ページ

2024年6月23日日曜日

岸田と菅の仲が悪い理由

 マジで血行不良がひどいのか、このところスーパー銭湯に行くたびに右眼奥に猛烈な激痛を起こす湯あたりを毎回起こし、昨日もそのせいで立っていられず夜8時に早くも就寝しました。気持ち悪くてせっかく作ったカレーもあんま食べれなかったので、今朝一杯食べました。
 気持ち悪くなる分、風呂入って血行をまわしているという実感もあるので、夏場に中国人はあまり風呂に入らずスーパー銭湯が割引するようになるので、この時期は毎週風呂に入りに行くようにしています。そのあと行動不能になるけど。

 話は本題ですが、あくまで個人的な見方ですが、岸田総理と菅前総理はかなり仲が悪いと私は見ています。
 どちらも安倍政権時の外部大臣と官房長官という要職メンバーでありましたが、特に菅政権の成立以降は党の重鎮同士でありながら仲良く談笑する場面すら見えません。それどころか報道では、菅前総理がキングメーカーとばかりに岸田総理に反感あるメンバーを集めては次のトップ候補を擁立しようとしているなどとよく報じられていますが、これは恐らく事実なんじゃないかと思います。

 では何故この二人は仲が悪いのか。ってかそもそも党内で岸田総理と仲がいい人自体が若干少なめで、唯一気心が通じ合っていると思うのは林外務大臣くらいに思え基本仲いい人が少ない人ってのもありますが、麻生氏に次いで仲が悪いと思うのは菅氏だと思ってみています。結論から言えば、政治思想が真逆なため、どうしても衝突せざるを得ない立場だからじゃないかと考えています。

 具体的には、岸田総理は比較的官僚を信用して官僚が出してきた政策をきちんと政治家が実現するというタイプの政治家に見えます。まぁその割には、先日に急に電気代補助の臨時復活を宣言して省庁を困らせていますが。
 逆に菅前総理は、官僚は基本悪知恵を働かすから政治家が厳しく律しなければならず、政治家が官僚を抑える立場だというのがかなり昔からはっきりしたスタンスです。いわば政治家主導を志す人で、官僚は政治家の方針を実現する立場だとみています。

 私としては両社のスタンスについてはどちらも一理あると思っており、どっちが正しいという風には考えませんし、それぞれがそのスタンスに従って行動を取りあっていくことでいいコラボが生まれるとすら考えています。ただ地味にこうしたスタンスの違いは性格などにも影響し、この辺で両者がいまいちそりが合わない要因になっているのではないかという風に思えます。
 お互いいい年した大人、っていうかお爺ちゃんなんだから、互いに政治家としては素質は悪くないのだし、もうちょい相手を立てて仲良くやってほしいものですが。

 なお上記の二つのスタンスについて、どちらかと言えば私は岸田派というか官僚重視な立場です。というのも野党を中心に近年の選挙では知名度で決まることが多く、そのため目立ちたがり屋なだけに素質に欠ける人間が議員になりやすいきらいがあるせいです。単純に政治家の質がどんどん落ちてきているように思え、先の自民党の裏金問題を含め、政治家主導の方針を掲げるには政界でやや人材不足な感があります。

 最後にもう一つ付け加えると、麻生氏については彼はただ単に「自分を持ち上げるか否か」でしか他人を評価していないように見え、そもそも彼には政治的スタンスなんてものは存在しないとすら考えています。なので最近そっけなくなるや岸田総理への悪口を言い出すなどしていますが、安倍晋三亡き後に麻生氏を持ち上げる人間なんてそんないるわけないのだから、次の総裁選以降に確実にフェードアウトすると思います。

2024年6月20日木曜日

自公連立という「99年体制」

 最近、故佐野眞一の著書の「凡宰伝」という本を読んでいます。なんでこの本を手に取ったのかというと、この本の取材対象である小渕恵三について佐野眞一が生前、非常にべた褒めしていたからです。

