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2024年7月2日火曜日

アニメ史で何故か語られない東映アニメーション

 今や巨大な産業となった日本のアニメ産業ですが、その発達史を追うような気地鳴り番組ではほぼ確実に手塚治虫が作った虫プロが触れられ、ここから日本のアニメ史は始まったかのように語られます。でもってその後にはジブリが続き、近年においては評判の高い京都アニメーションがよく取り上げられるように見えます。まぁエヴァのガイナックスはこの前消滅したけど。
 しかしこうした日本のアニメ史に関する報道や解説を見ていて密かに不思議に思う点として、東映アニメーションについて誰一人として触れることがありません。

東映アニメーション(Wikipedia )

 東映アニメーションとは東映傘下で始められ現代もなお続く動画スタジオで、なんとその発足は1947年と戦後まもなくで、虫プロなんかよりもずっと早くにスタートしています。また制作した作品は「北斗の拳」や「ドラゴンボール」をはじめ、日本はおろか世界中で視聴されるトップクラスの人気作品を数多く揃えています。
 まぁ貸し切り状態の映画館が続出した「ポッピンQ」も作ってるけどね。

 そもそも、虫プロの発足自体が東映アニメーション出身者が参画しており、日本のアニメ史を語るのであれば本来なら東映アニメーションから始まるのが筋なはずです。しかしながら前述の通り、東映アニメーションは虫プロやジブリ、あとガンダムのサンライズなどと比べると、その活動や歴史について触れられることはほぼ、っていうか全くありません。
 ここで簡単にその理由について推測で述べると、一つには宮崎駿氏や富野御大などの大物というか一般にも知名度のある名物監督がおらず、いまいち注目が低くなっている可能性があります。ただそうした大物の不在以上にでかいと思うのははっきり言うと、この会社がかなりブラックなことで有名で、常に労働関連で裁判を抱えていることから、東映アニメーション出身者もあまり多く語らないのではないかという気がします。

 その辺の下りは上のWikipediaによく書かれていますが、よくアニメ業界の過重労働は虫プロに絡めて語られることが多いですが、ぶっちゃけ虫プロなんか生ぬるく感じるような激烈な話が東映アニメーションには多いです。

 ただ会社の労働環境はブラックだとしても、日本アニメ界への影響というか貢献では明らかにでかい組織なだけに、もっと東映出身者らから過去の製作現場やスタジオとしての発展史などについてもうすこし語ってほしいものがあります。

 オチらしいオチにやや欠けますが改めて東映アニメーションについて調べた時に感じたのは、意外と日本のアニメ史については作品の変遷について述べられるばかりで、制作側のスタジオやクリエイターについてはあまり触れられてきていないような気がします。この点は明らかにマイナスだと思え、今後こうした点についてももっと光が当たり、労働環境の改善を含め議論が深まればと思います。

 さて「久遠の彼方」やらなきゃ。ツンデレでヤンデレな妹キャラめちゃつよい。

2024年6月30日日曜日

ゲームの「久遠の彼方」の感想

 先々週までほとんど雨降らなかったのに、今週は毎日雨が降って今日にいたっては豪雨もいいところでした。朝も早くから窓際に雨漏りするくらい(豪雨限定)雨が降ってたたき起こされ、その後も降っては止んで、止んでは豪雨でを繰り返すので、仕事で体力も減らされているので家から出ずに過ごしました。

久遠の彼方(フリーゲーム夢現)

