もう大分前になりますが友人の紹介で台湾人の方と夕食する機会が得られました。ありそうでめったにない機会、というのも経歴から言ってハイクラスに属し教養のある方だったので、「夏を逃すな」とばかりにいろいろ聞いてきました。っていうかあったの夏じゃなく春だけど。
ついでに書くと、今いる職場はこれまで経歴してきたどの職場よりもハイクラス、ハイスペックな人間の集まる職場ですが、かつて経験したどの中小企業と比べても、彼らの方が圧倒的に気力、体力で勝っているというのはなかなか興味深いです。クロスボーダーという点では私に分がありますが。
話は戻しますがその台湾人にまず聞いたのは地域差で、台北と台南が台湾では二大都市だが住民には違いがあるのかと聞いたところはっきりと「ある」と答えられました。曰く、台北は二次大戦後に中国本土から移ってきたいわゆる外省人が多く、台南は元から台湾に住んでいた本省人が多く、性格も北が理知的なのに対して南が感情的、政治思想や支持勢力も見事に真逆だそうです。
では間の、新幹線も通っている台中はどうかと聞いたら、「途中駅にしかすぎず都市規模も大きくなく、住民もこれという特徴はない」とのことです。
なお台湾の経済集中地区と言ったら新竹と高雄ですが、新竹は北側、高雄は南側で分かれてるそうです。住所で何度も見ていたけど意外とこの辺の地理感覚は持っていませんでした。
この次に私が尋ねたのは、「台湾のトップ企業と言ったらどこになる?」という質問でした。私がそのまま、「日本なら三菱グループ、日立グループがそれにあたるのだが」と具体例を出したところ、割とすぐ即答というか、「TSMCだ」という答えが返ってきました。この答えに私は、「意外だが、あそこかぁ」で、一緒にいた友人の中国人二人は、「なにその会社?」という具合で名前を聞いてもピンと来ていませんでした。恐らく、この記事を読んでいる方もほぼ全員がそうなのではと思います。
・TSMC(Wikipedia)
TSMCとは半導体の生産会社で、知る人ぞ知るIT界の大魔神です。その台湾人の方によると、「誰に聞いても同じ結果になるだろう」というくらい台湾では圧倒的な勢力を持つ会社とのことで、シャープを買収した鴻海精密、台湾内はおろか中国本土のプラ原料もほぼ大半を支えている台湾プラスチックなども大きいものの、TSMCと比べたらとても及ばないそうです。
実際にTSMCの世界的影響力は非常に高く、仮に急なトラブルでこの会社で稼働が出来なくなったとしたら世界の半導体、ひいてはPCやスマホの生産もピタッと止まってしまうくらいの影響力があります。言われるまでは私も候補に入れていませんでしたが、改めてこうして現地の方の話を聞くにつれて「あそこだったのか。まぁまだ納得できる」という具合に一人で納得していました。
この話を聞き終えた後で私から、「恐らく自分以外の日本人ならTSMCと言っても、その業界関係者じゃなければ誰も知らないと思う。現在の日本と台湾は相思相愛と言ってもいいくらいに住民、政府ともに関係が良好だが、今回改めてその中の良さに比べて日本人は台湾事情について明るくないということを思い知った」という内容を伝えました。
なお台湾人の日本人観についても確認を込めて尋ねましたが、日本での報道の通りに基本的に好ましいと考えているそうです。ついでに「日本には来たことあるか?」と聞いたら、「もちろん。北海道、福島、東京、名古屋、京都、大阪、四国、九州の各地!」と言われ、「俺より日本中を回ってんじゃん(;゚Д゚)」というくらい行きまくっていました。その方だけでなく、他の台湾人もほぼ全員が日本には一回は来たことあるそうです。
断片的に語ってきましたがここで一番言いたいことは、関係が良好にもかかわらず台湾の事情について日本はあまり知らなすぎるように思え、やはりもっと関係を深めるためにも、台湾事情について報道、紹介する必要があるのではと考えました。もっともこう言いながら、私も台湾にはまだ一度も言ったことがないんですが。
2 件のコメント:
いわゆるBtoB企業(主として法人相手に商売する企業)はBtoC企業(一般人向けに商売する企業)
に比べて知名度が低いですからね。日本でいえば信越化学、日本電産、キーエンス、ファナック、
竹中工務店は大企業ですが一般人における知名度は低いです。 これらの企業をよく知っている
のは業界関係者か投資家ぐらいでしょう。 だからこそ竹中工務店コピペみたいな笑い話
があるのですよ。( 竹中工務店コピペ とは 自分の彼氏が竹中工務店に内定した。
しょぼい建設会社に勤務する彼氏には将来性がないと思って別れた。その後で竹中工務店が
日本有数の建設会社だとしって別れた事を後悔した という笑い話です。)
ちなみに私も台湾の事についてほとんど知りません。なにせ台湾の主力商品は『台湾バナナ』
しか思いつきませんから。
竹中工務店のコピペは自分も見てます。やはり就活生らをみてると、こういう実力あるB2B企業の存在知らなくて損してるなという印象を覚えますね。
台湾製品と言ったらたしかに台湾バナナでしょう。でもやっぱ今回の体験で、もっと台湾のことを知るべきだと思い知らされました。
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