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2014年7月7日月曜日

地方別の法人税率導入案について

 どうでもいいことですが今自分が住んでいる部屋がある建物の三階にはダンスクラブがあり、大体夜七時から九時くらいまでずっと騒音を鳴らしてて非常にイライラします。しかもその騒音、部屋の外にいるよりも中にいる方がよく聞こえ、恐らく室内を通る柱か何かを通して振動が伝わっているんだと思います。更にその騒音は低音のベース音だけ「ドン、ドン、ドン」と聞こえるから性質が悪く、一年契約にしちゃったけど来年にはとっとと出て行こう。
 
 話は本題に入りますが、今国会では法人税の引き下げ案に対する議論が集中して行われております。法人税の引き下げというと自分が昔このブログで書いた「日本の法人税は本当に高いのか?」というしんぶん赤旗の引用記事が今でも検索されるくらいヒットしましたが、この記事でも主張した通りに日本の法人税は従業員に掛けなければならない保険などの企業が負担する費用と合算すると他の先進国に比べてそれほど高くはなく、また引き下げたところで人件費の高い日本に進出する外資なんていないんだから私は引き下げの効果を全く期待しておりません。
 しかしというか、仮に法人税引き下げを実行するのであればこうしてみたらどうだろうという腹案が一つあり、その腹案というのも地方別に法人税率を設定する、いわば地方ごとに差をつけるというやり方です。
 
 法人税は企業がその事業年度に挙げた収益に掛けられる税金で、日本全体で均一な税率が課されており現在であれば基本税率が25.5%ですが、東日本大震災に伴う復興特別法人税が10%加算されているため実効税率としては38.01%です。ただその年の収益が0、つまり赤字であれば法人税は支払う必要はなく、また自動車メーカーなど輸出額の大きい企業は消費税の還付金を得られるためトレードオフになりやすいなど意外と抜け道の多い税です。それこそ、変に剰余金を貯めるつもりがないのであれば事業年度終了間際に一気に投資額の項目を作っちゃえば投資を行いつつ法人税は払わずに済みます。
 
 そんな法人税ですが、私はどうせ引下げを行うのであれば都市部は敢えて据え置きながら地方限定で税率を下げてみてはどうかと考えております。具体例を挙げると、東京都を現行税率のまま据え置くことで仮に100だとするならば、そのほかの都道府県はここからそれぞれ何割か引き下げて設定するような具合で、私の独断でまとめるなら以下のような感じになります。
 
100:東京都(今の税率のまま)
 80:大阪府、神奈川県、愛知県
 70:埼玉県、千葉県、京都府、兵庫県
 50:岐阜県、新潟県、福島県
  0:鳥取県
 
 一体何故地方ほど法人税の税率を下げるかというと、各地方に法人本社の移転を促すためです。
 私が言うまでもなく現時点でも東京は人口が増え続けていますが、その増えた人口の分だけ都市インフラの増設、増強が必要となってきます。通勤ラッシュの電車はもとよりごみ処理から防災対策までその費用は決して小さくなく、仮に東京の人口が減って地方に散らせることができればこうした費用の圧縮も見込むことが出来ます。逆に地方としては人口が減少してインフラが余っているところも少なくなく、なおかつ人口が増加することによって地方税収の回復、産業の復興などの効果も狙えるだけに、一言でいってしまえば東京一極化の弊害を減らすことが重要だと私は考えてるわけです。
 
 どうして東京に人が集まるのか。結論から言えば仕事が東京など都市部にしかないことが大きく、逆に仕事が地方にあるのであれば地方に留まりたいという層も全くいないわけじゃない気がします。特に関西人。
 では仕事というか雇用を地方に持っていくにはどうすればいいか。単純に地方に企業を誘致することが手っ取り早く、それであれば地方に本社を構えるだけで法人税を減らせるという餌をぶら下げればいくらか動く企業もあるのではないかと思い、この地方別の法人税率導入が案として浮かんだわけです。
 