 佐野眞一についてはたまたま住んでるところが流山市で同じだったため、地元で講演会があればよく松戸のソウルメイトな友人と連れ立って赴いていました。もっとも友人は、「面倒くさいから直前までくるか悩んだ(´・ω・)」とよくぼやいていましたが。
 その講演会の席で佐野眞一は事あるごとに小渕について褒め称え、まるで昨日のことのように自分が取材したときの印象や小渕の回答を口にしていました。そうした思い出をふと思い出したのと東芝の不正監査の本読み終えて新たに読むものがないため、こうして手に取るに至りました。

 まだ読み途中なのですが改めて当時を思い出すと、その後の小泉純一郎氏と比べてもパフォーマンスの派手な人だったなという印象を覚えました。佐野眞一に対しても取材して以降、彼が出演する番組が放送されるやその日の晩に直接電話かけて「面白かったよ」と言ってたほか、財界人に対しても5回くらい留守電残すくらい電話かけまくっていたそうです。

 その小渕に対する評価ですが、確か2004年に買った歴代総理に対する解説を一冊にまとめた本の中で、「急病により任期途中で逝去することとなったが、自公連立という大きな遺産を残して去った」という風に、公明党との連立提携について非常に高く評価する評論が書かれていました。当時大学生だった私は、「そこまで凄いことかいな」などと家賃3万のアパートの部屋で読んでて思いましたが、こうして時代を経てみるとその評論は間違いではなかったのではないかと思うようになってきました。

 というのも、1999年に成立した自民党と公明との連立関係ですが、25年を経た現在においてもその関係が続いています。途中、2009年から2012年の民主党による政権奪取期こそ時効は与党から陥落して断絶はあるものの、この断絶期間も両党は歩調をそろえて協力関係を崩さず、2012年の与党復帰時も特に議論となることもなく当たり前のように連立政権が築かれています。

 過去を振り返ると、99年の連立成立時こそ自民党内でも平沢勝栄氏を筆頭に公明党を批判する声が強く、また有権者の間でもオウム事件以降の宗教アレルギーが強かった時期とあり「公明党と連立を組んでいるから自民党には票を入れない」と公言する人が少なくありませんでした。
 しかし時代を経た今、自民党内で公明党を公然と批判する人はほぼいなくなったうえ、有権者の間でも公明党、というより創価学会に対する強い拒否感を示す人はかなり減っているように見え、前のように公明党の存在を否定的に口にする人は公では見なくなった気がします。

 また公明党が批判される要因となっていた名誉会長の池田大作が昨年亡くなっており、創価学会としての組織力は今後弱まるでしょうが、創価学会に対する世間の批判は今後さらに弱まるのではないかと思います。

 話を自公連立に戻すと、なんだかんだ言いつつ、この連立政権は日本の議会政治の安定と制作一貫性に対する寄与貢献は計り知れないと私も評価しています。この連立関係が与党の安定多数に寄与していることはもとより、自民党も少なくとも公明党に対しては法案に対する同意を必ず得るようにしており、自民党単独に比べれば強引な政権運営は抑えられているように見えます。
 何より25年もの長期にわたり連立関係を維持するというのは他の議会制民主主義国でもあまり見られないように思え、この一点で以ってももはや日本政治における非常に大きな特徴といっても差し支えないでしょう。

 では何故自公連立がこれほどまで長く継続するのかというと、単純に公明党のスタンスが分をわきまえたものであることに尽きる気がします。

 2009年に成立した民主党政権なんか典型的でしたが、あの時連立に入った社民党は議席が確か一桁くらいの数議席にもかかわらず、法案や政策に対してやたら激しく主張しまくり、政権を主に担う民主党からも辟易されていました。むしろこの時の小勢力なのに激しく要求ばかりし続けたことから、その後は民主党も距離をおくようになり、現在のような泡沫政党に社民党はなり下がる原因になったとすら思います。

