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2016年12月11日日曜日

トヨタが作った超名車「セラ」


 先程、Yahooのトップページの広告欄らしき箇所で、「セラを55万円安く購入するには?」という文章が表示され、気になってしまい開けたページに表示されていたのが上記ページです。画像はないですがページをそのままロールすると、よれよれのプリウスを下取りに出してセラを表示価格の55万円引きで購入したと書いててその秘訣はこちら的にリンクが貼られていましたが、結論から言えば、「舐めたことぬかしてんじゃねぇこのボケ!」と同時に、いろいろな面で狂った文章だなと思いました。というのもセラを買おうとする人なんて、よっぽど頭がおかしい人か、よっぽど車の醍醐味がわかってる人か、サポート対策のため回収に急ぐトヨタ関係者しかいないからです。

トヨタ・セラ(Wikipedia)

 そもそも一体何故こんな広告と出会ってしまったのかというと、恐らくつい最近に友人へこの「トヨタ・セラ」という車を解説した際に検索をかけたからだと思います。その際友人には、「トヨタは十年に一回くらいとんでもなく凄い車を出す。このセラもその一つだ」と言って紹介しました。そんな「セラ」とはどんな車かですが、百聞は一見に如かずなので上記ウィキペディアのサイトを開いて画像をみてもらった方が早いので、是非とも一回は見てください。
 文章で説明するとこの車は1990年にトヨタが発売した3ドアクーペなのですが、何がすごいかってその造形です。なんとドアがランボルギーニやカウンタックといった超高級車と同じ「ガルウィング」という縦に開く構造をしている上、ルーフは全面ガラス張りという、素直に言えばとてもトヨタが作ったとは思えない感じする車です。しかもこれ、百万円台で売っていたというからなお驚きです。

 私個人の印象で述べれば、この車の得意なデザインは現代においても十分通用するように思え、現に私も新車で売られていれば利便性を度外視しても確実に購入を検討していたかと思います。スターレットがベースってのもいいし。
 またガルウィングという特殊な形状を一般量産車に採用したという点も見逃せず、一品物で作るならともかくこれを量産車で実現したというのは技術的にすごい、っていうか普通有り得ないとすら思える水準で、一体この時のトヨタはどんだけすごい工程技術持っていたのかと目を見張りました。販売されていた当時はさすがに私も小さくてこの車の存在を全く知りませんでしたが、後年になってその存在を知り、トヨタの地味に高い技術力に畏怖感すら覚えたほどです。

 そんなセラという車を、55万円引きで買おうなんてはっきり言ってふざけるなというお話です。試しに中古車サイトで見てみたら二台がそれぞれ58万円と67.5万円で売られており、55万円差っ引いたらほとんどタダ同然です。まぁ年数が年数だしほぼスクラップに近い状態もあり得るのですが、プリウスを下取りに出してセラを買おうなんて気違いもいい水準で、恐らくいろんな車種名を登録して同じテキストを表示する広告の類なのでしょうが、よりによってこのセラを表示してしまうと全体的に狂った文章にしかなり得ません。それだけに写真の女性も頭のおかしい人にしか見えなくなるという恐ろしさを含んでいます。

 このセラについて実際に乗車したことはないものの実車は生で見たことはありますが、単純に美しい車だと感じました。小型の車体ながら全体が整っており、何よりガラスでできたルーフが未来的なイメージを感じさせ、もっかいこんなのトヨタ作ってくれないかとすら思ったほどです。もっとも現代でこんな車作ろうものなら確実に衝突安全テストは突破できないでしょうし、コストも跳ね上がって300万円台に乗る可能性すらあります。バブル期だから作れた車の一つですが、こういう面白味のある車を今後もトヨタには期待したいです。

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