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2018年12月28日金曜日

韓国艦艇の火器管制レーダー照射事件について

 事件内容についてはもはや説明は不要でしょう。本日日本政府は見出しに掲げた韓国艦艇の自衛隊哨戒機への火器関税レーダー照射事件について、事件当時の機内映像と音声の一部を公開しました。各所で分析記事が出ている通り、今回の映像では機密保持の観点から一部音声が伏せられているものの、公開されていた映像は韓国側のこれまでの主張とは異なる内容が見られます。具体的には

・捜索中の北朝鮮漁船が目の前にいる
・荒れていると言った波は穏やか
・哨戒機から韓国艦艇へ伝えた通信内容の一部は韓国側が主張するCoastという単語がない

 そもそも、発覚当初に「火器管制レーダー打った」と言っていたのにその後で「実は打っておらず打ったのは光学カメラ」と言いなおしている時点で嘘八百ついていることは百も承知でしたが、どうしてまたすぐわかる嘘をつくものだとみているこっちが呆れてきますし、現状の双方の主張を見る限りだと贔屓なしでも私は日本の主張に真実性を感じます。
 それにしても今回の騒動は見ていて腹立たしいことこの上なく、多少過激な主張で実現は不可能だとはわかってはいながらも、この際断交するのて手かとよぎりました。少なくとも軍事面で今後、このように問題をいたずらに大きくしながら関係者の処分、再発防止策を取らない韓国には後ろから銃を撃たれるような事態も想定されるだけに、米国の機嫌を損ねてでも軍事協力だけでももはや立つべきではないかと感じます。

韓国国防相の更迭もありうるレーダー照射事件の報い(JBpress)

 今回のこの問題で私の根城ことJBpressでいい記事が出ていたというか、2013年の中国艦艇による火器管制レーダー照射事件が振り返られています。詳細は読めばわかりますが、当時も中国贔屓の私ですら危険極まりない行為で腹立ちましたが、今回の韓国の対応を見ると、まだ中国は話し合える相手だったなと思えます。

 当時のレーダー照射、特に二度目の照射に至った背景については上記記事によく描かれていますが、自分が当時の状況で未だによく覚えているのは中国報道官の発言です。具体的には、「中国政府としてはレーダー照射を把握していない」という内容でした。
 当時、中国としては既にレーダーを照射したことは半ば認めていたのですが、敢えて報道官は上記のような発言を取ったと思われます。是の言わんとするところは、善意で受け取るなら、

「今回のレーダー照射は現場の軍関係者が独自に行ったもので、政府が指示したものではない」
「中国政府としては抑え込みたいが、海軍らが政府方針の妨害を考えている可能性がある」
「日本政府に置かれては、この問題を煽らずなるべく穏便に対応してほしい。煽られると中国政府も抑えきれなくなる」

 というメッセージだったのではないかと私は見ています。実際にあの時のレーダー照射は現場の独自判断だっと見て間違いありません。
 よく誤解されがちですが、中国政府と中国軍こと人民解放軍は決して仲がいいわけではありません。むしろ軍縮に積極的(研究予算とかはバリバリ増やしているが)な中国政府に対して解放軍の反発心は強いとされ、習近平もSPを軍縮対象の陸軍から空軍所属者に切り替えたとすら言われています。

 そうした背景から言って当時の中国報道官の発言は、偉そうな言い方だとは感じるものの、「レーダー照射による紛争拡大は中国も望んでいない」というメッセージ性が感じられました。少なくともその後、中国艦艇からの同様なレーダー照射事件は起きてはいません。

 それに比して、というよりも中国の時にあれだけ大きな問題にもなったにもかかわらず、今回の韓国政府の対応はわざと火に油を注ぐような行為で、ひたすら頭に来ます。一部韓国よりの論者が日韓関係を考慮して日本が折れるべきだという主張をしていますが、この火器管制レーダーは一歩間違えれば攻撃に直接つながる行為であることを考慮すると、その意見には首肯できません。
 仮にここで日本が折れ、韓国側で何の綱紀粛正や対策が取られなければ調子に乗って同様の行為が再発、頻発化する恐れがあり、実事故に発展するリスクは確実に高まります。中国のように、暗に今後はこうした行為は控えるようなメッセージが込められているならともかく、今回の韓国政府の態度を見る限りでは無反省、居直りしか感じられず、むしろ日本に責任転嫁しようとするその態度に対しては、日本が強硬な立場をとることが今後の韓国軍にとってもプラスだとすら思います。