 それに対し公明党は自民党に対し非常に聞き分けがいいというか、外交に関しては異論を呈すも最終的には必ず自民に従うし、政策も自分の手柄とするバラマキなどは強く要求するも、それさえ受け入れて通してあげれば基本的に自民党の邪魔はせず、選挙ではきちんと協力してくれます。
 元々、公明党自体が全選挙区に候補者を立てるほど資金や組織力がないだけに、あまり拡大を図らず自分のシマをきっちり守れればいいという性格から、選挙で自民党と棲み分けられさえすればいいという立場なのかもしれません。そうしたスタンスが必要以上に政策要求をせず、自民党とうまく付き合っていける秘訣じゃないかとみています。

 話を小渕にまで戻すと、この自公連立政権は彼が積極的に打ち立て、前述の通りその後25年間も続く長期連立関係となっています。逆にもし自公連立がなければ、まず間違いなく自民党の議席数は今よりも不安定なものとなっており、政権交代ももう1回くらいは起こっていたかもしれません。
 そもそも99年当時も自民党が一度下野してから政権が不安定だった時期であり、それに確固たる安定基盤を作ったという意味では、小渕の決断は日本政治の安定化に強く貢献したように思えます。

 その上で、昭和後期における自民党が安定多数を維持し続けた時代をその確立年になぞらえて「55年体制」と呼びますが、以上のように自公連立は一度は与党から陥落こそしたものの、世代を受け継ぎつつ長期かつ安定的に続いていることから、もはや成立年に合わせて「99年体制」と呼んでもいいように思えてきました。

 ここ数年は維新の躍進もあり、また米中対立の激化によるあおりもあって日本の外交方針も色めき立ち、自民は公明を切って維新と提携するのではという見方も出ていたし、私もそのように思っていました。しかしここにきて維新が万博をはじめやらかし始め、自民党の法案に対しても露骨に反対姿勢を取るなど若干距離が離れ始めるや、逆に自民と公明はまた関係を良くしてきているようにも見えます。
 仮にそうだとしたら、次の選挙後も自公連立はほぼ確実に続くこととなり、この連立関係は30年スパンに到達することとなるでしょう。30年も連立し続けるって、ほんとほかの国じゃないんじゃないかな(;´・ω・)

2024年6月18日火曜日

密かに評価しているプロ野球の現役監督

日本ハムのドラ1・細野晴希「忘れられないマウンドに…」打者が「テレビの中の人でめちゃくちゃ緊張した」(スポニチ)

 本日、交流戦の最終試合が行われ、ルーキーにバッテリー組ませてデビュー戦を踏ませた日ハムでしたが、あいにく先輩格の阪神に本日は敗れてしまいました。もっとも、先の2試合には勝っているので実質的に2勝1敗ではありますが。
 それにしても新庄監督率いる日ハムは本当に強くなったというか、現在もリーグ戦でソフトバンクには差をつけられているもののロッテと同率で2位に入っているなど、数年前の暗黒期が嘘みたく強くなっています。過去2年間、チーム成績が上がらなかったことで新庄監督への批判は多かったですが、芯を曲げずにチーム強化に取り組んだ甲斐あって現在は選手も強くなり、批判する人も一気にいなくなった気がします。

 個人的にこの新庄監督の一番いいと思うところは、派手なパフォーマンスを行って自ら率先してメディアに露出し、その場でチーム内の各選手の名前を口にすることだと思います。やはり人気商売なだけあって選手の知名度向上は売り上げに直結することもさることながら、選手の側も知名度が上がることで自分が「見られている」ということを意識するようになり、よりいい成績を出そうと成長を促す効果もあると思います。
 実際、大リーグでもひたすらメディア露出を増やす戦略をとることで急激に強くなるチームもあったみたいだし。

 以上のように新庄監督について、過去2年間の勝てなかった時期も含めて高く評価しているのですが、実は彼以上にもっと評価している監督がいます。勿体ぶらずに言うとそれはセリーグ首位をひた走る広島の新井監督だったりします。