 で、家の中で何をしてたのかというとこれです。マジで朝起きてから夕方に昼寝するまで、昼食をはさんで延々とこのゲームを遊んでました。

 この「久遠の彼方」ですが。以前に自分も散々取り上げた「新説・魔法少女」という同人ゲームと同じ作者が作ったまた新たな同人ゲームです。この人の作品ではもう一つ「ハーチウム」もクリアしていますが、どれもシナリオが小説単体としても通用するくらい出来がよく、「そろそろやめないと……」と思いつつ、先が気になるので今日みたいに延々と時間が続く限り遊んでしまう引きの強さがあります。
 現在は全30話中の折り返しに当たる15話をクリアしたところですが、公判に行くにつれて1話当たりの長さが無茶苦茶に長くなっていくため、実際にはまだ半分にも到達していないでしょう。相変わらず非常に硬派な難易度のシミュレーションRPGですが、「ハーチウム」、「新説・魔法少女」に比べたらかなり優しくなっている印象があります。特に「ハーチウム」に関しては後半のゲストユニットだけで戦う面は極悪もいいところで、我ながらよくあれをクリアしたなと今でも思います。

 話を戻すと、今回の「久遠の彼方」は現代世界で中学生少女たちが戦う「真説・魔法少女」とは異なり、「ハーチウム」と同じく剣と魔法の中世ファンタジー世界が舞台となっています。この世界では魔法が使えるか否かで貴族と平民が分けられ、貴族の出であろうと魔法が使えなければ容赦なく追放されるという、かつての「サガフロンティア2」に近い世界観になっています。
 ただ「サガフロ2」と違う点として、魔法が使えないキャラはマジで一切役に立たないという点です。一応魔法が使えないユニットも仲間にいますが、戦闘では攻撃力がなく打たれ弱くてほぼ全く役に立たないし、魔法武器を持たせられたキャラもいますがいないよりマシ程度です。こうした世界観に合わせた強さの区別は作者の過去作でもはっきり出ており、残酷なくらいにはっきりさせられています。

 大まかなストーリーとしては最初でこそ魔物を討伐しに行ったり、後継者争いをしている国に仲裁に行ったりと王道なファンタジーですが、途中から魔族が絡んで二国間の戦争が引き起こされ、主人公らは第三国に絡みつつその戦争に落着を目指していく展開となります。何気に、詳しい世界観の説明がないままいきなり複数の国の名前(しかも覚えにく)が出てきて、その国の王子や王女、辺境伯が出てきたりするので話が飲み込みづらく、1話をクリアしてから2話に至るまで結構時間が空きました。話の入り方に関しては、やや入りづらさを感じて欠点ではないかと思うほどでした。
 とはいえ中盤に入ると大まかな世界観も理解でき、何より相変わらず灰汁の濃いキャラクターたちばかりで、何人も登場人物が出てくる中で誰一人として埋没しないほど個性がはっきり分かれており、ストーリーの面白さが一気に開けてきます。

 恐らくですがこの作者の好みなのかキャラクターの中には過去作と共通する個性というか位置づけを持ったキャラクターを多々見ます。具体的には、

・やけに暴力的な極度のブラコン妹
・上のキャラのストレスのはけ口にサンドバックとなるお付きキャラ
・女好きでセクハラを繰り返す女性キャラ
・やたら世話好きなおかんキャラ
・真面目なツッコミ役となる主人公の身近な友人
・セクシーさが売りの司祭
・おちゃらけた格好と口調なのに実はしっかり者
・陰でめっちゃ毒づく地味系キャラ

 ただ今回の「久遠の彼方」では、キャラクターの女性比率が高かった「魔法少女」と比べると男性キャラも数多く出ており、それら男性キャラもいい味出しています。特に最初は嫌味っぽい王子として登場しながら、非常に物分かりが都度適切な判断を下して行動するパーキンというキャラはいいキャラだなと見ていて思います。戦闘面ではやや器用貧乏だけど……。

 もう一つこのゲームの特徴を述べると、最初プレイしていてすごい驚いたのは主人公にとって敵役となる勢力をプレイヤーが動かすという点です。作者の過去作では首尾一貫して主人公を動かし続けるゲームだったのですが、今作ではステージによっては主人公が一切登場せず、その敵役となる勢力のキャラクターを動かして攻略する面が数多く出ます。ストーリー上では明らかに敵役なだけに、「こいつら本当に味方なのかよ(;´・ω・)」と思って、レベル上げを一瞬躊躇しました。
 ただこれは短所ではなくむしろ長所であり、主人公と反目する勢力がどのように動くのか、またその勢力内の人間関係はどうなっているのかがよく見えてきて、群像劇としてそのストーリーの深みを高めているように思えます。実際、今一番のお気に入りのキャラはめちゃしっかり者なトゥルン姉さんだし。