 無論、本社が地方に移ったって東京支社に従業員が集中することになって状況は変わらないのではという可能性もあります。それでもやらないよりはやった方がマシだし、鳥取みたいな奥地とまではいかなくても東京の周辺都市である埼玉や千葉に本社が移り、そこへ通勤するようになるだけでも大きいのではないかと思います。それこそ、山手線の運転本数を少しでも減らせることが出来たらという具合に。
 
 念のために書いておきますが私は鳥取県が心の故郷だと感じるくらいに愛しており、馬鹿にして「この際、ここは税率0でいいや」と考えて上の様なモデルを組んだわけではありません。むしろ思い切って0%にすることで鳥取に有り得ない企業の誘致、それこそアジア各地の新興企業を誘致する経済特区みたいにしてしまえ、米子鬼太郎空港をアジアのハブ空港に変えるんだという願いもあってこの数字に設定しました。
 まぁ言っててなんだけど、絶対無理だろな。

2014年7月6日日曜日

面白さあふれる今年のニュース

 
 昨日のニュースですが、あまりの内容のくだらなさがツボにはまったので紹介します。
 主な内容は見出しの通りで、大阪市で28歳と22歳の男がお年寄りの方が運営される商店で、一万円札に似せた百万円札のイラストがプリントされた付箋を使ってお釣りをだまし取ったそうです。この時はうまくだまし通せたものの、その後何をトチ狂ったかこの二人の男は、麻薬の密売人相手に同じ百万円札を使って麻薬を購入しようとしたところ見破られ、密売人に殴られて消防署に駆け込んだことから御用となりました。もうどっから突っこむべきか、敢えて言うなら小学生が思い付きでやりそうなことを大の男がする時点でもはやなんだか。
 
 このニュースに限るわけじゃなく、今年に入って日本ではやけに面白いニュースが溢れている気がします。細かいニュースはさすがに挙げてきませんが、年初に佐村河内のニュースが明るみに出て稀代の詐欺師だなんて言ってたら、今度は理研から小保方氏という最早ブラックとしかいえない研究結果を出す学者が出てきて、さすがにもう来ないかと思ってたら、釈明会見すらネタの宝庫にしてしまう野々村県議が現れるなど、一体どれだけタレントが出てくるんだともはや食傷気味です。
 この三者に共通する特徴として私が思うのは、三人とも釈明会見で自らの作品、研究、政治活動に対する情熱を延々としゃべるものの、事実の核心については何故か全く触れないどころかぼかすところがあり、嘘つきや詐欺師ってのは大体こういう特徴があるもんだなと感じてみてます。今になって思うとまだ佐村河内は共同制作だと主張したもののゴーストライターの存在を認めており、ほかの二人に比べればまだまともというかましだった気がしてくる辺り末世です。
 
 なおSTAP細胞のニュースでは気になる報道が出てます。
 
 
 小保方氏に若山教授がSTAP細胞を作るよう提供したマウスとは異なる遺伝子のマウスが返ってきていたと発表していた件について、若山教授に返ってきたマウスはやっぱり最初に提供したもので正しいマウスだったかもと朝日新聞が報じております。言いたいことスパッと言っちゃうと、外すとかっこ悪いですがちょっと「ほんまかいな」と疑わしく感じる報道で、情報ソースも「若山研究室の関係者」とだけしか書かれておらず、一抹のきな臭さを感じる記事です。記事中には「改めて詳細な解析結果を公表する」と書かれていますが、普通ならこういうセリフは若山教授自身が発言するのではないかと思えるし、そもそも異なるマウスだと断定する根拠となった8番染色体について触れられていないという時点で自分は信用できません。
 
 8番染色体の異常というのは私も聞きかじりではあるのですが、生きたマウスから作られた細胞の8番染色体は通常2本1組であるのに対し、小保方氏から若山教授へ返却されたマウス細胞の8番染色体は3本1組の、トリソミーと呼ばれる状態だったそうです。トリソミーのマウスは胎児の段階で死ぬため生きたマウスから検出されることはほぼなく、逆に言えば、胎児以前の段階で培養されるES細胞によく見られる状態であるために、小保方氏は万能性を持つことが既に確認されているES細胞をさも生きたマウスから作った物だと主張したのがSTAP細胞の正体ではないかと言われております。
 この8番染色体の謎について朝日の記事は何も触れられておらず、仮に解析結果が間違ってる可能性があるのなら絶対に避けては通れないヶ所だけに、この点について無視してこの記事を出すとはどういう意味かとちょっと問いたい気分です。中途半端な状態ならちゃんとした解析結果を出してから言えと言いたいのと、編集はちゃんとチェックしているのか、問題の本質をわかっているのかと問いたいです。