25番という選手(なんJ用語集)


 上記の単語を含めいろんな人にネタにされまくる新井監督ですが、正直言って就任初年度となる去年は「本当に大丈夫なのか?」という不安の方が大きかったです。

 というのもカープ自体がここ数年大した補強を行っておらず、逆に鈴木選手など主力が抜けるなどしていたチーム事情もさることながら、新井監督が本当にチームを引っ張っていけるのかという点で少し疑問を覚えていました。
 選手のやる気を引き出すモチベーターとしては、選手時代晩年の頃から、生来の温厚で天性の弄られキャラもあってか年の離れた若い選手とも積極的に交流していたため、彼以上の人間はいないと思っていました。しかし性格的に優しすぎると前から思っており、こうした勝負事、特に選手時代から面識のある選手に対しては成績が下がっても切れないのではなどという風に思え、監督業をきちんとこなせるかで不安に感じていました。

 というより、まさかカープレジェンドの前田氏や黒田氏より先に監督やるということ自体あり得ねぇとすら思ってた(;´・ω・)

 しかしふたを開けてみると、2023年シーズンは上記の通り補強はほぼ一切なかったにもかかわらず、阪神の独走こそ許したものの現有戦力を活用して2位という好成績を残すなど、戦術面でも非常にしっかりした監督ぶりを見せてくれました。彼の戦術について私見を述べると、非常にオーソドックスですが逆を言えばはずれがなく、打つべきタイミングにきちんとした戦術を打ち、非常に堅実であるように見えます。
 かと思えばここぞというチャンスやピンチの時に、モチベーターらしく選手を変に後退させずに一声かけてからそのまま送り出し、選手の側もその意気に応えてチャンスをものにしたり、ピンチを脱したりすることも多いです。ファンとしても見せ場を作ってもらえるだけに、見ているこっちも楽しくなります。

 そして2年目の今シーズンではまだ中盤ながら首位につけており、もうこの時点でカープの監督としては非常に優秀な成績ぶりです。でもって、あのと言っては何ですが新井氏がこうしてカープを率いる監督になっているという時点で目頭が熱くなったりします。

 知ってる人には早いですが、新井監督はそもそもドラフトに引っかかる選手ではなく、どうしてもプロになりたい一心で知人のつてを頼って野村謙二郎氏に頼み込み、無理くりドラフトで指名してもらって選手になっています。強みと言えば長打力だけで、守備に至っては論外というひどさだったらしいですが、担当したスカウトによると「才能のある選手よりも、どうしてもプロになりたいっていう子の方が案外伸びる」とのことで、その熱意に打たれて指名したとのことでした。

 そうまでして入ったカープでしたが、兄貴分と慕う、上原浩治氏からやたらネタにされる金本氏が阪神に行ったことから、どうしても自分も金本氏と同じチームにいたいとの思いからFAで移籍し、上記の「25番という選手」という異名が生まれるに至っています。その後、紆余曲折を経てカープに舞い戻り、見事な成績で優勝を経験し、そして監督になるなど、10年くらい前の人にこんなサクセスストーリーを聞かせても誰も信じないでしょう。それくらいなろう系主人公もびっくりなサクセスストーリーを地味に歩んでいます。

 ただその新井監督ですが、仮に平成野球史で最高の名シーンを上げるとしたら、第2回WBCのイチローのヒットよりも、2016年のカープ優勝時に黒田氏と号泣しながら抱き合ったあのシーンを自分は挙げます。カープの暗黒時代を自分も目にしており、その暗黒時代の4番とエースがお互いに一度はカープから離れながら再び舞い戻って優勝を経験するなど、こちらも大谷翔平氏に負けないくらい出来過ぎなストーリー展開である気がします。この背景を知っているだけに、あのシーンは今でも自部の中で強く印象に残っており、今年に関してはこのまま広島に頑張ってもらいたいなとも思っています。

 まぁ暗黒時代で言えば、横浜の三浦監督の方がずっと耐え忍んでいるんだけど……。

ロシアは核兵器を使うか?