 こんな感じでプレイしていますがほかのプレイ報告を見るとそうプレイ時間が90時間という人も多く、まだまだこのゲームは続きそうです。最終的にクリアしたらまた改めて感想記事でも書こうと思います。

 それにしてもツクールソフトのSRPG Studioは出来てから結構古いのにいまだにこうして作品作られる当たり、息の長いツクールな気がします。もっといいツクールとか今後出てこないかな。

AI生成イラストの登場で感じる写真の登場時代

 本題と関係ないですが前に書いた「千葉のマッドシティ~ダイエー松戸駅西口店(Dマート)」の記事が怒涛の勢いでアクセスを増やし続けています。松戸のみんな気になるんだろうか(;´・ω・)

 話は本題ですがこのところPixivなどでAIが生成したイラストを眺めたりしているのですが、定期的にAI生成イラストを公開している人のイラストを過去から追っていくと、数ヶ月ごとにイラストの質が向上しているのが見て取れます。単純に生成者がプロンプトの組方を学んでいる以上に生成AIの能力が向上していることが大きいように見え、それもあってかAI生成を始める新規参入者も増え続けており、このペースで言ったらいったいどれほどまでにAI生成イラストは進化するのだろうかと密かに目を見張っています。
 それこそ2年前くらいなら、「あ、これAI生成だな」と一目でわかるくらいAI生成らしい癖(正面画が少ないなど)がありましたが、今年に入ってからはその手の癖も見なくなり、マジで人間かAIかわからなくなってきました。なんかターミネーターっぽいセリフだ(;´・ω・)

 ただこの流れ、かねてから懸念されていましたがイラストレーター、特に同人作品で生計を立ててきた人からしたら脅威以外の何物でもないでしょう。単純な線画だけならまだしも、AI生成絵だと手間のかかる着色まで一瞬で生成してきてしまい、また人気作品のキャラクターほどAIもより学習してきちんと生成してくるものですから、1枚や2枚のイラストだけならまだしも、数十枚単位のイラストをパッケージで売る場合はAIの方が効率で明らかに勝ります。
 幸いというか、さすがにコマを分けての漫画作品として生成するまでには今のAIは至っておらず、この点で同人漫画作家なんかはまだ生きる道がはっきりとあります。ただ今後、ウェブトゥーンのようにセリフ吹き出しのある1枚絵を連続させて漫画のように見せる形式が流行ってきた場合、ここでもAIの侵略を受けることとなることから、同人作家からしたら規制もしたくなるのもよくわかりますし、実際脅威と感じている人が多いようです。

 以上のような状況を見ていて、「写真が登場した時代もこんな感じだったのだろうか?」という印象を覚えました。写真が本格的に普及し始めた19世紀、写真技術に当時の絵画作家らはかなり脅威に感じたと聞きます。それもそのはずというかこれまで肖像画で食ってきた人たちが、自分たちが一から書くよりも正確で、しかも短時間でできあがってしまう写真があるのだから、自分たちの仕事が当然減るわけです。

 ただこんな風に脅威を感じ、実際に仕事量が減った絵画作家もいたでしょうが、主にフランスの作家の間で日本の浮世絵などをヒントに、「実際通りに書かなくてもいいんだ」という発想から独自の解釈や見解を作品に盛り込む印象派が生まれ、絵画制作は現代においても続くようになっています。