 今まで韓国政府に関しては正直あまりいい印象を覚えていませんでしたが、今回のこの火器管制レーダー照射事件を受け、自分の中で一気にその印象が悪化しました。無論だからと言って韓国人個人に対して差別的感情を持ったりするのは良くなくそうしたことはしてはならないし、やっている人がいたら注意しなければとは思いますが、国としての付き合い方についてはやはり大きな距離を置くべき相手、言ってしまえば利に聡い中国の方がまだ話ができるという気がします。

2018年12月27日木曜日

広州と孫文

 友人から「広州ネタはよ(´・ω・`)」と急かされたので仕方なく書きます。

 先日にも書いた通り、先日広州にいる友人を訪ねる形で旅行してきました。これまで中国の南方都市は香港に割と長く滞在し、その間に深圳とかも尋ねてはいましたが、これまで広州は中国の主要都市でありながら一度も訪れたことはなく、どんな感じなのかなと興味はありました。
 ただ訪れるに当たってあまり前準備はせず、都市としてのイメージも工業都市であってあんま歴史とかないかなと思っていましたが、本当に行く前日になって調べ始めたら辛亥革命以降の時期は文字通り革命の中心地であったことから、国民党関連の史跡とかが残っていることがわかりました。特に孫文の出生地である中山市と広州市は接していることもあり、孫文関連については盛り沢山でありました。


 上の写真は市内中心部、具体的には広州市政府官庁の目の前にある孫文記念館です。この日はたまたま地元の小学生の何らかのイベントがあったせいで敷地内は小学生でごった返していましたが、とりあえずでかい施設であることはよくわかりました。

記念館敷地内にある孫文の銅像



 記念館のほかに、「第元帥府」というかつて孫文が臨時大総統であった頃に広州市に置かれた政庁跡地があり、こちらの方がパネル展示などが充実していました。


大元帥府近くの住宅。こんなんありなの?


 この大元帥府内の展示には孫文ゆかりの品物も多くあり、中でも目を引いたのはこの手紙でした。下に見える解説文によるとこれは孫文が日本の犬養毅に送った手紙だとのことで、孫文率いる国民党、中華民国を日本側からも支持してほしいという意思を伝える者だそうです。
 文字がやや古く達筆すぎることから細かくは読めませんでしたが、よくよく子細に見てみると「頭山先生」、「渋沢先生」といった単語が出てきており、これはそれぞれ頭山満と渋沢栄一を指しているとみられます。

 知ってる人には早いですが孫文の日本政財界におけるコネクションは強く、上記の二人以外にも孫文を熱烈に支援した日本人は多いです。ただ残念ながら、現在の日本市ではこの時期、具体的には辛亥革命による清朝崩壊から中華人民共和国成立までの時代が取り上げられることは少なく、この時期の日中偉人同士の交流はあまり知られていません。
 もっとも、この自分をもってしてもこの時期の中国の流転ぶりにはついていくのが難しく、それほど理解していないのが本音です。今回広州を回って一部キーワードとかは頭に入れてきたから、腹くくって今度調べなおすのも手ですが。


 同じく大元帥府には、意外と日本ではお目にかかることの少ない若い頃の蒋介石の写真があり、珍しいのでわざわざ写真に撮りました。なんていうか髭がないと「誰こいつ?」と、元プロ野球選手の小笠原選手みたいな印象を覚えました。


 同じく展示されていた上記写真の人物は馮玉祥(ふうぎょくしょう)という革命期から二次大戦終結まで活躍した軍人ですが、こちらは一目見て、「あれ、クロちゃん?」と思って思わず写真撮ってしまいました。つぶらな瞳がやけに印象的ですが、実際この人は牧歌的な人物で部下たちからはすごく慕われた人物だったそうです。
 っていうか最近こういう歴史人物の写真見ると、どのお笑い芸人に似ているのかとか考えてしまうことが増えてきました。