 ウクライナ戦争が始まって以降、主にメドベージェフを中心にロシアの主要人物が核兵器の使用について言及していますが、少なくとも現時点で実際に使用される可能性はほぼないという風に見ています。その根拠というのも、逆説的ですがロシア側が使用をほのめかす発言を繰り返しているからです。本気で使用する気なら、絶対に気取られないよう使用はおろか核兵器についても一切触れず、前触れのない状態で使用するのがベストだからです。
 なので逆に言えば、彼らが脅しとして核兵器の使用に言及すればするほど、西側としては安心ができるでしょう。

 とはいえ、何をしてくるかわからない国というのは間違いのないことで、絶対に使用することはないとは言い切れないでしょう。ではどう対処するかですが、単純に核抑止論に則ってロシアが使用した場合は報復として米国側も使用の可能性をほのめかすというのが一番ですが、極論を言えばウクライナ領内に核兵器を置くことも一つの選択肢だと思います。
 もちろん恒久的に置くべきではないですが、米国や英国などが共同管理する拠点に報復用として置いとく、それも秘密裏にしてロシアの上層部にのみブラフでもいいので情報を流すのが一番効果的だという気がします。もっともこんなことしなくても米国はアラスカにおいているでしょうが。

 それにしてもウクライナ戦争がこんなに長く続くとはだれも予想しておらず、自分も長くて1年半ではとみていたのがもはや3年目に突入しており、このまま次の冬も継続している可能性が高いです。戦争中のウクライナの辛苦を思うと胸が痛みますが、アルメニアが東欧の軍事同盟から外れるなどロシア本国というよりはその周辺でロシアに対する不利な状況が増えてきており、これまでの戦いは決して無駄になってはいないと思います。日本としても行える支援は限られていますが、できる限りのことを政府にはやってもらいたいです。

2024年6月16日日曜日

最も激しく中国と台湾の分離工作を行っている組織

 本題と関係ないけどショーン・Kとディーン・フジオカがフュージョンしたら、「ショーン・フジオカ」になるのか「ディーン・K」になるのか気になって夜も寝られません。いやね、何となくこの二人の雰囲気が似ているように前から思うので。

 それで話は本題ですが、よく日本や米国が台湾情勢について口にするや大陸の方の中国は「分離工作はやめろ」と主張してきます。ここで言う分離工作とは中国大陸と台湾の統一を妨げる、台湾の国としての独立を支援するような動きで、こうした策謀というか活動は行うべきではないと中国は度々主張しています。
 ただ結論から述べると、仮に台湾に対する分離工作があるとしたら、それを最も激しく一番やっているのはほからぬ中国政府自身であることに間違いありません。でもって、中国はその事実についてガチで自覚がなく、台湾の国家としての独立を自らが現在進行形でガンガンに推し進めているという皮肉な状況に陥っています。

 それこそ20年くらい前であれば、中国と台湾の経済的結びつきが強まり、また香港で一国二制度方式の併合が特に問題なく進行していたこともあり、現在と比べると「もうこのまま大陸と一緒になってもいいかも」と思う台湾人は少なくなかった気がします。実際に知人経由の話である台湾人なんかは、欧州に旅行するとパスポートが大陸の中国と異なることを怪しまれることが多く、移動に不便だから早く統合してほしいということを述べていたという話を聞きました。

 しかし現在、統合の前提ともいうべき一国二制度は香港ではもはや崩壊しているに等しく、また台湾に対して中国は目の前で軍事演習を行うなど、直接的な脅迫行為も度々行うようになってきました。それどころか台湾で選挙が起こるたびに露骨な世論誘導といった選挙干渉を繰り返しており、こうした行為を見るにつけ「こいつらとは一緒にやっていけない(;´・ω・)」的に台湾人の心は年々、少なくともこの10年においては大陸と統合からどんどん離れているように見えます。
 これを分離工作と言わずして何と呼ぶかです。