2014年7月5日土曜日

北朝鮮への一部制裁解除について

  今朝窓と玄関開けて部屋に風通してたらスイーパーのおばちゃんがドア越しに話しかけてきました
 
「(#゜Д゜)<ちょっとアンタ、いいかしら!」
「(;゜Д゜)<あっ、はい」
「(#゜Д゜)<あんたんとこの隣に住んでる人、犬飼ってるでしょ。その犬が共用部分の廊下にいっつもおしっこ垂れてるから、今度会ったら放し飼いしないよう注意しといて!」
「(;゜Д゜)<は、はぁ……」
 
 会話内容も起こっている内容も全体的にカオスです。これが中国。
 
 話は本題に入りますが、各所での報道の通りに日本政府は北朝鮮に対して実施している制裁の一部を、拉致被害者の調査を全面的にやり直すという北朝鮮側の約束を受けて解除すると発表しました。今回のこの政府の対応に対する私の意見を述べると、大方のメディア同様に時期尚早で、また北朝鮮に騙されるだけなのではないかという気がします。
 
 解除する制裁の内容は発音が難くてアナウンサー泣かせの貨客船万景峰号の入港禁止や日本からの送金停止などですが、私が思うに北朝鮮が一番求めているのは昨年落札された事実上の大使館に当たる朝鮮総連の建物ではないかという気がします。日本側としてはこの朝鮮総連の建物を今回売却停止にしなかった一方で引き渡し強制執行まで実施しない辺り、次回以降のカードに使うつもりではないかと思います。
 
 今回の制裁解除については拉致被害者家族並びに大手メディアなども批判しており、その理由というのもまだ北朝鮮は調査をやると言っているだけで何も成果、具体的には拉致被害者の情報並びに身柄を明け渡しておらず、また調査はしたけど生き残っている拉致被害者はいないという結論を出してくるのではと懸念しております。この批判する側の意見はもっともで、これまでの北朝鮮の行為を考えると十分にありうるシナリオです。かつて安倍首相は官房副長官時代、当時の小泉首相の北朝鮮訪問に同行した際は北朝鮮側から謝罪がない限りは交渉を打ち切るべきだと主張して注目を浴びましたが、今回の対応を見ると月日と共に人柄も変わってしまったなと思えてきます。
 
 ただ全部が全部、政府を批判する気にはなりません。仮に今回の北朝鮮側の調査をやるという回答に満足せず何も日本側がアクションを取らなければそこで交渉は完全ストップしてしまう可能性もあり、北朝鮮を何らかの形で動かして交渉をしていくには最低限の日本側のアクションこと一部制裁解除もやむを得ない気がします。もっともこれは一種の賭けに当たり、仮にまたいつものように北朝鮮が何にもならない調査結果を出そうものなら安倍首相への批判は高まり、大きな痛手を負うこととなるでしょう。
 今回の北朝鮮外交に限るわけじゃないですが、集団的自衛権の容認という安倍首相の悲願が達成されてから安倍首相はどうにも以前ほどの慎重さを欠くようになったのではないかと思えます。この件もそうですがかつての第一次政権を崩壊に追いやる初撃となったホワイトカラーエグゼンプションこと残業代不払い法をまた出して通過させるなど、なんかもう周りに言われるまま政策通すようになってる気がします。肝心の第三の矢とやらはいつになっても飛んでこないし、相変わらず言ってることはよくわからんし。
 
