このところ思想に関する記事を充実させようとしていてあれこれ書いておりますが、今日もまたその手の類として「嘘をつくこと」について書いてみようかと考えてました。ここだけの話、私は嘘をつくことに対しては明らかに他人より厳格で、聞かれなければ敢えて話したりしないよな周囲に憚る内容でも実際に聞かれた場合ははっきりと相手に告げることも多いです。また余計な嘘をつくことも良しとせず、なるべく真っ正直に生きようと常日頃から心がけています。
もっとも、そういいながらも嘘をつくことが全くないわけでもありません。具体例を挙げると別の友人に初めて合わせる友人を紹介する際に、
「彼は通称、ヤマジュンと呼ばれてます( ゚∀゚)」
「おい、初めて聞いたぞそんなあだ名Σ(゚Д゚;)」
というやり取りをしたことがあります。関西だったからみんな突込みが早くて素晴らしい。
勝手な線引きではありますが、ついていい嘘の条件というのは主に以下の二点にあるかと思います。
・冗談の類など、言ったところで誰も傷つかないし損もしない
・言ったその場で嘘だとわかる内容
ごくごく当たり前と言えばそれまでですが、この条件に合致する嘘こと冗談の類はしょっちゅう私も口に出します。また自分が得する嘘でも、自分以外の人間が誰も損をしないのであれば、内心ではよくないと思いながらもごくたまに言うこともあります。本当にたまに。
逆についてはいけない嘘というのはこの条件とは逆の内容、他人が傷ついたり損をしたりして、自分一人が得をするような内容の嘘だと思います。これらとともにもう一つ、自分自身を偽る嘘もやはりついてはいけない嘘だと私は考えています。
自分自身を偽る嘘というのは単純に、自分の本来の意思とは異なる内容を口にすることです。たとえば路上にゴミを投げ捨てることについて内心ではよくないと思いつつも周りもやっているんだなどと自己弁護して捨てたり、本当はお腹がすいているのにすいてないと思いこんだりなどといった内容です。
もちろんこれには程度があり、同じものを欲しがっている人がいる場合に相手に譲るといった、周囲の環境や状況によっては謙虚心や我慢を発揮することも時には必要で、こうした譲歩するケースはもちろん除外されます。でも上司が、「お前、俺のこと本当は嫌ってるんだろう」って言ってきたら通常は「いえいえ、そんなことないっすよ」って普通は言い返すけど、この場合は「言ったその場で嘘だとわかる内容」だからありかな。
この自分自身を偽る嘘の何が良くないのかというと、重ねていくうちに自己本質が変化していく可能性があるからです。先程の自己弁護をするケースでも、何度となく同じことをしているうちにそのうち全く気にしなくなるようになり、水は低きに流れるというか大抵は悪い方向へ流れていきます。
こうした嘘というか自己を糊塗する現場というのは数多くありますが、自分が一番目につくのはちょうど今、山場を迎えつつある大学生の就活です。体験した方ならわかるでしょうがみんなサークルでリーダーしていたとかバイトでこんな経験をしたとか、自分自身でもしょうもないと思う内容をさも価値があるような言い方をして自己PRしてきます。ひどいのになると一から嘘をついてくることもありますし。
私自身は既に当時から自分を偽る嘘はついてはいけないと考えていたので、かなり真っ正直にストレート球しか投げない就活をしていました。そんなもんだから中国留学をしたものの自分じゃまだまだと思ってたので、中国語のレベルを聞かれたら、「会話はもちろんできますが、まだまだ未熟です」とマジでこう答えてました。さすがに今だったら北京語ならば下手な田舎の中国人より上手に話せると言い切れるけど。
もちろんこんなやり方だと苦戦するのは当たり前ですが、それでもあの時に変な嘘をつかなくてよかったと満足しています。そういう意味では自業自得なので企業側を批判するのはお門違いだと思うものの、ただ一社、名指しではっきり批判させてもらいますが自動車メーカーのホンダについては真面目に問題のある選考ではないかと当時思ったのをよく覚えています。
具体的にどんな選考なのかというと、一発で落ちているのでそれは書類選考です。私が就活をした年のホンダの選考は専用の書類を提出することから始めるのですが、その最初の質問というのが、「あなたの夢はなんですか?」というものでした。この質問に対し私は変なこと聞くなと思って、
「対象を対象そのもので、比較対象なしに理解することのできる絶対感覚的要素を身に着けること」
と、一語一句そのままでマジで書きました。書き終えて次の質問に目を向けるとそこには、
「その夢を叶えるためにホンダで働くことはどのようなステップとなるでしょうか」
知るかそんなこと!(;゚Д゚)エエー
真面目にこの時は口に出して驚きました。ってかこの時ほど後の質問をチェックしてから書けばよかったと思ったことはこのところありません。専用紙だし、最初の質問もボールペンで書いちゃってたし、修正液で全面消すわけにもいかないし……。
最終的にあれこれわけのわからないいわけを書いて提出しましたがやはり書類落ちでした。ただ自分でも八つ当たりのような気もしないでもありませんが、こんな質問だとホンダで働くことで価値があるように自分の夢を合わせなければいけないんじゃないか、志望者には関係のない夢を持つな、持っても入れさせないということになるんじゃないかと強く感じました。別の会社の面接でも「なんでここで働くのを希望するのか」と聞かれて「生活資金を得るための手段としてであって目的ではない」と真顔で言って顰蹙を買った自分ですが、ホンダのあの質問は手段を目的にしろと言っているように見え、最初の自分を偽る嘘をつけと言っているように見えてあまりいい気はしませんでした。
ちょうどこの書類を書いた後くらいにまたてんかんの発作で体調悪くして2日くらい寝込みましたが、別にこの時に限るわけじゃありませんがてんかんで寝込んだ後は世界観が変わって見えることが多いのですが、ホンダ車に対しては魅力を全く感じなくなりました。逆にこの時から、「パジェロってかっこいいよなぁ」と、何故だか三菱車に対してやけに肩を持つようになり、今ではレースゲームでは三菱以外(たまにスバルインプレッサ)は一切使わなくなっています。ただこの時は知らなかったのですが、後にうちの親父も昔から三菱党だとわかり、意外と血は争えないもんだと思い現在に至ってます。
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