 今後AI生成の発展がどう影響するかはまだまだ読めない点もありますが、こと同人業界に関しては間違いなく大きな影響を及ぼし、効率化が進む一方で専業者の数が減るのではないかと思います。その一方でAIとは異なる持ち味を今後どう確立するか、またAI生成者の方もその技術をどのように広げるのかが業界発展を左右するように思います。
 特に後者に関しては、既存の漫画制作などにおいても劇的な効率化を達成しうる可能性があるように思います。具体的には背景や群衆などのモブ作画などで、AIによってアシスタントいらずになるかもしれません。

 別に自分はイラスト方面に造詣あるわけじゃないですが、写真の登場と比較するにAI生成いらしストの先行きについてはいくらか興味を感じます。

2024年6月29日土曜日

安藤美姫氏の報道について

【悲報】安藤美姫さん、泣き叫ぶ(暇人速報)

 実際のところはどうだかまだ確認が取れませんが、フィギュアスケートの元選手で現在はコーチもしている安藤美姫氏について教え子の16歳の男子に手を出しているとの報道が出ました。今のところまだ一度も目にしてはいないのですが、自分が真っ先に浮かべたのはジャニーズ事務所の問題で、あれだけ大騒ぎしたにもかかわらずこの件に対する報道がスキャンダル報道にとどまっているということに疑問を覚えます。そもそも報道を受けて警察なども何も動かないのか、この点で違和感があります。

 言うまでもなく報道が事実だとしたら性的虐待に当たる行為であり、なればこそ厳しく状況を調べ、このの真偽を確かめなければなりません。少なくとも文春の報道によると複数人の証言は出ていることからも、「本人同士の問題」で片づけるべき内容ではないと思うし、こう言っては何ですが当事者があの安藤美姫氏っていう点でも、注意しなきゃならない案件だという気がします。

 それにしても社会の反応が鈍いというかなんかこのままいくとジャニーズ問題の反省が全く生かされず、日本はそういう国だと海外からも思われるんじゃないかと勝手に懸念しています。まぁ杞憂かもしれないけど。

2024年6月27日木曜日

黒川元検事長の定年延長に関する情報開示について

黒川氏定年延長巡る文書開示 「個人のため法解釈変更」―大阪地裁(時事通信)

 安倍政権の後半では森友問題をはじめ強引な政権運営が目立ち、特に法律や規定を無視した行為が非常に目立ちました。仮に安倍晋三が今も生きていたら場合によっては激しく糾弾される立場になっていたように思え、そういう意味では彼はいい時期に死んだなと思う節があります。皮肉なことですが、彼の死によって統一教会問題もメスが入ったわけですし。

 そんな安倍政権の独断専行に関して自分が一番眉を潜めていたのは、今回裁判所が情報開示を命じた黒川元検事長の定年延長問題です。この問題については詳細は省きますが、簡単に言えば安倍政権寄りの黒川氏を検事長に据え、森友問題の捜査を妨害することを期し、本来なら定年で退職することが規定されているにもかかわらず、その規定を無視する形で彼を検事長に任じたといったところです。
 なお法規を捻じ曲げてまで検事長に据えてもらった黒川氏ですが、その後記者らと賭けマージャンをやっていることが報じられ、法治国家の根底を揺るがす人事でありながら結末はあっけなく、この件ですぐ辞任となりました。その数ヶ月後には安倍政権も退陣していますが、ぶっちゃけ政権を守る検事がいなくなったこの件が影響したのではないかとも見ています。

 今回はこの黒川氏の検事総長就任を巡る不可解な判断について関連文書を開示せよとの報道ですが、これに限らずこのところ検察の問題がよく取りざたされています。大川原化工機の冤罪事件はもとより、プレサンス事件の責任裁判も進行中、そこへきて大阪地検元検事正が何と5年前の性的暴行事件で今になって逮捕されるなど、かつてないほどのバーゲンセールぶりです。
 特に最後の事件に関しては何故これほどの月日を経て急に捜査が動き出したのか、背景理由が何かあるとみてほぼ間違いないでしょう。考えられるのは大阪地検内部での内部派閥抗争、次に政権側、つまり官邸の方針変更に伴うGOサイン、最後にいまだ明らかになっていない大型不正または冤罪事件といったところかとにらんでいます。