 なお残業代不払い法についてはメディアも馬鹿だなと内心考えてます。今回の法案では年収800万円以上の会社員が対象ということですが、年収800万円以上なら大抵が既に管理職になっており、元から残業代が支払われない人間が大半でしょう。私が記事書くなら大手企業30社あたり、または年収800万円以上の人を200人くらい調査して残業代をもらっているかどうか聞き、限りなく0%に近い数字を出した上で何にもならない法案だと批判するのですが。
 
 最後にもう一度北朝鮮の話をすると、仮に北朝鮮が拉致被害者を返すと言った場合、日本は北朝鮮に食糧支援を含む経済支援を本当にやるのか、この辺についてもう少し考える必要があるでしょう。やるとしたら何億まで出すのか、そして以前に「拉致問題解決に向け天秤にかかる人権」で書いたように、北朝鮮の人権を無視するのか、もうちょっと議論してほしいなというのが正直な意見です。

2014年7月3日木曜日

書き続けられる妙な根気

 友人の麻雀太郎が運営している「ホンマ中国!」というブログでこの前、「中国におけるサッカー、ドイツ代表の人気の謎 」という記事がアップされました。内容は中国では何故かサッカーのドイツチームが人気だということを取り上げておりそこそこ読ませられる内容なので興味がある方は是非読まれることをお勧めします。
 
 ちなみにこの友人のブログですが、こういってはなんですが自分に影響されてブログを始めた友人らの中ではまだ頑張っている方で、引かk的長く続いているだけでなく更新数もなかなか多いです。これまでにも私の周りでは何人かブログを始めているのですが、大体が半年も持たず、あと更新回数も一ヶ月に一回くらいが限度で言ってしまえば長く続かないことが多いです。
 実際にブログをやっている人ならわかると思いますが、最初は色々と夢が膨らむものの続けていくとなるとなかなか思うようにはならず、序盤なんかはモチベーションが下がることも多いと思います。また細々と継続していくのも案外難しく、この友人も先日に話をした時、「ブログを書かなきゃ」と追われるように思うのが負担に感じる時があると正直に述べていました。
 
 そんな中で私は、というか私のブログは際立っているというか、更新回数で言えばほぼ毎日に一回程度でツイッターとかと比べると控え目ですが、その一回に公開されるテキスト量は自分で読み返していてもマジで引くくらい膨大で、テキスト量だけ見れば日本でも屈指のブログサイトになってきたなと我ながら思います。よく周りからもなんでネタ切れしないのと何度も聞かれていますが、私に言わせると書きたい内容はいくらでもあるのに書く暇がない、書き切れないのが実情で、「ブログ書かなきゃ」と追われるような気持ちになったことも多分全くないでしょう。
 知ってる人には早いですが私はこれまでに何度も勤務先変えてるし見方によれば飽きっぽい性格に見えるでしょうが、意外に自分は根気強いというか異常な執念深さを持っているとこの頃よく思います。このブログだけでも「真似できるなら真似してみろよ」と言いたくなるような内容ですし、また姉妹サイトの「企業居点」についても、何故万単位の海外法人のデータを気が狂うこともなく一人で黙々と収集してアップしているのだろうか、果たして同じことが出来る人間はほかにいるのかと、誇張ではなく頭おかしいんじゃないかという風に我が事ながら思います。
 
 ただ根気があればいいってもんじゃないですし、間違った行為をしているとわかっていながらその間違っている組織に居続ける人などに対して私は正直に言って軽蔑しますが、周囲に影響されることなくじっと集中し続けられるという意味では意外と自分は稀有な存在だったのかもしれません。それで最終的に何が言いたいのかというと、やっぱりブログは毎日とかじゃなく、自分のやれるペースで毎週でも毎月でもいいから心に負担を感じない程度で地道に続けるのがいいんじゃないかなということです。
 
 それにしてもたまに思うのですが、仮に一日ずっと好き放題に書いたら自分はどれだけ記事が書けるのだろうか、試してみたくなるけどそれだと読む側がえらい負担になると思い、手控えてます。

