その後、プーチン打倒を目指す反ロシア政府団体が攻撃を行ったと主張しましたが、正確な裏付けがないため真実かどうかは現在判定しかねます。ただそれ以上に意味不明というかわからないのはロシア政府の言い分で、この攻撃について「敵がロシア領内に侵入して攻撃してきた」と主張した点です。
何がおかしいかというと現在激戦地となっているバフムトを含むウクライナの東部二州について、ロシア政府は先に併合を発表し、ロシア領内だと主張しているからです。ロシアの主張に基づくならばロシア領内のウクライナ軍の侵入や攻撃はとっくの前から行われており、現在もなお戦いが続いているはずです。にもかかわらず今回やその前のモスクワのクレムリンにおけるドローン騒動について、まるで今までなかったかのように「敵はロシア領内に攻め込んできた」と主張するのは暗に、ロシア政府も東部二州を自国領と認識していない表れなのではないかと思ってみています。
東部二州の併合前、一部評論家らが「現在も戦闘が続く東部二州を自国領と扱うことでロシア領内への侵略と主張し、核を撃つ布石とするのでは」と批評していましたが、現在のところせっかくベラルーシに配備した核も音沙汰なく、使われないままでいます。結局のところプーチンを含め東部二州、そしてクリミアも併合したと言いながら全くロシア領だと考えてもいないように見え、少なくとも開戦前の国境にまでウクライナ軍が攻撃しない限りは、今のまま核は使われない可能性が高いように思えます。
それにしてもこのところのプーチンの落ちぶれぶりは目に余るというか、先のサミットでF16の供与を欧米が示したのに対し「事態をエスカレートさせる行為で大きな代償を負うことになる」などと北朝鮮そっくりの口調で言いだしたあたり、ロシアも北朝鮮のようにこれからなる布石にも見えます。
そもそも開戦直後、英国のジョンソン首相(当時)に対し、「数分でロンドンを火の海に変えることもできるんだぞ」とプーチンは脅していたらしいですが、これと比べると先の脅しのトーンダウンぶりはもう見ていてられないレベルです。っていうか脅された国は敢えて今、「数分でモスクワを火の海に変えることもできるんだぞ」などとそのまんまロシアに言い返して、「プーチンは前こう言ってたよね。でも実行しなかったよね」などと煽っていい気がします。
まぁ煽るって意味なら、開戦直後に在日中国領事が言った「強い国にケンカを売るべきではない」って言葉を、「日本語じゃなくちゃんとロシア語で言ってあげないから、ロシアは今大変なことになったんじゃないか」と、中国政府に言ってみたいです。ほんと、中国政府関係者は細かい気配りが足りない。
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