 では一体何故、ほかの国にやるなと言っている分離工作を中国はやり続けているのか。こちらも結論から言うと、中国の外交は内政に対し従であり、内政が外交に優るからです。

 自分のスタンスもありますが、私自身は外交と内政で比べるなら外交が主であり、内政を犠牲にしてでも外交を優先すべきだという立場を取ります。
 先のウクライナに対する日本の2国間署名、追加援助に対して、日本国内で税金を使わずにほかの国に配るなんてけしからんとして岸田首相を批判する人もいますが、私は逆に支持しています。日本国内で大量の餓死者や凍死者などが出ている状況ならいざ知らず、今ウクライナではロシアに電力インフラが破壊されるなど、電気や飲み水などにも困難な地域が多数あり、ガザも含めこうした国や地域へ率先して支援することは必要です。それ以上に、同じロシアという厄介な隣人を抱える同士として、現在行われているウクライナ戦争でロシアが勝利する事態だけは何が何でも日本としても避けるべきであり、このために内政の予算を削って外交に用いることは理にかなっていると考えます。

 話を戻すと、内政も重要ではありますが外交は国そのものの安全や地位を左右し、ワンミスで一気に国家が吹き飛ぶくらいの影響力を持つ分野です。よく戦争は外交の延長線上と言いますが、街区と内政を比較するならその優先度は圧倒的に外交であり、外交のために内政を犠牲にすることは当然で、その逆はむしろあってはならないのですが、それを中国が今やってしまっていると言いたいわけです。

 一体何故中国は、台湾人に嫌われるだけなのに世論工作や軍事的脅迫を露骨に続けるのか。答えを言ってしまえば中国共産党内での仕事アピールに使っているからです。
 具体的には日本の外務省に当たる中国の外交部では、「台湾の独立を防ぐ措置をやれ、やらなきゃ評価ダウンだ」と命じられており、この指示命令の下で世論工作とかをやっているのだと思います。しかもそれらの活動が目に見える形でないと評価実績につながらないため、必要以上、っていうかそもそも逆効果なんだからやるべきじゃないのに、敢えて目に見える形で世論工作を露骨にやっている節があると私は睨んでいます。でもってそれを見た人事権者も「いいぞいいぞ、もっとやれ(・∀・)」的に言うので、より大胆かつ露骨にセルフ分離工作を拡大させる一途を辿っています。

 言ってしまえば中国共産党内での実績アピールとして、中国は台湾に対する外交活動をやっている節があります。なので目的と手段が逆転しており、少なくとも彼らが外交活動と思ってやっていることは台湾人の反感、そして独立心を高めるだけにしかなっていません。っていうかやらない方がずっとマシだし、こういうことしているから日本や米国も台湾情勢に目を向けるようになっており、周辺国すら巻き込む事態となっています。
 この過程を見ると、中国が「外交のために内政を行う」のではなく、内政、というより共産党内部での出世競争のために外交を行っているという構図となり、まともな外交的対応なんて期待できるものではありません。逆を言えば中国は外交よりも内政を優先するので、その辺をうまく理解すれば外交での動きは読みやすくなるとも言えるでしょう。

 それにしても、上記のような点に起因しますが中国の外交の下手さぶりには見ていて呆れてきて、かつて散々批判していた私ですが、中国と比べるなら日本の外交は前述のウクライナ支援を含め、ずっとまともだししっかりしている様にすら見えてきます。っていうかあまり言及されないけど、岸田首相は外務大臣時代を含め、基本的に外交で問題が起きることがないです。大きな成果を出すということもないのですが、波風なく安定的に常に外交を運営しており、「外交の岸田」という評価は間違いなく、もう少しこの点は世間も評価してほしいと密かに思っています。