2014年7月2日水曜日

習近平の支持率

 今日おっさんが一人でやっている汚い売店でバナナを買おうとして5本くれって言ったら、何故かおっさん8本切ってそのまま売ってきました。ただ10.6元の所を端数切って10元にしてきたのでまぁいいやと思いそのまま買いましたが、家についてよくよく見ると結構痛んでて、在庫処分とばかりにまとめて買わされたのかなと思えてきました。おっさんにしてやられましたが、店内で放し飼いにしている子猫に免じて水に流すことにします。今日、子猫に指噛まれたけど。
 
 話は本題に入りますが、中国では日本と違って世論調査というか支持率調査といった類のアンケートは一切行われません。なので今月の共産党の支持率はなんて語られることはまずないのですが、ここだけの話として習近平総書記に対する中国人の支持率は相当高いように思えます。言ってしまえば前任の胡錦濤などよりも明らかに支持されており、この辺を日本の報道はうまくつかみ切れていないと現地に来てみて率直に感じました。
 
 習近平とくると恐らく大抵の日本人からしたら尖閣諸島や南沙諸島でやけにごり押ししてくる印象が強いだけに、どっちかっていうと信頼できる人間というよりは横暴なタイプに見え、どことなく見かけもジャイアンに似てるように思えるから腹の中で「ジャイアン近平」なんて呼ぶ人も私以外にいるかもしれません。そんな習近平を何故中国国民は支持するのか、外交で強気の態度に出ているからかと思われるかもしれませんがむしろ彼が評価されているのは内政で、それも汚職撲滅に熱心だと見られているからです。
 
 知ってる方には早いですが一昨日、人民解放軍の元ナンバー2の徐才厚が収賄などの容疑によって中国共産党の党籍を剥奪されました。卑近な例で申し訳ないのですが今の会社の中国人同僚などは朝挨拶をするやこの事件を持ち出し、「習近平はよくやった」とえらく褒め称え、やや興奮した面持ちでした。
 今回の徐才厚を始め、習近平が総書記に就任してからというものの汚職事件での逮捕者はどんどん増えており、しかもこれまでなら絶対に捜査が行き届くはずがないと思われるほどの大物が次々と捕まっております。個人的に一番私のツボにはまったのは中国の環境局の局長で、なんと自宅から一億元(約17億円)が見つかり、余りの金額であったことから捜査の際、札束の枚数を数える機械が途中で4台も壊れるという中国ならではのスケールの大きい汚職をやってました。
 
 日本人からしたら想像できないことでしょうが、中国では本当に汚職が溢れていてどこの日系企業も少なくない金額を有力者に賄賂として渡しています。ただ中国人としてもこのような賄賂天国はよくない、もとい公務員など役人が見ていて腹立つくらい羨ましいということもあって汚職が蔓延する社会は改善させるべきだと自覚してはいるものの、上層部が率先して汚職をやらかすこともあってこれまで目立った進展はありませんでした。
 そんな中、習近平は私から見ても驚くくらい汚職対策には取り組んでおり、またそれを大きく宣伝していることもあって現時点での中国人からの支持度は相当な高さに来ていると感じます。それだけ支持されているからこそ、外交に関しても国内からは特に何も言われないのかもしれません。まぁ中国外交は支持度とはあんま関係なく昔から強引ですが。
 
 私がここで言いたいこととしては、中国国内での政権への支持度を無視して日本が対中戦略を立てるのはちょっと甘い、というより無頓着過ぎないかということです。更に言えば、韓国は国内からの不満に対し問題解決に取り組むことで和らげるのではなく、外に憎悪を向けさせて政権への批判をかわすような手法を取りがちですが、以前の中国もこれと同じような傾向がありました。しかし今の習近平政権は高まる不満に対してきちんと問題解決の姿勢を示すことで着実に支持を広げており、私個人としてみるならばちょっと手ごわい相手だという気持ちを覚えます。

2014年7月1日火曜日

平成史考察~エヴァンゲリオンのブーム(1995~1997年)

 前回記事でも取り上げて予告しましたが、今日は平成以降のアニメ市場において最大のヒット作と言ってもいい「新世紀エヴァンゲリオン」のブームについて、テレビアニメ版の放映から旧劇場版までの当時の状況について私の肌感覚で紹介することにします。
 