 それにしても大阪地検はプレサンス事件といい、問題ばかり起こす機関だなという気がします。まぁ大阪に限るわけではないですが、このところの一連の不祥事を受けて真面目に検察に対する信頼は大きく揺らいでいるように見え、ちょっとやそっとの対応じゃ信頼は取り戻せないという気がします。
 私自身、もし日本にいて同じ考えを持つものと一緒に行動できるのなら、大阪地検の前を大挙して押し寄せて「容疑者には正直に言えと言いながらお前らは正直に言わないのか!」などとシュプレヒコールをしたいとすら思います。もしこれで捕まったら「記憶にございません」と言えば問題ないようですし。

2024年6月25日火曜日

蘇州市の日本人母子襲撃事件について

 仕事中、東京上空で突如インド人がハイパー化して大暴れするような映画を急に見たくなりました。人間がハイパー化するというと非現実的ですが、インド人だら「もしや?」と思ってしまいます。
 さらにインド人がハイパー化した上で分身までして見せたらもう手が付けられない。

蘇州の日本人母子切り付け 中国外務省が「遺憾」表明 「偶発事件」と強調(産経新聞)

 本題に移すと、中国生活にかなり慣れている自分ですが昨夜このニュースを見たときはさすがに戸惑いを覚えました。
 ここに出てくる蘇州とは上海市から大体50キロくらい離れたところにある江蘇省の主要都市で、さすがに上海や広州には負けるけど、中国でも屈指の大都市です。また上海のすぐ隣という立地の良さから日系企業をはじめ多くの外資系企業が進出しており、経済規模も高く治安もよくて日本人からすれば住みやすいと思われている場所です。私自身も昆山市から何度も自転車で訪れていますが、イオンもあるし地下鉄もあるし、大都市で住みやすそうだなと思っていました。

 そんな蘇州で起きたこの通り魔事件。犯人の動機については報じられておらず日本人、もとい外国人を狙ったのか、人種関係なく無差別だったのかはまだわかりません。ただこうした無差別通り魔事件が起きたということもさることながら、これだけの事件が起きながら当初報道規制をして事件を一切報じようとしなかった中国政府の反応の方が私には恐ろしく感じました

 昨夜に日本の中国大使館サイドからの発表を共同通信が報じた後、すぐに私は中国語でもこの事件が報じられていないか調べましたが、一切報じられていませんでした。一部の個人ブロガーなどは報じてはいたものの、ニュースの引用元は日本側の発信であり、一目で中国政府が報道規制を敷いているとわかる状況でした。
 その後、今日の夕方になってようやく中国メディアも報じるようになりましたが、先日も吉林省で米国人4人が刺傷を受けるショッキングな事件を中国が黙殺していたことから、今回の事件も黙殺されると私は踏んでいました。最終的には公開しましたが、最初の反応からすると当初は黙殺しようと考えていたものの、日本側の反応を懸念して後から公開を決めたという風に見ています。

 何故中国はこの事件を当初は黙殺しようとしたのか。報じると模倣犯が発生するとか外国人へのヘイトがさらに高まることを恐れたとか色々言われていますが、単純に中国かっこ悪く見えるニュースはあまり国内で報じられたくないだけなんじゃないかと思います。ただ今回の場合はかばった中国人女性も怪我を負い、日本側の懸念や不安も大きく注目を集めたことから報じることとなったのでしょうけど、そもそも報じるかどうかを思案する時点でどうかしているでしょう。
 極端なことを言えば、今回の一件は今後中国で特定の外国人を狙ったテロ事件が起きたとしても中国は黙殺したり、事実を隠そうとしようとするのではないかという懸念を高めただけで、無意味に中国の信用を下げたに過ぎないという風に思えます。

