今日も帰りが遅かったのでさくっと片づけられる内容です。その内容というのも3月から続く円安についてです。
為替を毎日チェックしている人なら話は早いですが、1ドル70円台中盤にまで高騰していた日本円が今年3月に入ってからは急激に円安に振れ、現在においても80円台を回復したままとなっております。一時期は77円を越えていたことを考えると急激な変動ぶりと言わざるを得ないのですが、何故だかどこの経済紙もこの円安の動きについてその原因、果てには展望について解説する記事はとんとありませんでした。それこそ78円や77円を突破するごとにあれだけ大騒ぎしていたことを考えると、おかしなことこの上ありません。
一体何故円安、80円台回復について誰も解説しようとしないのかですが、理由は簡単でこの為替の動きが日本政府による市場介入の結果だとみんな知ってて知らない振りしているからというのが、私と私の周りの意見です。っていうか、これ以外の理由を挙げる人がいるのならぜひ見てみたいしその理由も聞いてみたいくらいです。以前にも日本政府は為替介入をしておりますがここまで露骨にはしてきませんでした。それが何故今回は80円台を突破するまで、ここまで執拗に為替介入をしているのかというと、ひとえに時期が3月、決算月ということ以外にないでしょう。
決算月には上場している企業はこの1年間の業績から総資産をすべて公開し、発表しなければなりません。また業績発表に合わせてそれまでの支払いなりの取引処理も行わねばならず、未収金なども可能な限り回収する必要があるのですが、これらの面で円高が続いたままだと輸出を多く行っている企業にとっては非常に不利になります。そのため3月に限り可能な限り日本政府は介入し、メーカーなどといった企業を陰ながら支援する必然性がありました。
もちろんこんなの証拠なんてないし、日本政府も「やってるよー!」って正直に言ってるわけありません。ただみんな今の円安が自然な市場の動きではない上に、円安となっている根拠というか背景は全くなきに等しいです。それゆえこ政府介入は織り込み済みであることと、メディアもいちいち指摘して足を引っ張る、もとい輸出企業ににらまれたくないのもあって敢えて今の為替の動きを何も解説しないんだと思います。また今の動きはあくまで一時的だと思われますし、下手な予想をして下手こいたらかっこ悪いし。
ただこうした露骨な政府介入について、誰一人として指摘をしないのもまた奇妙な感覚があります。世界史を選択してたくせにやけに古い日本文化に詳しい友人は以前に、「歌舞伎で舞台装置を動かしたりする黒子というのを、日本人はそこにいないものとして見えているけど見えないものとして扱う」という例を引用し、日本人は明らかに現実にあるものを時たま、全く存在しないものとして直視しない、反応しないところがあると指摘してました。なんていうか、いまの円安についても同じような印象を私は持ちます。
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