 2011年に「魔法少女まどか☆マギカ」というアニメが放映されてこの作品もブームとなりましたが、ブームの真っ最中には「まどかはエヴァを越えたんじゃないか?」なんていう言葉がネットの一部掲示板で見受ける事もありましたが、私の印象で述べればとてもじゃないですが比較になるレベルではありませんでした。たしかに「魔法少女まどか☆マギカ」も非常に売れた作品ではありますがそれはあくまでアニメファンの間でのレベルであって、社会現象とまで言われ一般人の間でも高い認知を誇ったエヴァのブームとは雲泥の差と言っていいほど違いがあったように私は思います。
 
 ここに入ってようやくエヴァの作品としての簡単な説明を行いますが、この作品は連続テレビアニメ作品として放映され、放映当初でこそスポンサーも注目しないなど前評判の低い作品でしたが、回が進むごとにストーリーを徐々に評価する声が高まるなどして視聴率がどんどん高まっていきました。そうした注目の中で放映された最終話ははっきり言って視聴者からすればまったく意味のわからない謎なエンディングで締めくくられており、その最終話、というよりラスト2話の評価を巡って大きな議論となったことからさらに注目を集めることとなりました。
 最終的にはテレビ放映後から一年後に完結編となる映画版が作られ、その映画版によって一応はストーリーが締めくくられることとなったのですが、その映画版が公開されるまでの間に様々なメディアミックスが行われ、ゲームに漫画、グッズなどが大量に作られ、中でもサウンドトラックに至ってはアニメ作品のCDとしては何十年ぶりともなるオリコンチャートの一位を取るなど華々しい売上げを記録しています。
 
 何故これほどまでにエヴァンゲリオンはブームになったのか。理由は複数あり、まず一つ目としては単純にアニメ作品として優れていたという点が自分の中で挙がってきます。作品中にはBGMとしてクラッシック音楽が大量に使われているのですが、私の知る限りだとこれほどクラッシック曲を多用したアニメ作品はエヴァが初めてだったと思います。そしてエヴァでの成功を見たことから放映後しばらく、影響を受けたのかこの手のクラッシック曲をBGMに使うアニメ作品が続出していたようにも記憶しています。こうした音楽面もさることながら作画と相まった様々な演出も当時としては革新的なものが多かったです。具体例を挙げれば切りがありませんが、黒字背景に白抜き文字だけのサブタイトルや画像をコマ撮りで連続して出す手法など、その後のアニメ作品にも流用される演出手法が数多く作られています。
 
 ただそうしたものを差し置いて、エヴァをこれだけのブームに仕立て上げた最大の要因はなんといってもストーリー構成に限るでしょう。知ってる人には早いですがこの作品はキリスト教における神話と心理学用語をベースにしたストーリーとなっており、しかも単純に見ているだけでは到底理解できないような伏線や設定を張っているため見ている視聴者からしたらワケワカラン状態になること必定で、「見ていてなんだかよくわからないから気になる」の所まで興味を引っ張るのに成功したストーリー構成となってます。
 更に言うと、このエヴァのストーリーが評価されたのは時代の追い風を受けているとも私には思えます。90年代中盤はちょうどバブルが崩壊して日本全体でこれから何を基軸にして生きてけばいいのとやや迷走した時代であり、そんな迷走した時代ゆえなのか何故かオカルトがブームになって「羊たちの沈黙」など心理学に関連したややおどろおどろしい作品がどれも大ヒットしてました。こうした空気の中でエヴァのオカルトベースなストーリーが「深みがある」と捉えられ、人気に繋がった所もあると私は考えています。
 
 ただエヴァはアニメ作品として成功しつつ、市場的に見るならばメディアミックスを完全なまでに果たして大いに稼いだアニメ作品として見ることの方が価値があると思います。それまでのアニメ作品は関連グッズの売上げで大半の制作費を回収するというパターンが主で、そのため必然的に主なグッズを制作・販売するおもちゃメーカーの意向が強く影響しがちでしたが、このエヴァは放映後に発売したVHSビデオテープが物凄い売れ、これ以降のアニメ作品ではビデオの売り上げを見込んで製作予算を組むように市場が変わりました。
 そうした映像作品としてだけでなく、先ほどにも書いたように漫画やゲーム、更にはキャラクターグッズのどれもで高い売上げを記録し、現在に至ってもパチスロに使われて稼いでいると言われるだけに、もはやメディアミックしてない媒体を探す方が困難なほど多方面への展開に成功しています。
 
