上の記事を読んだ際、記事中で石井氏がクロアチアだと日本みたく同調圧力がないのがいいと話している点が引っかかりました。先日にもノーベル賞を受賞した真鍋淑郎氏が米国で研究を続けていることについて日本の同調圧力に合わせられないといったようなことを口にしてましたが、なんとなく石井氏の乗騎の発言はこれを受けたものじゃないかなと思います。
では外国には本当に同調圧力はないのでしょうか。結論から言うとそんなわけではないと自分は考えています。
まず、日本国内の同調圧力は「ムラ社会」という言葉に代表されるようにかなり圧が強いことは確かです。この辺はいくつか社会学でも研究が出ていたと思いますが、一気飲みやイベントへの共同参加、しごきなどこうした儀式体験を共有することで日本人は親睦や連帯感を高めようとする文化は明らかに濃く、比較平均的に言えば私自身も同調圧力が高い方だと考えています。
ただ、だからと言って他の国には同調圧力が全くないと言ったらそうでもないと考えます。やはり中国人に話を聞くと早く結婚しろとか、周囲の人間関係などとかいろいろ言ってきますし、上記の一気飲みに対する習慣に関してはむしろ日本よりも強い部分もあります。ついでに書くと中国人はプライバシーの意識も弱いため、日本人からしたらプライベートなところにもガンガン入り込んでくるところもあります。
それにもかかわらず外国にいる日本人は、「日本と違って外国は同調圧力がないからいい」と言いますが、これは本質的には「外国人扱いされると同調圧力にさらされない」というのが実態ではないかと見ています。
日本国内でも中国人やタイ人と言った外国人に対し、日本の風習や文化、仕草などを完璧には求めないでしょう。それこそ外国人に「七五三をやったことないの!?」なんていう人いたら、逆にそいつの方がおかしいです。
やはり外国人相手だったらどの国でも自国民に比べ同調圧力は弱まります。感覚的には「まぁこいつは外国人だから仕方ないか」みたいにみられ、多少集団に外れた行為や発言をしても大目に見てもらえます。そういう意味では、日本の同調圧力から逃れたいっていうのなら外国に住むのは間違いではありません。
ちなみにこの例に属すかどうかやや測りかねますが、以前にテレビ番組で明石家さんまがデーブ・スペクター氏を指して、「あいつホンマずるい」と愚痴を言っていたことがありました。何がずるいのかというとデーブ氏がダジャレを使うことを言っていて、「日本人やったらしらけるところをあいつは外国人だから許されてウケを取る」などと話しており、実際そうだろうなと私も思いました。こうしてみるとお笑いにおいても、「自国民には許されないネタ」の一部は外国人には許されるところがあると言えるでしょう。ボビーオロゴン氏なんかもそういうところある気がする。
2 件のコメント:
確かに、仰る通り外国の同調圧力が弱いんじゃなくて外国人への同調圧力が弱いだけなんでしょうね。
外国人が自国の同調圧力に嫌気が差して国外に出るパターンも多いんでしょうかね。
アメリカ人がパーティー文化的なものに嫌気が差して日本に来てるという例はありそうですが。
日本に移住する中国人にもそういうパターンはありそうでしょうか?
中国人の場合は国外脱出理由は圧倒的に政治理由が多く、あとは単純に自国だと貧しいからってパターンが多いですね。もっとも後者は近年大分改善されてきたため、この理由で国外に出る人は減りつつあります。
中国にも同調圧力はあり、特に地方の方だと顕著ですが、中国の場合ですとわざわざ外国に行かなくても省を跨げば文化や習慣、言語が大きく変わるため、国内での移動で済ますパターンが多いと思います。逆を言えば日本は全国どこ行っても日本の同調圧力から逃れられないくらい国内は徹底しているのかもしれません(;´・ω・)
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