2018年12月26日水曜日

自動翻訳に見る日本語の可能性

アマンヤンユン(トリップアドバイザー)

 上のリンク先は上海のリゾートホテルの予約ページですが、何気なくこの前レビューを見てたら、恐らく外国人が書いたレビューが日本語に自動翻訳されてて、以下のような文言が書かれてありました。

「しかし、23日に私たちをFour Seasons Pudongに連れて行った運転手はひどかった!私が見た最悪の運転手!彼は他のドライバーと非常に失礼だった、それらを切って、彼のライトを点滅させ、ドライバーが遅すぎると、彼は遅いドライバーを通過したとき、彼はいつも何かをかき鳴らし、イアホンで大きな音を聞いていた。二度彼はそれを止めた。彼はまた、連続的かつ嫌なことに、非常に大声で粘液を咽喉に引き寄せて嚥下させた。彼は加速しすぎて早すぎた。」

 ホテルは良かったけどタクシー運転手が悪かったという感想なのですが、黒字の部分はいわゆる「カー、ペッ」っていう痰吐き行為のことを言っているんだと思います。私が驚いたのは、一見ぎこちない日本語ながら上記の黒字部分を読むだけで痰を吐いている光景がまざまざとイメージできたことです。しかもやけに印象に残るし。

 自動翻訳というとキチンと訳してくれないイメージの方が強いですが、上記の通り時と場合によっては既存の日本語表現を上回りかねない、非常に的確な表現を生み出すこともあるようです。ちょっとこれで私も見直したので、今後機会があれば研究してみようかと思います。
 ちなみにもう一つ気になったレビューはこちら。

「1泊の滞在と1200ドルで、私たちは最高の高価な部屋を確保しました。アフタヌーンティー、サラダ、炭火焼き鳥などのサービスは、復活の価値はありませんでした。しかし、少年はそれが豪華です!」

 なぜ炭火?

2018年12月25日火曜日

コメダ珈琲での電子決済返金の顛末

 先日、買い物の帰りに上海市内にあるコメダ珈琲に寄って、まとめ買いした「煉獄のカルマ」という漫画を読んでいました。知ってる人には早いですがこの漫画、今度アニメ化する「五等分の花嫁」の作者が作画しており(原作は別の人)、内容も自殺という重いテーマであることから一時期話題になった打ち切り作品です。個人的には好きだし絵柄も作画している春場ねぎ氏にとって五等分より雰囲気も合っているように思えるので、また機会があれば短期集中連載で復活してくんないかなとか思っています。
 それにしても巻末のおまけ漫画が面白い。

 話は戻りますが漫画数冊分を読むためブレンドのラージ(32元=約510円、ちょい高いような(;´・ω・))を頼んで読み終えスマートフォンで電子決済し、家帰ってウキウキワクワクと昼寝しようと思ったらなにやらスマホがチカチカ。何かと思ってみたら、先ほど支払った32元の代金が返金されていました。
 この時点で恐らく、コメダ側が何らかの操作ミスによって自分に間違って返金したのではないかと思い、面倒だけど明日になったらもうわけわかんなくなるだろうから、もう一度お店に行かなくてはと考えました。ただ昼寝が最優先であったために2時間ぐっすり昼寝した後、起きたら小雨が降り始めていて嫌だなとか思いつつ、自転車に乗って再びコメダまで行ってきました。

 店に着くと幸いなことに、会計した人とは別ですが昼間の時点にいた店員をすぐ見つけられ、さっそくスマホの電子決済代金確認画面を見せながら、「代金を支払ったのに何故かその後返金された」と伝えたところ向こうもすぐ合点がいき、「すいません、こっちの操作ミスで返金してしまいました」と、自分の思った通りの事態が起きていたことを明かしました。
 それならばとその場でもう一度代金32元(ちょっと高いような(;´・ω・))を支払って、お礼言われて帰りましたが、電子決済だとこういう操作ミスが今後も起こりうるかもなという風に思います。