2024年6月15日土曜日

鹿児島県警の闇

「本部長の犯罪隠蔽」告発で揺れる鹿児島県警の愚挙 批判メディアへの強制捜査、心臓疾患を無視した取り調べ(AERA)

 先日にも触れたこの鹿児島県警の情報漏洩ですが、その後も一向に火が止むどころか鹿児島県警自らが燃料を投下しているような事態となっています。詳細は省きますが、情報漏洩事件の容疑者が流出させた内部情報を得たメディアに対し、令状もなくパソコンなどを押収した上に該当データを削除していたとのことが報じられました。もっともこれはメディア側の主張で、鹿児島県警側はちゃんと令状もとったし、データ削除にも同意を得たと言ってはいますが。

 正直なところ、情報漏洩よりもこちらのデータ削除の方が内容的にもずっと深刻なのではないかという気がします。いわゆる暴露系Youtuberとかにプライバシーに関する情報が流出した場合には迅速な対応が必要で、上記のような措置も時に必要になるかと理解できますが、今回に関しては曲がりなりにも鹿児島県警を度々批判してるけどきちんと報道活動をしているメディアで、少なくとも現時点で流出した情報のうちプライバシーに関する内容などをみだりに拡散などもしていません。そうした点を踏まえると、今回の鹿児島県警の行動は令状があったとしても、報道の自由に対する侵害に当たると私は思います。

 その上で最初は結び付けるのはどうかなと思っていましたが、ここに至ってかつての志布志事件を思い出すようになりました。

志布志事件(Wikipedia)

 知ってる人には早いですが、志布志事件とは2003年に鹿児島県警が引き起こした大規模な冤罪事件です。10人以上もの人間が全くのでっち上げともいうべき根拠のない容疑で無理やり拘留させられた上に自白を強要され、「お前のことをお前の家族は嘆いている」などと、その家族が言ってもないことを言ってその関係を浸そうとするなど卑劣極まりない事件でした。
 この当時も鹿児島県警ってやばいと思っていましたが、今回のこの一連の事件を見ると、神奈川県警や大阪府警と張り合うレベルでやばいんじゃないかと思うようになってきました。敢えて言うなら基本的な常識に欠け、糊塗に糊塗を重ねようとする体質があるように思え、情報漏洩の容疑者である元鹿児島県警の人もその内部告発の仕方に疑問を覚えますが、鹿児島県警という組織自体に問題があるというのは十分理解できます。

 っていうかこの事件、警察庁は何をしてんのかという気持ちも覚えます。事ここに至っては鹿児島ん県警に自浄というか対応をゆだねるのはもう無理でしょう。ほっとけばそれこそ志布志事件みたく、国家賠償請求が警察庁などにも及ぶであろうし、もっと早く行動すればというように思えます。
 つうか鹿児島県警だし、また志布志事件みたく踏み字とかやってんだろうか。

2024年6月13日木曜日

プレサンス事件の「不適切にもほどがある」検事


 大分前に自分もこのブログで取り上げたプレサンス元社長の冤罪裁判ですが、元社長の国家賠償請求裁判にて、冤罪のきっかけを作った検事本人への尋問が行われたとのことです。

プレサンス事件(日本弁護士連合会)

 この事件の概要については上のリンク先にありますが簡単に自分の方から説明すると、不動産会社のプレサンス社を経営していた山岸氏の部下のある社員が、とある学校理事への個人的融資として会社の金を横領して使用しました。その際にこの社員は、理事個人への貸付ではなく学校法人に対する貸付だと嘘を言って貸し付けました。その後、融資を受けた理事はこれを裏金として使って見事理事長になると、学校の土地を売却し、そのお金をプレサンスへの返済金として使用しました。

