反省しているなどと口先では言うものの結局すぐまた同じような問題を引き起こしておりました。個人的に一番呆れたのは怪我を理由に巡業をサボっておきながらモンゴルでサッカーに興じていたあの事件ですが、私は相撲協会はあの時に朝青龍を即刻解雇するべきだったのではないかと思います。
 厳しい言い方になりますが、何度更正のチャンスを与えられても反省の出来ない人間は時間を与えるだけ無駄で、早い内に厳しい処分なり追放をすることこそが必要だと私は思います。

2010年2月2日火曜日

呆れた採用面接をした会社

 さすがにもうそろそろ時効かなぁと思うので、私が受けた採用面接でびっくりさせられた会社の話を一つ紹介しようと思います。

 いきなり実名を挙げちゃいますがその会社というのは京都の「くろちく」という、なんか不動産とかアパレル、雑貨の販売とかいろいろやっている会社なのですが、数年前に私が就職活動をしていた当時、京都に住んでいたこともあって自転車でいける距離の近さから説明会、採用面接を受けてみたのですが、唖然とさせられたのはここの一次面接でした。

 一次面接はグループ面接で、私と数人の就職希望者(確か全員女性)は他の会社でも聞かれるような型通りの質問に順番に答えていたのですがその途中、その場にいた一番えらそうな営業の社員の携帯がいきなり着信音付きで鳴り、「えっ?( ゚Д゚)」とした表情をする我々をよそ目にその社員は平気でその着信に出るや席を立ち、とっとと面接を行う部屋から出て行ってしまいました。

 確かこの会社はそれほど大きい会社でもないことから当時の新卒採用にてコンサルタント会社に一部業務を委託していましたが、この事態に対してコンサルタント会社の女性社員が場を取り持って他の社員とともに面接を続けたのですが、確かそれから十分以上は面接が続いたものの結局その出て行った社員は戻ってこないまま面接は終わりました。しかしその面接終了時にも面接官の一人(しかも一番えらそう)が突然携帯を鳴らしてそのまま出て行って戻ってこなかったことについて何の言及もなく、我々はその日はそのまま帰されて、後日私のところに無事不採用通知が来たというわけです。

 仮にもし就職希望者がその携帯に出た社員と同じことをしたとすると、まず間違いなく面接を行う会社はなんて常識のない人間だ、あんな奴は採用するなと言うに決まっていますし、下手すりゃ「てめぇなめてんのか(#゚Д゚) ゴルァ!!」とその場で怒鳴られるかもしれません。もちろん会社員にもいろいろ事情もあるだろうし面接中だろうと急な電話に出なければならないというのも理解は出来ますが、いくらなんでも何の断りもせず、しかも長電話になるならなるで途中で一言も侘びを入れずに出っ放しというのは私には理解できません。

 別にこういうことをわざわざ書かなくともよかったといえばよかったのですが、いくら選ぶ立場だからといって採用企業は何をしてもいいというわけじゃない、最低限のルールは守らなければならないということを就職シーズン前に言っておきたかったので、個人的な恨みを含めて今回書くことにしました。このほかにもこの手の話はまだまだありますが、会社の実名を挙げ、ホームページのリンクまで貼る辺りが私らしいなという気がします。

民主党のマニフェスト破りについて

 政治系のブログなんだから朝青龍のこととか書いてないで、たまにはちゃんとした時事評論でもやっとこうと思います。どうでもいいですが、このところやけに自分の文体がラフになってきた気がします。意識はしてないんですけど。

 さて通常国会も始まったのでこれから政策についていろいろと議論されればニュースにもなるかと思っていたのですが、現在の所去年の補正予算案の審議と採決だけしか主に行われていないのでどうにもこうにも記事が書き辛い状況であります。そんな中、政治系ニュースでこのところ主に取り上げられているのは小沢民主党幹事長の闇献金疑惑ばかりなのですがこちらについては私も散々書いているので今回は置いといて、これとは別にこれからの今年の本予算審議で重要な所となる民主党がマニフェストに掲げた政策について、このところ閣僚から発言が相次いでおります。

 まず最も二転三転しているのは今年の中ごろから始めると去年は意気込んでいた子供手当てで、この子供手当てを当初の月額二万六千円(2010年はこれの半額)を満額対象世帯に配ることについて、いちいち閣僚の名前まで挙げませんが満額出すのは難しいという人もいれば全然余裕で配ってやるなどと意見が分かれております。こういった閣僚の間で意見が割れていることをメディアはよく取り上げて今日も鳩山首相の発言を報道しているのですが、あくまで私の所見ですが国民の間でこの議論はそれほど興味がもたれていないのではないかと思います。

 元々この子供手当て、またこちらもマニフェストに掲げられていた高速道路の原則無料化は去年の総選挙の時点から今に至るまで賛否両論が分かれており、特に後者に至っては恐らくどこの調査でもただの一度も賛成が反対を上回ったことはないと思います。おまけにこの子供手当ては国からお金をもらうということで、日本人の妙に周りの反応を気にする性格が作用してか表立って、「くれるってんなら早くくれよ!」っていう意見を言う人が少なく、そういった諸々の事情ゆえに国民の間で議論が大きくならないきらいがあります。もっともこの場合、議論が大きくならないというよりはこれらの政策自体に無関心な所が大きいという気もしますが。