 何気にというか今回すぐに事態が把握できた理由として、最初の代金決済を行った店員があまりこうした処理に慣れていないように見えたからです。採用されたばかりだったのかもしれませんが、電子決済用のコード読み取り機の操作に少し戸惑っており、返金が通知された時点ですぐに不慣れな操作からミスったのではということが予想出来ました。
 こうした場合、代金の決済の間にはアプリ会社、若しくは金融会社自体が挟まるため、当事者同士で直接やり取りすることが実は難しかったりします。現に私もコメダ珈琲の店舗に直接連絡とろうかと思いましたが決済確認通知からは連絡を取ることが出来ず、直接店舗に赴くしかありませんでした。

 現金での支払いなら釣銭間違えとかは起こりうるでしょうが、まさか代金丸ごと返金みたいなミスはまず起こりえません。一方、電子決済の場合は操作ミスによってはこういうことも今後起こりうるだけに、そうした場合にはどんな対処をするべきなのかとかも考えておくべきかもしれません。


           

2018年12月24日月曜日

甦る悪夢(;´Д`)

 またしばらく更新していませんが特別な理由ではなく、広州に旅行へ行っていただけです。旅行内容はまた暇なときに少しずつアップしようかと思いますが、一番語りたいのはホテルでした。

 今回は二泊三日で現地ホテルにに博する必要があったのでC-tripで探したところ、友人との合流地付近はやたらサービスアパートメントしかなく、普通のホテルはあんま見当たりませんでした。
 参考までに話すとサービスアパートメントとは長期出張者向けの、台所などを備えたホテルで、基本的に通常のホテルと比べると部屋や設備が穢かったり、たばこの焦げ跡などが目立ったりするので短期滞在なら使わない方が吉です。

 そんな中、普通にホテル(賓館)と書いてあるホテルが一泊160元(約2500円)と安くで存在することに気が付き、迷わずそのまま2泊を予約しました。このホテルについて友人は、「安すぎる、怪しい」と言いましたが、「俺はかつて出稼ぎ労働者が泊まる木賃宿にも泊まったことのある男だ(´・ω・`)」と言って意に介すことはありませんでした。

 そんな込んだで宿泊当日。昼過ぎに広州についていくらか見学した後でホテルに到着すると、なんか写真で見てたよりずっと汚いロビーで、フロントにいるおっさんに宿泊手続きを頼むと、「おーい、客だぞー!」と後ろに呼びかける。しばらくして女性が来ましたが、こんな感じでフロントに受付が常駐していませんでした。
 そして指定された部屋を訪れると、ドアを開けた瞬間に据えた匂い、っていうか激しい便所臭がして、「えっ、ちゃうやん(゚Д゚;)」とか焦り始めました。よくよく眺めてみるとトイレとシャワーは一体、っていうか仕切りが一切なくてシャワー浴びたら確実に便器がびしょぬれになる構造で、床はくぼんだ箇所があり水たまりができていました。っていうかそれ以前に水をぶっかけて普段から掃除しているのか、部屋に入った時点で便器がびしょぬれのまま「消毒済み」というテープが巻かれてありました。

 他の室内もそこら中がカビている上に漆喰は剥がれ、何故か粉砕された椅子が置かれてあるなど独特のセンスのある部屋模様で、窓も完全には閉まらない仕様でした。さすがにきついと感じたものの予約した手前、二日間我慢すればどうとでもなるんだと思ってスリッパを探したら、ゴムのスリッパで破損個所をビニールひもで無理やり補修してあったので後で買ってこなきゃと思いました。

 その後、友人と合流して広州を堪能した後で部屋に戻りシャワーを浴びようとしたところ、どれだけ長く待ってもお湯が出ないということに気が付きました。広州はあったかいので我慢できないこともないものの、さすがに旅先で風邪ひいたらえらいことになると思い、泣く泣く手足と顔、頭だけを洗って済ませました。
 なお洗面所の蛇口はひねるとすぐお湯が出てきました。

 さすがにここに至って、「明日もこんなところで寝るのはイヤだ」と思って、めちゃくちゃ湿ったベッドの上で携帯を弄り、明日のホテルを探し始めました。最終的には280元(約4500円)のホテルを近くで見つけて早速予約を入れ、便所の臭いが漂う部屋で我慢しながら、っていうかあん真似られなかったけど夜を明かしました。
 翌日、フロントには予定を変えたからもうチェックアウトする、返金はしなくていいと伝えて去り、その夜は予約した漢庭ホテルという全国チェーンのビジネスホテルに泊まりましたが、ただの、それもどちらかといえば格安の方のビジネスホテルなのに、普通にお湯が出たり、シャワーに仕切りがあるだけでなんかめちゃくちゃ感動しました。でもってよく眠れました。