 最後に中国の最近の治安について述べると、経済は確かに不景気ですがそこまで治安が悪化しているようには感じていません。そもそも昔の中国の方が色々おかしい人が多くて、喫煙禁止の場所で喫煙するのは当たり前、赤信号は守らない、あとその辺で子供にうんこさせるのも最近は見なくなりました。
 逆にというか個人的な体験で言うと、先日歩いていたら急に肩叩かれて、「おいお前、ポケットからさっきなんか落ちたぞ」と、傘袋を落としたのを教えてもらう親切に逢いました。蘇州の事件は確かに残念だしひどい事件ですが、中国人がみんながみんな通り魔をやるようなおかしい人間ばかりではなく、むしろ親切な人も多いということはわかってほしいです。

2024年6月23日日曜日

語り継がれないギャグ漫画家

漫画に出てくる手塚治虫(あにまんch)

 上のまとめ記事のようにすでに逝去から何十年もたっているにもかかわらず、手塚治虫についてはいまだにあれこれ語られています。それだけエピソードに堪えない人物だということもあるでしょうが、同じくエピソードが多く、手塚と同時期に並び称されたあるギャグ漫画家についてはこのように語られる場面をほとんど見ません。勿体ぶらずにその名を挙げると、赤塚不二夫です。

 赤塚不二夫についてはあまり説明するまでもないですが、彼の名を近年見たのはアニメで「おそ松さん」がヒットした時くらいで、それ以外ではまず見ることもなければ、作品名がリバイバル的に再評価されるというケースも見ません。これは彼の作品の価値が低いというよりも、流行に左右されやすいギャグマンガというジャンル故、「ブラックジャック」や「火の鳥」といった手塚作品と比べ赤塚の作品は時代を超えて読み継がれることが低いせいだと思われます。

 私自身ですが昭和後期の生まれですが、あまり赤塚作品を読んで面白いと感じたことはほとんどありませんでした。とりあえず「シェー」のポーズなどは誰にでも認知されているのでまねたことなどは子供の頃にありましたが、そこまで面白いと思って読んでていたかというとそうでもなく、当時は「おそ松くん」のアニメも放送されていましたがそこまで積極的に見ているわけではありませんでした。

 こうした傾向は何も赤塚作品に限るわけではなく、ギャグマンガ全般に通じる話です。大体連載終了から2、3年も経てば作品名が語られることはほぼなくなり、また時流の変化に伴ってかつては笑い読まれた作品が笑って読めなくなることも珍しくなく、時代を超えて読み継がれるギャグ漫画自体が希少だということでしょう。

 敢えて挙げるとしたら、「エンジェル伝説」なんかは今の子供に読まれても十分笑わせる実力があるのではないかと密かに考えています。あとマイナーだけど「うめぼしの謎」とか。

 逆に不思議なのが、連載終わってから10年近く経って急激に評価を高めていると思える「ボボボーボ・ボーボボ(中国語:鼻毛神拳)」です。私も連載当時はつまらないとは思わなかったけどあまりにも不条理過ぎてついていけませんでしたが、なんかこの年になって急激に再評価がすすみ、「ところてんの介は素晴らしいキャラだった……」などと人に語るようにもなっています。マジでこの心境の変化は自分でも不思議なのですが、確かに読者をぐいぐい引き込む力は群を抜いており、それが時を超えて今になっても引き込んでいるのではないかという気がします。

 逆に今読んだら全く笑わないだろうなと思う作品を上げると、単行本も買ってたけど「突撃!パッパラ隊」な気がします。連載中ですらキャラ増やしていた後半から笑えなくなっていたし、前半は「無知との遭遇」などのサブタイトルとかも面白かったんだけど。
 同じくガンガンの「ハーメルンのバイオリン弾き」も、中盤のガンガン隔週化時代に急激に質を落としてから笑えなくなり、今読んだら当時以上に微妙に感じる気がします。パンドラ母さんの登場回とかは今でも好きだけど。