2012年4月16日月曜日

ルール変更に対する概念 前編

 大分昔ですが田原総一郎氏の講演会に出た時、田原氏が昔と今の政治の違いについてこう言っていました。

「高度経済成長期の日本は儲かって仕方がなく、当時の政治に求められたのは有り余るお金を如何に平等に分配するかだった。それが失われた十年に入った後は一転し、現代は労働や社会保障などといった負担を如何に分配するかが政治に求められている。無論比べるなら、お金を配る方が簡単に決まっている」

 現代政治の問題点から政治家の資質に渡るまで実に日本政治の要点を突いた一言だったので大変印象に残り、よく知り合いなどにも引用して話しております。ただこの発言内容はもとより私が真に注目したのは、時代に伴って政治のルールというか役割というのは容易に変化が起こり得るということで、今日はちょっとこの「ルール変更」について解説します。
 ルール変更というのは読んで字の如く、それまでのやり方や基準が改まるということです。それこそ何を以って社会ルールが変更したと考えるかは議論の余地がありますが、経年によるルール変更というのは概して徐々に行われることが多く、ルールが変わっている最中には全く気が付かず10年くらい経って初めて気が付く、というより分析されるものだと私は思います。

 ひとつ例にとると、現在真っ盛りの就職活動ではバブル期までいわゆる体育会系こと、上意下達の組織に慣れた運動経験者がとかく持てはやされました。それが失われた十年に入りますと就職氷河期に入って即戦力が求められるようになり、当時に実際に就職活動したわけじゃないので本当かどうかはわかりませんが、「資格を持っていると有利だ」という言葉をあちこちで聞きましたし、またボランティア活動をしていると奉仕意欲が高いと判断され受かりやすいなどいう噂も流れていました。
 それからさらに時代が下った現代に入りますと、まず資格については専門分野で何か持っていて当たり前、専門外においても何かしらあるのが常識化されているような気がします。その上でしょうもない資格については見向きもされなくなり上位資格かどうかが審議され、さらに「コミュニケーション能力」という定義の曖昧なものをどの会社も重要視するようになり、バブル期などと比べると隔世の感があります。

 これはあくまで一例ですが、これ以外にもこの10年間で当たり前だったものが見向きもされなくなり、逆に全く省みられなかったものが急激に評価が高まるという事例はたくさんあります。また評価基準だけでなく方法こと手段も改まることも数知れず、また就活を例にとるなら履歴書の書き方一つとっても数年度単位でかなり変わってきているかと思います。
 この社会ルールが変更されるということを通して私が何が言いたいのかというと、一言でまとめるのなら「昔成功したやり方が現在でも通用するわけがない」という一点に尽きます。それこそ過去の成功体験を持ってきても、、目に見えないところでたくさんのルールが変わっている今でも同じことをすれば成功するわけでなく、むしろ失敗する確率の方が高いかもしれません。

 こういった観点から私は、保守的か変革的かで比べれば後者の方がやはり強いと考えております。もちろんなんでもかんでも新しいものを追っかけて行って失敗することもあれば、かたくなに伝統を守ることで真価を発揮する分野もあるため絶対ではありませんが、一般論としてはやはり徐々に変化していくという組織や人間、果てには考え方の方がうまいこと渡っていけるんじゃないかと思います。
 言ってしまえばここで書いた内容は本当にごくごく当たり前の話で自分でもわざわざ解説するほどのことかと感じるのですが、それでも何でかこうかと思ったのかというと、政治家や実業家を初めとした責任ある立場にある人間に、ルールが既に変わっているにもかかわらずまだ気が付いていない連中が多いように感じるからです。具体的に言うのなら小泉劇場を批判していた政治家らで、あの時代を経て今の日本は自分が持つ政策論、方向性をきちんと説明しなければならなくなったにもかかわらず未だにサボっている人が数多いです。もっとも、政策論自体を果たして持っているのか、金さえ配っとけば本気で何とかなると思っているのではという人もまだ残っていますが。

 と、つらつらと書き並べてみましたが、ここから敢えて話を発展させてみたいとこの前考えてみました。具体的にどういう風にしたいのかというとずばり、「新ルールをどのように追えばいいのか」、または「新ルールをどのように作るのか」で、この点についてはまた次回に解説します。久々の前後編だ。

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