 なお値段の安さを懸念した友人は事の顛末について、「それ見たことか( ・´ー・`)」と言ってきましたが、この件に関しては全く反論することが出来ませんでした。っていうかいまだにシャワーにお湯の出ないホテルが存在するなんて、そこそこ中国歴長いけど完全に想定外でした。

 ただ、かつて私が上海で住んでいた部屋を思い起こすと、シャワーはお湯は出るものの便所臭は常にしていて、当時はいろいろ対策しながら住んでいました。逆を言えば自分が豊かになったせいかそういう者への耐性が弱くなっているとも言え、豊かさの代わりに強さを失っているということに今回気が付かされたわけです。まぁもう一度取り返そうという気持ちはあんま起きないですが。

2018年12月20日木曜日

昨日出た記事について

 本題と関係ありませんが、「アクシズの脅威」というゲームにて何故か「ドム」の量産が始まった後に「プロトタイプドム」の開発が終了しました。不思議なタイムパラドックスを見て、狐に包まれたような不思議な感覚を味わいました。

総括・中国バブルはなぜ崩壊しなかったのか?(JBpress)

 それはさておき本題に移ると上記リンク先は昨日出た自分の記事ですが、結論から言うと実は少し失敗したと思う点がある記事でした。それは何故かというと、当初はもっとたくさんのチャイナリスクとして指摘されている問題をさらって何故それが「リスク」から「ダメージ」に転化しないのかを幅広く解説しようと思っていたところ、住宅バブルと少子高齢化を取り上げただけであっさり文字数が埋まってしまい書けなかったからです。
 自分でもびっくりでしたが、グラフの作成を含め約2時間程度で書きあがってしまい、どうすんねんこれとちょっと途方に暮れたところもあります。一応メジャーな問題二つ上げたから記事としての体裁は保っているものの、やはり読み心地的には本人としても納得がいかず、もう少し攻勢を考えるなり、見出しを工夫するなりしてもよかったかもしれません。

 なおこの次、先週末に書いた再来週に出る予定の記事に関しては、自分でもあり得ないくらいに経済コラムとしては完成度が高くて気に入っています。

 話は戻り今回の記事のヤフコメですが、まぁどうせたくさんの批判が来るだろうと思っていましたが、自分が思っていたより記事内容に同調する声も多く、中でも「中国バブル崩壊論は予測というより期待」といった内容のコメントが散見され、割と自分の言いたいことをきちんと受け取ってくれている人はいるなとは感じました。
 一方で、「崩壊はこれからだ」、「既に始まっている」と言っている人については正直、そんなこと言ってて恥ずかしくないのかと内心思います。中国経済が好調だというデータを出せば情報操作されていると言い、逆に不調だというデータが出ればそれみたことかと信じるダブルスタンダードには飽き飽きしていますが、ちょっと目に付くコメント垂れてた奴がいたので晒します。



jis*****

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今年の後半期から急激に給与が下がっているのを考慮していませんね。
2018年前半と後半で給与の逆転が始まっているのですよ。
このまま給与の下落が続けば来年は確実に大暴落が始まりますよ。
世界の企業もそれを感じ取っているのか、最近になって撤退している企業が相次いでいます。
スズキも撤退したと言ってましたからね。
ファーウェイショックも中国は隠していますが思っているよりも深刻だと思います。
おそらく連鎖的に中国の他企業に波及するでしょう。
潤っているのは深圳だけと言う事をお忘れなく。



