先月初めに秋葉原通り魔事件について書いた毎日記者の記事が読んでて非常にムカつくと書きましたが、また今日も毎日の記事で読むからに腹が立つ記事があったのでここで取り上げます。
・<中国撤退>日本企業に「進出時以上の労力」(毎日新聞)
上記の記事は中国から日系企業が撤退する際に従業員の補償などで様々なトラブルが起こるなど多大な苦労が強いられるということを報じる記事です。記事の趣旨自体は真っ当で特に言うこともないのですが、先に一つだけ苦言を呈すと別にこれは中国に限った話じゃないのにさも中国のカントリーリスクみたいに書くのはどうかという気がします。
そういうことは置いといて私がこの記事のどこに怒りを覚えるのかというと、シチズンの広州工場こと「西鉄城精密(広州)有限公司」の清算に関して触れたところで、そのまま該当箇所を下記に抜き出します。
<引用開始>
中国・広州にあるシチズンホールディングスの現地子会社が2月5日、翌日の会社解散と従業員の全員解雇を通告し、約1000人の従業員が抗議する騒ぎが起きた。1997年から腕時計の部品などを製造してきたが、国際的な事業再編の一環で閉鎖を決めた。
中国では通常の解雇は1カ月前の通知が義務付けられているが、会社解散の場合は通知義務がない。同社は「地元当局と協議したうえでの措置で、手続きに違法性はない」としているが、中国国内では「法的に問題なくても従業員に重要な情報を隠していた」(新華社通信)などと批判的な報道が相次いだ。シチズンは最終的に、解雇時に支払う補償金を上積みして、事態を収束させた。
<引用終了>
このニュースについては私も既に過去記事にて取り上げていますが、工場閉鎖のわずか1日前に全従業員に対して突然解雇を通知するなど、はっきり言えば常識外の処理を進めてシチズンは無理矢理閉鎖しています。詳細は過去記事を見てもらいたいのですが、何故このような行為をシチズンほども大きな会社が平然と行ったのか理解に苦しみます。
そんなシチズンの電撃的解雇について上記の毎日の記事では、あくまで私の主観では「法律上は問題ないのに中国メディアは不当にシチズンを批判するので、やむなく補償金を上積みして解決した」かのようなニュアンスで書かれているように見えます。実際に中国の労働法を細かくは見ていませんが解散時には解雇通知義務がないとはいっても、何も閉鎖1日前まで黙っている必要が本当にあったのかとなると非常に疑問です。それこそ夜逃げ当然に会社が倒産したりするならまだ理解できますがシチズンほど大きな会社で、手持ち資金とかもまだいくらかある規模の会社がこういうことをしていいのかといえばそりゃおかしいに決まっています。
更に言えば会社解散であれば解雇通知義務はないという主張ですが、本当にそうなのかとこれも疑問です。広州市政府と何らかのネゴがあったことは間違いないので市政府は何も言って気はしませんでしょうが、だからといって違法ではないかとなると中国なだけにまた別問題です。またこれまで私がこの問題で見てきた記事ではこのシチズンの解雇方をどこも適法とは話しておらず、さっき適当に検索かけてみたレコードチャイナの記事でも労働専門家の意見として、「当局の法解釈は誤っている。従業員の重大な利益に関わる事項に関しては労働組合または従業員の代表と協議しなければならず、20人以上の従業員削減を行う場合は1カ月前に全員に通知しなければならないはずだ」という指摘を引用しています。というより、誰がどう考えたってこれが適法と考えるバカはいないでしょう。
あと補償金を上積みしたと書かれてありますが、私が調べた限りだと通常の解雇時には一ヶ月分の給与を支払う義務があるのですが、シチズンはこれに加え解雇に同意する従業員に対しては勤続年数に応じた上積み金を出すと当初から報じられていました。これは逆に言えば、解雇のやり方が違法だと応じない従業員には余計な金は支払わないと暗に脅すようなやり方だったのではと、私には思えます。少なくとも、美談っぽく書く内容ではありません。
一応シチズンも先月24日にこの件でプレスリリースを出していますが、私から見ればよくもまぁ白々しい言い分をと読んでて呆れてきます。正直、この一件に関しては中国人に「日本人は汚い奴らだ」と言われてもしょうがない気すらします。仮に外資企業が日本でこう言うことやったら絶対日本のメディアも黙っていないと思うのですが、少なくとも毎日からすれば全く問題ないようです。シチズンともども日本からいなくなってくれればと、この一件に関しては思います。
2 件のコメント:
citizenの対応仕方に対し、非常に遺憾に思います。日本国内工場では考えられないでしょう?完全にblack企業ですわ。
この件に関しては本当に中国人従業員に申し訳なく思えてくる。シチズンがここまでひどい会社だとは俺も思わなかったよ。
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