2014年8月30日土曜日

罵り合う良好な日中関係

 相互リンクをしているおでこさんが「プーチン大統領訪日問題と誅韓論」という興味深い記事を書いているので、自分も乗っかってちょっと砕けた国際政治の話でも書こうと思います。
 
 先におでこさんの記事についてちょこっと書くと、東アジアの地政学というのは日中露の三ヶ国が事実上のプレイヤーであって、この地域における唯一の変数というのは実は朝鮮だという、「誅韓論」の記述を引用しています。この主張はなるほどと思うと同時に、事実日清、日露戦争はこの朝鮮(+満州)を巡る三ヶ国の争いだったというのが真相だと思います。逆に言えば変数である朝鮮はパートナーをある程度選ぶ立場にあってどこにつくかを多少は決められる存在なのですが、日中露の三ヶ国はそれぞれほかの二ヶ国のうちどちらかと手を組むということはそれぞれがプレイヤーであるためあまり考えられないという風にも解釈できます。三国志であれば呉と蜀が連合して魏に向かうことがありますが、現在の日中露においてはそれぞれがそれぞれの間で三者三様の緊張感を持っているため「二対一」みたいな構造にはなりにくいと私見ながら覚えます。
 
 ここで話は変わりますが、現在の日中関係について良好であるか険悪であるかを問うならば、日本、中国の両方で「険悪だ」と答える市民が多数を占めると思います。しかし私の意見は実は違って、日中というのは逆説的ではあるものの今、非常に良好な関係にあると考えています。何も奇をてらってこんなことを言ってるつもりではなく、私は今の日中関係を「お互いに罵り合える関係」だと捉えており、先ほど挙げたように地政学上、どうしても対立の火種を持たざるを得ない両国としては言いたいことを言い合える現在のような状態がある意味で最も良好だといえるのではないかと考えるからです。
 
 現在ネットの掲示板を見ていると常にどこかしらで中国を批判する内容が必ず見られると思います。一方中国の方でも日本批判ネタは事欠かず、公共の電波では半日ドラマがほぼ毎日放送されているくらいです。これのどこが良好な関係だと言えるのかと思いますが、もう一つの東アジアのプレイヤーであるロシアに対する日本、中国の態度を考えてみてください。こういってはなんですがロシアの戦闘機が国境線を多少侵犯しても日本は中国がやった時ほどの強烈な拒否反応を見せないと思います。それはロシアに対して日本が信頼感を持っているからではなく、下手なこと言ったらどうなるかわからないからというのが実情でしょう。最近のウクライナ情勢を見てもわかるようにロシアというのは古来より、常識が通じないどころではなく有り得ないことを平気でやってくるところがあり、昔の中国の言葉でいう「虎狼の国」というのが一番しっくりきます。
 
 こうしたロシアの性格については断言してもいいですが、日本以上に中国の方がよく理解しています。国境線の画定こそ果たしているものの中国は陸地でロシアと接しているだけにその危機感というか恐怖感は日本と比べても半端ないほど高く持っており、日露間の北方領土問題に関しても非常に敏感で何か動きがあれば逐一が中国紙に載るくらいです。なもんだから中国も日本と同じように、ロシアがウクライナとか中露国境で何か変なことをしても日本の時とは違ってあまり文句を言いません。何しろ怖いからでしょう
 
 そんなロシアに対する態度と比べるなら、割と日中は何か問題があると政府間、市民間で激しく罵り合いの応酬を繰り返し、それでもしばらくすればまた元通りに経済交流や国交を保つんだから良好、というよりロシアに比べればまだ健全なように見えます。また日本と中国がそれほど罵り合いという接触がほとんどなかった1990年代と比べると、確かに争いの種というか抱える諸問題は増えてはいますが、お互いに罵り合いつつなんだかんだ言いながら双方の国民性なり文化なりで理解が進んできたようにも見えます。最近ではそうした文化を理解しあった自虐ネタもネット上で見られるようになり、たとえば中国なら食品や製品が日本で問題起こすと、「日本人はもっと中国製に気を付けるべきだ」と中国人が言ったり、また日本の変なアニメや漫画が中国で流行ると、「中国の子供がこんな変なアニメや漫画ばっかり見てたら立派な大人にはなれない」と日本人が言ったりなどと。少なくとも、何にも接触無いよりはこうやって他愛ない話題で罵り合ってる方が理解は進むんじゃないかな。
 
 最後にこれは私の想像の話ですが、仮に日中が蜜月といえるような関係というのはどういう状態なのか、やっぱお互いに賞賛し合ったりするのかなとちょっと考えてみたところ、
 
日本「いやぁさすが中国さん。私の様な小日本ではとてもとても……」
中国「いえいえ日本さん。そちらこそいつも見事なお手前ではないですか」
 
 というような会話を交わし合ったりするのかなと想像した所で、「日中でこんな会話されたら激しく気持ち悪い、というか絶対こいつら裏心があるだろ」と思え、やっぱあーだこーだと文句言い合ってる方が日中のあるべき姿だと感じた次第です。

4 件のコメント:

  1. 中日関係の回復はキミにお任せいたしますわ。キミはkey personと思われます。
    小生は上海と大阪の友好関係を深めますわ。

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    1.  この記事は意図して日中関係改善を狙って書いている。こういってはなんだけど、罵り合いすらなくなった状態の方が関係悪いと思えるしね。お互い言いたいこと言い合えば案外日中関係は平たんになってくと思うよ。

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  2. すばらしい記事です。

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    1.  コメントありがとうございます。改めて読むと焦って書いているからなんかところどころ文章おかしくなってます。まぁこうして読んでくれる人がいるからまだいいんだけど……。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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