 上記のコメントですが、少なくとも中国で賃金が下がっているなんてデータを私は見たことがありません。また日本国内の報道を見ていても、中国崩壊論はあるとしても、このような言及野された方をしている報道は私は知りません。でここだけの話、自分以上にあらゆる分野のニュース、特に中国関連を網羅している人間はかなり限られると思われます。
 それどころか都合がいいのでまとめて解説しますが、中国の企業では基本毎年定期昇給があり、昇給幅は数%、具体的には5%前後毎年上がります。一時期ほどではないものの物価も年々上がっているので給与がそのままだと貧しくなることから、定期昇給を行わなければガチでストライキ、人材流出につながるだけに、同じ会社にいて給与が下がるケースは少なくとも私は見たことがありません。まぁ倒産間際の遅配なら別ですが。
 あと賃金観測によく使われる大卒初任給もずっと上がっており、2010年くらいは2000~3000元だったのがもう現在は5000元をオーバーしています。

 それ以上に大きいのは、日本でも一部報道されていましたが今年に中国は個人所得税改革を行い、低所得層から富裕層に至るまでほぼすべての納税者の所得税が減税されました。年収2000万円を超える層ですら減税対象に含まれ、低所得層に至っては月収5000元くらいまでなら所得税がゼロ扱いになるなど、かなり手厚い減税策となっています。
 それと同時に、消費税も大半が引き下げられ、もっとも幅広く適用される税率は17%から16%に引き下げられています。事実上、手取収入は増えて物価は引き下げられ、国全体で消費を活発化させようと手厚い政策が採られています。この環境で給与阿が下がっていると、何を根拠にどこのデータで言っているのか、真面目に見せてもらいたいものです。勝手な妄想するのは人の好き好きですが、それを口に出すか出さないかは、特に海外報道においては許されないケースもあると私は考えます。

 それにしてもよくもまぁ堂々とこんなこと言えるなと思います。まぁいちいち相手にしなくてもいいのかもしれませんが。

 それともう一つコメントを見ていて思ったのは、「中国は共産主義だから」というコメントが多いのが目につきました。このコメントについて私の方から少し言わせてもらうと、政治体制的には共産党の一党独裁ではありますが、経済体制においては既に中国は日本以上の資本主義国だと私は捉えています。具体的には中小企業が潰れることに対して全く呵責がなく、むしろ効率化を進めるためにしょうもない企業は潰すか、統合させて産業再編するべきだと下から上まで本気で言っています。

 昔、私が日本は中小企業を大事にし過ぎると言ったところ同僚だった女性社員が、「中小企業が潰れてその経営者や従業員の華族が路頭に迷ってもいいんですか?」と食って掛かってきたことがありましたが、多分大阪出身だからそういう思想を持ったのでしょうが、

「日本の多くの中小企業は経営効率も悪く実質破綻していながら、妙な補助金とかで無駄に生き永らえ、きちんと黒字を出せる経営効率のいい企業から客を食って余計に経済を悪化させている。でもって場合によってはまともな黒字企業の方が補助金を得るコネがなくて逆に潰れるケースもある。そうしたゾンビ企業(十年くらい前だが本当にゾンビ企業という言葉を当時使った)が生き永らえるせいで、そいつらの何倍もの数の人間が路頭に迷うことになるんだよ」

 と言って黙らせましたが、ガチであの時は無言で殴りつけてもよかったと思います。そう思うくらい、必要以上に中小企業を保護する悪弊について、日本人は無関心過ぎると日ごろ思います。

2018年12月18日火曜日

ハリウッドの黒人男優らについて

 ハリウッド映画における黒人俳優を敢えて言い表すなら、代表的マイノリティとするべきなのかなと個人的に思っています。人種的、配役的にはマイノリティに属すものの、現実としては日本人を含むアジア系や中東系の人種と比べれば人数、配役ともに恵まれており、ハリウッド映画において優秀な俳優を供給し続けています。

 そんな黒人俳優、特に男優についてですが、以前と比べればややその傾向ハウス待って来たかなとは思うものの、私が子供だった頃から黒人男優と言ったら「面白黒人」とも言うべきポジションが多く、具体的には「おしゃべり」、「冗談好き」、「でかい」の三拍子が揃っているのがお約束でした。なお戦争映画ではたまに寡黙な黒人俳優も出てきますが、大体がどれも上記の三拍子が揃ってて、あとでかくて画面映えすることから割と善戦して倒れるようなキャラも多かったような。
 そうした「面白黒人」というポジションはいつから確立したのかと言われれば定かではありませんが、個人的にその代表格として多くの人間に認知されているのは間違いなく、「ビバリーヒルズコップ」等で有名なエディ・マーフィーでしょう。コメディアン出身という背景に加え、徐々にキャリアの中で演技力を高めていったことから代表的黒人俳優として認知されており、私の中でもハリウッド映画における黒人俳優のポジションを固めた最大の人物だとみています。

