2014年9月2日火曜日

中国の人民解放軍とは

 後輩からリクエストを受けたので、前にもちょこちょこ書いてると思うけど中国の人民解放軍について素人ながら知ってることを書いてきます。
 
 人民解放軍とは言うまでもなく中国における唯一の軍隊ではあるのですが、厳密に言えば中国という国家が保有する軍ではなく、あくまで中国共産党が私的に保有する軍隊です。この辺日本人の感覚からしたらわかり辛いと思うのですが、日本は国家政府が最高の権力組織で自民党とか民主党など政党はその政府機能を代弁する下部組織であるのに対し、中国は共産党の方が組織権力として政府より上で、たとえ政府がAだといっても共産党がBだといったらBが正しくなる形態をとっております。なもんだから人民解放軍も中国の国家としての法律には縛られず共産党としての綱紀によって縛られる軍隊ということになります。もっとも近年は中国国内でも解釈の見直しが進んできており、事実上「国家としての軍」への看板の掛け直しが進んでいますが。
 
 それで肝心要の軍事力、というかどれだけ人民解放軍は強いのかですが、あくまでやや中国滞在歴がある素人としての意見を述べると、他国の軍隊と比べても非常にレベルが低いというのが現状だと思います。総兵力こそ約220万人で兵士の数だけ見れば間違いなく世界トップでしょうが兵士の練度は中国国内においてもそれほど高くないとの見方がされており、また兵器に関しても旧西側諸国から武器輸出に関してはしっかりマークされているためあまりおぼつかず、自主開発を余儀なくされているため貧弱さが否めません。特に致命的なのは艦船で、最近でこそ遼寧級と呼ばれる空母(ロシアのお下がり)を初めて保有するなど拡充を進めていますが、それでも兵装は古いとしか言えず、また空母に対する離着艦も訓練時間が他国のパイロットと比べて格段に劣ると見られています。
 
 かなり身も蓋もなく批判していますがこれらは以前に読んだ評論の受け売りなのですが、その評論の末尾においては、「人民解放軍こそ自衛隊だ(対外戦闘能力がない)」と締めくくられており、これには私もその通りだと感じます。実際、自衛隊みたいに災害救助などの活動や訓練はまだそれほど多くないし、あと皮肉なことだけど外国相手にするより国内の自国民の暴動を相手にしている数の方が履歴としても多いような気がする。
 
 ただ人民解放軍に優れた点が全くないわけでもなく、長所と呼べる点として真っ先に挙がるのはミサイル発射能力です。なんだかんだ言いながらロケットでの有人宇宙飛行も実現しているだけあってミサイル技術は米国やロシアなどに次ぐ水準にはあると思えますし、また曲がりなりにも核兵器も持っているのでこの点は脅威と見ても間違いありません。もっとも大陸間弾道ミサイル(ICBM)に核弾頭を載せられるかという点についてはまだ怪しく、米軍と一線構えるには角飛車落ちといったところでしょう。
 もう一つ私が地味に注目しているのはサイバー部隊です。中国は自国内でも政府が徹底的なネット監視を行っていますが、人民解放軍内にもハッキングやクラッキングを専門とするサイバー部隊が存在するとよく聞きます。以前にも書きますが次代の戦争においては開戦当初にまずどれだけ相手の通信網を破壊、妨害できるかが重要になると見られ、それこそスパイ衛星の破壊を含めて情報インフラを物理的にもソフト的にどれだけ破壊するかが大事です。そう考えると専門のサイバー部隊を軍隊が保有するというのは理に適っており、この点は日本の自衛隊も参考にした方がいいような気がします。
 
 最後に仮に中国と日本の間で先端がひらいた場合はどうなるかですが、私の見方だとやっぱり自衛隊に分がある気がします。日本は米軍に次ぐ世界第二位の海上軍事力を持つ国であり、なおかつ戦闘機などの装備の面で米軍からいろいろ融通を受けています(高値で吹っかけられてるが)。日本は地理上、本州に上陸された時点でほぼ敗北確定なので戦闘は日本海、もしくは朝鮮半島がメインとなるでしょうが、海上での戦闘であれば今の人民解放軍にまず負けないでしょうし、専守防衛といいつつさりげなく自衛隊は強襲上陸艇とかもあるので離島戦でもそこまで引けを取らないでしょう。
 そして何より、というかこの一点だけで勝敗を見てもいいくらいなのですが、中国において致命的なのは石油備蓄量が致命的なまでに少ないということです。日本は一日当たりの平均使用量の約六か月分の石油を常に備蓄しており、有事の際に極端に使用量が増えたとしても二ヶ月くらいなら全力で戦えると思います。それに対して中国の備蓄量はなんと約一ヶ月分しかなく、もし有事となれば国土も人口も桁違いに大きい分、あっという間に民生用の石油すら枯渇して戦闘どころではなくなるでしょう。この備蓄量の少なさに関しては中国国内でも弱点だと指摘されており、「俺たちももっと日本を見習って備蓄量増やそうぜ」という意見を前に中国紙で私も見ています。
 
 最後にといいつつもう一言。これも大分以前に書いた内容ですが日本人の自衛隊に対する印象としては現在、「好感を持っている」が確実に過半数を超えることでしょう。これは数多くの災害派遣で立派な実績を残しており、防衛の為というより災害対策として自衛隊に期待する意識が高く、その信頼度は下手すりゃ政府より高いかもしれません。
 それに対して人民解放軍ですが、一般の中国人からの信頼はほぼないと言っても過言じゃありません。人民解放軍はろくでなしの行きつく先だと普通に述べられており、また裏金などといった汚職も絶えず、普段威張っている癖に災害時の救助では全く役に立たないと散々の評判です。さすがにここまではっきりとは言わないけど、自国民を束縛することの方が多いと中国人も暗にわかっているのかもしれません。

5 件のコメント:

  1. 今度、日本自衛隊も紹介してください。あまりわからへん。
    小生のリクエストですわ。

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    1.  せやね、案外自衛隊に対する評論って少ないから今度頑張って書いてみるよ。

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  2. いやいや人民解放軍の練度などは相当高いですよ。特に特殊部隊は米軍以上か同等の実力を持っています。戦車や銃器の射撃水準もトップレベルだし。兵器のレベルも90年代から年々大幅向上しています。中国の兵器はスペック相当高いですよ。ただエンジンが輸入に頼っている点は否めませんが。その他のコンピュータ、レーダー、管制装置などは間違いなくトップレベルです。いずれにせよ今自衛隊が有利な点は米軍がバックについていることと、海自が多少上なことです。それ以外は質量ともに足元にも及ばないです。結論として中国はエンジンなどの問題はあるものの世界の三大強軍は米中露です。

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    1.  そのコメントは今日のAECCのニュースを見て書かれたのでしょうか?

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    2. いいえ。違いますけど。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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