今年の四月末ごろ、名古屋から広島に文字通り左遷されたことのあるうちの親父に「こういうテレビ番組を見てみたい」という話をしました。
以前にこのブログで私は「怨み屋本舗」というドラマ化もされた漫画シリーズが好きだと書いておりますが、この漫画の何が面白いのかというと見ていて本当にむかつく人間が復讐代行業を営む主人公らに文字通り誅殺されるのが爽快この上なく、憎らしい相手が景気よくはったおされるというカタルシスが面白さの源泉ではないかと勝手に分析してます。もっとも最近は初期と比べてつまらなくなってきたけど。
同じように「復讐に伴うカタルシス」が感じられる作品として私が挙げるのは、藤田まこと主演で一世を風靡した「必殺シリーズ」です。「怨み屋本舗」だけだとわかり辛いかもしれませんがこの「必殺シリーズ」であればピンと来るのではと勝手に考えていますが、世の中で悪いことしている連中が相応の報いで以って倒される勧善懲悪物というのは時代を越えて市民に支持される要素があるような気がします。
私が今まさに見てみたいと思うのがまさにこの手のわかりやすい因果応報物の番組なのですが、ただ普通に作ったんじゃ結局はこれまでの焼き直しに過ぎません。それであればもっと現実世界の風刺要素を強めた上で、このところ自主規制激しいテレビ業界の常識を抜くような毒の強い作品を作ってみたら案外視聴者に受けるのではと親父に提案したわけです。
では実際に作るとしたらどんな感じか。現代社会をそのまま舞台に持ってきてもいいですがそれだと風刺がややストレートになりすぎるきらいがあり、だったら虎の威を借るわけじゃないですが「必殺シリーズ」同様に江戸時代を舞台に据えて、現実にモデルが存在する悪人をかなりわかりやすく片っ端から斬っていくのがいいのではないかと思います。では具体的にどんな悪人を出していくのかというと
・耳の聞こえないふりをしているヒゲ面の琵琶法師
もちろんオリジナルソングは知り合いの雅楽師がゴーストライターで。
・「埋蔵金は、ありまぁす!」と頑なに主張する謎の女占い師
でもってキャッチコピーライターが発掘に振り回されたりして。
・出張旅費を使い込んで号泣する旗本
「天下万民のため、頑張って、旗本になったのに!」とか叫んだりなど演技性が重要
・受け取った5000万両をあくまで借りてただけだと主張する老中
5000万両を入れたというカバンを持参するが、どうやっても入らないとか。
・全く使えない元メジャーの日本人選手を高年俸で飽きずに獲得しようとする球団
なんで反省がないんだろう。というかもはや江戸時代関係ないし……。
こういった、つい最近どこかで見たようなキャラクターたちが、「てめぇ、人じゃねぇ……」なんて言われて容赦なく叩っ切られるような、そんな時代劇が放映されるのであれば私なら必ず見ます。っていうか誰か作ってくんないかなと思ったので、「親父、テレ朝の連中にでもこういうの作れって言っとけよ。相棒ばっかじゃつまんねぇんだよ」と伝えた次第です。
もちろんこれらはおふざけ入ってますが、このところのテレビ番組にはこうした風刺と毒が少なすぎるのではと真面目に思います。風刺に関しては新聞もそうですが、実際に書くのは非常に無図マシ鋳物の、社会や事件の矛盾や誤謬をユーモアと共にわかりやすく描くという行為をまるでマスコミの人間みんなが忘れてしまっているかのようにすら思います。また毒に関しても、先ほどにも書いたようにこのところテレビ局はすっかり冒険しなくなり、当たり障りのないないようばっかり報じて小さくまとまり過ぎな気もするので、「おいおい、こんなのほうえいしていいのかよ?」と思うような、常識の限界を試すかのようなきわどい内容をたまには見せてほしい物です。
それにしても、ここで挙げた悪役キャラのモデルがすべて直近一年以内に登場した面々だというのを考えるにつけ、日本も案外タレントに不足していないなぁなんて思えてきます。
6 件のコメント:
>>勧善懲悪物というのは時代を越えて市民に支持される要素があるような気がします
これは水滸伝なんか見てるとよくわかりますねw。まぁ何回も発禁になってるそうですが…。
>>全く使えない元メジャーの日本人選手を高年俸で飽きずに獲得しようとする球団
ぶっちゃけ伊藤隼太くんの出番さえあればいいや、西武ファンだし…。
これはいわゆるお雇い外国人で表現できそうな気はします。明治が近けりゃ(ウケるとは言ってない。
>>風刺と毒が少なすぎるのではと真面目に思います
権力を持ってしまえば権力を批判する側ではなく権力にくっつく側となるべき…。これは組織としての宿命ではないでしょうか。思えば水滸伝はここらへんの風刺もあるように思います。にしたってやはりマスコミの社会的役割を大真面目に考えるならばそうはいかんのでしょうが。
今年は、詐欺まがいの事件が多いですね。
過去に、わたしが本当に「事実は小説よりも奇なり」とびっくりした事件が2つありまして、ひとつめは、「節約のススメ」などの著書の山崎えり子氏の経歴詐称です。この人は、ドイツに留学中に学んだシンプルな暮らし方を実践し、「35年の住宅ローンを7年で完済」とうたって、たくさんの著書を出しました。また、夫が事故で体に障害が残ったため、節約して家計をきりもりしてる、と言っていましたが、家も買ってなければ、ドイツに行ったこともない、夫と別居して愛人と住んでおり、夫も愛人も元気でぴんぴんしていました。わたし自身、山崎氏の著書を買い、節約ワザの全部は真似できないながらも、いいこといってるな~と参考にしていたこともあったので、本当にびっくりしました。
2件目は、重度の脳障害をもちながら、文字盤を指差してメッセージを伝える子供(奇跡の詩人)の特集がNHKスペシャルで放送されていて、こんなことがあるんだなぁ、、と素直に感動したのですが、母親が手を動かしていたとか、、。
大きな事件ではないですが、本当にびっくりしました、、、。
アメリカでは、ディカプリオが主演した映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の原作が実話に基づくものだと知り、これもびっくりしました。10代の若者が、パイロットになりすましアメリカ中を飛び回り、クレジットカードの詐欺をした話です。刑期を終えたあとは、連邦局につとめクレジットカードの不正をとりしまっているそうです(詐欺の手口に精通しているため)。
マスコミを始め、意外と今の日本って全体的にユーモアが足りてないような気がしてこういう記事書いてみました。伊藤隼太は有望な選手ですが、選手育成に関しては「(ーー;)」な阪神で大成できるのか、かつての杉浦太陽みたいにならないでほしいと自分も陰ながら祈っています。
この前の遠隔操作事件の犯人は自分で自分のことをサイコパスとか抜かしてましたが、彼は悪いことすると自然とにやける癖があるため私に言わせれば小物も小物です。さすがにそこそこの年数生きてると文字通り「息を吐くかのように自然に嘘をつく」人間に何人も既に遭遇してますし、例に挙げられた山崎えり子氏みたいなのも何度か目撃してます。もっともここまで派手にはやってないけど。
ここで書くことでもありませんが全く呵責というかためらいを見せずに嘘を吐き続ける人間って少なからず存在しています。無論関わっても何もいいことないだけにできれば避けたい、さらにできれば取り除きたいと思ってますが、そういった詐欺師を中心に世の中大きく動くこともあるだけに、たまに少量のスパイスとして世の中が求めているのかもなこういう人らと感じることがあります。
難しい内容ですね。さすがに勉強家ですわ。
テレビ番組の内容案自体はくだらないけどね。
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