 そんなエディ・マーフィーに、「あいつは42歳でブレイクしたんだぜ」と、かつて自分が主演する映画に端役として出演していながら、現在は自分を大きく上回るようになった相手への高度な皮肉を吐かせたのは、サミュエル・L・ジャクソンです。エディ・マーフィーの言う通りにキャリアとしてはかなりの遅咲きですが、現在国人男優の中でもキャリア、ギャラ等の面で最高峰にいるのは間違いなくこの人でしょう。
 主な出演としては「スターウォーズ」のメイス・ウィンドウや「アベンジャーズ」のニック・フューリー等ですが、どれも威厳のある大物感があるキャラばかりで、実際にその表情、特に眼力は画面的にも印象が強く、演技力も申し分ないことから現在の地位にも深く納得します。個人的には、「パルプフィクション」で演じたギャング役のセリフの言い回しが一番好きですが。

 そんな上記の二人とはやや趣が異なり、どちらかと言えば前線よりも後ろから暖かく見守る系の大物国人男優としてはモーガン・フリーマンがいます。多くの出演作の中でも個人的に一番印象が強いのは「セブン」でブラッド・ピットと組む定年間際の刑事役ですが、黒人キャラは割と荒々しいキャラが多い中、非常に知的なその演技はなかなか他の人では見られません。

 以上の三人が私が見る中で最大級の黒人大御所俳優三人衆ですが、これに次ぐスターに挙がってくるのはウィル・スミスでしょう。この人は「メン・イン・ブラック」などのキャリア序盤でこそ典型的な面白黒人でしたが、近年は重厚感のある演技もできるようになり、何より度の出演作でもヒットを飛ばすというのは実力の賜物でしょう。
 そんなウィル・スミスからやや遅れてブレイクしてきたものの、現在は「アベンジャーズ」のジェームズ・ローズ役でお子様の間でもすっかり有名となってきたのがドン・チードルです。この人はどの映画でもあまり面白黒人っぽいキャラは見せず、むしろなんでか知らないけどやたら忍耐を求められ顔全体で大汗かくようなキャラばかり演じている気がします。特に「ホテル・ルワンダ」の主演では、汗かいてないシーンなんてないんじゃないかっていうくらいでしたが、逆を言えばそういう緊迫感を伴う中で責任感を示す俳優と言ったら今この人が一番ではないかとすら思わせられます。

 同じく、「アベンジャーズ」出演組だとブラック・パンサー役のチャドウィック・ボーズマンがいます。この人の場合は何気にアベンジャーズに出る前の、米メジャーリーグ史上初の黒人選手であるジャッキー・ロビンソンを描いた「42」も観ていますが、この映画の時点で類まれな演技力と画面映えする仕草から売れるだろうなという感触を覚えていました。ブラック・パンサーではまだ若さ故の暴走っぽいシーンをよく見せられはしますが、42での演技は先のドン・チードル同様に忍耐を誇示する場面が多く、なんとなくですがこの辺りから黒人ときたら「面白黒人」というものではなく、「我慢に我慢を重ね責任を果たす」というような忍耐系のキャラが増えてきたように思えました。近年の黒人キャラの描かれ方も、なんとなくそういうのが増えてきているような気がするし。

 このほか有名どころを挙げると、「ラッシュ・アワー」シリーズのクリス・タッカーは一時期めっちゃビッグになってましたが、最近はなんか見ないなと思ってたら全然映画に出演していなかったようです。なぜやろう。
 あとダニー・グレッグという「プレデター2」で主演を演じた人もいますが、この人は後に「ソウ」という有名ホラー(スプラッター?)映画でもプレデターの時みたいに刑事役を演じてますが、こちらでは犯人のジグソウの罠にかかって相棒同様にあっさりやられちゃいます。このシーンは見ていて、「なんでプレデターには勝てるのにジグソウなんかに負けちゃうんだよ」と、個人的にやや不満でした。