 それがゆえに、先程の高速道路原則無料化の撤回を筆頭に民主党のマニフェスト破りが現鳩山政権の致命的な支持率低下につながらないのだと私は見ております。テレビに出てくるコメンテーターや自民党議員などにはこれらのマニフェストと矛盾している点を厳しく追及する者もいますが、いかんせん国民自身があのマニフェストに元々期待していなかった、下手すりゃ反対していたということからどうにも大きな動きには今のところつながってはおりません。また民主党もこういったところはちゃんと心得ているのか、原則無料化はできないと言い切った後はあまりこれらの問題に言及しないようにして被害を最小限の留めようとしています。これが麻生政権だったら、来年には出来るかも、いや出来ないかもと言い続けては支持率低下を招いたでしょう。

 私自身、高速道路の原則無料化と子供手当ての廃止については元から反対でした。ただ官房機密費の公開を拒んだというのは個人的には残念でした。まぁこっちも大きな動きにつながらなかったけど。
 言ってはなんですが民主党のマニフェストは私も去年の総選挙前に「みんながマニフェストを読まない理由」の記事で内容が当たり前のことしか書いておらずあまりにもくだらなすぎて価値がないと評したように、もとより投票の指針になるどころか何の広報にもなっていなかったと思います。それが故に今の民主党のマニフェスト破り、というか公約破りは民主党に何のダメージも与えないと言い切ってもいいです。ですのでメディアも野党もマニフェストと実際にやろうとしている政策がどうとかこうとか言い合わず、この際マニフェストのことは金輪際忘れて本当にやろうとしている政策について議論した方が有益ですらないかと思っています。

 かつて民主党は小泉政権時に、小泉元首相が改革、改革と叫んだことで改革という言葉の価値を貶めてしまったと訳のわからない批判をしていましたが、少なくともマニフェストと叫び続けてマニフェストはもとより公約は守られないものだと定着させた民主党の方が責任は重い気がします。まぁ公約破りは小泉政権時も、「この程度の公約破りは大したことではない」と言い切るなど、いろいろ凄かったけど。

2010年2月1日月曜日

中国の検閲について

<日中歴史共同研究>内容報道のNHK放送 中国国内で遮断(毎日新聞)

 最近このパターンが増えていますが、今日もニュースに対して思った感想を書こうと思います。
 リンクに貼ったニュースは現在日中の専門家らによって行われている歴史共同研究についてNHKが海外向け放送にて報じた所、なんと当事者であるのに中国国内では戦後史の場面の放送だけが遮断されたということを報じているニュースです。このニュースを見た私の感想はというと、こんな当たり前だと思っていたことでもニュースになるんだなといった所です。

 実はこういうことは中国では珍しくなく、私が留学で滞在している最中にも何度か目撃したことがあります。はっきりとそれだとわかったのは天安門事件(第二次)が起きた六月四日の放送で、外語大ということもあって私の大学寮のテレビでは各国の放送が見られたのですが、いつものように夕方のNHKニュースを見ているとアナウンサーが、

「1989年の本日、中国にて天安門事件が--」

 と、言った所で突然ブツンっという音とともに画面が暗転して何も見えなくなりました。最初はテレビの故障かなと思ったのでチャンネルを変えてみると他のチャンネルは映り、NHKの衛星放送にて何がしかの問題が起きたのかなとも思ってしばらく元のチャンネルのままにしておいたのですが、時間にして約二、三分、しばらく時間が経つやまたもブツンっという音がしてNHKのニュース画面は再び映りました。しかし、画面が切れる前に言いかけていた天安門事件についてのニュースは案の定すでに終わっていました。

 言ってはなんですが、中国ではこういうことは日常茶飯事だと思います。著作権については全然緩いくせに、こういった政治や思想についてやけにお堅い所はネット上も実生活上も全く同じです。ちなみにその天安門事件の日はクラスメートのアメリカ人が、「今日は何の日か知ってるか?」ってわざわざ話を振ってきました。さすがに人権にうるさい国なだけある。

 今回放送が中断させられた箇所もどうやら天安門事件について触れようとする場面だったようですが、こうした放送が中断させられるという事実以上に、海外放送についても中国政府は常に検閲を行っているという事実に目を向けるべきだと私は考えます。友人も言っていましたが一体中国政府はどれだけの人員と労力を使ってこうした検閲を行っているのか、その規模と力の入れようを考えるといくら人が余っているからってもう少し別の方に使ったらどうだと言いたくなって来ます。今回のケースから察するに、まさかNHKの放送内容を事前に知ることなんて無理なんで、恐らく常にテレビを見ている監視員が最低一人はいて、しかもその人物には中国全土でNHKの放送を中断させる権限を持っているということが予想されます。

 こうしたテレビならまだ一人か二人の監視員で済みますが、インターネットともなれば常時膨大な人数を割り当てて検閲を行っていることでしょう。実際に台湾系サイトならまだしも中国系のサイトでは天安門事件や文化大革命について言及しているサイトはほぼ皆無に近く、一説によるとそういった中国にとってまずい情報をアップロードした人間を罰するのではなく、アップロードさせたままにしているサイトの運営者、管理者やプロバイダーを罰することでネット上の情報も検閲しているそうです。うまい叩き方だと思う。

 最後に日本のメディアへちょっと苦言を呈しておくと、今回のNHK海外放送の遮断を報じるメディアは多いものの、先月にあった中国政府の検閲に抵抗する形でのGoogle社の撤退検討騒動と合わせて報じるところは皆無だったというのは少し情けないかと思います。どちらの中国の検閲に関わる内容で、商業と社会倫理、そして情報の捉え方を考えていく上ではパッケージングして報じるべき内容ではないでしょうか。
 そういうわけでどこかそういった報道をしていないかと少し検索をかけたところ、今回のニュースとではないですがGoogle社の撤退騒動について西日本新聞がありきたりといえばありきたりですが、なかなかよくまとめた社説を書いているので紹介しておきます。

中国ネット検閲 情報統制は無理だと悟れ(西日本新聞)