ちょっと古いニュースですが上のニュース見て、何コロナを言い訳にしてんだとちょっと思いました。コロナのせいで売り上げ減ったと三菱自動車は言っていますが、実際に日本や中国の2020年販売台数は前年比減となったものの、当初予想されていたほど落ち込みは激しくなく、トヨタやホンダに至っては中国での販売台数はむしろ前年比で増加しました。
日本国内も全体でマイナスであるものの全体としては比較的悪くない水準だという観測がされており、少なくとも3000億円超の赤字を喫する理由としてはどうかと思います。主力市場の東南アジア諸国が駄目だったからと言っていますが、それ以前から三菱は駄目だったのに今更何がという感じです。
一方、その三菱を事実上買収した日産自動車に至っては4000億円超の赤字でこちらもかなり笑えない事態となっています。日産、三菱共にコロナ以前から巨額の赤字が続いており、おまけにこれというヒット車もなく従来から売れている車でなんとか命脈保っている状態ですが、今の状態みていると提携(アライアンス)組んだことに意味があるのかと言いたくなるような状況です。
なお最初勤めた会社で外部企業との提携を打ち切る準備を進めていた上司は、「結婚するのは簡単だけど、離婚するのは大変なんだぞ」とぼやいてました。
日産と三菱だけでなく、世の中にはその合併に意味はあるのと問いたくなるような事例が結構あります。同じ日産に関してはルノーとの提携は少なくとも00年代には大いに機能しましたが最近は倦怠期に入っており、マツダとフォードじゃないですが熟年離婚も視野に入れた方がいいのではと個人的に思っています。
また自動車会社以外だとゲーム業界で合併は多いですが、例えばスクウェア・エニックスなどは当初は二大ゲーム巨頭の合併ということで大いに話題になったものの、その提携効果というのは今に至るまでほとんど見られません。むしろ合併してから従来人気のあったIPを打ち切ってFF、ドラクエの量産に走るなど、事業としての広がりはむしろ狭まった感すらあります。FFとドラクエのコラボもいただきストリートくらいしかあんま見ないし、むしろあのまま別れてやってた方が切磋琢磨し合えたんじゃないのと密かに見ています。
同じくゲーム業界だとセガとサミーの合併も未だにピンときません。まだ仲良くやってんじゃないのと思うのはこの前の少し話題に出したバンダイナムコで、こちらは元々IPを商売の旗頭にしているバンダイがナムコのIPをうまく活用するようになったように見え、一緒になった甲斐はあったのではと思う節があります。まぁ馬場プロデューサーに関する質疑回答は見ていて痛かったけど。
そういう意味ではまた自動車業界に戻りますが、トヨタの日野、ダイハツ、スバル、スズキの資本参入は上手い感じに各社の独立性を保ちつつ、緩い提携という形で成功してるんじゃないかという気がします。やっぱり提携と言ってもいきなり異なった会社を一つにまとめようっていうのは企業文化的にも難しいと思え、各社の独立性を保ちつつ管理など共用する部門だけ共用して(ついでにリストラして)というのが企業合併でいい感じになりやすいのかもしれません。
最後に一つ書くと、今一つの試金石となるのはやはりシャープと鴻海でしょう。恐らく今後外国企業に買収される日系企業はどんどん増えていき、そうした外資がどのように日本企業をさばくのか、またどういう支配の仕方が上手くいくのかといういいサンプルケースになると思います。日産もある意味その嚆矢例でしたが、あそこの場合はルノーというかゴーンによる支配だったなという印象で、ゴーン流という手法としてみることはできても外資流としてはあまりいいサンプルケースにはならなさそうです。
4 件のコメント:
スクエニなんかは、現状を見ると現場は合併前とあんまり変わってなくて、管理部門だけ共通してるだけなのかなと思います。
元々クリエイターしかいない会社に莫大な金が入りすぎてコントロールしきれなくなったところ、銀行系の人材を入れての合併だったはずなので、管理部門は非常に官僚的になっちゃってる印象ですね。
ドラクエのスマホゲーはスクウェア系のスタッフが作ってたりもしますが、エニックスは元々社内でソフト作ってなかったので、エニックスの委託先の一つがスクウェアになったって感じでしょうか。
日本の企業合併は業態にシナジー出すことよりも倒産回避のための救済措置のパターンの方が多いんで、あんまり中身に影響出にくいんでしょうね。みずほ銀行みたいなのが最悪です。
日本の企業合併史でいえば言われる通りみずほが史上最悪かもしれませんね。国の政策指導もあったとはいえ、他の三井住友と三菱UFJと比べると未だに内輪もめしている感じですし。
そこそこネタとして成立するから、このネタでJBpressも記事書いてみようかな。
大河ドラマ「青天を衝け」の放送直後のNHK全国ニュースでみずほ銀行の
ATM障害のニュースが流れました。 ネットでは渋沢栄一が作った銀行
(の後継組織)がまたシステム障害を起こしたぞと話題になりました
まぁ渋沢栄一(しぶちー)が設立に係ってない銀行はほぼないのでみずほに限るわけじゃないですが、上にも書いている通りみずほは日本史上に残る最悪の合併例として今後も語り継がれるかもしれません。つい最近ですがみずほ内では「緑化作戦」と号して旧他行の派閥を切り崩そうとする抗争があったことを知りましたが、本当になんでこいつら一緒になったんだよと言いたくなる銀行です。
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