 以上が主に売り上げに関する話でしたが、社会現象的な面でも話をすると、やっぱり一番印象に残っているのはこの作品の主題歌でした。街中を歩いていると、主にゲーム屋などからでしたがエヴァの主題歌、またはBGMが流れていて、当時の私はアニメを見ていなかったにもかかわらず主題歌の歌詞は何故だか覚えるほど聞く機会が多かったです。またテレビニュースにも度々取り上げられ、アニメを見る層じゃないない人の間でもエヴァに触れる機会は多かったのではと思え、それこそ「知らない方がおかしい」と言えるような雰囲気が当時にはありました。敢えて言うならコンテンツ力のえぐさというか、どんな層にも入り込んでいくというその強いメッセージ性ではこのエヴァが現代だと随一と言ってもよく、従来のストーリーを一部改編してこのところ公開されている新劇場版も多数の動員客を記録している点から言ってもまぁ凄い作品だと言えるでしょう。

2014年6月29日日曜日

ダブルヒロイン考察

 私はまだ見ていないのですが、ディズニー映画の「アナと雪の女王」が大ヒットのロングランを続けているようです。あまりのロングランとなったせいで同時期に公開されたほかの映画が割を食ってどれも興行収入が伸び悩んでいるとも聞区だけにその影響力は絶大で、世界での興行収入も未だ伸び続けているというから驚異的です。
 なお主題歌に関しては多少申し訳ないのですが、このサイトにある替え歌の歌詞がえらく笑えました。
 
 この「アナと雪の女王」ですが、何故これほどまでの大ヒットを記録したのかという分析に、主題歌などと共に「ダブルヒロイン」という要素が受け入れられたからではないかという話を耳にしました。ダブルヒロインとは文字通りそのまま、主役となる女性を二人配置するという手法なのですが、なんでもこの作品では当初はアナ一人にスポットを当てようと考えていたものの、途中で雪の女王ことエルサも主役級に話をからめようって変わり、結果的にはそれが大当たりだったという裏話を聞きました(本当化までは確認してないが)。実際にこれらのワードで検索をかけると、「あなたはアナ派?エルサ派?」とか「アナとエルサのどっちに共感した?」などという言葉がヒットし、作品のファンの間では楽しく議論する一つの題材となっているように見えます。
 
 ところでこのダブルヒロインという手法ですが、改めて考えてみると明確にダブルヒロイン路線と打ち出されていないものの、それに準ずるようなヒット作が多いように思えました。いくつか例を出すと、日本のサブカルチャー市場で恐らく最も早くかつ明確にダブルヒロインが打ち出されたのはアニメの「超時空要塞マクロス」という作品で、この作品だと戦闘機パイロットの主人公は当初、アイドルの女性と恋愛関係であったものの自身の戦闘やヒロインのアイドル生活によって徐々に疎遠となり、逆に戦闘中にあれこれ助言してくれるオペレーターの女性と段々親密になっていって最終的にそっちとくっつく結末なのですが、このアニメの放映中は先ほどの「アナ雪」同様にそれぞれのヒロインで派閥が出来てどちらに優劣があるかという議論が大いに盛り上がったそうです。そうした経緯もあり、このマクロスの続編の俗に言う「マクロスシリーズ」ではダブルヒロインとなる作品が多いです。
 ここまで書いておきながらだけど、私はマクロスはスパロボでしかやったことがなくアニメは「マクロス+」という作品しか見たことないんだけどね。
 