 この一連の取引について検察は社員と理事を捕まえると、社員が否定しているにもかかわらず「社長が指示したんだろう」と執拗に供述を迫り、虚偽の自白を取ることに成功し、これをてこに社長の山岸氏も逮捕立件しました。
 しかし、社内報告書などの証拠はむしろ社長が社員に騙されたことを裏付けており、また一度は自白した社員も裁判にて「自白は強要されたもので社長は無関係」と証言し、裁判所も社員に対する検事の脅迫的な誘導があったと認めて山岸氏には無罪判決が下ります。この判決に検察はぐうの音も出ず、かなり珍しいことに控訴すらせずに確定しました。

 そんで以って今回の裁判へと至るのですが、今回登場した検事は社員を脅迫した検事です。その鳥しばれ中の録画映像が公開されたとのことですが、「失敗したら腹切らなきゃいけないんだよ。命賭けてるんだ、こっちは」などとのたまっていたようです。見事に失敗して冤罪を作り無辜の人物に裁判をかけたにもかかわらず、いまだに腹を切らないし、反省の態度も全く見せないあたり、この前流行ったドラマの「不適切にもほどがある」という単語が自分の中で浮かんできました。

 このクソ検事への尋問詳細については赤澤氏の記事をぜひ読んでもらいたいのですが、やはり常々思うのは裁判所から違法な捜査だと認定されたにも係わらず、冤罪事件に関わった検事らは一切処罰されず、むしろこのプレサンス事件や大川原化工機の冤罪事件のように検察が守ろうとすることに強い違和感を覚えます。
 唯一の例外は村木事件の時で、この時は関係検事らが逮捕され有罪となっています。確かにこの事件では前田恒彦が証拠捏造という桁違いの不正をやらかしてというのはありますが、それを言ったらほかの冤罪事件も脅迫や証拠隠避の類はどれも行われているだけに、検察内部の処罰度合いになんか差を感じます。はっきり言うと、この村木事件は被害者が官僚だったから、検察も内部処罰に動かざるを得なかったのではないかという気がします。

 話を戻すと、仮に検察自身が違法な捜査を認定された検事やその上長を内部処分するなど自浄作用を働かせるなら話は別ですが、実体はさにあらず、むしろ保護しようとすらします。無論これは権力の暴走もいいところであり、自浄作用が働かないというのであれば、裁判所に違法捜査と認定された案件の担当検事と上長に対する刑罰を法定化すべきではないかと思います。でないとこれ、後々大きな禍根になるように思えてなりません。

 恐らくそんなこと言ったら検事が捜査に躊躇するなどというでしょうが、立件した案件に無罪判決が下りようとも、違法な捜査さえしなければ処罰されないはずであり、そのような言い訳はナンセンスでしょう。前述の通り検察自身が自浄できないのであれば、ましてや大川原化工機事件のように明らかに法解釈を捻じ曲げて強引な捜査を続けた点も踏まえると、検察の捜査を国家法で制限してでも国民を保護する必要が出てきている気がします。
 具体的な処罰水準に関してはその度合いによって定めるべきであり、単純な法曹資格の喪失、懲戒免職はもちろんですが、上司の命令で関わらざるを得なかった末端の検事などについては、いくらかの温情措置もあっていいのではと思います。具体的には法曹資格の一時停止と研修活動の義務で、冤罪を起こしてはならないという研修コースをみっちり受けさせることを条件に業務復帰を認めるようなのがいいかと思います。

 でも実際にそんな研修ってあるのかな、もっと効果的なのないのかななどとしばらく考えてみたところ、一方的に筋のない主張で延々と怒鳴られ続けることを身を持って体感できる、コールセンター業務を半年間くらいやってもらうのが一番いいのではという結論に至りました。っていうか処罰以前に検事はこれ、絶対やった方がいいとすら思う。カミーユじゃないけど「一方的に怒鳴られる今日がどんなものか、教えてやる!」という具合で、殴られる覚悟のある奴だけ殴ってもいいじゃないですが、脅迫的な手段で捜査される側の立場に立ってもらうのは大事でしょう。