2010年2月1日月曜日

中国の検閲について

<日中歴史共同研究>内容報道のNHK放送 中国国内で遮断(毎日新聞)

 最近このパターンが増えていますが、今日もニュースに対して思った感想を書こうと思います。
 リンクに貼ったニュースは現在日中の専門家らによって行われている歴史共同研究についてNHKが海外向け放送にて報じた所、なんと当事者であるのに中国国内では戦後史の場面の放送だけが遮断されたということを報じているニュースです。このニュースを見た私の感想はというと、こんな当たり前だと思っていたことでもニュースになるんだなといった所です。

 実はこういうことは中国では珍しくなく、私が留学で滞在している最中にも何度か目撃したことがあります。はっきりとそれだとわかったのは天安門事件(第二次)が起きた六月四日の放送で、外語大ということもあって私の大学寮のテレビでは各国の放送が見られたのですが、いつものように夕方のNHKニュースを見ているとアナウンサーが、

「1989年の本日、中国にて天安門事件が--」

 と、言った所で突然ブツンっという音とともに画面が暗転して何も見えなくなりました。最初はテレビの故障かなと思ったのでチャンネルを変えてみると他のチャンネルは映り、NHKの衛星放送にて何がしかの問題が起きたのかなとも思ってしばらく元のチャンネルのままにしておいたのですが、時間にして約二、三分、しばらく時間が経つやまたもブツンっという音がしてNHKのニュース画面は再び映りました。しかし、画面が切れる前に言いかけていた天安門事件についてのニュースは案の定すでに終わっていました。

 言ってはなんですが、中国ではこういうことは日常茶飯事だと思います。著作権については全然緩いくせに、こういった政治や思想についてやけにお堅い所はネット上も実生活上も全く同じです。ちなみにその天安門事件の日はクラスメートのアメリカ人が、「今日は何の日か知ってるか?」ってわざわざ話を振ってきました。さすがに人権にうるさい国なだけある。

 今回放送が中断させられた箇所もどうやら天安門事件について触れようとする場面だったようですが、こうした放送が中断させられるという事実以上に、海外放送についても中国政府は常に検閲を行っているという事実に目を向けるべきだと私は考えます。友人も言っていましたが一体中国政府はどれだけの人員と労力を使ってこうした検閲を行っているのか、その規模と力の入れようを考えるといくら人が余っているからってもう少し別の方に使ったらどうだと言いたくなって来ます。今回のケースから察するに、まさかNHKの放送内容を事前に知ることなんて無理なんで、恐らく常にテレビを見ている監視員が最低一人はいて、しかもその人物には中国全土でNHKの放送を中断させる権限を持っているということが予想されます。

 こうしたテレビならまだ一人か二人の監視員で済みますが、インターネットともなれば常時膨大な人数を割り当てて検閲を行っていることでしょう。実際に台湾系サイトならまだしも中国系のサイトでは天安門事件や文化大革命について言及しているサイトはほぼ皆無に近く、一説によるとそういった中国にとってまずい情報をアップロードした人間を罰するのではなく、アップロードさせたままにしているサイトの運営者、管理者やプロバイダーを罰することでネット上の情報も検閲しているそうです。うまい叩き方だと思う。

 最後に日本のメディアへちょっと苦言を呈しておくと、今回のNHK海外放送の遮断を報じるメディアは多いものの、先月にあった中国政府の検閲に抵抗する形でのGoogle社の撤退検討騒動と合わせて報じるところは皆無だったというのは少し情けないかと思います。どちらの中国の検閲に関わる内容で、商業と社会倫理、そして情報の捉え方を考えていく上ではパッケージングして報じるべき内容ではないでしょうか。
 そういうわけでどこかそういった報道をしていないかと少し検索をかけたところ、今回のニュースとではないですがGoogle社の撤退騒動について西日本新聞がありきたりといえばありきたりですが、なかなかよくまとめた社説を書いているので紹介しておきます。

中国ネット検閲 情報統制は無理だと悟れ(西日本新聞)

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