 実際に私が直接触れたことのあるダブルヒロイン作品というと、同じ世代なら共感してくれると思いますがゲームの「ファイナルファンタジー�」です。この作品もヒロインと呼べる女性キャラクターが二人おり、ネタバレしちゃうとそのうち一人はゲーム途中で退場というかお星さまになっちゃうのですが、現代に至るまでどっちが正当なヒロインかで議論が続いています。なお去年に大阪で会った友人とこの話が出た時に自分はティファ派だと言ったら、「やっぱ胸か……」とぼそっと呟かれました。逆にその友人はエアリス派だと言い、二人の間に鋭い空気が一瞬流れました。
 同時期のゲームだとこのFF�のほかに「ドラゴンクエスト�」もダブルヒロインといえ、主人公は途中で二人のヒロインのうちどちらを選ぶかを迫られます。もっともこのゲームだとその後の展開はほとんど一緒だからほかのと比べるとダブルヒロインというにはちょっと物足りない気がしますが。
 
 最後にもう一つ。恐らく誰もこの作品がダブルヒロイン路線であると明確に認識してないまでも作品としてみればダブルヒロインものだと断言できる脅威のヒット作品が存在します。もったいぶらずに言うとそれはアニメの「新世紀エヴァンゲリオン」で、知ってる人には早いですがこの作品では一人の男主人公(シンジ君、香川選手とは関係ない)に対し綾波レイ、惣流アスカの二人の女性ヒロインが同時に存在しており、なおかつこの二人のキャラクターは最初に挙げたマクロス同様に見た目、性格などの点で真逆と言っていい個性を持っています。私もこのエヴァがヒットした90年代中盤にアニメや映画を見ており、周りもそこそこ盛り上がっていたのを肌で感じておりますが、当時もやはりレイ派とアスカ派に分かれてどっちがいいか等という議論はありましたし、またそれぞれを贔屓にする理由というものが明確に分かれておりました。
 
 このダブルヒロインという手法の肝はなんといっても、ファンの間口を二面に渡って広げるという効果に尽きます。どの作品でも二人のヒロインは「控え目VSゴージャス」、「前に引っ張るタイプVS後ろから押してくれるタイプ」などのように真逆の個性を持ち、言ってしまえば片方のヒロインがタイプでなくてももう片方のヒロインはタイプとなりうるため、複数の系統のファンを同時に獲得することが可能となるわけです。いわば銃と剣の二刀流、遠距離でも近距離でも同時に戦えるようなイメージですかね。
 
 総じて言うと、このダブルヒロインという手法はそれほどメジャーな手法と言えないまでもそこそこヒットを促す優秀な要素なのではないかという気がします。エヴァの様に明確に「この作品はダブルヒロイン物です」とはっきり打ち出されていないものの事実上ダブルヒロインになっているヒット作品は多いように思え、逆にダブルヒロインもので大失敗した作品というのはあまり浮かんできません。もっともヒロインが多すぎて失敗した作品なら山の様にあるが。
 逆に「ダブル主人公」の作品はどうかとなると、ヒット作もありますが明らかに失敗している作品も多いように内心思えます。なんで失敗するのかというと簡単な推測ですが、主人公が二人いると肩入れし辛いというか感情移入が出来なくなり、またストーリー展開も一人の主人公を二人のヒロインが取り合うのと比べて二人の主人公が別々の道を歩みがちで分散化してしまう傾向があって盛り上がりをわざわざ落としてしまうためではないかという気がします。パッと挙げられるのだと、「ジョジョの奇妙な冒険」の第七部こと「スティール・ボール・ラン」は二人の主人公が同じレースに勝つという目的で協力し合うという非常に上手いストーリー構成で、この手のダブル主人公ものとしては傑作と言っていいほど面白く、最後の方なんか文字通り神がかった出来だったけど。
 
 以上までがざっと書きたかったことすべてですが、途中で挙げた「新世紀エヴァンゲリオン」は改めてみるとダブルヒロインだと気が付いたのは我ながらなかなか衝撃的でした。同時にこの作品は最近になってまた劇場版が作られて大ヒットするなどそのコンテンツ力を凄まじいの一言に尽き、またあの大ブームの時代に直接触れた人間として何か解説でも書いてこうと思い立ったので次回では久々に平成史の一イベントとしてこの作品を取り上げてみようと思います。