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2022年4月8日金曜日

ロシアの行動を読めなかった人々


 上の記事見てまず思ったのは、「出たな偽物め、志位がそんなこと言うはずなかろう!」でした。いやマジでこの人、ニセ志位なんじゃないの?


 さて上の記事では今回のウクライナ戦争前に開戦なしと予想していたロシア政治専門家と名乗る慶応の教授が自戒を込めて反省の辞を述べたとする記事です。何も予想していなかったのならともかく、開戦なしと言っていた上でこの結果であれば確かに批判されるのも仕方ないと思いますが、こうしてきちんと自らの判断に誤りがあったと認める姿勢は好感が持てますし、廣瀬教授には今後もその言葉通りに頑張って活動してもらいたいと思います。

 ただ敢えていくつかケチ付けると、この結果について、ロシアの侵攻開始について廣瀬教授はまだ「論理的な説明はできません。全く合理性がない決断です」と語っているのは正直どうかなと感じます。何故かというと、合理的、論理的な行動を採らない権化みたいなのがロシアだと私はかねてから考えており、逆に言うと、ロシアに対して変に合理的な行動を採るという前提を持つのは危険この上ないと思っているからです。それこそ、「骨を切らせて肉を断つ」という決断や行動を平気で採るような国で、相手に嫌がらせするためには相手以上に深手を負うことも一切ためらわない節があるだけに、「想像できないおかしいことをする」という前提なくして分析なんてしてはならない相手でしょう。
 なお中国もそういう想像を超えた行動を度々採る国ですが、ロシアに比べたらまだマシです。自分はロシアに関しては一切の会話が通じない相手、通じたと思っても実際には相手は平気で無視、横紙破りする国だと思いますが、中国は自分の損得が絡むと途端にこっちの話に耳を傾ける分だけ、会話が成り立つ部分もあると考えています。

 その上で、「これまでの常識が通用しなくなる『パラダイム・シフト』が起きているとして、『新たなパラダイムの研究』の必要性を訴えた。」と言っていますが、これも内心どうかなと思います。昨日今日プーチン政権始まったわけじゃないんだし、あとそんな言うほど世界は変わっていないと自分は思います。一部で指摘されているように、2008年の南オセチア紛争からこの戦争までつながっているでしょうし。


 その点で言えば、上の橘玲氏の論評は読んでて納得感が深くあり、感じるところも多かったです。ロシアの宗教思想、国家思想、政治思想の背景と歴史、その影響をそれぞれ分析しており、やや単純めいた言い方すると、今のロシアは「ファシズム国家」であると言い切っているのには自分の中でストンときます。
 そもそも、こういう「強力な政府によって世界は一元的に管理された方がいい」という全体主義思想の持主は決まって、「その強力な政府とは自国(ロシア、中国)の政府であり、他国の政府(米国)であってはならない」という暗黙の排外主義、選民主義を兼ね備えています。全体、排外、選民主義のトリプル役満こそまさにファシズムであり、「ナチズムを批判するのは自分もナチズムだから」、という一部の指摘なんかまさにその通りでしょう。

 最後にもう一つ付け加えると、橘玲氏の論評を読み、前から思っていましたがロシア人って変に信心深いんだなという気がします。イスラム原理主義のような、神秘主義的価値観をなんか強く持っている気がします。

2 件のコメント:

上海熊 さんのコメント...

廣瀬氏は著書の「ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略」が興味深かったです。侵攻が起きてる今読んでも時代遅れさは感じないです。

ただ実際に起きたのは廣瀬氏が考えていたよりはるかに杜撰でしたが。

花園祐 さんのコメント...

 今回のウクライナ戦争の戦訓としては、核持ってると交渉で異常に強いのと、ハッタリってめちゃ重要ってとこでしょうね。日本も架空のステルス戦闘機「Hei-K3374 ホーイッチ」とかアピールしたらいいのに。